◆思えば遠くに来たもんだ
考えてみたら、この連載がスタートした2012年4月当時、俺はバリバリのコンシューマ畑の人間で、スマホのアプリなんてほとんど触ったこともなかった。
このころ、当然ながら俺はファミ通の中の人間で、ポジションは……週刊ファミ通副編集長兼ファミ通コンテンツ企画部(ゲーム関連書籍を作っていた部署)の編集長だったかな……? 正直よく覚えていないのだが、ずっと部署を共にしてきた盟友、中目黒目黒がファミ通Appの編集長となって、それぞれ違う仕事に従事するようになっていたことは記憶にある。
それでも、毎日の昼飯と夕飯は名物社員食堂“殿堂”で必ずいっしょに食べていて、ゲーム業界に関する情報交換とか、俺が毎週6誌も購読していた週刊誌のゴシップネタの共有とかとか、他愛のない会話をしながら多忙な日々からの現実逃避をはかっていたのである。
そんな目黒がある日、珍しくマジメな感じで、
「大塚さん! ぜひとも遊んでほしいアプリがあるんです!!」
と言ってきたのが、2012年4月11日のこと。いまから12年以上も前のことだ。目黒はファミ通Appに異動してからというもの、何とかして俺に記事を書かせようとしてたびたび、
「大塚さん、こんなアプリどうっすか?」
と薦めてくることがあったが、その言葉の裏にある本音として、
「まあ、どっちでもいいんすけどね」
という心根が透けて見えたので、俺はあまりその言葉に乗ることはなかったのだ。でも、不思議とこのときだけは必死さすらうかがえたので、
「まあ、そこまで言うなら……」
ってな感じで自前のiPadにそのアプリをダウンロードしたのである。当時、そのアプリはiOS版しかリリースされておらず、俺は思いっきりAndroidユーザーだったのでそうするしかなかったのだ。
そのアプリとはもちろん、『パズル&ドラゴンズ』。
しばらくのちにアプリ業界の……いや、ゲーム業界の歴史すら動かすことになる、稀代の作品との出会いだった。
でもこのときは、「一応、やってみっか」てな感じのスタートだったがために、開始直後から数日間のスクショを1枚も撮っていなかったんだよな……w それが……我がパズドラ史において、もっとも悔やまれることのひとつ!!!ww ちなみに、何度もお見せしているけど、俺が初めて撮影したパズドラのスクショは↓こちらの、
さて、出会った初日のことに話を戻すと、俺は初めてプレイしたパズドラのあまりの完成度に度肝を抜かれ、記念すべき第1回目の記事でつぎのように記述しているのである。
◆以下、熱血パズドラ部第1回目からの引用◆
俺はその日、iPad2にダウンロードした『パズドラ』を無言でプレイし続けた。急ぎの原稿やコラムが山積みになっていたのに、「俺は何も見なかった」とブツブツ言って、カラフルなドロップを動かし続けたのである。
そして数時間後、俺はようやくiPad2から目を離し、skypeの窓を開いて目黒にこんなメッセージを送った。
「……明日、スマホをiPhoneに機種変してきます!!w」
デカいiPad2でプレイするのはめんどくせえ! つねに手のひらの中に『パズドラ』を置いて、いつでもどこでもプレイできる環境を構築したい! それを実現するためには、機種変するしかない! やらいでか! 『パズドラ』を遊ぶためだったら、いますぐ乗り換えてやるぜえええええええ!! はぁはぁ。
このためだけに機種変を断行してしまったほど、『パズル&ドラゴンズ』は“刺さる”ゲームでした。いまは空いている時間があればひたすら、目を血走らせてドロップを動かしています。パズルの部分が楽しいのはもちろんですが、モンスターを集め、合成し、成長させ、自分だけのユニットを構築していくのがこのうえなくおもしろいのです!
そんな『パズル&ドラゴンズ』を遊んでいる様子を、ここで綴っていくことになりました。いままで数々の“プレイ日記”を書いてきましたが、存在を知った1週間後にプレイ日記を始めちゃうのは初めてのことです(笑)。
◆引用終わり◆
このときに胸に刺さったパズドラという名の棘は、12年以上が経過したいまも俺の心から抜けようとしない。むしろさらに深く、シツコク食い込んできて、いまや俺自身と一体化しているキライすらあるわww
そして書き始めた熱血パズドラ部は当初、
「なんとか20回……贅沢を言えば単行本が1冊できるくらいまで書ければいいねえ」
なんてヌルいことを目黒と話していたんだけど、気づけば連載100回目で宿敵・ヘラを討伐し、
「あれ?」
と思ったときには1周年を迎え、
そのころには仲間と居酒屋に集まるやいなや、
「今日は楽しいゴッドフェスです!! みんな、いっしょに回しましょう~~~!!!www」
なんて掛け声が上がって、
こんな、阿鼻叫喚の一喜一憂が街のアチコチから聞こえるようになっていた。パズドラは社会現象となって日本の津々浦々に広がり、その勢いに背中を押されながら当連載も順調に回数を重ねていくことになったのである。
そして、アレよアレよと連載500回に到達して“公認プレイヤー”の称号を戴き、前人未踏の連載1000回を迎えたときにはギネスに申請しようとすら思い(※思っただけ)、そして、いま……!!
ついに、連載1500回に到達しました~~~!!!(泣)
同一タイトルのプレイ日記連載としては、冗談抜きで世界最長であろう。それだけ書いても書き尽くせないほどのネタを提供してくれ、いまだ日々進化し続けてくれている伝説的なタイトルに関われた幸せを、いま改めて噛みしめている次第である……!!
この日記、1話につきだいたい2500文字くらい書いているから、単純に1500話に換算すると……俺がこれまでにパズドラに費やしてきた文字数は……!!!
え?? 375万字……!!? そそそ、そんなでっかい数字になんの!?!?
しかも、この連載意外にもいろいろなところでパズドラについては書き散らしているので(3本くらい連載してるからな)、たぶん合計したら500万字(!)は超えるだろうな……!! 我ながら、これには「あっぱれ!!」を贈りたい!!!ww
さて、1500回を迎えたと言っても何かが変わるわけもなく、また明日から通常運転で毒にも薬にもならないことを発信して参ります。
それが、熱血パズドラ部!
読者の皆様、関係者の皆様、今後とも末永くよろしくお願いします。
そして……!!
改めまして、ありがとうございましたーーー!!!
1501回目に続く!!
▼前回の記事