『コトダマン』6周年記念プロデューサー&ディレクターインタビュー|10周年を迎えるための基盤改修と原点回帰

2024-05-27 17:00 投稿

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共闘ことばRPG コトダマン

6周年にして異例の基盤改修を行う理由とは?

MIXIの『共闘ことばRPG コトダマン』(以下、『コトダマン』)は2024年4月に6周年を迎え、6周年を記念した公式生放送を実施。さまざまな最新情報や、今後のロードマップについて発表した。

 
 

今回は6周年を通じて発表のあった『コトダマン』の今後に関するさまざまな情報に関連して、プロデューサーの大槻一彦氏(文中:大槻)、ディレクターの望月貴矢氏(文中:望月)ら2名にインタビューを実施したので、その内容をお届けしていこう。

5周年から現在までの1年間を振り返りつつ、各種発表内容と今後の展開についてお話を伺ったので、ぜひ最後までチェックしてほしい。

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▲大槻一彦氏(左)と望月貴矢氏(右)。

※本稿は『コトダマン』の提供でお送りします。

6周年までの振り返りとこれからの展望

――6周年おめでとうございます。まずは5周年目というこの1年を振り返り、総括をお願いいたします。

望月: 5周年ごろを境に久しぶりにリアルイベントを実施させていただくようになりました。これまでも公式放送という形でユーザーとの接点はありましたが、実際にお会いする機会が増えたことで我々も距離が近づいた実感がありますし、ユーザー同士のコミュニティもこれまでより少し活発になったように感じています。

リリースから年月が経ってコンテンツや機能が増えてきた結果、コラボなどを通して『コトダマン』を始めてくださった方々には複雑な印象を与えてしまっている部分があります。もともと『コトダマン』はほかのゲームにはない、特別なコツを必要とするゲームなので、そこをケアするためにユーザーがより快適に遊べるような取り組みを行ってきました。

具体的には初心者ナビや攻略ナビ、「バトルのコツ」についてのチュートリアルやヘルプの拡充といった部分ですね。クエストごとのオススメの文字軸を表示する機能も追加しました。

ストーリーでは言王界編がクライマックスを迎えましたが、さまざまな挑戦とともに始まったキャラクターたちがみんなに愛されるようになったことを感慨深く感じています。

――いちプレイヤーとして、おすすめ文字軸の表示はものすごくありがたい変更でした。

大槻: 社内ではこうした攻略知識もゲームの一要素と考える人が多くいたのですが、追加するべきかどうかはチーム内でも議論がありました。

望月: 知っていることで有利になったり自慢できるという要素もあるかとは思うのですが、『コトダマン』は“ことば”を使うゲームなので性質上どなたにも遊んでいただけるのですが、安定して4文字以上の“ことば”を作るにはコツがあったりするんですよね。なので、ソーシャルゲームとしてより多くのユーザーに楽しんでいただけるように舵を切りました。

文字軸s

――これからいよいよ10周年に向けての折り返しを迎えますが、その第1歩となるこの1年はどのような年にしたいとお考えですか?

望月: まず6周年は“未来”をテーマにしていて、ストーリーが大きく動き、舞台も言冥界へと移ります。また新たな遊びとして“戯言戦”が5月末ごろからスタートします。

こうしたコンテンツを通じて「10周年に向けて心機一転! フレッシュな気持ちで遊んでもらいたい」という意識がある一方で、ただ過去のものを捨てるわけではなく、むしろ『コトダマン』ならではの“ことば”を使って楽しむという要素に原点回帰し、もっと拡充させていきたいですね。

編成や戦略性という要素は他のゲームでも味わえる可能性がありますが、“ことば”という要素は我々独自のものなので、“ことば”を扱うことでしか味わえない楽しみをもっと届けていきたいです。

もうひとつ、10周年を目指すうえでは欠かせない要素として、開発基盤システムの改修も目指していきます。皆さんに面白い体験をたくさんお届けしていくうえではこれが近道になると思うので、10周年までの長いマラソンの途中で息切れしないためにも、同時にやっていかなくてはならない1年になると思います。

――基盤改修は長い時間がかかるイメージがありますが、終わる目処はどれぐらいを想定しているのでしょうか。

望月: かなりの大作業なので専門のチームを作って取り組んでいるのですが、1年はかかってしまう見込みです。それでもすべてを改修しきれるとは思っていないのですが、まずは1年を目処に注力し、あとは優先順位をつけながら進めていく予定です。

――このタイミングで基盤システムの改修に踏み切った理由についてお聞かせください。

大槻: 『コトダマン』がリリースされた時期はソーシャルゲームのアプリが量産されていて「とにかく早くリリースしなければチャンスを逃がしてしまう!」という時代でした。そうした背景もあって、システムが必ずしも最適な設計になっていところに長い運営でさらに問題が積み上がっておりまして、前々からこうした基盤の改修はしたいと思っていたのですが……。

その時それぞれの優先度を考慮して、つねに改良を重ねてはいたのですが、なかなか取り組むことができない期間もありました。ただ、もっとおもしろいことをやりたい、もっとおもしろいものを届けたいのに提供できないという状況だったので、ここは我々としてもずっとストレスになっていた箇所だったんです。

――いわばユーザーと作り手側の双方にとってストレスになっている状態だったんですね。

大槻: まさしくその通りです。しかし先日の決算発表でも『コトダマン』は増収増益をしており、10周年が絵空事や夢物語でなくなり、ちゃんと事業として投資できる段階になりました。

そこで、これからユーザーの皆様の期待に応えていくためにも、ここでちゃんと新しいコンテンツを入れられる基盤をしっかり整え直そうということに決めたんです。今後はいままで以上にできる幅も広がっていきますので、ぜひ期待して見ていてほしいです。

――この手のシステム改修について公に発表するのは珍しいですよね。10周年を目指す覚悟を決めたという、決意表明のようにも感じられます。

大槻: 決意表明でもありますが、これまでユーザーの皆様も我慢していた部分があると思うので「これからもまだまだ続くよ! さらに本気でいくよ!」と伝えたかったんです。

望月: 実際あと1~2年でサービス終了する可能性があるタイトルであればこうした改修はしないので「冗談や絵空事ではなく、本気で10周年に向かっていくぞ!」という決意の表れでもあります。

大槻: 過去のインタビューで「10周年、20周年を目指します」と話したときには話半分で聞いていた人も多かったと思うのですが、この1年で「本当にいけるんだな」という確信をユーザー・作り手ともに感じられる状況になってきたと思います。

今回はきちんと10周年を目指す体制が整ったからこそ事業として先行投資しているので、そこが伝わるといいですね。

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“ことば作り”の楽しさ

――ゲーム内ではコトバースト(7文字をつなげたときの特別な追加ダメージ)など遊びの形が進化しているのを感じます。これらの開発の目的や意図があれば教えて下さい。

大槻: このままソーシャルゲーム的なインフレを続けていくと、“ことば作り”の楽しさがだんだん消えてしまうという危惧があったんです。それで“ことば作りの楽しさ”への原点回帰をこの1年考えてきました。

望月: これまでの環境は攻略のために“ことば”を手段として使っているような一面があって、“かこうこう”、“こうこうとう”のような組み合わせをひたすら作り続けるような状況がありました。それは攻略するべきゲームとして正しい選択であり、ひとつの楽しさでもあるのですが、我々としてはもっと多くの“ことば”を作って楽しんでほしいんです。

今回実装したコトバーストの7文字だと、ピンポイントでこの文字を使わないといけないという場面も出てくるので、ふだんはあまり使用しない文字や作成しないことばを作って攻略するような場面も出てくると思います。こうしてより多くの文字を使ってほしい、ことばを作ってほしいということで実装することを決めました。

あとは単純に「7文字を達成したらもうちょっと褒められるべきだよね?」というのもあります(笑)。

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大槻: 当初は“ことば作りの楽しさ”を提示していくのは難しいだろうと思っていましたが、今では「やればできるな」と感じています。いまはもっとポジティブに、ゲームクリエイターとして作りたいものが増えてきていますね。

――今後実装したいと考えている新しい遊びについて、言える範囲でお聞かせください。

望月: まだゲーム内で活用する方法すら検討されていない段階の話になりますが、ちょうど言冥界が舞台になったのもあって、流行語や死語の要素をゲーム内に楽しい体験として盛り込みたいという野望があります。

大槻: また“ことば遊び”という点ではアプリゲームでの限界もあるので、アナログのカードゲームを試作しています。キャラクターとひらがなが描かれたトランプのようなものですね。これを使った遊びを6周年イベントの場で来場者にも試遊していただきましたので、知っている方もおられるかと思います。

まだゲームとしてテスト段階ではありますが、アプリゲームに留まらない動きも今年は進めていく予定です。

――先日発表されたロードマップにて、“新たな能力を持ったコトダマン”というワードがありました。これについて、一体どのようなものか教えてください。

大槻: ユーザーの皆様も敏感に反応されていたのですが、運営からすると“開発を伴う”機能を入れるときにそういう表現をしています。

“開発を伴う”というのは、既存の能力の数値を変更したりしたものではなく、それが登場することで遊びかたや攻略の幅が広がる際に使っているフレーズですね。これまでになかった攻略の仕方の糸口になるようなものが比較的多いかと思います。

望月: たとえばグランドコトダマンの“ましろ”は、EXスキルですべての文字が1度だけ使用できる“全文字付与”を持っています。こうしたものがそれに該当しますね。

――今後想定されている大型イベントについて、なにかヒントやキーワードを教えていただくことは可能でしょうか。

望月: 『コトダマン』の夏はアツい”、ですね。熱い夏をお楽しみいただけると思います!

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ポータルサイトについて

――今年度中にポータルサイトを開設するとのことですが、どのような機能を持ったポータルになるのでしょうか。

望月: コトダマー同士の、あるいはコトダマーと運営チームの双方向な交流を通じて、“ことば作り”や日常がより楽しくなるコミュニティサービスを目指します。

イメージとしてはコミュニティへの投稿とリアクション、アンケート機能のほか、イベント参加のきっかけとなるようなものも考えています。

――最近はこうした交流のためにDiscordチャンネルを作るアプリゲームも多数ありますが、オリジナルのポータルサイトを作る理由をお聞かせください。

大槻: さまざまな方法を検討しましたが、自分たちのユーザーの皆様なので、自分たちが責任を持ってコミュニケーションの場を提供すべきだろうと考えたのが最大の理由ですね。

 

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――こうしたポータルサイトには、会員登録が必要なタイプと不要なタイプがありますが、『コトダマン』はどちらになるのでしょうか。

望月: 書き込みには登録が必要ですが、閲覧はフリーでどなたでも見られるようになっています。会員登録の詳細はまだ調整中ですが、最終的には『コトダマン』アプリのゲームIDと紐付いた状態にしていきたいと考えています。

大槻: コミュニティ内でのゲーム的なコミュニティ形成の仕掛けもいくつか用意しているところです。

ソーシャルゲームと同じ感覚でポータルも作っているので、リリース後もアップデートを続けていくことを主眼に置いています。色んな機能を作っていくので、要望があればできる範囲でお応えしていきたいですね。

――ポータルサイトを利用したキャンペーンやイベントも展開されるのでしょうか。

望月: ポータルサイトを使ったファンミーティングができないか検討しています。

またオフラインイベントへの参加募集をポータルサイト上で行うことで手続きを簡略化し、来場者の負担を減らしていけるよう活用したいですね。

大槻: ポータルサイトがあればオフラインイベントへの参加登録のほか、プレゼント応募なども同一システム上で処理できるようになります。個人情報に関する事故のリスクが最小になるので、ユーザーと開発・運営側の双方にとってwin-winになると考えています。

MIXIでは『家族アルバム みてね』という写真。動画共有サービスを運営していますが、ポータルサービスの機能についてはここから参考にできるものもあると思います。『モンスターストライク』をアプリゲームの先輩として見ているのと同じように、サービスの先輩として『家族アルバム みてね』からもいろいろ取り入れていけるといいですね。

夏には編成画面の改修も

――今回ロードマップという形で『コトダマン』が目指していく目標が発表されましたが、これらを積み重ねて向かう大目標はどういったものになるのか、そのビジョンについてお聞かせください。

望月: 目指すべき目標はチーム内でも議論しまして、“ことばを通じて日常がもっと楽しくなる”ことを大目標としています。

ほかのソーシャルゲームと比較したとき、『コトダマン』だけが持つ唯一無二の要素が“ことば”です。なのでこれを主軸にゲーム内外で皆さんがもっと楽しくなるような体験を届けていきたいと考えています。

――公開されたロードマップについて、このほかに注目してほしい点などがあればお聞かせください。

望月: “初心者がより遊びたくなる機能改修”に注目してほしいですね。『コトダマン』は独特な要素が多いゲームで、プレイングだけでなく編成の段階でもコツが大事になるんですよ。

たとえば始められたばかりの方だと、とりあえず強そうなレジェンドなどのコトダマン、レアリティの高いコトダマンを突っ込んでみるというのをやりがちですよね。でも実際はクエストごとに最適な編成を模索していくゲームなんです。

こうした要素はとても楽しいのですが、同時に難しくしている部分でもあるので、もっと直感的に編成を考えられるような改修を考えています。

うまく編成できているか、それとも足りない部分があるのかが編成画面をパッと見てわかるようにする予定です。

――ビジュアル的な部分で変化が表れる改修になるわけですね。実装時期としてはいつ頃になるのでしょうか。

望月: 大枠で言うと夏ごろですが、7月中に実装したいですね。

教育分野への取り組み

――“ことば”を扱うゲームということで教育・知育分野との相性もいいように思えるのですが、そうしたジャンルへの進出はあるのでしょうか。

大槻: 今後力を入れていきたい分野ではあるのですが、子ども向けにソーシャルゲームをオススメすることの是非が気になる人もいると思います。そこでまずはアナログゲームをその第一歩として進めていきたいと考えています。

日本人として教養をくすぐられるような“ことば”あそびを入れた展開で、10年後にはアプリ外にも『コトダマン』の世界観が広がっていくことを目指しています。下は知育から上は脳トレや生涯学習まで、幅広い年代に広がるといいですね。

望月: 昨年は“「イイね」を送って寄付を贈ろうキャンペーン”というものを通じて子どもゆめ基金への寄付を行ったのですが、この取り組みがきっかけで独立行政法人国立青少年教育振興機構さんとのつながりができました。そこから、今年は同団体が主催している“春のキッズフェスタ2024”への協賛を行うことになりました(※)。

こうしたイベントも通じて、言葉を使った遊びをどのように教育に活かしていけるか少しずつ模索している段階です。

大槻: こうした取り組みを通じてドイツの青少年指導者や、フィリピンの大学の学部長一行といった国外の教育関係者から訪問を受けるといったつながりも生まれています。

安心安全に遊べるソーシャルゲームを目指したいと思っているので、そうした方々とお話しても恥ずかしくないような運営をしながら取り組みを続けたいと思っています。

※“春のキッズフェスタ2024”は2024年5月25日、26日に開催。

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――今後『コトダマン』を運営する中で明確に盛り上がる山場が用意されているかと思いますが、注目してほしい時期があればお聞かせください。

大槻: これから1年後に向けて基盤システムの改修などを進めているので、ぼくらも1年後に何が作れるようになるかワクワクしています。1年後にぼくらがワクワクしながら企画したものや考えたものが、そこから半年から1年後に出せるようなイメージですね。

なので2年後にどうなっているかはまだ想像しかできないので、基盤改修が進んで、ビジョンがより鮮明になってくるのが楽しみです!

望月: もちろんそこまでの2年間に何もないわけではありません。まずは直近で、今年の夏に注目してほしいですね。幅広い展開で右肩上がりの盛り上がりを目指します。

――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

望月: 6周年を迎えるタイミングで開発基盤の改修に注力するタイトルはめずらしいかもしれませんが、これこそが我々が本気で10周年やそれ以降を目指している覚悟の表れだと思っています。

もちろんここに注力するからといって、ほかのアップデートができないなんてことはありません。ご安心ください。7年目にも皆さんにたくさんの面白い体験をお届けするべく、運営チーム一同尽力して参ります。

また5周年から6周年にかけてユーザーの皆様と直接お会いする機会が増えましたが、皆様とお会いするたびに「『コトダマン』はこんなにも愛されているんだ!」と、皆様からの愛をひしひしと感じます。そして、こうした熱に当てられるたびに「『コトダマン』をもっと良くしていかねば!」という思いが湧いてきます。10周年を目指して『コトダマン』を最高に盛り上げていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします!

大槻: 私はプロデューサーとしてユーザーの皆様さんと接点が多くなく申し訳ないのですが、チームへの投資だったり外とのコミュニケーションを続けていろいろなことを仕込んでいます。

開発・制作のメンバーが安心して取り組めるようにしながら、ファンの皆さんが長く遊べる環境を作っていますので、安心して遊んでいただければと思っています。

これから10周年に向けて右肩上がりで盛り上がっていくように体制をととのえていますので、楽しみにしていてください!

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公式サイトhttps://kotodaman.jp/
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