『神之塔:NEW WORLD』開発キーマンにメールインタビュー!本作の見所とこだわりのポイントは?

2023-07-25 13:00 投稿

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神之塔:New World

原作愛から作られた1作

7月26日のリリースが予定されているネットマーブルの新作RPG『神之塔:NEW WORLD』。

キービジュアル

本作は漫画(ウェブトゥーン)『神之塔』を原作に作られたRPGとなっており、原作の物語を追体験できるほか、オリジナルサイドストーリーなども収録されており、原作を知っている人はもちろん、知らない人でも楽しめる骨太な作品となっている。

今回、そんな本作でプロジェクトディレクターを務めるチョン・ヨンサン氏と、アートディレクターを務めるキム・ヨンウォン氏にメールインタビューをする機会が得られたので、ファミ通Appもそれに参加してみた。

本作の制作秘話からこだわりぬいた箇所など、さまざまな回答をいただけたので、質疑の内容が気になる人はぜひ最後までチェックしてみてほしい。なお、回答話者については不明であったため、回答者は便宜的にすべて「ネットマーブル」として表記しているので、ご了承願いたい。

Jeong-Eon-san-Project-Director_(1)

▲プロジェクトディレクター、チョン・ヨンサン氏。

Kim-Yong-won-Art-Director_(1)

▲アートディレクターを務めるキム・ヨンウォン氏。

ゲームに関して

――『神之塔』をゲーム化するプロジェクトは、どういった経緯から発案されたのでしょうか?

ネットマーブル ウェブトゥーン『神之塔』の長年のファンとして、会社に『神之塔』でゲームを作りたいとリクエストしたところ、実現しました。

――『神之塔』をゲームで表現するにあたって、もっともこだわった箇所、もっとも難しかった箇所をお教えください。

ネットマーブル もっとも気をつけた箇所は、原作を具現化した部分です。原作が連載されてから10年以上経っているため、キャラクターを現代風に合わせて再解釈する必要があり、この部分で多くの試行錯誤がありました。 各キャラクターが持つ原作固有の特徴を最大限に生かしつつ、直感的に連想できるようにするために多くの努力をしています。

ストーリーや必殺技のカットシーンの完成度を高めるために、コンセプト段階から、ただ文章と絵だけでコンテを描くのではなく、アニメ業界でアニメーションの絵コンテをデザインできるスタッフを採用し、プリプロダクションの段階から制作者たちの理解を深めた状態でアニメーションを構成しました。他にも手作業でのアニメーション制作に加え、モーションキャプチャを採用するなど、実際のアニメーションを見ているような感覚を与えるために多くの技術を駆使しています。

苦労した点では、縦画面で5対5のリアルタイム戦闘をダイナミックに実装することが難しかったです。ターン制やSDキャラクターが戦うゲームは多くありますが、7~8頭身のキャラクターで戦うゲームはあまりありません。7~8頭身のキャラクターで展開されるリアルタイムバトルをできるだけ直感的に行えるようにし、戦略的な視点でプレイできるようすることには苦労しました。

――日本では『神之塔』はあまりメジャーではない作品です。そんな日本ユーザーに向けて、原作『神之塔』が持つ魅力をお教えください。また、それを題材とする本作ゲームの魅力をお教えください。

ネットマーブル ウェブトゥーン『神之塔』は“二十五日の夜”という少年が“塔”という未知の世界を登りながら起こる群像劇が描かれる作品で、グローバルでの累計再生回数が60億回を突破した世界的な人気作です。『神之塔』は世界観が非常に広大であるため、そこにはさまざまなキャラクターが登場し、ファンタジー、現代、東洋といった世界観が混在しています。

このウェブトゥーンの人気要因のひとつとして、未知の世界“塔”を知る楽しさが挙げられます。読者もまた主人公“夜”のように事前情報なしで塔に登るのです。 唯一得られている情報は「塔の頂上に登れば欲しいものを手に入れることができる」という1点のみなんです。

主人公“夜”は自分のすべてだった少女“ラヘル”を探すために塔に登るのですが、各階で出会う人物やテストなどを通じて塔の世界を徐々に知っていきます。読者も主人公“夜”の立場で塔を知り、どんどん成長していく面白さを体験することができます。

先に述べたように、『神之塔』には数多くのキャラクターが登場します。悲しい過去を持つ王女、正体不明の人物、裏切りのある人物など、さまざまなキャラクターが見せる物語も人気を生み出した要素だと感じています。とくに主人公の“夜”は弱々しい見た目とは異なり、強力な力を持つキャラクターで、存在自体が謎であり、終始不思議な雰囲気を醸し出しています。

ゲームでも、このような原作の面白さを高いクオリティで実現しようとしました。ストーリーモードを通じて原作をアニメのように鑑賞できるのはもちろん、キャラクターのスキルも原作を忠実に反映しています。そしてゲームの進行も、ユーザーが神之塔に招待されたというコンセプトで、原作のように順次情報が公開されるように設定しています。

ストーリーだけでなく、原作の設定もさまざまな形でゲームに落とし込んでいます。 例えば、原作に登場する“波使い”、“灯台守”、“釣り師”などのキャラクターのポジションは、ゲームでも同様の役割を果たします。 また、キャラクターの演出は、各キャラクターが持っている物語や性格などを反映し、見る楽しさを増しました。

ストーリーモード

――本作にはキャラクター育成の負担軽減のために“神之水”というシステムが搭載されていると聞いています。昨今のトレンドを押さえたシステムだと感じますが、そのほか近年のユーザー属性の変化を加味して搭載したシステムや、ユーザー属性の変化を感じて調整した部分などはありますでしょうか?

ネットマーブル 最近は動画コンテンツもショートが流行っていて、軽く気軽に楽しめるコンテンツが多く愛されているようです。そこで『神之塔:NEW WORLD』でも、1日30分から1時間のプレイでも十分に楽しめるようにデザインしました。

以前は、ゲーム中に行き詰まると同じステージやコンテンツをくり返しプレイしてキャラクターを育成し、ステージを突破するというゲームが多くありました。単純なくり返しプレイを要求する方法です。しかし最近ではそのシステムでは市場のニーズと合致しないと考え、私たちは休憩報酬(放置報酬)というシステムを導入しました。

休憩報酬は、進行したステージを基準にくり返しプレイしたと仮定して、休憩した時間に比例して報酬を支給する方式です。ゲームを起動したままくり返し狩りをする手間を省くというコンセプトです。 ただし、ゲームに接続をしなくても勝手に成長したり、進行したりすることは目指していないため、サポートしていません。ユーザーの皆さんに、面倒なくり返し作業は避け、できるだけ新しいチャレンジに集中してもらいたいという意図です。

“神之水リンクシステム”も、戦略の面白さの本質に忠実なシステムです。“神之水リンクシステム”は、キャラクターではなくスロットを成長させるシステムです。スロットにはランクとレベルがあり、スロットを成長させて、そこにキャラクターを配置すると、スロットのランクとレベルがキャラクターに適用され、すぐに戦闘に活用できます。

神之水リンクシステム

――本作には、どのようなエンドコンテンツが搭載されますか?

ネットマーブル ローンチ時だとキャラクターは合計69人が登場し、コンテンツは基本モードと言える“冒険モード”と原作のストーリーを楽しめる“ストーリーモード”が提供されます。そして“冒険モード”には、24のチャプター、1,000以上のステージを準備しました。また“ストーリーモード”では、原作1部のストーリーが用意されており、その後アップデートで順次公開していく予定です。

エンドコンテンツの要素では“占領戦”というローグライク要素を加えたコンテンツがあります。タクティクスRPGの姿を備えており、ターンベースで味方、敵軍が交互に攻防を交わすモードですが、つねに同じレベルのデザインではなく、ユーザーの成長度に応じて地形と敵軍が動的に配置されるローグライク性の構成を備えています。単純にくり返す宿題の形ではなく、戦略的な楽しさを感じていただけると期待しています。

またギルドコンテンツの“ユニオン討伐戦”もひとつのエンドコンテンツとして捉えることができるでしょう。これはユニオン(ギルド)員が協力して進めるコンテンツで、大きく2つのフェーズに分かれています。第1フェーズでは、フィールドを開放してそこに隠されたアイテムを探し、モンスターを倒しながら隠されたユニオン武器を見つけることを主な目標とします。

そして第2フェーズでは、巨大モンスターとダメージ量を他のユニオンと競う形ですが、第1フェーズで見つけたユニオン武器を活用することが高得点のポイントになります。

自分が必ずしも強くなくても役割を果たすことができ、強いユーザーは強い分隊で自分をアピールできるコンテンツとして企画しました。

ほかにも“アリーナ”、“試練のエリア”、“模擬戦闘室”といった3つのPVPモードも用意しているので、ユーザーによってさまざまな楽しみが用意できていると思います。

アートに関して

――原作『神之塔』はウェブトゥーンであり従来のようにページを開いていくタイプの漫画ではなく、スワイプしていく縦読み漫画です。そのため、ここ数年でさまざまな新しい表現手法が生まれていますが、こうしたウェブトゥーンならではの表現手法をゲームの中で再現するような試みなどはありましたでしょうか? またウェブトゥーンならではの緩急や迫力表現をゲームではどのように再現されているのでしょうか?

ネットマーブル 『神之塔:NEW WORLD』はフル3Dで制作されたため、実際のアニメのようにストーリーカットシーンなどが制作されています。 特定のショットの表現を最大化するためのエフェクト効果やカメラ制御効果を適切に活用したため、ウェブトゥーンで限定的に表現されていたものとは違った新しい姿を見ることができると思います。

――そのほかアートにおいて表現でこだわった箇所や難しかった箇所、そしてぜひとも注目してほしい会心の出来が見える箇所をお教えください。

ネットマーブル 原作の面白さをプラスしてくれるオリジナルストーリーをご紹介したいと思います。 オリジナルストーリーといっても、原作から離れた内容ではなく、原作の世界観の中で行われます。
ゲームが始まる導入部にもオリジナルストーリーを加味して適用した部分があります。主人公“夜”を助けに“真田ユリ”と“エヴァン”の一行がどうやって降りてきたのかという内容を追加した部分が例になります。

ウェブトゥーンは限られた画面の制約があるため、いろいろなネタがまだ回収されていない部分が多く、むしろそういう部分がオリジナルストーリーを作る余地がたくさんあると思いました。原作を忠実に実装して想像していたシーンを具現化しながらも、また新しいストーリーで面白さを作ることができると思いました。

オリジナルストーリーは正式リリース以降も、外伝やイベントモードなどで追加していく予定です。

神之塔:New World

対応機種iOS/Android
価格無料
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ジャンルRPG
メーカーNetmarble
公式サイトhttps://towerofgod.netmarble.com/ja
公式Twitterhttps://twitter.com/tog_JPN
配信日配信中
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