【プロセカ】“プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE”(セカライ)はどう作られているのか? セトリの選定や細かい演出など運営の中枢がそのすべてを語る。( 3 / 3 )

2023-06-21 18:00 投稿

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プロジェクトセカイカラフルステージ! feat. 初音ミク

随所に施されたキャラクターに“息吹を吹き込む”演出

--ではこの流れで、セカライ2ndの演出でとくにこだわったことを関本さんにお聞きしたいです。

関本 セカライ1stを見たときに、「スピードが速い曲がめちゃくちゃ多いな」と思ったんです。もちろん、バラードやミディアムテンポの曲もあるんですけど、数としてはそれほど多くはありません。それを勘案すると……じつはセットリストを組むときに“これをやっちゃうとコケる”という、危険な構成がありまして。

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--え。そんな約束事があるんですか?

関本 コツみたいなものですかね。ちょっとここでは説明はできないんですけど、そういったノウハウを塚田さんに伝えたんです。「こういう構成をしちゃうとコケますよ!」って。ひとつ具体例を挙げると、アップテンポでキャッチーな曲が多いライブの頭って、スローテンポの曲で始めるとその後、どうやっても盛り上がりきれずに終わってしまうことが多く、スタートダッシュってめちゃくちゃ大事なんですよ。でも、ガールズバンドのレオニがオープニングだから、その心配はしなくても大丈夫だろうとは思っていました。それともうひとつ、先ほど塚田さんが“セカライ1stの構成は前半に表題曲を固めて持ってきた”とおっしゃっていましたけど、これと同じにしちゃうと焼き増し感が出てしまうので、前半に新曲を多めに持ってきましょう……という提案をさせてもらっています。焼き増し感を感じた瞬間、お客さんのテンションって恐ろしいほど下がるのでね。

--すごくよくわかります。

関本 そういった、新しさを見せるための理論ってじつはたくさんあるんです。それを最低限反映させたセカライ2ndのほうが、セカライ1stに比べて流れはよかったと思います。何度も言うように、セカライ1stはコロナ禍での開催で、やりたいことができないこともありましたから。細かいところで言うと、各曲には固有のイメージカラーがあるじゃないですか。でも、たとえば2曲続けて同色がきてしまうと同じ印象を受けて曲単体の印象が薄れてしまうので、それを避けるために、青の曲のあとは赤の曲を混ぜたりして。とはいえ、幕張メッセのような大きな会場を模したリハーサルなんて簡単にできないので、本番の設営が終わった会場で一気にやるんですけどね。

--照明の巧みさも生ライブの魅力ですけど、セカライは生バンドの演奏も見どころのひとつですよね。
関本 そうですね。でも、単純に生演奏を加えただけだと焼き増し感が出てしまうので、リハーサルで見えたことを、細かくバンドメンバーに伝えてアレンジを入れたりしているんです。そんな思い付きにもきびきびと対応できるくらい、セカライのバンドメンバーとスタッフは優秀なんですよ。現場からもいろいろなアイデアが上がってくるので、それを演出に取り入れたり。

--それはすばらしい環境ですね。

関本 はい。こういうライブって、統括責任者の鶴の一声で決めていくことが多いんです。その人の世界観が刺されば問題ないんですけど、これほど多くのファンを抱えるコンテンツにおいてそれをやってしまうと、僕の経験上……まず刺さらないんですよね。それを考えると、セカライのプロジェクトチームの運営メンバーはもちろん、現場の照明、音響、その他の技術スタッフも全員自分の意見をしっかりと持っているので、化学反応が起こってくれるんです。そんな人たちをプロデュースできている時点で、セカライは秀でているんだと思います。

--とはいえ、CGライブゆえの苦労や難しさもあるかと思いますが。

関本 そうですねー! CGライブって、人間のようなリアルタイムのコールアンドレスポンスができませんから。それでも、塚田さんが言うようにステージにキャラがいるかのような存在感を出すために、細かな演出をたくさん施しているんです。

--具体的にはどういった演出がされているんですか?

関本 たとえば、キャラの足の接地面の処理とか、照明の当たり具合だとか……。CGライブは、ステージ上にある透明なスクリーンに映像を映し出しているわけですけど、そこに照明の色や模様が出るように、よく演劇などで使われる幕を仕込んで映像が立体的に描写されるような工夫をしたりしています。CGライブって、僕らは“息吹を吹き込む”と表現しているんですけど、お客さんが息吹を与えてくれるような環境じゃないと、ただの映像ショーになっちゃうんですよね。演者が人間だったら「ジャンプしろ!」とか「声を出せ!」なんて言えるけど、CGライブで同じことをやろうとしてもタイミングが合わないんです。だから、一歌とかミクちゃんがやるコールアンドレスポンスには、やっぱり観客の声が必要になる。じゃないと、ライブとして一体感が出ませんから。そういう意味で人間がやるライブよりも、CGライブのほうがお客さんといっしょに作っているという意識が強いかもしれないですね

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--私はセカライで初めてCGライブを見たんですけど、そこに本当にキャラクターがいるかのような臨場感に圧倒されたんです。「いま、こんなことになってんのか!」って。おっしゃる通り、観客との一体感も凄まじくて。

関本 “歓声は連鎖する”って僕らはよく言うんです。音響も、音量を上げすぎちゃうと歓声が聞こえなくなって、盛り上がらないんですよ。会場の音をデカくすれば盛り上がるって思っている人がいますけど、しっかりとまわりの歓声が聞こえる音量調整をしないと、消化不良になるんですよね。

--確かに……!

関本 人間のライブだと、そこまで考えなくてもなんとかなるんですけどね。CGライブはごまかしがきかないというか、とことんまで煮詰めないとうまくいかないんです。……でも、いろいろと想像しちゃいますね。もしもセカライの3回目があれば、お客さんはもっと声が出せるし、歓声もさらに大きく聴こえます。そこにキャラクターが現れたら……! 本当に降臨したかのようにファンの目には映るでしょうね。

--いやでも、作る側のたいへんさはとてつもないですね……! だって、事前にすべて計算して形にしていかなければいけないわけですし。

関本 まさにその通りで、あらゆることを計算したうえで、すべてを本番にぶつけるわけです。「ここで観客はこういう気持ちになっているはずだ」、「こういったことを求めるはずだ」というところまでシミュレーションして演出をしています。『プロセカ』はこういったコンテンツのライブがしっかりと煮詰まってから登場したので、さすがに計算違いが起こることはほとんどないですけど、コロナの影響で声を出せなかったのは本当に痛かったです。これから制限がなくなってくると、セカライ1stと2ndで積み上げたしゃべりの間とかも、全部変わってきますもんね。

塚田 そうですね。でも積み上げたものは決して無駄じゃなく、セカライ1stと2ndで見たファンの方の反応を蓄積することができたので、今後のライブはさらに精度の高いものをお見せできるんじゃないかと思います。

--しかし改めて、コールアンドレスポンスができないって、ライブをやるうえではめちゃくちゃ大きな足かせでしたね……!

瀬上 とくに、モモジャンみたいなアイドルユニットは難しかったですねー! コールアンドレスポンスをイメージさせる曲が中心で、“こう来たらこう”というファンとの約束事もしっかりと形になっているユニットなので。そういった絵面を想像しながらファンも会場で見ているわけですけど、アクションがあるのに声が出せない……というもどかしさ、苦しさを痛いほど感じていました。

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関本 でも、コロナ前のライブ……CGライブとかでも、お客さんが泣くシチュエーションでもっとも多かったのは、マイナー進行の切ないメロディーが流れる曲をいっしょに歌っているときだったんですよ。それがセカライでは、そんなシーンではないのに泣きながらステージを見ている人がたくさんいて……。もしもセカライ3rdが開催され、コロナ禍前と同じように声を出し、いっしょに歌えるという状況になったら……もう、爆発するでしょうね。『プロセカ』は楽曲のパワーもすばらしいですけど、すでにコンテンツそのものが文化として成り立っているんだと思います。

--私もセカライ2ndを後ろの席から鑑賞していましたけど、目の前にモモジャンファンのグループがいて、泣きながらコールや手拍子をしているのを見て胸が熱くなりました。

塚田 あーーー! わかります! やっぱりモモジャンはアイドルユニットなので、皆さんがコールしてくれて本当にうれしかったですよ。“これぞライブだなぁ”という感じがして。

--ちなみに……! 以前からお聞きしたいと思っていたんですけど、ライブで歌う順番って基本的には固定なんですかね? レオニがトップバッターで、と。

塚田 これは個人的な考え方になってしまうんですけど、ある程度はカチッとした決まりを作ったうえで、ときにそれを崩すことでファンの方の期待値を越えていけるんじゃないかと思うんです。レオニでスタートしてニーゴで締める……という流れが定番ですが、これを規則性なくグチャグチャにすることが基本になっちゃうと、見る側も気持ちの整理がつかなくなるというか、どういう気持ちで見れば良いかわからないので……。ですので、1巡目はレオニから始まってニーゴにつなげる……という定番パターンで、2巡目はそれをシャッフルする。王道を見せておくことで、「後半はどうするんだろう!?」という期待が見る側に膨らみます。これにプラスして、曲のほうもバラードやハイテンポのものをいろいろと組み合わせて、最終的には総合的なバランスを考えて決めていますね。

--いや、改めて、考えることがめちゃくちゃたくさんありますね……!

塚田 そうなんです……! ですので、パズルをやっている感覚になるんです。でも、舞台演出のことは関本さんにお任せできるので、僕は本当に内容面とか、「『プロセカ』ファンの方だったらこう感じるだろう」というファン目線の思考に集中できるので助かっています。まあだからこそ、考えすぎちゃうのかもしれませんが。

--瀬上さんから、セガ側の意見や要求を上げることは多いんですか?

瀬上 はい、もちろん。たとえば……バンドのライブを見に行かれたりしますか?

--コロナ禍以前は、好きな洋楽アーティストが来日すると必ず見に行っていました。

瀬上 そのときに感じたと思うんですけど、コンサートで演じられる楽曲って大概、半分がそのバンドのグレイテスト・ヒッツ(定番曲)、もう半分が最新曲じゃないですか。もちろん、定番曲もライブなりのアレンジが加わっていたりしますけど、基本的には半分くらいの時間を費やします。これが、言ってみればセオリーです。ところがこのプロジェクトって、先ほど関本さんがおっしゃった通り、くり返す曲が多いと来場者に焼き直し感が芽生えてしまう可能性が高いので、ふつうのライブと比べて遥かに新曲が占める割合を多くしているんです。これが、長く音楽業界にいる僕からすると、すごく新鮮な対応で。「こんなに新曲を用意するんだ!」と毎回驚かされながらも、セガとして『プロセカ』のユーザー層やコンテンツの力を分析して、意見や要求を上げさせてもらっています。それと、もうひとつポイントがあって。

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--はい。

瀬上 『プロセカ』にはセカライだけじゃなく、コネクトライブなどのライブイベントが現在4種類存在します。そのライブそれぞれに意味を見出し、どの部分に注力して特色を持たせていくのか……ということには、毎回頭を悩ませています。

--そうか! 一概に“ライブ”でひと括りにしがちですけど、作る側はキチンと差別化を図らないと分けている意味がなくなってきちゃいますもんね。

瀬上 そうなんです。しっかりと差別化ができるようなシステムには仕上がっているんですけど、なにぶん分量が多いのでたいへんではありますねえ。

塚田 演じる楽曲にしても、イベントごとにかぶらないようにと考えるんです。初期からあり、ライブ映えするような楽曲はいろいろなイベントで使っていることもあるので、つぎはどうしようかなぁ……とか。とはいえ、「ここで披露すると盛り上がる!」というのはわかっているので、さまざまな要素を天秤にかけて、ライブごとに判断しています。

--なるほど……! 結果的に温存になることで、別のライブで演奏されたときに「キターーーーーー!」とファンの感情が爆発する場合もありますもんね。

塚田 ユーザーの方には常に全力で楽しんでほしいので、温存という意識はないんですけどね。根強いファンの方はいろんなイベントに来てくれることが多いので、それを考慮して「この曲は何度も入れているから、今回はこっちを」という意識が働くことはあります。

--うんうん。

関本 CGライブって、回ごとにそんなに動きを変えられないんです。ゆえに、焼き増し感を出さないためにも新曲は多くなるんですよね。ステージの演出として、リアルタイムのモーションキャプチャーなどを導入すると話は変わってくるかもしれませんけど、現状だと新鮮さを見せるために、曲で目新しさを出す方向になるんです。……でも、キリがないんですけどね。お客さんごとにライブで聴きたい曲は違うでしょうし、そもそも『プロセカ』は収録曲の数がハンパないので(笑)。

狙った盛り上がりと『プロセカ』ならではの“狙っていない”盛り上がり

--CGライブならではの演出の苦労は、ほかにもいろいろありそうですね。

関本 ありますあります。だって人間のライブだったら花道も作れるし、アーティストがそこに出てきてピンスポットライトを当てただけで成立したりするんですもん。でもCGライブは動ける範囲が本当に少ししかないので、厳しいですよね。ひとつ例を出すと、『悔やむと書いてミライ』。曲がすごくいいし、アレンジも変えようがないので、セカライの1stと2ndではステージの特殊効果を変えて新しさを演出しました。セカライ1stでは使っていなかった炎がバーッと出てくる効果を2ndでは付けて、違うふうに見せて。人間のライブだったらその場の動きでどうにでもなるところを、セカライではみんなで知恵を出し合って、少しでもお客さんに新しさと楽しさを感じてもらえる演出を付けているというわけです。

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--どれくらい前から、ステージの準備を始めるんですか?

関本 人間のライブだったら、だいたい1ヵ月半くらい前から図面を作り始めれば間に合います。でもセカライの場合は……4ヵ月前ですね(苦笑)。図面ができても現場に落とし込むにも時間を要するし、あれこれと作るのもたいへんなので、精神的な負荷も相当なものになります。

塚田 セカライみたいなイベントはけっこう前から準備を始めるので、楽曲にしてもそのときの最新楽曲で組んだセトリと、いざライブが行われるときの最新楽曲にズレが生じたりします。あまりにもそれが顕著だと古さを感じさせちゃうかもしれないので、つねに瀬上さんに「これ、ライブで使いたいんですけど上がっていますか!?」とギリギリまで食い下がったりしています(笑)。

瀬上 ああ、そうですね(笑)。そこはもう、瀬戸際の勝負になるので。

--CGライブって、めちゃくちゃたいへんなんですねぇ……! 制作陣の苦労がとても頭の中で具体化されてきました(笑)

関本 やっぱり、いちばん楽なのは生身の人間のライブです。というのも、CGライブって完成形が想像できる……というか、それしかないじゃないですか。人間の場合は、当日の空気とか演者のテンションによって不確定要素がいろいろと出てきますけど、CGライブはすでにできているものなのでそういったものは一切ありません。でも……セカライの1stと2ndを会場で見ていて、お客さんの反応で不確定要素が生まれることもあるんだな……と気づかされたりもしました。これは、新たな発見でしたね。

塚田 わかります。僕らは、「お客さんは、ここで盛り上がってくれるだろうな」と確信できるポイントを仕込んでいるわけです。たとえば、『にっこり^^調査隊のテーマ』を演奏する前に、その歌詞を拝借したMCを入れたんです。「パスポート持った?」、「モバイルバッテリー持った?」って。すると、来場者はつぎは『にっこり^^調査隊のテーマ』が来るってわかってくれて、MCがしゃべるたびに「わーーー!!」って大喜びしてくれて。これはもう、仕込みが完璧に機能したのでよかったです。一方でニーゴのまふゆの、ちょっと心がザワつくセリフもMCに入れていたんですね。ここはさすがに静まり返るだろうな……と思っていたところ、これもお客さんは察してくれて「ふぅーー!」と予想外な盛り上げかたをしてくれました。

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関本 そういう細かな内情を、僕は知らなかったわけですが、会場がやたらと盛り上がり出して。「いったい何が起こったの!?」と塚田さんに尋ねたら、「じつは……」と。いやあ、これには本当に驚きましたね。正直、何かやらかしたかと思ってビビりましたもん(笑)。

塚田 あの一連の流れだけで、泣いている方もいましたよね。

瀬上 ああ、そうでしたね。「つぎに自分の好きなあの曲が来る……!」と確信できる展開は、グッときますから。

塚田 これが、ライブのもっともうれしい部分かもしれません。お客さんとの一体感。まふゆみたいなピンポイントな仕込みでもこっちが予期していなかった盛り上がりをしてくれて、すごくお客さんとキャラクターが繋がっているなぁ……と思いました。

関本 それがわかっていたら、事前に仕込めることもあったんですよね。照明とか演出を変えて。でもそういった不確定要素って、お客さんが演出を作ってくれるからこそ発生するんです。ライブって、そこがいいんですよねー。ファンが僕らに気づかせてくれることがたくさんある。いやでも、『にっこり^^調査隊のテーマ』は衝撃でした。脱帽です。

--『プロセカ』のファンって、本当に熱心ですからね。こう言ってしまってはアレですけど、キチンと作り手の手のひらの上で反応してくれる感じがします。

瀬上 そうですね。仕込みに対して、食いついてくるのがめちゃくちゃ早いですもん。イントロが流れた瞬間に、「つぎはコレだ!」って感じで。僕も長年ゲーム業界で仕事をしていますけど、プロセカファンの熱心さというか愛情の深さは、ちょっと群を抜いているんじゃないかなぁ……と感じます。

新たな挑戦も?次回があればさらなる進化に期待!

--では……! そのセカライ2ndについて、それぞれの立場から総括していただきたいのですが。まずは塚田さん、お願いします。

塚田 冒頭で言った通り、セカライ1stのときはColorful Palette側の担当は基本的に僕ひとりだったので、キチンと形になったのを見て感動して泣いてしまいました。「自信を持ってファンに提供できる、新たなコンテンツができた!」という確信があって。その1stを踏まえてセカライ2ndに取り掛かったわけですけど、セカライ2ndでは僕以外のメンバーも増やして取り掛かることができました。みんなも他の仕事と掛け持ちながら携わっていましたが、腰掛でやるような人はひとりもおらず、皆、「初めてここまで感動する仕事に出会えました」と言ってくれるくらいの熱量で臨んでくれたんですね。おかげで、セカライ1st以上の中身になったと思いますし、お客さんの反応もすこぶる良かったので、もしもセカライ3rdが企画されるようでしたら“その先”を目指してがんばりたいと思います。これを読んでいる皆さんには、ぜひ現地に来ていただきたいです。ライブ会場でお待ちしています!

--そこに行かないとわからないことって、たくさんありますもんね。

塚田 そうですね。配信やライブビューイングでもありがたいんですけど、現場ならではの体験が待っていると思います。僕は『プロセカ』の立ち上げから開発でも携わっているので、そこから得られる体験とか感動もたくさんあることは重々承知しているんですが、リアルイベントだからこその濃い経験は何物にも代えがたいなと感じます。

--では関本さん、お願いします。

関本 『プロセカ』って、もう一癖二癖あってもいいんじゃないかな……と、セカライ2ndを振り返って思ったんです。流行って若い人たちが作って伸ばすものだと思いますけど、ライブもいっしょなんですよね。それを考えると、いまの若い子たちはなんでもかんでもSNSで拡散していますけど、そこへの刺さりかたが僕はまだ甘いなと思っているんです。現時点では詳しいことは言えませんけど、今後の『プロセカ』のライブで新しいことをお見せしていけるんじゃないかなと思っています。

そして『プロセカ』は、やっぱりキャラクターが命です。そこをしっかりと守りつつもチャレンジをしたい人が集まっているので、セカライはどんどん進化していくんですよね。もしもセカライ3rdがあるなら、このすばらしいメンバーで新しいことに挑戦していきたい。正直、まだライブにおける“プロセカっぽさ”が見つかっていないような気がしているので、チャレンジし甲斐がありますよ。

--ありがとうございます……! では瀬上さん、セカライ2ndの総括と、今後に向けて思うことがあればぜひ!

瀬上 こういったイベントって、つねに前回を越えていかなきゃいけない宿命にありますよね。加えて、今後は1会場だけではなく、複数会場で見たくなるような仕組みも考えたいと思っているんです。スマホアプリって本当に気軽に遊べるものですけど、それに対してライブって、現場に足を運ばなければいけないし、耳や身体を使って感じ取らなければいけません。ある意味、すごくギャップがあるコンテンツですよね。でもだからこそ、ファンには両方を楽しんでほしいし、そのための仕込みをいまから考えていきたいと思っています。

--わかりました! では最後にひと言ずつ、プロセカファンに向けてコメントをお願いします。

塚田 まず、いつも『プロセカ』を遊んでくれてありがとうございます! 『プロセカ』はゲームが主軸ではありますがいろいろな展開をしていて、そのどれもがファンの方々にとって楽しい体験に繋がるものと思っています。その中でもセカライには、そこでしか得られない経験が詰まっています。非日常的な没入感あるイベントは生涯心に残るものになると思いますし、そうなるように我々も作っているので、今後の展開に期待していただきたいなと思います。

--ありがとうございます! では関本さん、お願いします。

関本 いろいろと話しましたけど、セカライ3rdが実施された際は今度こそ、遠慮なく声を出せるライブになっていると思うんです。コロナ禍以来、世界の時間が止まっちゃって、いまはまだ多くの人がリハビリ期間中だと思うんですけど、ぜひ会場に足を運んでもらって楽しんでほしいです。ファンのみんながキャラクターに勇気を与えてくれるし、我々制作サイドにもさまざまな気づきをもたらしてくれるので、会場でいっしょにライブを作りましょう!!

--では瀬上さん、よろしくお願いします。

瀬上 セカライだけに限らないんですけど、いわゆるリアルイベントを通して伝えられることがたくさんあります。より大きな感動体験を皆さんに提供できるように一生懸命考えていますので、もしもセカライ3rdが開催されましたら会場でその息吹を感じてほしいと思います。

 

ーーーー

そして後日、今回の座談会に急遽参加できなくなってしまった、プロセカ3DMVチームの新井さんからコメントが寄せられた。それも余すところなく掲載させていただこうと思う。

3DMVチームからの一問一答!

-ーまずは、セカライにおける役割を改めてお教えください。

新井 『プロジェクトセカイ』で、3DMVチーム全体のまとめ、企画・進行管理を担当している新井と申します。

--2022年1月にプロセカ初のリアルライブが行われましたが、当時を振り返ってみて反響はいかがでしたか? またそのときに芽生えた課題や、セカライ2nd開催に向けてどのように思われたのかをお聞かせください。

新井 正直、初めてのリアルライブでしたので、見に来てくださる方に満足してもらえるのか……ということが不安でした。ですが現地で、皆さんの推しが登場したときの反応や、パフォーマンスを見て盛り上がってくださる反応を目の当たりにして、とても安心したことを覚えています。その上で、2ndのときはファンの皆様が驚き且つ、ライブだからこそ見られる推しの息吹を感じてもらえるような内容が必要だなと感じました。

--セカライにて初めてモーションがお披露目となる楽曲もあります。その中で、今回とくに印象に残っているモーションはありますか?

新井 初お披露目の曲ですと、『Calc.』かなと思います。こちらは関本さんからも、ライブで盛り上がる曲ということをお伺いしておりましたので、咲希のジャンプなどを、モーション協力のソリッド・キューブ様とともに考案しておりました。

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--セカライ2ndのモーションで、とくにこだわられた点はどこでしょうか。セカライ1stとの比較で教えていただけるとありがたいです! また、ゲームの3DMVとライブとの違いなどはあるのでしょうか?

新井 印象に残っているモーションと重なりますが、咲希のジャンプは足の曲げかたなどにおいて、兄である司のジャンプも意識しています。またセカライ1stから1年経っているので、キャラクターたちの成長を踏まえてダンスのレベルや表現力も向上しております。とくに、みのりは今回大きく成長しており、精一杯全力で踊るだけでなく、より表現力が豊かになったように思いました。ふだん、3DMVではひとつの映像作品としてのクオリティーを追求しておりますが、ライブにおいては会場の皆様との一体感や、生きたキャラクターをご覧いただくことで、より身近に感じてもらえるように意識しております。

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--今回のライブは全国各地のライブビューイングに加え、台湾、香港でも上映されました。海外への思いを教えていただけますか?

新井 海外の皆様にも『プロセカ』を受け入れていただいていることを、たいへんうれしく思います。これは国内・海外問わずになりますが、ファンの皆様の期待にお応えできるようにしていきたいと考えています。

--2ndの反響を受けて、今後のセカライへの思いをお聞かせください。

新井 私は、“ライブだからこそ見られる推し”を目指しています。たとえば『にっこり^^調査隊のテーマ』や『踊れオーケストラ』の中に、司がスクリーンからいなくなったり、眠そうなルカさんを迎えに行く演出などが盛り込まれています。これに代表されるのですが、“ここでしか見られない、そしてここだからこそ見られる”をお届けしていきたいです。

--セカライ2nd終了後、ファンからの声で印象に残っているものはありますか?

新井 SNSで、「推しがそこにいた……」というコメントを見たときは、うれしさでグッとくるものがありました。立場上、セカイの“キャラクター”と表現することもありますが、皆さんの推しは私にとっても推しであり、大切な仲間です。『プロセカ』に関わるひとりとして、またファンのひとりとして、同じ想いを共有できていることを心からうれしく思います。

 

このインタビューを読んで、セカライ3rdの開催を待ち望んでいるのは記者だけではないはず。今後の『プロセカ』、そして各種イベントの展開に大いに期待しましょう!

▼セカライ2nd東京最終公演の模様を収録したBlu-rayが6月21日より発売中!

プロジェクトセカイカラフルステージ! feat. 初音ミク

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
このゲームの詳細を見る
メーカーセガ
公式サイトhttps://pjsekai.sega.jp/
公式Twitterhttps://twitter.com/pj_sekai
配信日配信中
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