ロボットシミュレーション『Fusionist』が度肝を抜く難しさと快感【松脇さんばのBCGレビュー】

2023-06-18 15:00 投稿

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Fusionist

本格シミュレーションすぎて……

ファミ通App編集部の松脇さんばが、ブロックチェーンゲームを遊び、忖度なく率直にレビューをする本企画。

今回レビューするのはロボットシミュレーションゲーム『Fusionist』。今回は、2023年6月6日~6月12日まで人数限定で行われていたβテストにたまたま参加することができたので、ゲームシステムや実際のプレイの感想などをまじえてレビューしていく。

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『Fusionist』公式Twitter

『Fusionist』とは?

『Fusionist』は、西暦2800年の人類の生存が困難となった惑星を舞台に、拠点建築、ターン式のシミュレーションバトル、4X (探索、拡張、開発、殲滅) の3種類のコンテンツが楽しめるシミュレーションゲーム。正式リリース時には、メカと戦って資源を集め、拠点の建築や研究を進めながらメカの鋳造や強化をしていくというゲームサイクルのようなのだが、現状ではシミュレーションバトルの部分のみ遊べるようになっている状態だ(現在はβテストは行われていない)。

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▲ロボットシミュレーションというだけで、一定数のやりたい人はいそうな予感。画像では伝わりづらいかもしれないが、グラフィックは非常にキレイ。

『Fusionist』STEAMページ

ゲームシステム

今回行われたクローズドβテストでは、本作のメインコンテンツのひとつである‟ターン式のシミュレーションバトル”を遊ぶことができた。

ミッションの目標は敵軍メカの全撃破。プレイヤーは5体のメカを操り、敵軍メカを全撃破するとクリアーとなる。

ミッションを開始すると、敵味方のメカが降り立ち第1ラウンド(ターン)が開始。

※以下、プレイ中の動画キャプチャのため、マウスカーソルが映り込んでいる部分があります。ご了承ください。

スクリーンショット (1298)

メカごとに速度が設定されており、速度が速いメカから順に行動し、自分メカのターンが来ると、移動、攻撃、待機の3つの行動が可能となる。移動後にも攻撃は可能だが、その分移動できる距離は短くなるという仕様。

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スクリーンショット (1321)

▲白い点が移動後に攻撃可能なマス、黄色い点は移動のみとなるマスだ。

メカはターンごとにエナジー(青ゲージ)が溜まっていき、攻撃のためにはエナジーを消費する必要がある。強力な攻撃はそれ相応のエナジーを消費するため、各ターン各メカごとに最適な動きを考える必要がある。1手で戦況が大きく変わるバランスなど、シミュレーションゲームとしてのおもしろさはしっかりとしている印象。

スクリーンショット (1304)

▲緑のゲージがHP、白がシールド、青のゲージが攻撃に必要なエナジー。装着されている武器によって攻撃の種類や消費エナジーが変わってくる。

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▲範囲攻撃系は強い代わりに大体エナジ―消費量が多め。

全メカの行動が終わるとラウンドが進み、また速度の高いメカの行動から始まるというのがゲーム全体の流れだ。

今回使用できたメカの種類は3種類あり、ストライカー、バスター、キーストーン。ざっくり近接アタッカー、遠距離アタッカー、タンクという役割なのだが、メカの種類が同じでも装着されている武器によってその性能や役割は大きく変わってくる。βテストでは、全員同じメカを使うことになったが、正式サービス時には、自分なりのメカを作り上げてそれをシミュレーションバトルで使えるということに期待したい。

また、攻撃の種類によって攻撃時のムービーも異なり、これもクオリティが高く見ごたえがある。

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プレイ時には、ムービーのスキップ機能がなかったり、移動範囲外のマスが表示されず、敵の攻撃範囲を予測しづらいため、1手に時間がかかりすぎてしまうなど気になる点もあったが、全体的にシミュレーションゲームとしてはやりごたえがあり、クオリティの高いシミュレーションバトルが楽しめるものとなっていたように感じる。

『Fusionist』プレイレビュー

ちょっと歯ごたえがありすぎるって!!!

ここまで読んで、「ロボット系のシミュレーションゲームおもしろそうじゃん」とか、「ブロックチェーンとか聞いてたけど普通にゲームじゃん」とか思っていただけた方、まさにそうなんだが、その通りすぎてむしろプレイヤーを試してきている節がある。このゲーム。

‟βテストだし、クリアー自体は余裕でできて、実績でやり込み要素としてちょっと大変な条件が課されるのかな”と思うのが普通。しかしこのゲームはそうじゃない。そもそもクリアーが難しい。Steamの実績で13ターン以内に全員生存クリアーというものがあったが、そんなことを考えている余裕がないほどに難しい。

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▲実績として、最短で13ラウンド以内にクリアーという項目があるのだが、そんなこと言ってる場合じゃあない。

筆者自身も最初は、「5回クリアーは、ターン制限の生存クリアーを目指していれば達成できるだろうし、とりあえず全員生存クリアーを目指そう」と頑張ろうと思っていた。

しかし……。とにかく敵が強い。多い。そして全員生存条件なのに味方が平気で倒される。

今回のミッションは、初期の5体の敵軍メカに加えて2回の増援(敵軍メカの追加)があるのだが、1回目の増援で7体追加、2回目の増援に至っては明らかに自軍メカより攻撃、耐久面で優れたメカが3体+おともで+7体合計10体もメカが出てくる始末。しかも、敵の攻撃に当たらないようにと引き気味でプレイしているプレイヤーをあざ笑うかのように背後から出現する敵軍メカ。

スクリーンショット (1324)

▲結構簡単じゃん! と思っていたら出てくる援軍。しかもなんか多くない?というかこっちはずっと5体でやってきてるんですけど?

とりあえず範囲内の敵に攻撃! とかやっていたら余裕でクリアーできないような難度で、命からがら3体の味方メカを破壊されながら19ラウンドでクリアーしたのがプレイを始めてから1時間30分後。そして全員生存して15ラウンド以内にクリアーできたのがプレイを開始して4時間後のことである。

あとから振り返ってみるとこれでも早かった方らしく、攻略動画が出るまではそもそも生存クリアー自体ができないという人が多いくらいの難度であった(「自分が下手すぎるのか?」という疑問がわくほど苦戦した)。

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▲15ターン以内に生存クリアーしたときの画像。思わずスクショも撮る。

この難しさの要因はいくつかあるのだが、じつは自軍のメカの初期配置がランダムで決まるため、‟同じ行動をすればこのターンまでは安定する”というプレイができなかったのも難しかった要因のひとつのように思う。あとは、単純に細かい仕様が明かされていなかったので、戦略を詰めるというのが難しかったのもある。

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▲初期配置によっては、最初のターンで1体メカをも倒せないこともある。逆に2体撃破できることも。

そして最終目標である“13ターン以内に全員生存してクリアー”が達成できたのが、プレイを始めてから約7時間後。13ターンクリアーが見えたときは、正直本当に心臓のバクバクと手の震えが止まらなかった。そして最後のターンで味方のメカが攻撃を外したときには「おいぃ!」と声もあげてしまうほどのヒリつき。

ここまで“難しい”という目線で記事を書いてきたが、ゲーマーにとっては高い壁ほどクリアーできたときの喜びも大きいわけで、『Fusionist』はその落差というか高低差でこれまでにない達成感を味わわせてくれた。正直、これほどゲームに熱中したのはいつぶりだろうかというくらい集中して『Fusionist』をプレイしていた。

今回のβテストでは、全プレイヤーが同じメカで戦ったが、正式サービス時にはそれぞれ手持ちのメカの武器の組み合わせや強さ、育成状況が異なるはずなので、とくに‟編成や戦略を自分で立てて攻略するのが好き”という人には、ぜひ注目してほしいゲームだ。

『Fusionist』の期待度

今回のβテストでは、早期クリアー者(実績達成者)にNFTをプレゼントというイベントがあったため、躍起になってプレイしていた面もあるのが、それを取り除いてもゲームとして“クリアーしたい!”という熱があったのは事実。

その証拠というわけでもないが、全実績クリアー後にも「もしかしたら12ターン、11ターンクリアーできるかも?」とついつい‟もう1プレイ”とやってしまう中毒性が『Fusionist』にはあった。少なくとも、もうプレイする必要がない状態から10時間以上プレイしてしまうくらいにはハマってしまったのだ。

βテストということで改善してほしい部分も多かったが、ひとつのゲームとして楽しめたこのシミュレーションバトルに加えて、拠点建築、4X (探索、拡張、開発、殲滅)の要素があるのだとしたら、“遊ばざるを得ない”という気持ちになってしまう。

個人的な『Fusionist』の期待度は9/10点。

シミュレーションバトルについての満足度は高かったが、まだβテストという点やシミュレーションバトル部分以外のコンテンツの詳細は明かされていないので、これらがどう絡み合ってくるのかが気になるところ。

そして、今回のβテストはある意味で全員平等がゆえのおもしろさもあったと思うので、NFTとして発行されているメカがどうゲームに落とし込まれるのかも含めて、今後も『Fusionist』に注目していきたい。

『Fusionist』公式Twitter

筆者:松脇さんば(@matsuwaki_samba)

Fusionist

対応機種ブラウザ
価格無料
このゲームの詳細を見る
ジャンルシミュレーション
メーカーFusion Interactive
公式サイトhttps://www.fusionist.io/
公式Twitterhttps://twitter.com/fusionistio
配信日配信日未定
コピーライト

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