【アプリ市場分析】エンタメジャンルランキングは動画配信サービスの独占状態!現在の流行をチェックしてみよう

2021-09-30 12:00 投稿

動画配信サービスが強い!
エンタメ市場にクローズアップ

毎週月曜12時に掲載している、先週のゲームアプリ市場のトレンドを紹介・分析する【流行りゲーランキング】の拡張版。ゲームアプリ市場以外で気になる動きを見せているアプリ市場をチェックし、そのジャンルのトレンドを分析・考察していくぞ!

今回テーマとして取り上げるのはエンタメジャンル。同ジャンルの月間利用者数(MAU)ランキングを見て、エンタメアプリの現在を紐解いてみよう。

【エンタメジャンルのMAUランキング

集計期間:2021年7月

順位タイトルメーカー
1AmazonPrimeVideoAmazon Prime VideoAmazon Mobile
2TVerTVer テレビ動画視聴アプリ ドラマやアニメのテレビ動画を見逃し配信!無料でテレビ番組の動画見放題TVer
3GYAOGYAO! – 無料動画アプリYahoo Japan
4BuzzfeedBuzzVideo(バズビデオ)- 一人リラックスタイムBytedance
5NetflixNetflixNetflix
6auスマートパスauスマートパス 「エンタメ」「おトク」「あんしん」が充実KDDI
7楽天らっきーくじ毎日の運試し&ポイント貯まる情報が満載-楽天ラッキーくじ楽天
8dアニメストアdアニメストア-初回31日間無料のアニメ配信サービスNTT DOCOMO
9ゲオゲオ クーポンが貰える!ゲーム予約もできる!ゲオ
10ツイキャスツイキャス – (視聴も配信もできる統合版)Moi Corporation

ランキングデータ提供  フラー株式会社 App Ape  ©2021 Fuller, Inc.

エンタメジャンルという括りだとかなり広義になるため、もう少しバラけた内容になると思われたが、蓋を開けてみれば動画配信サービスがランキングのほとんどを占める結果に。なので、今回は動画配信サービスにのみ焦点を当てて市場を見ていこうと思う。なお『YouTube』アプリは動画プレイヤーというジャンルに属しているため、ここには入ってこない。

ランキング内にある動画配信サービスを見て、まず目に入るのが『ツイキャス』の異質性。ほかの動画配信サービスはプロが制作した映像コンテンツが配信されるサービスとなっているが、『ツイキャス』で映像配信をしているユーザーのほとんどは映像制作のプロではないだろう。

過去にあった「コンテンツを制作・配信するのは、その道のプロフェッショナル」というイメージは、もはや過去のもの。『ツイキャス』を使えばスマホ1台で誰もがコンテンツ発信者になれる世の中になったこと、そしてユーザーもそれを楽しんでいることを深く感じさせる。

ただ、映像コンテンツの発信といっても企業発のものと個人発のものとでは意味合いが違うように感じられる。どちらも映像ではあるものの、前者は社会的コミュニケーションで求められる共通認識の形成や話題の切り口を作るために視聴され、後者はコンテンツそのものが場となり、共通の趣味をもつ同士たちの溜まり場や情報交換の場になっている印象だ。

それぞれで得られる楽しさや経験は異なるものなので、競合にはなり得ないという意見もあると思うが、ユーザーの可処分時間は有限であり、そこを食い合うことには変わりない。それぞれがどのような戦略で今後発展を遂げていくのか、しっかりと注目したいところだ。

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AppApe Labが市場を分析!

動画系アプリはコロナウイルスの感染拡大に伴うインドア・巣篭もり志向の高まりの影響を最も大きく受けた分野の一つであり、エンタメカテゴリーにおける主要分野といえる。エンタメカテゴリーの2021年8月のMAU上位50アプリの合計MAUは6463万人で前年同月比21.3%増。そのうち、動画配信・視聴を主要な機能とするアプリは21年8月28アプリと半数を超えており、合計MAUは4879万人とシェアは75.5%に達する。

コロナウイルスの影響で人々の生活様式や余暇時間・可処分時間の使い方が劇的に変化する中、特に連ドラが一気に視聴できたり、ドラマを毎週見れたりするエンタメ系動画の伸びが著しい。動画コンテンツはコミックなどと同じように”コンテンツ”が命だ。逆にいうとコンテンツの魅力が廃れない限り、アプリは利用され続けるといった構図だ。

コロナウイルスの影響が長期化する中、今後はニッチな趣味の深堀りや視聴者とのコミュニケーションなどの付加価値が既存の動画コンテンツを補強していくだろう。YouTubeをはじめとする動画プラットフォームがライブ配信に力を入れているのはその端的な例だ。ストック型の動画コンテンツと、インタラクティブなライブ配信動画を組み合わせることで、よりコアなファンが加速度的に増加していく形だ。

マーケティングの視点ではクロスメディア戦略も活発になるのは間違いない。『ウマ娘』の成功は漫画、動画、ゲームなどさまざまなクロスメディアの賜物だ。既存IPとゲームとのコラボのほか、ゲーム内でのタイアップや動画でのゲームタイアップなどさまざまな可能性がある。アプリに人が集まるということは、そこに物やお金のやりとりが生まれる機会が創出されるということだ。動画というプラットフォームを足がかりに、どのようなサービスが生まれ、成長していくのか注目したい。

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日影ポートレート

(文:App Ape Lab編集長・日影耕造)

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