いわくつきのホラゲ『還願 DEVOTION』再販開始!! 国際政治に巻き込まれ2度消えた話題作を考える【Steamハック:第6回】

2021-03-18 15:16 投稿

崩壊する家族の足跡をたどる物語

1980年代の台湾、作家として活躍する父親と歌手であり女優だった母親。そんな2人のあいだに生まれた1人娘もまた、世間の注目を集める存在へと成長していく。

誰もが憧れるしあわせな家族、しかしそれは表向きの話。

口論の耐えない夫婦とそれに巻き込まれていく娘は徐々に最悪の結末を迎えることとなる。

本記事で紹介する『還願 DEVOTION』は、2度リリースされながらもの引き下げられてきたいわくつきのホラーゲーム。

Steamハック第6回目ではその経緯と本作の魅力、購入方法についてをまるっとお届けするぞ。

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ゲームの見どころ
●どうなる3度目!! 数奇な運命を歩む家族と開発陣
●献身的な愛情の暴走と末路をたどる壮絶な物語

どうなる3度目!! 数奇な運命を歩む家族と開発陣

本作がSteamでリリースされたのは2019年2月のこと。

当初から多くの話題を集めていたのだが、そんなさなか中国の習近平氏を揶揄する道教の符ろくが作中で発見されて販売が中止

その後、2020年6月は限定パッケージ版を台湾でリリースすることを告知。同年12月にはGOG.comにて販売を再開するというアナウンスが行われるも、これに関してはすぐに消滅。待ち望んでいた多くのユーザーに期待と絶望をもたらす結果となった。

■『還願 DEVOTION』PV

SteamとGOG.comで配信停止、そんないわくつきの本作がDRMフリー形式で販売開始。開発元のRed Candleによるストアページを介して購入できる(2021年3月15日現在)ようになったのだ。

本作単体のスタンダード(USドル 16.99)、サントラと合わせたデラックス・エディション、(USドル 20.68)、同デベロッパーが手掛けた『返校 DETENTION』と両作のサントラを詰め込んだコンプリート・エディション(USドル 33.56)。

おそらく今回は取り下げられるようなことにならないだろうが、過去2回に渡る件を考えると何が起きてもおかしくない

興味があるユーザーは後悔しないよう、いまのうちに購入することをオススメするぞ。

■ストアはこちら

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献身的な愛情の暴走と末路をたどる壮絶な物語

物語の舞台は1980年代の台湾、集合住宅に住む脚本家の父親(主人公)、歌手であり映画スターだった母親。

そんな2人に愛され育てられた娘の3人家族を中心に進んでいく。

主人公はいくつもの過去をさかのぼって、大切な家族に何が起こったのかを追体験といった内容だ。

中国固有の宗教である道教(中国3大宗教の1つ)を用いることで、ミステリアスな世界観をより際立たせている。

これは同デベロッパーが手掛けた前作『返校 DETENTION』も同じ。他国の社会性や文化を色濃く描いている点も興味を引く大きなポイントだ。

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タイトルにもなっている“還願”は願掛けが叶ったさいに参りすることを意味する言葉

また、献身や愛情、宗教的な信心といった意味を持つ“Devotion”という言葉を取り入れている点からも本作の世界観がうかがい知ることができる。

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しあわせな日々がどうやって崩壊していくのか。

宗教観の違いはあっても誰にでも起こりえる家庭の問題。それが自分自身、もしかすると身近で発生するかもしれない。

そんな“もしも”の事態を父親の目線で追い、その手で何をしてしまったのかを身を持って知ることになる。

プレイ時間は約3時間ほど、とても短いプレイ体験だがそのインパクトは圧倒的。怒りや悲しみ、さまざまな感情が入り交じる結末を心して見届けてもらいたい。

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P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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