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日本三大妖怪の一角!大江山の酒吞童子【しゃれこうべが語る元ネタの世界 第41回】

2020-07-29 12:00 投稿

『ゴースト・オブ・ツシマ』がぁ~?

買えましたッッ!!!

いやもう楽しすぎて寝食も忘れるってなもんで! 風光明媚に満ち溢れた風情MAXな対馬の世界がたまりませんね!

落ち着いて遠出できるようになったら対馬に行きたいレベルですよ! アクションゲーとしてもすげーおもしろい!!

ってな話はさておき、始まりますよ“元ネタの世界”!

今回扱いまするは、酒吞童子! 日本の妖怪のなかでもトップクラスに有名な鬼ですね!

平安の世に現れた脅威の存在、その実態やいかに!

【目次】
・5色の鬼・酒吞童子
・頼光公、鬼退治を命じられる
・いざ、大江山
・酒吞童子退治
・次回も鬼か、はたまた……?

5色の鬼・酒吞童子

酒吞童子と言えばゲームにマンガにとよくよく登場する鬼ですし、「細かくは知らんけど名前は聞いたことがある」という人はけっこう多いでしょう。

こちらは平安時代に出現して朝廷を脅かした鬼であり、その姿は子どもが巨大に膨れ上がったようなものとも、全身が5色まだら、角は5本、目は15個、体長は5丈(約15メートル)とも言われています!

20200728_酒吞童子 (6)

5色説の赤、黒、白、黄、青、という色は前回紹介した四神&麒麟で触れた陰陽五行説の5色と同じであり、五行説が相当浸透していたことを思わされますね!

ちなみに酒吞童子は日本三大妖怪と呼ばれる妖怪の一角でもあります。

日本三大妖怪は玉藻前(たまものまえ)、大嶽丸(おおたけまる)、そして酒吞童子の3体であり、これら3体は宇治の平等院の宝物倉に遺骸や遺骸の一部が保存された、と言われています。

それらを倒した、という事実が討伐者、ひいてはその討伐者を支援した権力者の力を示すものとして重要視される、それほどに恐れられた妖怪ということですね!

玉藻前については以前の回でも触れていますね!

20200728_酒吞童子 (1)

ちなみに酒吞童子という名前の由来には諸説あります。

・文字通り酒飲みだから酒吞説
捨て子だったことから“すてご”⇒“しゅてご”⇒“しゅてん”説
シュタイン・ドッチというドイツ人の名が転じて酒吞童子になった説

などなど!

ドイツ人説がブッ飛びすぎだろ感ありますが、鬼の正体が当時は見慣れぬ外国人だった説もあるため、あながちトンデモとは言えない、かも……?

今回紹介する酒吞童子のお話に登場する血の酒も、ワインを見て勘違いしたもの、という解釈があり、こちらもそこまで無理はないように感じますね!

が、一方で鬼というのは朝廷に従わない人々、いわゆる“まつろわぬ民”、地方豪族の一種であるという説もあり、こちらもかなり説得力があるような?

そのへんは置いておくとして、そろそろ酒吞童子のエピソードを見るとしましょう!

頼光公、鬼退治を命じられる

一条天皇(在位期間:986年~1011年)の御世、宮仕えをする娘たちが相次いで失踪するという事件が起きます。

事件の原因を確かめるべく、朝廷は陰陽師の安倍晴明に依頼し、娘たちを攫っているのは何者かを占わせました。清明は占いの結果を告げます。

「都より北西にあたる方角にある大江山、そこに住む鬼による仕業でしょう」

20200728_酒吞童子 (4)

※清明の元ネタは男です。
※『乖離性MA』では安部ではなく阿部表記。

余談ですが、北西の方角は鬼門とも呼ばれ、陰陽道でも魑魅魍魎が侵入してくる、忌むべき方角とされています。

江戸城の北西にある上野の寛永寺も、鬼門を封じるために建てられたのでは、なんて言われていますが、そりゃさておき!

大江山に住む鬼を討伐するべく武士たちが集められますが、「相手が天魔、鬼神とあっては戦いようがない」と言って、武士らは討伐に向かうことを拒否してしまいます。

これではいかん、とつぎに勅命を与えられたのが、源頼光(よりみつ)、藤原保昌(やすまさ)の2名です。

ふたりは石清水八幡宮、日吉、住吉、熊野大社などに参詣して鬼神退治の成功を祈願したのち、頼光四天王とも呼ばれる渡辺綱(つな)、坂田公時(きんとき)、碓井貞光(うすいさだみつ)、卜部季武(うらべのすえたけ)を連れて大江山へと向かいました。

ちなみに頼光は土蜘蛛などの妖怪も退治しており、名前の読みかたを変えて“らいこう”さんとしても頼られていた平安の妖怪スレイヤーです!

20200728_酒吞童子 (9)

そしてそんな頼光配下の四天王の渡辺綱は、酒吞童子の配下である鬼の茨木童子の腕を切ったことでも有名で、坂田公時は金太郎の元になった人物としても有名ですね!

そんなガチガチのメンバーで固め、神仏への祈りも欠かさずに万全の状態で挑む鬼退治、さぁいかに!

いざ、大江山

大江山へと向かう一向の前に、道中で老人、山伏、老僧、若僧の4人(あるいは3人の翁)が現れます。

この老人たちは頼光たちに、鬼の魔力を奪う神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)、いざというときに身を守る星甲(ほしかぶと)という兜を託し、助言を与えました。

「敵の大将は酒吞童子という怪物だ、武士の姿では鬼の館に入れまい。

山伏(やまぶし:山中で修業をする修験道の行者)に変装し、笈(おい:仏具などを入れて背負う竹で作った箱)に甲冑を隠して行け」

ここで登場した老人たちは、頼光らが参詣した神社の神々の化身だとも言われています、

20200728_酒吞童子 (7)

その後、洞窟を抜けて川に出た一行は、血濡れた着物を洗う少女に出会いました。

話を聞くと、その少女は攫われた娘のひとりであり、彼女が洗っていたのは、今朝鬼に殺された少女の着物だと言うのです。

鬼たちは攫ってきた娘たちに暴行を加えた挙句、その血を絞り出しては酒と言って飲み、肉をそぎ落しては酒の肴として食べている。そう聞いた一行は、鬼討伐の思いを一層強く固めるのでした。

少女から鬼たちがいる城の場所を聞き出し、神々の化身にもらった助言通り、山伏に変装して城門へと向かいます。

城にたどり着くや否や、門番の鬼たちに襲われそうになった頼光たちでしたが、ここに待ったをかけたのが、茨木童子です。

「これだけ美味そうな客人だ、まずは大将に献上せねばなるまい」

20200728_酒吞童子 (5)

こうして、頼光たちは酒吞童子の前へと進むのでした。頼光たちの前に現れた酒吞童子は、身体こそ大きいものの、その姿は18歳前後の少年のように見えます。

酒吞童子退治

「人間どもが何の用だ」と、いまにも食ってかかりそうな酒吞童子でしたが、道に迷った山伏である、と語る頼光たちが酒を差し出すと、大喜びで宴会を開きます。

鬼たちは頼光たちにも血の酒や人の肉を振舞いました。しかしさすがは武士と言うべきか、鬼たちに怪しまれぬように頼光たちは涼しい顔でそれらを平らげてみせます。

さて、酒を飲んで上機嫌になった鬼たちは、神便鬼毒酒も見事に飲み干し、やがてその毒を受けてか泥酔してか、眠気を訴えて各々の部屋へと戻っていきました。

20200728_酒吞童子 (8)

鬼たちが寝静まった後、頼光たちは笈に隠していた甲冑を身に着けます。

するとそこに神々の化身が再び現れ、討伐隊の面々を酒吞童子の寝床へと案内します。先ほどは人の姿をしていた酒吞童子は、巨大な鬼の姿で眠りについていました。

「寝ているとは言え相手は恐るべき鬼、四肢を四方の柱に結び、のちに頼光が首を斬るのだ」

神々の化身の言葉に従い、頼光たちは酒吞童子を縛り付け、最後に頼光が酒吞童子の首を斬り落としました。

しかし、斬られた首は宙へと舞い上がり、頼光に襲いかかったのです。

「お前たちの言葉を信じたのにこの仕打ちか。鬼とてこのような騙し打ちはせぬぞ!」

20200728_酒吞童子 (10)

予想外の動きに反応が遅れた頼光、酒吞童子の牙がその頭を噛み砕く……、とも思われたそのとき、星甲によってその攻撃は防がれ、その隙を突いた頼光によって、今度こそ酒吞童子の息の根が止められました。

その後、茨木童子ら手下の鬼たちが騒ぎに気づいて駆けつけましたが、頼光たちは襲い来る鬼たちをすべてなぎ倒し、城に住むすべての鬼を討伐します。

こうして、城に囚われていた娘たちは、宴会のために手足をもがれた哀れな少女を除き、すべて救出されたのでした。

~ 幕 ~

と、ハッピーエンドとも言い切れない何ともアレな一文とともに酒吞童子退治の物語は終了します!

お酒に酔って寝込んだところをバッサリ、というくだりは日本神話のヤマタノオロチ退治とダブるものがありますが、実際に酒吞童子がオロチの末裔とする説もあるそうで、これも偶然の一致ではない、のかも……?

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次回も鬼か、はたまた……?

ってことで、今回は酒吞童子のお話でございました!

読んでみるとそこまで大規模なことはやっていないような気もしますが、首を斬られてもなお襲いかかる姿はさすが日本三大妖怪と言ったところでしょうか!

せっかくですし、次回も続けて三大妖怪である大嶽丸の話をする、かも……?

場合によってはまったく別ベクトルに行くかもわからんですが、そのあたりは編集さんに相談だー! ソウダンダー!

んでは、ネタが決まるまでのあいだはツシマを救う旅に出るとしますよ! 賊と蒙古は全滅だァー!!

【“元ネタの世界”まとめはこちら】

文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM

参考文献

草野巧・戸部民生(1994)『日本妖怪博物館』新紀元社.
高平鳴海・糸井賢一参考文・大林憲司・エーアイ・スクウェア(1999)『鬼』新紀元社.
小松和彦(2000)『怪異の民俗学4 鬼』河出書房新社.

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