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神話時代から受け継がれる伝説の剣・天叢雲剣【しゃれこうべが語る元ネタの世界 第5回】

2019-11-06 12:00 投稿

ムラクモと言えば大曲剣……ではなくて

ちょォォ~~~っとちょっとちょっと! ご存知ですか奥さん!!

なんとなんと! スターダムのアイコンこと岩谷麻優が!

数年ぶりにワールド・オブ・スターダム王座に返り咲きましたよ!!!

ィィイヤッホォォーーゥ!!

編集U「はい、クソやかましい開幕でおなじみ、“元ネタの世界”のお時間でございます」

HAHAHA! プロレス観戦は呼吸みたいなもんですからね!!

ってことで皆さんこんにちは、もしくはこんばんはァー! しゃれこうべ村田です!

前回までは『アーサー王物語』の世界をかいつまんでご紹介してきた本コラムですが、今回からは世界各国に伝わる伝説の武器のお話をしていきますよ!

まずご紹介しますのが、先日の即位礼正殿の儀でも話題になった、天叢雲剣でございます!

草薙剣とも呼ばれるこの剣、その由来や何やを語っていきまっせェ~!

【目次】
・神話時代の剣ですよ! ムラクモさん
・スサノオとヤマタノオロチ
・策士・スサノオ!
・その後の天叢雲剣
・次回はアイルランド神話のゲイ・ボルグ!

神話時代の剣ですよ! ムラクモさん

そもそも天叢雲剣って何ですのってな話ですが、まず読みかたはアメノ(またはアマノ)ムラクモのツルギ!

まずは簡略プロフィール(?)をどん!

日本神話である『古事記』、『日本書紀』のいわゆる記紀神話に登場する伝説の剣。

八咫鏡(ヤタノカガミ)、八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)と並び、歴代天皇が継承してきた三種の神器と称される。

ちなみに、本コラムで画像を使わせていただいている『乖離性ミリオンアーサー』でもまさかの擬人化をされて登場していたりますね!

20191105_天叢雲剣 (1)

別名を草薙剣(クサナギのツルギ)とおっしゃることでも有名……と思いきや、どうも天叢雲剣と草薙剣は同じ剣ではない、とする説もあるそうな!

編集U「そりゃ初めて聞いたな」

しかし通説としては天叢雲剣=草薙剣説が強いっぽいので、今回は独断と偏見によりそちらを採用していきますよ!

天叢雲剣が登場するのは、神々の時代の前半からなかごろに差し掛かるころ!

かの有名な神・スサノオによるヤマタノオロチ退治のお話でございますね!

スサノオとヤマタノオロチ

昔々、スサノオノミコトという非常にわんぱくな神様がおりました。

スサノオはやんちゃがすぎるあまり、天上界である高天原(タカマガハラ)で死人が出るほどの騒ぎを起こしてしまいます。

このせいで姉のアマテラスオオミカミはショックのあまり洞窟に引きこもり、洞窟の入り口を巨大な岩戸で塞いでしまいました。

20191105_天叢雲剣 (2)

※スサノオが『乖離性MA』だと女体化されていますが、元ネタは男神です。

太陽神であるアマテラスが隠れてしまったことで世界は闇に包まれてしたったという、世にいう天岩戸(アメノイワト/アマノイワト)事件ですね!

こちらは日食を神話の形で語り継いだものとも言われていますが、それはさておき!

神々は岩戸の前でどんちゃん騒ぎをすることで、「私がいないのに何でテンション高いん?」と興味を持たせると、アマテラスが岩戸の隙間から様子を伺おうとした隙を見て、一気に洞窟からアマテラスを引き出しました。

これによって世界には光が戻りましたが、ことの原因となったスサノオは神々から責任を問われ、高天原を追放されてしまいます。

こうして、スサノオは地上の世界である蘆原中国(アシハラノナカツクニ)に舞い降りることとなるのです。

20191105_天叢雲剣 (3)

ちなみに、アマテラスを引き出すためのどんちゃん騒ぎの際に使われたのが、のちに三種の神器となる八咫鏡と八尺瓊勾玉ですね!

編集U「騒ぐのに鏡と勾玉を……?」

ほらまぁ、パーティーには飾り付けが欠かせませんし……?

それはさておき、ここで日本神話の世界をざっくり説明しておきますか!

日本神話は神々が住まう天上界の高天原、天上の神々が下りてくる以前から日本の地にいた神々が暮らす蘆原中国、そして死者の国となる黄泉国(ヨミノクニ/ヨモツクニ)の3世界から構成されていますよ!

アマテラスなど高天原の神々が天津神(アマツカミ)と呼ばれ、対してオオクニヌシなどに代表される蘆原中国の神々は国津神(国津神)と呼ばれています!

20191105_天叢雲剣 (4)

編集U「神界、人間界、冥界の3層構造はよくあるよな」

蘆原中国も神が暮らしてるので人間界と言っていいかは微妙なところですが、スサノオはおもに蘆原中国で活躍をしていくわけです!

アマテラスと同じくイザナギ、イザナミの子であるスサノオが国津神に分類されるのは、活躍の場が蘆原中国だから、かも……?

さておき、高天原を追放されたスサノオのその後をば!

20191105_天叢雲剣 (5)

蘆原中国へと降りたスサノオは川にたどり着きました。川上から流れてきた箸を見て、スサノオは近くに人里があることを知ります。

川に沿って進むと、その先には老夫婦とその娘が住んでいましたが、彼らはひどく悲しみに暮れた様子です。

スサノオが訳を尋ねると、年老いた父親は答えました。

「近くに住むヤマタノオロチという化け物が毎年自分たちの娘を食べてしまい、8人いた娘もいまはこのクシナダヒメを残すのみ

そうしていま、今年もオロチが娘を食べにやってくる時期が来たので悲しんでいるのです」

ここで出ました、これまた有名なヤマタノオロチ!

ひとつの身体に8つの頭と8つの尾があり、その大きさは谷8つほどにもなると言われる巨大な蛇の化け物ですよ!

20191105_天叢雲剣 (6)

8つの頭と尾というのは枝分かれした河川を象徴し、娘を喰らうのは毎年の水害を意味している、ってな解釈もあるそうな!

編集U「あ~、確か蛇と水神が結びついてる、みたいな話も多いもんな」

ヤマタノオロチの特徴として挙げられるホオズキのような赤い目血がにじんでただれた腹、といった赤の色は、オロチが象徴している川が砂鉄を含んでいたことを意味するのでは、とか言いますね!

そんな自然災害の象徴とも思われるオロチをスサノオがいかに退治したか、と言いますと!

策士・スサノオ!

話を聞いたスサノオは、オロチを退治する代わりにクシナダヒメを嫁にくれ、と要求するしました。

編集U「蛇に食われる代わりに、いきなり来た男の嫁になるのか……」

す、スサノオは由緒正しい神々の系譜ですから、そこはまぁ、ね……?

話がまとまると、スサノオはクシナダヒメを櫛の姿に変え、自分の髪に差すと、老夫婦に命じました。

「そなたらは入念に発酵させた強い酒、八塩折(ヤシオオリ/ヤシオリ)の酒を作り、それを8つの樽に入れよ。

それらの酒樽を8つの垣に囲ってそれぞれ置き、オロチに飲ませるのだ」

老夫婦が言われた通りに準備を済ませると、ほどなくしてオロチが現れます。

酒好きのオロチはまんまと八塩折の酒の樽に首を突っ込み、あっという間に酔っ払って眠ってしまいました。

ここでチャンスとばかりにスサノオが飛び出し、樽に突っ込んでいるオロチの首を即座に切り落としたのです。

20191105_天叢雲剣 (7)

オロチを退治したスサノオは、約束通りクシナダヒメを嫁にもらうことができました。

神話の世界ではその後、スサノオの子孫であるオオクニヌシがさまざまな冒険をくり広げることになりますが、それはまた別のお話。

~ めでたしめでたし ~

編集U「寝込みを襲って勝つってのがまた何とも」

ま、まぁ谷8つぶんとかいう規格外の化け物相手ですしね~! 頭を使って勝ったって訳ですよ!

編集U「しかしそのサイズを考えると、頭全部切り落とすのにめっちゃ時間かかりそうだな……」

言われてみると確かに……! そのあいだも寝ていられるオロチのタフさもすごいですが……!

何はともあれ、スサノオがオロチを解体しているときに出てきたのが、何を隠そう天叢雲剣でございますよ!

尻尾のほうを斬ろうとしたらスサノオの持っていた剣が欠け、何事かと見てみたら尻尾の中に剣が入っていた、というなかなかのトンデモ展開ですね!

ところで先ほどヤマタノオロチが河川を象徴しているってな話を出しましたが、それをスサノオが退治したというこのエピソードは、治水技術を伝えたことを意味しているとも考えられるのだとか!

編集U「は~、なるほどねぇ。しかしいまのところ、天叢雲って名前に関係のある話がないような」

これがですね! どうやらヤマタノオロチのいるあたりにはいつも雲がたなびいていたとかで、天叢雲はそのオロチの性質(?)からきているのではないか、と!

即位礼正殿の儀の際にも、剣を使うタイミングで雨雲が出現し、儀式が終わるや否や雲が散っていくという様子に、一部界隈は「リアル叢雲効果じゃね?」なんて盛り上がりも見せていましたね!

しかも雨上がりには皇居の上にがかかり、日本の国土や多くの神々を生み出したイザナギ、イザナミのふた柱が下界に現れる際に虹を渡ったと言われていることともリンクしているじゃあないか、との盛り上がりも!

まさかの神話を再現するような現象だったということで、そりゃ盛り上がるわってなもんですね!

“クサナギ”の意味するところは?

で、天叢雲剣の別名である草薙剣でございますが!

メジャーな名前の由来としては、文字通り草を薙いだことから来ている、なんて話がありますね!

天叢雲剣は登場後にスサノオからアマテラスに奉じられ、受け継がれた剣はやがて皇族のヤマトタケルが日本の東方を制圧しに行く、いわゆる東征の際に再び登場します!

このとき、ヤマトタケルは地方の豪族に騙し打ちをかまされ、野原のなかで火に囲まれるというピンチに陥るのですが、ここで燃える草をバッサバッサと薙いだ、と!

編集U「マジでそのまんまだな」

ちなみにヤマトタケル、草を薙いだ直後に火打石でみずから火をつけ、迫りくる炎を逆に追いやった、というけっこうな謎ムーブもかましていますね!

編集U「火で火を……、払う……?」

神話って不っ思議ィ~!

そしてそのまま土地を焼き払われ、現地の豪族もぶった斬られた土地が、いまの静岡県は焼津(やいづ)市にあたるんだとか!

20191105_天叢雲剣 (8)

編集U「あぁ、地名の由来につながるのか」

こういう由来話はけっこうおもしろいですよね~!

そんな話が草薙剣の名の由来としてはメジャーなんですが、別の説では、ナギの字はもともと“蛇”と書いていた、なんて話もありますね!

編集U「蛇の化け物から出てきたってことを考えるとしっくりくる話だな」

そして今回『乖離性MA』の画像を改めて見て気づいたのですが、このヤマタノオロチが薙刀をもっているのは、もしかすると草剣と刀とで“薙”の字をかけた言葉遊びなのかもですね!

20191105_天叢雲剣 (9)

編集U「珍しく本当にありそうな予想をしてきたな……」

珍しくは余計ではァ~?

その後の天叢雲剣

と、神話に登場していた天叢雲剣は八咫鏡、八尺瓊勾玉とともに三種の神器として歴代天皇に受け継がれていましたが、平安時代末期の源平合戦の折、剣だけが紛失してしまうんですよね~!

編集U「あ~、平家方の尼僧が幼い安徳天皇といっしょに神器も抱えて入水したってやつね」

いかにも! 八咫鏡と八尺瓊勾玉は無事発見されたそうですが、天叢雲剣の行方は知れず!

が、ここで失われたのはあくまで形代(神霊が依り憑く依り代の一種)であり、スサノオの時代から伝わる本来の天叢雲剣はいまだ名古屋の熱田神宮に奉じられているとか、いないとか!

神代の剣が現在にまで伝わっているというロマン、嗚呼たまらない……!!

次回はアイルランド神話のゲイ・ボルグ!

ってェーことで、今回は日本神話の天叢雲剣を紹介しましたよ!

スサノオやアマテラスの誕生につながるイザナギやイザナミの話もおもしろいのでね! こちらもそのうち(貼る画像がない問題を解決したら)お話ししたいですね!

そして次回、伝説の武器編第2回は、アイルランド神話の英雄であるクー・フーリンが持っていたとされる、槍のゲイ・ボルグについてお話しましょうかと!(『乖離性MA』だとクーホリンのゲイ=ボルグという表記ですが!)

20191105_天叢雲剣 (10)

こちらもゲームやらで名前はおなじみながら、何気に謎の多い武器だったりしますのでね! 次回もお楽しみに!!

いや~しかし、すっかり肌寒くなってきた昨今ですがね! 先日、11月4日のスターダム後楽園ホール大会でアタシの心はバーニンハートですよ! バニハー!!

近年は怪我で泣かされることも多かった岩谷が再び王座に返り咲く、こんなにうれしいことぁない……!

今週末、11月9日には佳境となったタッグリーグ戦を含む大阪大会が開催されるのでね! 関西方面の方はぜひぜひ足をお運びなさってくだせぇや!!

編集U「ふつうに大会の宣伝じゃねぇか!!」

ファンなら告知のタイミングは見逃さない、こいつぁ必然ですなァ……!!

文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM

参考文献

上田正昭・井出至編(1978)『観賞 日本古典文学』(第1巻) 角川書店 .
幻想世界武器・防具協会(2009)『[決定版]英雄達の武器・防具 FILE』 学習研究社.

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