『天倫の桜』千葉県佐倉市の公式RPGがリリース!市の担当者に制作経緯などを聞いてみた

2020-03-20 18:00 投稿

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天倫の桜

注目の“市公式RPG”が登場!

2020年3月20日、千葉県佐倉市を舞台にした官民連携による市の公式RPG『天倫の桜』がリリースされた。

本記事では、市の公式RPGというインパクトで発表当時から注目を集めている本作について紹介しつつ、本作の制作に携わった佐倉市の担当者に行ったメールインタビューの内容を紹介していく。

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『天倫の桜』とは

市の公式アプリというと純粋な名所案内がメインになっていそうなイメージだが、『天倫の桜』は、江戸中期の佐倉藩を舞台に、藩の命を受けて化け物退治に出た若き佐倉藩士・武居新佐(たけいしんざ)の物語を描くコマンドバトルRPGとなっている。

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▲十字キーによる移動とメニュー、OKボタンを使うシンプルな操作。移動速度を変更することも可能だ。

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▲戦闘はコマンド選択式となっている。市の公式アプリに戦闘画面があるという時点でなかなかの衝撃だろう。3倍速モードやコマンドリピートのボタンがあるのもありがたい。

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▲会話イベントのセリフ数は総計60000字以上とのことで、ボリュームも十分。さらに主要キャラのセリフはフルボイスとなっている。

もちろん佐倉市への観光誘致につながる機能も実装されており、佐倉市にある史跡や名所を訪れてGPS通信をすれば、ゲーム内で使える強力なアイテムなどを手に入れることが可能だ。

もともと佐倉市に住んでいる人はもちろん、まだ佐倉市を訪れたことがない人は足を運ぶきっかけにしてみるのもいいだろう。

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▲リンクできるスポットを巡る佐倉市旅行も楽しめるだろう。

ゲーム外でも、佐倉市内にある17軒のY.M.O参加店舗を利用することで、キャラクター缶バッジなどのオリジナルグッズをもらうこともできる。

リリース前からキャラクターデザインが好評だっただけに、オリジナルグッズを求めての来訪者が街に溢れる……かも?

ちなみにY.M.Oとは、Y(大和芋)・M(味噌)・O(お茶)の頭文字のアルファベットをとったもので、食の側面から佐倉市を盛り上ようというプロジェクト。参加店舗は佐倉エリア、志津・ユーカリが丘エリア、臼井エリアの3エリアに分かれており、中華、ベーカリー、そば、イタリアンなど多彩な食のジャンルを楽しめるようになっている。

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▲グッズをもらえる店舗の情報はゲーム内で確認でき、ホームページにアクセスすることもできる。

教えて! 担当者さん!

市が作る公式のアプリ、しかもRPGということで編集部内でも注目を集めた本作について、市の担当者へのメールインタビューで本作の制作経緯などを伺うことができたので、以下にその回答を掲載していく。

Q.『天倫の桜』の制作を行うに至ったきっかけを教えてください。

市のシェアオフィス“コラボサクラ”に入居している株式会社equoから市に対して地方創生RPGについてご提案を頂いたことがきっかけです。

“地方創生と新規事業”の構想を受け、市は株式会社equoと協定を結び、官民連携事業として、“サムライのまち佐倉”をテーマに企画やPRの面で連携、協力をして本作の制作を行いました。

Q.『天倫の桜』の見どころ、ユーザーに伝えていきたいことを教えてください。

ひとつめはキャラクターの名前です。キャラクターたちが、”新しい佐倉のコンテンツとなるように”という願いを込め、佐倉に現存する武家屋敷や江戸時代の佐倉藩主から名前をお借りしています。

たとえば、佐倉に現存する武家屋敷(旧武居家住宅、旧但馬家住宅)から姓をお借りした武居新佐(たけいしんざ)や但馬市之亟(たじまいちのじょう)、江戸時代の佐倉藩主である堀田家から姓をお借りした堀田凛太郎(ほったりんたろう)というキャラクターがそれに当たります。

ふたつめは、ゲーム上のステージが江戸時代の佐倉を再現しているということ。佐倉城をはじめ、現存する歴史文化施設と繋がりを持たせることで、佐倉の魅力を十分に感じることができるようにしています。

みっつめは、プレイしていただくことで、実際に佐倉を訪問した時の楽しみが増すように作っているということです。ユーザーが佐倉へ観光に来た際、ゲームと現実がリンクすることで観光体験がさらに充実したものになるように願って制作しました。たとえば、武家屋敷や麻賀多神社、ひよどり坂などの観光名所のグラフィックにはとくにこだわりましたし、城下町には実在する店舗を設置しています。

最後に、『天倫の桜』というゲームの名称そのものです。この言葉は、主人公であるサムライたちの”信念を貫く生き様”を表しており、現代社会での”地域経済と倫理のバランス”の重要性を再認識する必要があるという思いで付けさせて頂きました。

麻賀多神社①
麻賀多神社②
▲佐倉市の観光名所”麻賀多神社”。現地を訪れて、ゲーム内と同じアングルの写真を撮るというのも楽しそうだ。

Q.現状、『天倫の桜』は無料で配信されておりますが、今後収益化・マネタイズといったことを目指していくのでしょうか

官民連携事業のもと、あくまで一民間事業者の事業であり、ある程度の収益化は考えています。ただし、目的は“地域創生と新規事業”になりますので、無料ダウンロードからの一部有料選択の場面も存在しています。

Q.キャラクターデザインにかなり力が入っているように思いますが、今後IPの横展開を行う予定はありますか。

“新しい佐倉のコンテンツ”として地元企業とコラボした商品開発などを行い、地域経済全体を盛り上げていきたいと考えています。また、幅広い方々に注目されることを目的に、マンガ出版や演劇への展開もあるかもしれません。

Q.キャラクターに関して、ホームページでは集合絵と顔まわりの切り抜きのみイラストと名前、声優のみ表示されていますが、キャラクターの細かい設定や相関図、全身図、設定資料などありますでしょうか。

武居新佐、但馬市之亟、但馬雫の設定と、各キャラクターの相関図を用意しました。

もっと深い関係性や、彼らがどういった思いをもっているのかということはぜひゲームをプレイすることで感じていただきたいです。

▼武居新佐

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▼但馬市之亟

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▼但馬雫

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▼相関図

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Q.佐倉Y.M.O.プロジェクト参加店舗利用で、ゲームのオリジナルグッズをプレゼントとありますが、オリジナルグッズは店舗ごとに異なるものが製作されているのでしょうか

今はキャラクター6種類の戦う場面の缶バッジをプレゼントとしています。その他のグッズについても検討中です。複数のお店に行くことで、全キャラクターのグッズをゲットできます。

▼缶バッジ(武居新佐)

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Q.『天倫の桜』のアプリのアップデートを含む今後の展望を教えてください。

“新しい佐倉市のコンテンツ”として地元企業とコラボし、新しい展開で新事業やイベントを創出し盛り上げていきたいです。

また、千葉県の佐倉、成田、香取、銚子の四都市が日本遺産に認定されているなかで“北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み”のもと、地域の歴史的魅力や特色を伝えられるストーリーを作成し、続編を作成する可能性もあると思います。

Q.ユーザー・読者の皆様に一言お願いいたします。

現実とリンクした仕掛けもありますので、単にダウンロードして遊ぶだけでなく、実際に“サムライのまち佐倉”を訪れて楽しんでいただきたいです。

ゲームの名称である『天倫の桜』は、主人公であるサムライたちの“信念を貫く生き様”を表しています。ぜひ、皆さんもこのゲームに挑戦していただき、『天倫の桜』と“佐倉の魅力”を感じてください。

新しい地方創生の流れになるか!

市の公式RPGという響き、そして力の入ったキャラクターデザインでリリース前から高い注目を集めた『天倫の桜』。

現実世界とリンクをしたゲーム内外の施策を活かした地方創生アプリという仕掛けはユニークなだけに、今後ほかの都市でも同じような動きが出てくれば、位置情報ゲームとはまた違った形で外出を楽しめるようになりそうだ。

本作に興味を持った人は、いったん本作をプレイしてみて、さらに興味を持てたら佐倉市に足を伸ばしてみよう。

天倫の桜

対応機種iOS/Android
価格無料
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ジャンルRPG
メーカーequo
公式サイトhttps://tenrin-sakura.jp/
配信日配信中
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