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雷神・“トール”世界最大の鍋を探しに行って世界蛇を釣り上げるの巻【しゃれこうべが語る元ネタの世界 第21回】

2020-03-11 12:00 投稿

見ましたか! 無観客試合!!

2020年3月8日、後楽園ホールに並ぶ客席、しかしそこに座る観客の姿はない……。

その異様な光景に包まれたなか、スターダム主宰の無観客試合“NO PEOPLE GATE”は幕を開けた……。

って訳なんですけどね! いやおもしろかった!

選手としてはやはり歓声がなくて勝手が違ったようですが、見るぶんにはぜんぜん楽しめちゃいましたよ!

え? まだ見てないって?

じゃあリンク置いとくんでプロレス見たことないこともぜひね!!

【スターダム無観客試合in後楽園ホールの模様はこちら!】

編集U「開幕自由すぎんだろ!!!」

あぁ……、やりきったぜ……!

ってことで本編いきますよい! 今週も始まりまして、“元ネタの世界”!

前回に引き続き、北欧神話の雷神・トールとトリックスター・ロキの珍道中をご紹介ですよ!

それではさっそく、いざいざ!

【目次】
・そんな醸造釜で大丈夫か?
・牛を食べ、牛を取る
・レッツ・フィッシング!
・がんばれ! ヒュミルくん!
・次回はもうひとりのロキが登場!

そんな醸造釜で大丈夫か?

今回のお話は、嵐の海神と呼ばれる巨人・エーギルが、神々をもてなす宴を開くところに端を発します!

エーギルは神々のために蜜酒を用意しようとするも、神々全員の蜜酒を造るには醸造釜が小さすぎる!

そこで、エーギルはトールに頼み、北欧神話に存在する9つの国々から、もっとも大きな釜を探してきてくれと頼むのです!

20200310_トール釣り (2)

しかし引き受けたはいいものの、果たしてどこを探したものか!

と、悩むトールに声をかけたのが、テュールでございます!

編集U「あぁ、テュールってーとあれか、フェンリルに片腕食われたとかいう神様か」

そうそう! しかし! テュールは『乖離性MA』登場していないので画像がない! そこで!

編集U「自作画像~?」

いや、今回は“テュール=神の一般名詞”説から出てきたと言われる、“じつはここで出てきたテュール(神)はロキだった”説を採用いたします!

20200310_トール釣り (1)

ってことで、テュール改めロキの提案により、彼の義理の父・ヒュミルが持っているという釜を求め、トールとロキは巨人の国であるニヴル・ヘイムのほうへと向かうのでした!

牛を食べ、牛を取る

さて、けっこうな長旅の果てにヒュミルの家へとたどり着いたトールとロキ。

家のなかに入ると、ヒュミルの妻、つまりはロキの母親がふたりを歓迎しました。

ヒュミルはまだ帰ってきておりませんでしたが、ヒュミルの妻は「いきなり彼に出くわすと問答無用で襲われてしまうので、まずは柱の陰に隠れていなさい」と言います。

ふたりがその言葉に従って隠れていると、凍り付いたヒゲをたくわえたヒュミルが狩りから帰ってきました。

20200310_トール釣り (3)

編集U「ここで自作画像である」

いやヒュミル描くからテュール=ロキ説を採用したとかじゃないですけどね! 決して!!

さておき!

妻から客人が柱の陰にいると聞くと、ヒュミルは柱をひと睨み。

するとその眼力で柱は崩れ落ち、柱の上の梁に乗せられていた釜がガラガラと落ちてきました。

落ちた8つの釜のうち、7つは壊れてしまいましたが、非常に大きく頑丈なひとつの釜だけは、床にめり込みながらも無事なままです。

編集U「これが目当ての釜ってことか」

いかにも! しかしすぐにゲットとはいきませんよ!

不機嫌ながらも客人をもてなすべく食事の席を開いたヒュミル、食卓にはなんと牛三頭ぶんもの肉が並びました。

しかし、トールは牛二頭ぶんをペロリと平らげてしまいます。

「俺より多くの飯を食えないなら殺してやる」と言って襲い掛かるつもりだったヒュミルは、作戦が失敗したことでさらに腹を立てます。

20200310_トール釣り (4)

さて、食事を終えてヒュミルが釣りに出かけようとすると、トールもこれについていこうとします。

「ふん、貴様のような奴は海へ出る途中で凍えて死んでしまうぞ」

「先に音を上げることになるのはどっちかな」

と、不穏なやり取りをしつつもヒュミルはトールが同行することを認め、ただし餌は勝手に用意しろ、と突っぱねます。

するとトールはあたりを探し、ヒュミルの家畜小屋に入って雄牛の首を切り落とし、これを釣りの餌として持参したのでした。

編集U「人の家畜を勝手に餌にしていくスタイル」

神話ですからね! 仕方ないね!!

レッツ・フィッシング!

ヒュミルとトールは船を沖に出しましたが、小馬鹿にされてイラついていたトールは全力で船を漕ぎ、あまりのスピードに驚いたヒュミルは待ったをかけます。

「お、おい、そろそろ十分じゃないか。ここで釣るとしよう」

「いやいや、まだまだ沖に出なければ」

こうして、ヒュミルがいつも釣りをしている沖合よりも遥か遠くまで出たトールは、いよいよ釣り針にセットした雄牛の頭を海に沈め、釣りを開始します。

かくして北欧神話に降り立った伝説の釣り人……、その名はそう!!

20200310_トール釣り (10)

編集U「余計なパロディ入れんなつってんだろ!!!」

いやぁ、釣りキチか日誌かでも迷ったんですけどね……!

さておき!

トールが静かに待つあいだ、ヒュミルはクジラを2頭釣り上げ、さぁどうだとトールにドヤ顔を向けました。

しかしそのとき、トールは確かな手応えを感じます。

海底でとぐろを巻いていた、9つの国々すべてを取り巻くと言われる巨大な世界蛇・ミドガルズオルムが雄牛の頭に食いついたのです。

20200310_トール釣り (5)

釣り針を飲み込んだミドガルズオルムは暴れに暴れますが、トールもこれを無理矢理に釣り上げようと全身に力を込めます。

あまりの力で踏ん張ったおかげで、トールの両足は船の板を踏み抜きました。

船が大きく傾こうともトールは釣り糸を手繰りよせ、ミドガルズオルムの頭を海上に引きずり上げます。

編集U「これで千切れない釣り糸がオーパーツすぎるのでは」

神話のアイテムですからね! すごいですね!!

大暴れする世界蛇と雷神のせいでいまにも転覆しそうな船の端で、ヒュミルは気が気でなくなり、もはやガタガタ震えるしかありません。

トールは引き寄せたミドガルズオルムの脳天にミョルニルを撃ち付け、その衝撃で世界の山々は震え、洞窟には轟音が鳴り響き、海は大荒れとなりますが、ミドガルズオルムも毒を吐いて対抗します。

20200310_トール釣り (6)

トールが再びミョルニルを放とうとしたそのとき、横から入ったヒュミルが釣り糸を断ち切り、すぐさまミドガルズオルムは海底へと戻ってしまいます。

おかげで海は静まり、なんとか事なきを得たヒュミル。しかしその後、怒りに震えるトールに顔面を張り飛ばされ、一度は海中に沈むという憂目にあうのでした。

編集U「ヒュミルかわいそうになってきたな……」

釣りという名の戦いをジャマしてはいけない……!

編集U「釣りっていうかマジもんのバトルだったが」

がんばれ! ヒュミルくん!

トールにブッ飛ばされた後、なんとか船に戻ったヒュミルはトールとともに家に帰りましたが、懲りることなくトールに勝負を挑みます。

編集U「ヒュミル(の頭)がかわいそうになってきたな……」

巨人にもプライドってもんがあるんでしょう!

「トールよ、この杯がお前に割れるか」

「なぁに、簡単なことだ」

トールは差し出された杯を家の柱に投げつけましたが、杯が柱に当たると柱が砕け、杯には傷ひとつありません。

20200310_トール釣り (7)

編集U「柱がどんどん壊れるな……」

これで家が崩れたらドリフ感すごいですけどね! さすがにそんな展開にはなりませんが!

杯が壊せずにいるトールを見てヒュミルは得意げですが、ここでヒュミルの妻がロキにそっと耳打ちをします。

「この家でもっとも頑丈なのは、ヒュミルの額です。彼の顔に投げつけるといいでしょう

編集U「奥さん何言ってんの???」

ロキからこれを伝え聞いたトールは、ミョルニルよろしく杯をヒュミルの顔面目掛けて投げつけます。

すると杯は粉々に砕け、ヒュミルは自慢の杯がなくなってしまったことで意気消沈してしまいます。

20200310_トール釣り (8)

編集U「そんな大事なものを勝負の道具にするな???」

さて、すっかり話が脱線していますが、トールとロキがここに来た理由は世界最大の釜でした!

ヒュミルはまだまだ懲りずに勝負を仕掛けるのですが、ここでやっとこ釜が登場!

「この釜を持てるものなら、家の外に運び出してみせろ」

ヒュミルが言った言葉を聞き、ロキはしめたとばかりに釜に飛びつきますが、さすがにうんともすんとも動きません。

20200310_トール釣り (9)

しかし力仕事なら任せろとトールが挑むと、多少がグラつきながらも釜を持ち上げ、これを頭から被ってすっぽり収まると、そのまま外に出ていきました。

こうしてまんまと釜を持ち出したトールとロキは、そのまま釜を持ち去っていきます。

途中でヒュミルがほかの巨人たちを引き連れて襲い掛かってきましたが、トールがミョルニルをひと投げすると、巨人たちはまとめてなぎ倒されてしまいました。

こうして世界最大の釜は無事宴の場に運ばれ、大量の蜜酒に神々は大満足となったのでした。

~ めでたしめでたし ~

編集U「……これ釜をいくつか使えばヒュミルから奪う必要なかったんじゃね?」

……ま、まぁ一個の釜で作らないとダメだったんでしょう! 多分!!

次回はもうひとりのロキが登場!

ってことで、今回は釣り人トールな感じのお話でしたよ!

編集U「釣りの定義を改める必要がある釣りだったな……」

しかし世界を取り巻くほどの大蛇の餌としては雄牛の頭は小さい気もしますね……!

編集U「めっちゃ細長い蛇という可能性も」

威厳皆無ゥ~!

さておき、次回もまたまたトール&ロキの珍道中!

今度はウートガルザ・ロキという巨人の王が登場ですよ! いつも大活躍のトールですが、今回ばかりは……?

ってなところで、いやしっかしね!

相も変わらずの自粛期間、試合がなァァーい!!

そんななかで観られる無観客試合の生配信はありがたくもありがたき!

3月20日から3連戦も中止になってしまいましたが、果たして現地で観られるようになるのはいつなのか!

3月24日に開催予定の後楽園ホール大会は中止なのか、もしくはまた無観客試合となるのか、今後の動向にも注目ですよ奥さん!!

じゃ、今週はこのへんで!!

文/しゃれこうべ村田(@SRSWiterM

参考文献

マッケンジー,A,ドナルド(1997)『北欧のロマン ゲルマン神話』(東浦義雄・竹村恵都子訳) 大修館書店
ラーニシュ,ヴィルヘルム(2014)『図説 北欧神話の世界』(吉田孝夫訳) 八坂書房.

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