ストーリーは読む?チュートリアルは受ける?スマホゲームユーザーの生態に迫るファミ通App読者アンケート結果まとめ

2020-01-09 12:00 投稿

ファミ通App読者を丸裸に!

ファミ通App編集部では、2019年夏にユーザーアンケート企画を実施。ここではそのデータをもとに、2019年のスマホゲームユーザーの消費性向や傾向をまとめていく。一部ではアンケート結果を深堀りし、より細かいユーザー動向を見ていく場面もあるので、そこにも注目してもらいたい。

コンテンツの消費速度が上がっている現在、このデータが何年間意味を持つのかは不明だが、今年2020年のユーザーの動きについては2019年と大きく変わることはないと思われるので、何かしらの考察の材料にしてもらえれば幸いだ。

なお、今回のアンケートに回答いただいたユーザーの男女比、および年齢比は以下の通り。

■男女比

danjo2

■年齢比

nenrei2

アンケートページはこちら

読者の消費性向

スマートフォンゲームユーザーは、その人によってまったく異なるライフサイクルを持っているため、ゲームを生活の中にどう取り入れているかもまた、人によって大きく異なることだろう。

ここではまず、スマホゲームユーザー、そしてファミ通App読者がふだんからどれくらいゲームに触れているのかというデータを確認していこう。

■1日にスマホゲームで遊ぶ時間

playtime

■並行して遊んでいるゲームの本数

heikou

ゲームメディアを見てくれているユーザーということもあってか、毎日3時間以上をゲームに費やしていると回答してくれたユーザーが、全体の過半数を得る結果に。また、並行して遊んでいるタイトル数に関しても、「5本以上」と回答してくれたユーザー層がもっとも厚く、ゲームに対して真剣なユーザーが多いことが確認できた。

では、こうしたゲーム大好きなユーザーたちは、どういったプレイスタイルを持っているのだろうか? リセマラはするのか? チュートリアルはスキップしたいのか? ストーリーは読むのか? これらデータも確認していこう。

Q.リセマラをしますか?
はいいいえ
61.77%38.23%
Q.チュートリアルをスキップしますか?
はいいいえ
58.3%41.7%

■ストーリーを読みますか?

story

■ゲーム音(SE、BGM等)は聞きますか?

sound

意外だったのは、リセマラをするユーザーの比率。かねてよりスマホゲーム市場ではリセマラ記事の需要が高かっため、こちらの比率もかなり高めになるかと思われたが、結果は60%ほど。

より深くデータを読み解いてみたところ、「リセマラをしない」と回答したユーザーの半数は10代で、10代にだけ焦点を当てれば、その約半数が「リセマラをしない」という回答になっている。社会人と比較すると金銭的に余裕ない10代にこそリセマラ需要があると思っていたが、これは大きな誤りだったようだ。

一方、リセマラにもっとも意欲的だったのは30代男性で、「リセマラをする」と回答した人の割合は約70%という結果になった。

続けて行ったゲーム内容に関する問い3問を総評すると、「チュートリアルは受けないけれど、ストーリーやゲーム音には関心が高い」といった具合。

チュートリアルに関しては、単純にゲームへの理解度が高いユーザーが、ファミ通Appに集まってくれているということなのだろう。また続く2問についても「ゲームを構成する全要素を全力で楽しむ」といった姿勢が垣間見える。どちらも、ゲームによく触れてきて、なおかつゲームというコンテンツ自体を愛しているからこそ出たアンケート結果と言えるだろう。

なぜ引退するのか?復帰はするのか?

このセクションでは、なかなか聞きづらい“ゲームの引退”に関する回答をまとめてお届けしていく。

アンケートで「それまでプレイしていたスマホゲームタイトルから引退しようと思ったことはありますか?」という問いを設けたところ、「はい」を選択したのは76.58%。かなりのユーザーが、ゲームからの引退を考えたことがあることが伺えた。

続けてその理由に関する設問も用意してみたところ、回答はじつにさまざまな色を見せた。

こちらの設問は自由回答であり、全回答者から回答が得られたわけではなかったので、ほかの回答必須の設問と比較すると回答数こそ少なくなった。しかし、それでもその数は膨大。なので、こちらは頻出する語句とその数を抽出するテキストマイニングを実行し、ワードごとの頻出ランキングを作成した。

■引退理由頻出ワードランキング

順位語句登場回数
1位飽きた183
2位ゲーム142
3位ガチャ105
4位時間66
5位インフレ62
6位キャラ49
7位面倒くさい46
8位容量45
9位イベント43
10位面白くない39

このランキングを見る限りでは、引退理由は“飽き”がトップに。これをもとにデータをさらに深堀りしてみても、「ゲームそのものに飽きた」というフレーズが多く見受けられたので、やはり引退を考える最大の理由は“飽き”にあるのだろう。

続けて頻出したフレーズ“ガチャ”についてだが、こちらは俗に言う爆死、目的のキャラクターが入手できなかったことが引退理由になっている模様。ガチャというシステムが受け入れられる一方で、それそのものが引退理由にもつながっていることが伺える。

そのほか、ゲーム内数値のインフレや、生活環境の変化によりゲームに避ける時間が減ってしまったことなどが、引退理由として多く寄せられていた。

ともあれ、引退理由はおおよそ“飽き”と“ガチャ”の2要素がその大半を締める結果に。運営型ゲームではやはりこの2点をどう解決していくかが、引退ユーザーを引き止める鍵になるのだと思うが、どちらもコンテンツの根幹に関わるものとなるため、その調整は困難を極めることになりそうだ。

ちなみにアンケートでは引退に関する質問と併設して、引退したタイトルへの復帰についてもヒアリングを実施。具体的には、「離れていたスマホゲームに復帰したことはありますか?」というものと、その理由を尋ねるもののふたつを設問として設けた形だ。

なお、前者の質問に対して「復帰したことがある」と答えたユーザーは約70%。その理由については、こちらも引退理由を聞いたときと同じくテキストマイニングを行い、頻出語句をランキングにしたので、それを確認していこう。

■復帰理由頻出ワードランキング

順位語句登場回数
1位コラボ124
2位キャラ114
3位好き89
4位友人(友達)80
5位ガチャ74
6位イベント55
7位ゲーム49
8位キャンペーン48
9位復帰45
10位システム39

頻出語句のランキングはこのような結果となったが、ここからさらにデータを深堀りした結果、復帰理由としてもっとも多く挙げられた回答は「好きなコンテンツとのコラボイベント」であることが判明。

コラボイベントに関する情報は話題性が強く、一度そのゲームから離れてしまったユーザーの耳にも届きやすいため、引退復帰の理由になり得るということなのだろう。

続けて多く見られたのが、「友人に誘われて」というもの。身近に同じゲームをプレイしている人がいるのかいないのかというのは、やはり大きいようだ。

そのほか、復帰キャンペーンやUIの改善、システムの改善なども復帰理由として散見されたが、やはりその数は上のふたつと比較すればかなり控えめ。そもそもその情報が引退ユーザーの耳に届きにくく、自然に情報拡散がなされるものではないため、こうした結果に落ち着いたと予測される。

理想的なコラボイベント開催頻度とは?

上でコラボについて軽く触れたところで、ここからはユーザー目線で見る“コラボ”に関して確認していこう。アンケートではコラボイベントについても設問を用意し、“理想的なコラボ頻度”と“コラボしてほしいタイトル(IP)”をヒアリングしている。

ゲームタイトルによって、コラボイベントを行う頻度はさまざま。恒常的になにかしらのコラボイベントが行われているタイトルもあれば、年に1回行われるかどうかというタイトルも存在する。コラボイベントは現役ユーザーのお財布事情にも関連するイベントでもあるが、果たしてユーザーが望む頻度というのはどういったものになるのだろうか?

■コラボイベントの理想的な頻度

korabo

アンケートの結果、コラボの頻度は“1ヵ月おきの開催”、“年に3~4回の開催”を理想とする回答が、同率で1位に。平均値を取ると、おおよそ3カ月に1度のペースを理想的な頻度と考えるユーザーが多いということだろう。

なお、コラボが希望されるタイトル(IP)のTOP10ランキングは以下の通りとなる。

コラボリテイク

有料ゲームアプリの購入傾向

最後にまとめるのは、買い切りゲームに関するユーザーの関心と、スマホゲームのesportsについての質問。

買い切りゲームに関する質問では「買い切りのスマホゲームを購入したことがありますか?」、「買い切りゲームに出せる価格の上限を教えてください」という2問を、スマホゲームのesportsの質問では「スマートフォンプラットフォームにおけるeスポーツへの関心はありますか?」という1問を用意した。

まず買い切りゲームについてだが、購入経験を尋ねる質問には55%のユーザーが購入経験があると回答。思いの外有料ゲームを購入したユーザーは少ないようだ。

より深く分析を進めてみたところ、買い切りゲームの購入経験がもっとも高いのは20代男性で62%という数値に。逆に、もっとも有料ゲームと疎遠となっている層は40代女性で、有料ゲームアプリの購入経験を持つユーザー比率は20%を下回る結果となった。

■価格上限

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ユーザーが希望する価格帯の全体統計は上の画像の通り。“0円”と回答したユーザーを除いて細かく数値を出してみたところ、どの層でも“500~1000円”という回答がもっとも得票率の高い回答となった。

これをもとに買い切りゲームを展開するのならば、20代男性をメインターゲットに500~1000円の価格帯で設定するのがベストということになるのだろう。

ちなみに、買い切りゲームを購入した経験がなく、買い切りゲームに支払える上限金額を0円と設定したユーザーのボリュームゾーンは圧倒的に10代女性。じつに35%超ものユーザーが買い切りゲームにネガティブな反応を示していた。

以上が買い切りゲームについてのアンケート結果まとめとなる。引き続きモバイルesportsに関するアンケート結果をまとめ、本稿のまとめに移っていこう。

先述の通り「スマートフォンプラットフォームにおけるeスポーツへの関心はありますか?」という設問を用意したところ、「関心がある」という回答が50%超という結果に。

■スマホゲーesportsへの関心

スマートフォンプラットフォームにおけるeスポーツへの関心はありますか?
関心があり、チェックもしている22.58%
関心はあるが、試合(イベント)を見たことはない30.11%
ほかのプラットフォーム(PC、コンシューマーなど)で行われているeスポーツには関心がある11.35%
試合(イベント)を見たことはあるが、関心は持てなかった5.85%
関心はない29.99%

ほかのプラットフォームにおけるesportsへの関心も含めると、esportsへ関心を持つユーザーは60%を超える。また、本問で設けられた回答「試合(イベント)を見たことはあるが、関心は持てなかった」への回答が5%に留まったという点も興味深い。

これはつまり、既存の各esportsイベントを観戦して、ガッカリした経験を持つ人がほぼいないということだろう。現在隆盛に向けてさまざまな動きを見せるも、スポンサー探しに難航をしている国内esports市場だが、これを見るに、明るい未来が期待できるかも?

今後のesportsイベントには、より多くの期待を寄せていきたい。

以上がアンケートの結果まとめとなる。読者のほとんどが熱心なゲームファンであることから、一般的な市場調査よりは偏りのある結果であるかもしれないが、これもまたひとつのデータであり、現在のスマホゲーム市場を知るひとつのベンチマークにはなるだろう。

この結果をどのように見るかは人それぞれだが、業界関係者のためになり、また読者の関心を満たすものであれば幸いだ。

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