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『ポケモンGO』や『Ingress』でおなじみNianticの今後に迫るドキドキの新オフィスツアー

2020-12-05 19:14 更新

新天地は港区某所のおしゃれ空間

『ポケモンGO』や『Ingress』、最近リリースされた『ハリーポッター:魔法同盟』などの位置情報ゲームを開発するNianticの新オフィスが移転。2019年8月26日、それに伴いメディア向けのオフィスツアーが開催された。

本記事ではこだわりの新オフィス紹介だけでなく、日本法人社長である村井説人氏をはじめとする日本オフィスの主要メンバーが明かしたNianticの“これまでとこれから”のメッセージを深津庵がお届けする。

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ふたつのテーマに沿って構築された新オフィス

港区某所に移転した新オフィス、Nianticにとっては4番目の拠点である。

そのすべてを見届けてきた筆者にとって、この日見た空間は桁違いの広さであり、“こんなに大きくなっちゃって”という、どこか子供の成長を噛みしめる親のような感慨深いものがあった。

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▲エントランスに大きく掲げられているのは、以前のオフィスでも馴染みのあったNianticのロゴとグレー調の壁。新オフィスではあるが、これを見ると“ただいま”という安心した気持ちになる。

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▲その向かいには念願の受付と待合所としても役立つソファーのほか、スポーツ庁による“Sport in Life”第1号認定のタテなどが飾られている。また、壁にかけられた6つの時計は、左からムンバイ、香港、東京、サンフランシスコ、ロンドン、ハンブルグ。Nianticのオフィスがある国の時刻を示している。

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▲これは筆者が2017年に企画した『Ingress』5周年のメッセージカードファイル。レジスタンスとエンライテンド両陣営の協力を頂き、合わせて数百枚のカードが集まった。こちらもエントランスに飾られ、誰もが閲覧できるようになっている。

この新オフィスには複数の会議室があり、それぞれに“ルリ”や“アヤメ”、“ソラ”や“ナツムシ”といった、日本の伝統色から取られた名前が付けられ、その伝統色を使った椅子が配置されている。

これは海外からのゲストが訪れた際、そうした由来を実際に目で見て感じてもらうことで、日本の言葉や文化も知ってもらうためのものだ。

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▲各会議室にあるネームプレートや色とりどりの椅子。“シッコク”という名の会議室は文字通り暗く、「お仕置き部屋のようだ」という声も出ていた。今後、取材に訪れた際、どこに案内されるのか毎回楽しみである。

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▲禅を組んだりリラックスするのにも最適な和室。先日、この和室で瞑想する様子をSNSに発信した川島氏といっしょに筆者も体験させてもらった。

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▲この日はNiantic LabsからNiantic, Inc.になって以降、3つのオフィスで撮影された写真に合わせて当時を回想。どれも懐かしく、それでいて昨日のことのようにその光景を覚えている。

これまでのオフィスと比較しても圧倒的な広さを誇るこの空間を構築する際、スタッフたちのあいだで“これだけはなくさない”と決めたテーマ。それが、“コミュニケーション”“クリエイティビティ”だと村井氏。

各部門で壁を隔てて仕事をするのではなく、他部門のスタッフから垣根なく意見し合える環境を作ることで、新しい発想が生まれやすく業務の流れをより活性化させること。

そして、『Ingress』なら「近所にコントロールフィールドを作りに行こう」とか、『ポケモンGO』であれば「どこそこのジムでレイドバトルしよう」といった感じに、いつでも誰かに声をかけて外出できるオープンなオフィスというわけだ。

その言葉の通り、撮影NGだったスタッフルームは遮るものがいっさいなく、会議室としても使えるもっとも大きなフロアからは、授乳室や休憩室キッチンや和室などと直結していた。

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▲定期的にスタッフを集めてピザを食べながら意見を出し合う交流はNianticにとって欠かせないもの。村井氏はそうした空間、コミュニティをオフィスが大きくなっても大切にしたいと想いを語る。

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▲キッチンに併設されている冷蔵庫にはスポンサー企業としてもおなじみ、伊藤園の飲料が完備されていた。ちなみに写真に写っているのは、この日メディア陣に提供された軽食。Nianticのロゴ入りのケーキだ。

大きな成果を記録したふたつの柱と新たな可能性

現在Nianticがサービスを提供している3タイトルのひとつであり、すべての基盤となっているのが今年9月『Prime』に完全移行される『Ingress』だ。

■『Ingress』の成果

アジアイベントコーディネーターを担当する成沢氏は、大規模イベントXMアノマリーをテーマに、2014年当初は23人だった参加者がいまでは数千人規模にまで成長したことを振り返る。

そのXMアノマリーは5年間で札幌、石巻、仙台、東京、浜松、京都、大阪、高松、那覇。東京に限っては2013年から2019年のあいだに計4回も開催されていること。

さらに、ミッションディは2015年から47回、ファーストサタディは2018年12月から86回、2018年からのNL-1331は9回、2017年から2回実施された富士急ハイランドを貸し切って行うエージェントオリンピアードはニコニコ生放送で配信。累計視聴者数が約9万5千人であると実績を紹介した。

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▲これはあくまでも公式によるイベントの成果。エージェントたちが自発的に実行する“作戦”などと呼ばれるさまざまなアクションを含めれば、さらに驚きの記録になるだろう。また、近々では9月7日、国内9ヵ所でファーストサタデー。9月14日にはシリーズ初となるフィールドテストというイベントが国内5ヵ所で開催される。

■『ポケモンGO』の成果

そして、社会現象にまでなった『ポケモンGO』についてグローバルマーケティング責任者の須賀氏は、2017年に初開催となったシカゴのFestと横浜のイベントを挙げ、「成功とは言えないものだった」と当時を振り返った。

さまざまな反省点と課題があり、まだ完全とはいえないがその後のドルトムントを始めとする各国のイベントでは安定したイベントを実現できるよになったと語る。

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▲2017年のシカゴイベントは暴動でも起こりそうな勢いだった。その後改善をくり返し、今年のシカゴでは6万人、ドルトムントには8万5千人。横浜では15万人のトレーナーが集まったことを紹介。シカゴと横浜での成果には感慨深いものがあることを明かした。

また、ロケット団の登場に合わせて国内外でさまざまなPRを実施。ニューヨークではロケット団のジャックに合わせて各所の広告が変化したり、国内でも現実世界にロケット団が現れ、それに合わせてSNSを通じたマーケティングを行った。

その成果もあって3年目を迎えたいま、さらにトレーナーが増えていること。そうした仕掛けを『Ingress』から学び、少しでも活かすことで『ポケモンGO』もつぎのステージに進むことができるのではと手応えを語った。

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▲今年はFestと呼ばれる大規模イベントが国内でも開催。さまざまな意見があるだろうが、それでも1歩ずつ前進していると筆者は感じる。須賀氏はサンスポの号外も結果を残していること。さらに、ジラーチの存在にも触れ、ゴニョニョがとても捕まえにくい状況にどうか引き続き探してほしいとコメントした。

■『ハリー・ポッター:魔法同盟』の成果

アジア太平地域マーケティングマネージャーである山崎氏は、『魔法同盟』が35ヵ国でナンバーワンアプリに、そして45ヵ国でナンバーワンゲームに選ばれたことを紹介。ファウンダブルのモーションを実際にアクターが演じていることに触れ、そのメイキング動画を披露した。

さらに、インディアナポリスで開催されるファンフェスティバルでは、本作初となるドラゴンが登場。今後もコミュニティディを含め、さまざまなイベントで盛り上げていくことを明かした。

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▲海外では好調のようだが国内を見ると伸び悩んでいると感じる。この日、山崎氏とどうするべきかという話題で意見を交換。現在ユーザーの多くが抱えているであろう問題点を伝えてきた。

なお、アジア地区パートナシップマネージャーの白石氏からは14社のパートナー企業を紹介

Nianticとユーザーのあいだに入る各企業が中立の立場になることで、より楽しい体験が生まれていること。パートナー企業の担当者はそのタイトルをやり込んでいて、ユーザーの目線でどういった企画が喜ばれるのかを真剣に考えている。

そうした努力を重ねることで『Ingress』や『ポケモンGO』、『魔法同盟』が成り立っているので、今後もパートナー企業を応援してほしいと白石氏は語った。

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▲パートナシップマネージャーは白石氏のほかギャリー氏も参加。遠慮してか登壇することなく終わってしまった。いずれ両氏に気になって仕方がないアレコレを直接インタビューしてみたい。

足を止めず1歩ずつ世界を広げる新たな挑戦

NianticはGoogle Earthなどを手がけたジョン・ハンケ氏がグーグル社内のスタートアップとして創設したもの。

2012年にリリースされた『Field Trip』というアプリから始まり、2012年11月に『Ingress』のβ版を公開。その後、オープンβ版を経て2013年12月に正式にローンチされた。

ここで蓄積された位置情報データが『ポケモンGO』や『ハリー・ポッター:魔法同盟』。そして野村達雄氏も所属するTOKYO STUDIOでも活かされているというわけだ。

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▲Nianticが進めるReal World Platformの上でこれら3タイトルが稼働。村井氏はTOKYO STUDIOが開発を進めていくものを含め、今後もさらに増えていくと語った。この新オフィスがアジア全体をカバーするビジネスの拠点としてさらにどんな成長を遂げていくのか楽しみだ。

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▲また、大トリとしてアジア統括本部長の川島氏が登壇。Niantic Labs時代、ジョン氏が京都を訪れ禅を体験し、枯山水を目の当たりにしたとき“人々をこうした場所に導きたい”と感じたこと。それが本社以外初の法人化(Niantic japan)につながったのだと語った。

最後に、須賀氏の「成功とは言えないものだった」という2017年のイベントに対するコメントをもう1度触れたい。

これをはっきりと明言したのは今回がはじめてではなく、須賀氏はもちろん各スタッフはつねにプレイヤーの立場で結果と向き合ってきたことを筆者は知っている。

『ポケモンGO』のトレーナーにとっては初耳かも知れないが、『Ingress』が『Prime』に移行されるのにはひとつ大きな目的がある。

それが難しいとされてきた悪質なユーザーへの対策だ。

最近ではその効果なのか規約の改定が行われ、従来以上に厳しく罰するようになり、その結果大量のアカウント停止者が出ている

トレーナー界隈から複垢や位置偽装問題はどうなっているんだという声が多く聞かれるが、『Ingress』でのそうした実績が今後活かされ改善されていく兆しなのだと筆者は捉えている。

1日も早い対応を願うのはもちろん、正しくプレイしているみなさんにはその姿勢を変えず、お手本となるエージェント、トレーナー、魔法使いであり続けてくれることを切に願う。

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▲インディーズのころから追いかけてきたアイドルがメジャーデビュー。知らないメンバーが増えて少し寂しい気分? 今後も個々のメンバーを取材してNianticという企業がつぎにどんな体験をさせてくれるのか追いかけていきたい!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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