【今日の編集部】潰えた希望、FAV gamingの終着点

2018-11-09 20:29 投稿

この半年間の集大成

【本日の担当:おこめちん】
IMG_2198 (1)

勝利者と敗北者。

競い合う場において、必ず存在するこのふたつの立ち位置。皆が皆、勝利者にはなり得ない。

勝って賞賛を浴び、つぎのステージに進むチームと。敗北し唇を噛み締め、悔しさに顔を歪めながら去っていくチームと。

FAV gaming『クラロワ』部門は残念ながら後者になってしまった。

▲ワイルドカード戦、試合の模様はこちらから。

2018年11月4日、僕の人生において忘れがたい日となった。恐らく、5年後、10年後と想い出すだろう。このワイルドカード戦に、FAV gamingとして“世界大会出場”という目標のもとメンバーたちと挑んだこの日を。

ワイルドカード戦は、韓国2位のSANDBOXと、東南アジア2位のChaos Theoryとの総当たり戦となった。

プレイオフ進出に必要な条件は、2勝し総当たり戦1位の成績を残すこと。
1勝1敗に各チームが並んだ場合は、【セット勝利数-セット敗北数】の数値がいちばん高いチームの勝ち抜けとなる。

この日、僕らの目標は1試合目のSANDBOX戦、2試合目のChaos Theory戦を2連勝で飾り、プレイオフ進出を確実のものにすることだった。
しかし、蓋を開けてみると両試合を落としてしまう“惨敗”という結果に……。

第一試合目の対SANDBOX戦は、RAD/焼き鳥選手ペアが敗北。シーズン1をベストMVPペアとして表彰されたこのペアだったが、ここ最近は調子が悪かった。
ワイルドカード戦の前週で行われた対GameWith戦の2v2敗北からしっかりと練習は重ねていたが、歯車が噛み合わない状態が続いていた。そして、試合日前日まで不安要素を抱えた状態で臨む形に。

その不安は的中し、SET1を落とすという幸先の悪いスタートから我々のワイルドカード戦は始まった。

続くSET2はだに選手の登場。

これまで数々の窮地を救ったこの選手に一縷の望みが託された。が、ここでも対戦相手であるBeaver選手のデッキチョイスとプレイが冴え渡り惜敗。

第一試合をストレートで落とすという最悪の展開になってしまった。

1試合でも敗北してしまうと、総当たり戦のレギュレーション上、どうしてもほかのチームの結果に左右されることになってしまう。それはいちばん避けたかった展開だが、気持ちを切り換えてつぎに臨むしかない。

すぐさま控室に戻り、つぎの試合展開の確認を始める。

第二試合目のChaos Theory戦は、SET1をけんつめし/Oz選手ペア。SET2をRAD選手というオーダーだった。
一見、挑戦的なオーダーに見えるかもしれないけど、これがもっとも勝率が高くなるオーダーだという自信があった。

FAV gamingのSET1は、これまでほぼすべての試合をRAD/焼き鳥選手がこなしてきたが、その練習相手をずっと務めてきたのはこのペア。弱いはずがない。

前週PONOSを破った実績も考慮し、自信はあった。だが、結果は無情にも敗北。

第一試合でSANDBOXに2SETストレートで敗北したため、すべてのチームが1勝1敗で並んだとしても、このChaos Theory戦はストレートで勝利することがプレイオフに進出するための必要条件だった。

この必要条件は、Chaos戦が始まる前にメンバーには伝えていた…。

けんつめし/Oz選手の敗北が決まったときのメンバーの表情はいまでも忘れられない。希望が潰える瞬間。もう頑張っても手が届かないと確定した瞬間のその表情を。

続くSET2はRAD選手の登場。もうプレイオフ進出が叶わないと知っていながら戦わなければいけないというのはどれほど辛いことか。
控えのベンチから試合端末が用意されている場所へと歩みを進めるRAD選手は、涙を堪えきれなかった。嗚咽を殺し切れず、涙も止められない。

RAD選手は2017年に実施された日本一決定戦・世界一決定戦へ届かなかった未練からプロ選手になることを決めたという背景があった。誰よりも世界大会に対する想いを持っていたし、誰よりもそのために練習をしていた。

それだけの想いを背負ってこれまで取り組んできたことが、またしても届かなかったのだ。感情を殺せなくて何が悪い。

そんなRAD選手の姿を目の当たりにした瞬間、僕も涙が止まらなくなった。もう、終わりなんだと。でも、試合はまだ終わってない。

デッキ編成タイムは監督が選手に付き添える。僕は最後になるその時間で、RAD選手に「まだ試合は終わってない、最後までやりきれ!」と声を掛け、背中を叩いた。
彼の胸中がわかるだけに辛かったが、これが僕の監督としての最後の責務だと感じた。

「たかがゲームで」

「対戦相手に失礼」

こういった心ないYouTubeのコメントも目にしたが、僕はなにひとつ恥じることはないと考えている。

僕は本気の涙を流せるRAD選手を尊敬する。そこまで本気で取り組んできたっていうことなんだから。

対戦相手はBenzer選手。ご存じ金メダリストで世界でも指折りのトップ選手。最後の1v1の相手としては相応しい相手じゃないか!
RAD選手は1試合目粘り強いプレイで引き分けに持ち込み、2試合目、3試合目を連取して勝利をもぎ取った。この日初のSET勝利は奇しくもチームとしての敗退が決まった後となった。

SET2を勝利したことにより、SET3が行われることに。

最後は、けんつめし選手、だに選手、RAD選手による勝ち抜き戦。総合力を加味して、FAVのベストだと言える布陣で臨んだ。

先鋒のけんつめし選手は、これまで3セット目での勝ち星がなかったので、「最後は3タテしてこい!」なんて言って送り出したが、ダメだった!! 一回くらい君の3タテが見たかったよ!

だにやんには「後悔しない試合展開を」とだけ。彼は本当に3セット目に強い! 相手選手ふたりを倒して、ラスボスBenzer選手を引っ張り出してくれた。Benzer選手相手にも一歩も退かない戦いで、あと一歩ではあったけど敗北。

本当に本当の最後の試合が始まる。

RAD選手とBenzer選手のマッチアップが実現した。最後に相応しい展開。

3SET目は試合のルールが特殊で、引き分けが存在しない。制限時間内で決着が着かなかった場合は、タワーの耐久力判定となる。

試合展開はお互いが丁寧なプレイを続け、ダメージイーブンに近い状態で時間の終わりが近づく。ラストRADは勝ちきるために全エリクサーを攻めに投入。

結果は、最後まで我慢を続けたBenzer選手に軍配が上がった。試合終了後のRAD曰く、「タワー折られてないので負けてないです。」

SET3の敗北が決まり、FAVはこの日、2試合目も落とすこととなった。

試合終了後、しばらく呆然自失としていたと思う。“負けた”という結果を受け入れるのを心が拒否しているようで。
選手たちもしばらく動けなかったと思う。涙を止められない選手たち。

なんとか控室にみんなで戻ると、滝のような涙が溢れてきた。あぁ、本当に終わってしまったんだと。

ここでデキタ監督なら、選手の感情を汲み取るようないい言葉を掛けてあげて、励ましてあげるんだろうな。とか色んな考えが頭に浮かんできたけど、その時の僕はただメンバーたちといっしょに涙を流し続けることしかできなかった。

そのまま5分くらいが経過した後、絞るようにひとつの気持ちだけ伝えることにした。

「約半年間おつかれさま! ずっと付いてきてくれてありがとう。」

世界大会に連れて行ってあげたかった。本当にただそれだけだった。

終わってみれば、あっという間に駆け抜けたクラロワリーグ。正直しんどいと感じたことも多々あったけど、通常の会社員では味わえないような貴重な経験をさせていただくことができました。そういった場を設けて下さったSupercellさま。運営に入っていた各関係会社の皆さま。理解し応援してくれたファミ通App編集部の方々。プライベートでも応援してくれた人。そして、画面越しで応援してくださった視聴者の皆さま。

すべての人にありがとうございましたを伝えたいです。

FAV gaming『クラロワ』部門が今後どうなっていくのかっていうのは、まだなにも決まってないけど、各メンバーのことはこれからも引き続き応援していただけるとうれしいです!

そして、これを読んでいるメンバーたちへ。

シーズンが終わったからと言って気を抜かないように!

(編集部/おこめちん)

編集部の今日の1枚

僕のスマホに保存されていたFAV gaming『クラロワ』部門メンバーの写真を一挙掲載! 今日だけは1枚じゃないけど許してください。

 
IMG_3818
 
IMG_3855
 
IMG_3884
 
IMG_3963
 
IMG_3989
 
IMG_3990
 
IMG_4031
 
IMG_4064
IMG_4191
 
IMG_4293
 
IMG_4437
 
IMG_4622
 
IMG_4704
 
IMG_4708
 
IMG_4735
 
IMG_4737
 
IMG_4751
 
IMG_4768
 
IMG_4771
 
IMG_4843
 
IMG_4862
 
IMG_4868
 
IMG_4950
 
IMG_5021

11月9日の注目記事ダイジェスト

2018年11月6日にナイアンティックのスマートフォン向け位置情報ゲーム『Ingress Prime』プレスラウンドテーブルが開催!

本作を手掛けるプロダクトマネージャーの廣井隆太氏と、シニアユーザーエクスペリエンスデザイナーの石塚尚之氏へこれまでの経緯と新機能についてインタビュー。

ingressprimeresen01

▲シニアユーザーエクスペリエンスデザイナーの石塚尚之氏とプロダクトマネージャーの廣井隆太氏。




▼最新の記事ランキング、新作&事前登録まとめはこちら!
人気ランキングトップページへ

前へ

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

ピックアップ 一覧を見る

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧