『アルテイルNEO』配信目前!運要素を徹底排除した本格カードゲームの仕掛人に直撃インタビュー

2018-10-24 12:00 投稿

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アルテイルNEO

コアなファンが集う『アルテイル』の魅力に迫る

コアエッジより配信予定のオンラインカードゲーム『アルテイルNEO』。

カードドローや先攻後攻など、運に左右される要素が排除された本格的なカードバトルが楽しめる本作の配信がいよいよ近づいてきている。

そこで本記事では、コアエッジの代表取締役CEOであり、『アルテイルNEO』のプロデューサーも務める宮本貴志氏(文中、宮本)にインタビューを実施。『アルテイルNEO』の魅力から本作が生まれるまでの経緯まで、本記事にて詳しく紹介していこう。

コアエッジ

先攻後攻、ドローの要素がないからこその楽しさ

――さっそくですが、『アルテイルNEO』の配信タイミングはいつごろを予定していますか?

宮本 現状、10月25日に配信予定です。本当はもう少し早く出すつもりでしたが、CBTでいただいた意見を基に改善するべき点がありました。そこは配信を遅らせてでも直すべきだと思いましたので、元の配信予定を引き延ばして対応している最中です。

――『アルテイルNEO』はカードドローがなく、先攻後攻がないというルールが特徴的ですよね。こういったルールは、既存のカードゲームとどういった違いを生むのでしょうか?

宮本 ドローがあることによって生まれる戦略性や、デッキの組みかたによる楽しさというのはもちろんあります。ただ、そこには運の要素がどうしても大きく変わってしまいますよね。ドローがあると、特定のカードが引けないことで戦術が潰されてしまいますし、ネット上の顔の見えない相手に対する不公平感がどうしても際立ってしまうのかなと。

『アルテイルNEO』ではドローがないぶん、強いカードを出すためには制約があります。なので、強力なカードを出すまでのプロセスを考えるデッキ構築が楽しいんですよね。自分で考えた戦術が機能する、それをさらに最適化するデッキを模索することがおもしろいゲームになってきます。ドローがあるゲームとの差別化はそこになると思います。

――運の要素はないと考えていいのでしょうか?

宮本 ひとつだけ、“速さ”のシステムが運要素になりますね。カードには速さが設定されており、その数値が高いカードから順に動くことになりますが、速さが同一の場合のみ、どちらが先に動くかはランダムで決定する仕様です。そこの運要素も駆け引きにつながるので、バトルのスパイスになってくれているのではないかと。

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『アルテイル』はスタートがオンラインだからこそのルール設定

――『アルテイルNEO』のルールは、どういった経緯から生まれたのでしょうか?

宮本 まず、PC版の『アルテイル』が2004年に配信を開始したことから遡らせていただきます。現在はオンラインのカードゲームが多く登場して知名度も上がっていますが、10年前にはオンラインのカードゲームはほとんどありませんでした。『アルテイルNEO』ではマーケティングの観点から“ドローなし”を売りにしていますが、『アルテイル』のころは“ダウンロード不要”というのを押していましたね。

2004年のころはオンラインゲーム黎明期で多くのゲームが出ていましたが、そのほとんどがダウンロードを必要とするものでした。ROMからインストールしたり、ネットからダウンロードするものです。ただ、それだとゲームをスタートするまでに時間がかかってしまううえ、ネットからデータをダウンロードすることに対する抵抗も強い時代でした。そんな中で、ブラウザでゲームを作れないかなと思ったのが『アルテイル』を開発するキッカケですね。

――たしかに、当時はネットからダウンロードするとウイルスが入っているのでは、という抵抗はありましたね。

宮本 『アルテイル』が生まれた背景には、カードゲームをどこでも遊べるようにしたいという思いもありました。当時の子どもたちは施設などに集まってカードゲームを遊んでいましたが、夕方になって家に帰ると遊べなくなるんですよね。『アルテイル』のメインディレクターがそれを見て、家でも遊べたらいいなと思ったそうで。子どもは自分のPCを持っていない時代でしたから、親にも怒られないようなダウンロード不要で遊べるゲーム環境を目指しました。そこから、デジタルで処理できる利点を追求しようと考えて独自のルールを作ることになったようです。

――先攻後攻がない、ドローなしというルールは、デジタルからのスタートだからこそ生まれたルールなんですね。

宮本 ドローがあったり、先攻後攻があるTCGは、元はアナログのカードゲームが多いんですよ。目の前に対戦相手がいると、相手のターンに顔色を窺ったりする楽しさもあるじゃないですか。カードを出したときの反応を見て戦略を考えてみたり。一方でネットの場合は対戦相手の顔が見えませんから、そんな状態で相手の行動を待つのはナンセンスだ、という思いで『アルテイル』のルールが決まりました。ほかのTCGとは作られたルーツが違うので、ルールもまったく違うものになっています。

――ルールがかなり特殊なので驚いたユーザーさんも多いと思いますが、反応はどうだったのでしょうか。

宮本 そうなんですよね。ゲームジャンルを紹介するときも、さまざまな案を考えました。なので、『アルテイルNEO』はTCGではなく、既存のカードゲームとルールの違う“アルテイル”というジャンルとお伝えしています。『アルテイル』を出した当時も、ルールが分かればおもしろいものの、そこにいたるまでに時間がかかっていました。

――たしかに、『アルテイルNEO』を最初にプレイさせていただいた際、しばらくは戦略の立てかたも分からなかったです。

宮本 ルールが複雑なので、把握していただくまでにはどうしても時間がかかってしまいます。少しでもルールを把握していただけるように、『アルテイルNEO』ではチュートリアルにも力を入れました。

――プレイさせていただいた際、ストーリーの最初でいきなり敗北しましたのも印象的でした。

宮本 そこはCBTでも「ストーリーを読ませる気がないのか」と多くのご意見をいただきまして、現在は弱体化しています。運営スタッフも勝てなくて、設計者はなにを考えているんだと社内からも意見が出たほどでした。いきなりNPCが使わないようなテクニックも使ってきて……そこは反省要素のひとつですね。

――正式配信後は、ストーリーも読みやすくなっていると考えていいのでしょうか?

宮本 ストーリーは難度を下げて読みやすい環境にしているので、ぜひ楽しんでほしいです。難しいモードを遊びたい人向けには、ストーリーとはべつに、頭を使わないと勝てない“ツメテイル”という要素を用意しました。CBTではなぜか、“ツメテイル”の難度がストーリーモードに搭載されてしまったようで(笑)。

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――『アルテイルNEO』ではデッキ構成の自由度が高いですが、そのぶん指針とするべきものがなく初心者は戸惑うことになりそうだという印象を受けました。

宮本 そうですね。自由すぎて難しくなっているところはあると思います。最初から用意された基本デッキが4つあるので、初心者の方はそれを基軸に少しずつ変えていくのがいいのかなと。そこから、新しいカードを手に入れたら組み込んでいくイメージです。デッキ構築済みパックというのも出しますので、そこで戦略をつかんでいただいて、少しずつ慣れていただければと。

――ほかのユーザーのデッキをコピーする機能などはありますか?

宮本 デッキレシピを投稿できる場所が用意されているので、該当カードを持っていればそのままコピー可能です。それと、カードに対する評価をユーザーが投稿する機能もありまして、それを見てカードの使いかたを学ぶこともできるようになっています。

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▲カードの個別ページには、ユーザーが性能を評価したり、使いかたを書き込める機能が用意されている。

『アルテイルNEO』配信は昨今のTCG人気が後押し

――『アルテイルNEO』を配信することになった大きな理由はありますか?

宮本 『アルテイル』が配信された2004年のころは、TCGの市場が大きくありませんでした。なので、TCGのアプリがストアランキングの上位にランクインしていたのを見て、カードゲームがそこまでの位置づけになっていることに衝撃を受けたんですよね。女性のプレイヤーも増えていて、ここまでの勢いがあるなら『アルテイルNEO』も出さないと後悔すると思いました。そこからプロジェクトがスタートしましたね。

――カードゲームって、元々はアングラなイメージがありましたよね。

宮本 そうなんです、高校とかで遊んでいるとちょっとバカにされたり、オタク的なイメージが強かったんです。僕が8年くらい前に、ブシロードさんの木谷社長とお会いしたときに「カードゲームを遊んでいたらカッコイイと思われるようにしたい」と仰っていたことをいまでも覚えていて。実際、いまはesports化の流れも進んで、ようやく時代が追いついてきたように思います。

――認知度が上がっていますよね。有名なタイトルも増えてきましたし。

宮本 今回、『アルテイルNEO』で既存のTCGタイトルに勝とうという考えは一切ないんです。『アルテイルNEO』はあくまで“アルテイル”というジャンルなので、これはこれでおもしろい、と思っていただければ。自分の考えたデッキで、構築した戦略で勝てるのが本作の強みなので、そこを好きになってくれる人が遊んでくれたらうれしいです。

――『アルテイルNEO』は、頭の中でのシミュレート回数が膨大になりますよね。ほかのTCGと比べると、考える時間が非常に多くなる気がします。

宮本 ハマる人はトコトン没頭できるはずです。僕が代表例ですが、14年間ずっと好きですから。PC版なんて、2年間赤字ですけどずっと続けていますからね。いまだに運営を続けているのは根性です(笑)。とはいえ、インターフェースなどがPC版は古いので、これを機にスマホアプリとして生まれ変わりたいなと。

――PC版は『アルテイルNEO』が出たらサービスを終了するのでしょうか?

宮本 これは以前からお伝えしている通り、『アルテイルNEO』が配信を開始したらPC版はサービスを終了します。『アルテイルNEO』の配信が延期されるたびに、PC版のサービスも連動して延長していますが。

――ちなみに、PC版では『アルテイル』、『アルテイル2』でしたが、スマホ版ではなぜ『アルテイルNEO』になったのでしょうか?

宮本 10年以上サービスを続けたことで、『アルテイル』の世界観がとにかく複雑になっているんですよね。細かく解説するとプレイヤーが混乱するほどの情報量になっています。なので、『アルテイルNEO』でそれを再整理して、物語に没頭しやすいようにしたいなと。ゲームルールに関しても複雑になっていたので、最適な状態をアプリでやり直そうという目的があって、『アルテイルNEO』という名前になりました。

――ストーリーは『アルテイル』、『アルテイル2』の内容を再構築したものになるということですね。

宮本 はい、スッキリした内容になっています。カードの性能についても、フレーバーテキストを参照して世界観を反映した内容になりました。

――ゲームシステムについてはいかがでしょうか? アプリ向けに、ルールを変更した部分などはありますか?

宮本 ゲーム部分についても、アプリ向けにするかの協議はしました。ただ、ここまで『アルテイル』を好きでいてくれた人が多くいるのは、ルールを気に入ってくれているのが一因としてあります。なので、ルールが難しいのは難しいままで、チュートリアルやストーリーで少しでもゲームを理解していただけるように心がけました。もちろん、各種システム面で便利にしたり、わかりやすい誘導が入るような工夫はしています。10年以上『アルテイル』を運営してきたことによる経験を、アプリ版でも活かせるのではないかと。

――現状、考えている運営施策などはありますか?

宮本 たとえば、“GMバトル”として運営スタッフと戦う機会を設けて、そこで勝てたらプレゼントをもらえるような施策ですね。また、クリスマスやエイプリルフールなどにゲーム内イベントを実施することも考えています。そういったイベントからゲームにハマって、『アルテイルNEO』を好きになってくれる人が増えてくれたらなと。そうして好きになってくれたユーザーの方は、ずっと遊び続けてくださっているので。

――長い期間運営されている『アルテイル』は、コアなファンも多いですよね。

宮本 そうですね。『アルテイルNEO』でもモニターテストを実施しましたが、歴戦のファンがたくさん来てくれました。うちの社員も、コアなファンばかりです。『アルテイル』のスタッフを募集した際も、採用前から会社を辞めてくるような人もいて(笑)。怖いくらいの熱量を持った人がたくさんいます。

ユーザーに沿ったカードバランス調整

――『アルテイルNEO』には、『アルテイル』のカードがそのまま実装されるのでしょうか?

宮本 そのまま出るカードもありますし、2018年にマッチしたカードも登場します。2004年に描かれたイラストでも、いまだに通用するカードがありますので。とはいえ、半分くらいのカードが、現在のテイストに合致したイラストに描きなおして実装しています。画風が古いカードについても、エフェクトなどを調整して出すことになりました。

――カードの性能も変わっているのでしょうか?

宮本 性能も調整はしていますが、カードの持つコンセプト自体は変わらないようにしています。『アルテイルNEO』は14年の集大成なので、当時の反省を活かしてカードのバランスを調整しています。カードゲームを運営する中で直面するカードバランス調整の苦労は、我々としてはすでに通ってきた道ですので、『アルテイルNEO』では最高のバランスで進められたらなと。

――カードのバランス調整について、注意している点などはありますか?

宮本 「このカードさえあれば勝てる」という、一強状態にならないようにしています。新しいカードを追加するときも、既存カードが否定される環境にならないように調整する必要がありますね。なので、カードを追加するたびに売り上げは悪くなっていくのかなと。

もうひとつ、カードバランスを考える際に、すべてのカードを所持している前提では調整しないようにしています。たとえば、最高レア度のカードを全員が持っている前提で調整すると、製作者がバランスを取れたつもりでもダメなんですよね。9割のユーザーが持っていないようなカードが追加カードに対する対抗策になっていたら、それは対抗カードとは呼べません。そこがバランスを取ることの難しさでもあります。

――いわゆる“スタン落ち”はあるのでしょうか?

宮本 スタン落ちはする予定です。とはいえ、カードは最低1年は使えるようにはします。

――カードの枚数はどれくらいになりますか?

宮本 350枚ほどですね。これくらいのカードプールになったときに選択肢が増えて楽しくなる、という丁度いいバランスです。

――追加パックのペースはどの程度をお考えでしょうか?

宮本 現状、三ヵ月ごとに追加パックを実装する考えです。併せて、三ヵ月に一度、チャンピオンを決める大会を実施する予定です。カードの追加タイミングで環境がリセットされるので、その環境での頂上を目指していただければと。ストーリーなどの更新も、そこに合わせて実装していきたいですね。もちろん、それ以外にも定期的にサブストーリーなどは追加する予定です。

――チャンピオンを決めるというのは、オンライン大会をするという認識でいいのでしょうか?

宮本 検討中ではありますが、オンライン大会を予定しています。オフライン大会も考えてはいますが、顔を出したくないというプレイヤーの方もいますので。かつて『アルテイル』でオフライン大会をやった際は、会場のプレイヤーVSモニター越しのプレイヤーということもありました。2004年のころから、オフライン大会はすごく大切にしていますので、実施するとは思いますが現在は検討段階ですね。

たとえば、年末にシーズンごとの優勝者が集まって戦うオフラインイベントなどを開催すると、オンラインがその予選のような扱いになってしまうので。オフラインイベントは、どちらかというとお祭りのようなものにしたいと考えています。

――どういう形になるかはさておき、オフラインのイベント自体は実施すると考えていいのでしょうか?

宮本 イベント自体は確実に実施します。10月28日にも、リアルイベントの実施は決まっていますね。ゲームの配信が10月25日を予定しているので、イベントまでには絶対に配信しないといけません。最近はホテルに泊まって、最終調整をしている最中です。

将来的には世界大会の実施も検討

――PC版は海外でも展開されていましたが、『アルテイルNEO』も海外配信は予定されているのでしょうか?

宮本 予定はしていますが、まずは日本での配信を最優先に考えています。日本での配信が安定したら、海外でも展開していきたいですね。実現可能かは検討段階ですが、ラグの問題がなければ海外とも同じサーバーで運営できるようにしたいと思っています。同サーバーで運営できれば、時差の関係もありどの時間帯でも対戦が楽しめると思うので。

――将来的には、世界大会なども見据えているのでしょうか?

宮本 世界大会はやりますよ。アメリカにも『アルテイル』のコアなファンがいらっしゃいますので。『アルテイルNEO』の配信を待ち望んでくださっていますね。

――今後、ほかの作品とコラボをする予定などはありますか?

宮本 現状詳しくお話はできませんが、コラボも実施を予定しています。『アルテイル』の世界観的にもコラボをしやすい環境ですので、積極的にやっていけたらなと。『アルテイルNEO』でも早い段階からコラボを実施していきたいなと考えています。

――本日はありがとうございました。まずは10月25日のリリースを楽しみにしています!

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アルテイルNEO

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルカードゲーム
メーカーコアエッジ
公式サイトhttps://alteilneo.com/
公式Twitterhttps://twitter.com/alteilneo
配信日配信終了
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