内部課金版としてリニューアル!!幼なじみを襲う怪奇現象と過去を解くホラーノベル 『ネコ公園で待ってる』

13年前の事件を巡る6人の悲しい物語

田舎町で育った6人の幼なじみが成人式をきっかけに再会、そこで耳にしたのは男の子の幽霊に関する噂だった。

『ネコ公園で待ってる』は、もともと2012年に有料版としてリリースされたホラーノベルであり、本記事で紹介するのは2018年6月に第1章のみ無料で遊べる内部課金版リニューアルされたもの。

何かをひた隠しにする幼なじみと忍び寄る幽霊、13年前に起こった事件の真相に迫っていく恐ろしくもやさしい物語だ!!

男女6人をしばり続ける忌まわしき過去

成人式をきっかけに帰省して早々、伸ばしっぱなしの髪を母親に指摘され美容院を訪れていた主人公の松方寿限無（まつかたじゅげむ）は、店員と客が交わす噂の怪奇現象や地元に伝わる“ヤマガミ様”の話題に耳を傾けていた。

本作は中学卒業以来、約5年ぶりに再会する主人公を含めた6人の幼なじみが、13年前の事件にまつわる数々の怪奇現象に襲われていくホラーノベルゲームだ。

久々の再会に最初はどこかぎこちなかった彼らの関係性も、当時のあだ名で呼び合ううちに距離が縮まり、みんなで遊んだ思い出のスポットなどの話題で盛り上がっていく様子はさすが幼なじみ。

しかし、キョロと呼ばれる女の子が口にした“ネコ公園”をきっかけに、その場の空気が一変。主人公に至っては記憶そのものがないことに気づき、言い知れぬ不安感に襲われていくのだ。

本作の見どころは13年前の事件に関連した“男の子の幽霊”や身の毛もよだつ恐怖演出はもちろん、多くの記憶を失っている主人公を取り巻く幼なじみとの関係性にある。

“忘れているならそのままがいい”と忠告する面々は、壮絶な過去から主人公を守ろうとしているようで、そのやさしさに甘えてしまいたくもなるのだ。

成人式をきっかけに始まった13年前の事件にまつわる奇妙な体験は偶然かそれとも必然か。

どこかノスタルジックな雰囲気のある世界を探索しながら、彼らがひた隠しにする13年前の出来ごとを紐解いていくゲーム進行は必見だぞ!!

第1章切りNG!!　第2章から加速する物語

内部課金版としてリニューアルした本作は第1章のみ無料でプレイすることができる。

そうなると第1章までを判断材料に全7章が収録されている完全版の購入を検討すると思うのだが、本作が盛り上がっていくのは第2章からであると感じている筆者は“ちょっと待って”と声を大にしてみんなに呼びかけたい。

正直、第1章だけでは心を鷲掴みにするような展開は薄く、アニメでいうところの“1話切り”されても仕方がない。

そこにきて完全版が360円となれば躊躇してしまう人も多いはずだ。

幼なじみのひとりがどうしてオカルト系に詳しいのか。

めっちゃかわいい司書さんや13年前の事件に深く関係している刑事など、第1章からは予想もつかない展開で一連の怪奇現象が解明されていく。

2012年のリリース当初存在を知りながら保留してしまった自分を悔いるほど、いまは購入してよかった感じる魅力的な作品なのでぜひ、最後までプレイしてもらいたい!!

P.N.深津庵
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