ゲームに特化したハイスペック端末“ゲーミングスマホ”ってなんだ?その種類と使用上の注意点をチェック
2018-08-30 13:55 投稿
まさしくゲーム専用といえるクオリティ!
これはもう数年前から言われている話だが、スマートフォンはリッチな表現があって当たり前の時代になった。それは多くの人も感じていることだと思う。
しかし、ここ最近ではその当たり前の上にさらにもうひとつの要素を乗せたコンテンツが出始めている。“表現はリッチでありつつも、リアルタイム操作性に富み、オンラインで複数人で遊ぶ”といったものである。
ネットマーブルが出している『リネージュ2 レボリューション』のようなMMORPGや、PUBG社が出している『PUBG Mobile』がこれに当たる。
これらコンテンツは、ゲームコンテンツとしてはもちろん、そのビジュアルで視覚的にもプレイヤーに大きな刺激を与えてくれるものたちだ。しかしこれもまた当然だが、このようなコンテンツが持つポテンシャルを最大限に引き出し、最高パフォーマンスで遊ぶには、それ相応のスマートフォンが必要になってくる。
この要望に応えるためか、近年“ゲーミングスマホ”なるものが登場し始めている。これはいったいどのようなものなのだろう? そしてその名が示す通り、どのようにゲームに特化したものなのだろう? それを掘り下げて見ていってみよう。
そもそも、ゲーミングスマホってなに?
PCゲームをプレイしている人ならば、その名前からどのようなものかは想像にやすいことと思う。そう、ゲーミングPCと呼ばれるものと同じ。ゲーミングスマホとは、ゲームプレイに特化したスマートフォン、またはゲームプレイに対応すべく特殊なシステムを搭載したスマートフォンを指す。
では、ゲームに特化するということはどういうことか? これはズバリ、グラフィックの描画処理能力を始めとする処理能力が、一般的なものと比較して高くなっているということだ。
3年以上前にリリースされた端末を使っている人ならつぎのようなメッセージを目にした経験があるだろう。「メモリが足りません」、「処理速度を優先するために、描画クオリティを落とします」。
これは言わずもがな、端末の処理能力が足りていないために発生する現象だ。この表示が出たからと言って、ゲームが遊べなくなるというわけではないが、ゲームのジャンルによっては得られる体験に大きな差が生まれる場合もある。
ゲーミングスマホとは、こういった事態に陥りにくい、超ハイスペックなスマートフォンなのである。では、ここからはそれらゲーミングスマホの一例を見ていこう!
Doogee S70(Doogee)
スペインで誕生した中国系メーカーDoogeeの最新スマートフォン。5500mAhという特大容量バッテリーを搭載した本端末は、ゲームモードボタンを実装しており、このボタンひとつを押すだけで、バックグラウンドで動いているアプリをすべて終了させ、ゲームにすべての能力を注ぎ込むという能力を持つ。
熱がこもりやすいスマートフォンの弱点を補うべく、背面の金属プレートは放熱効率も高いという。また、専用のゲームコントローラも付随しているほか、IP68の防塵、防水機能を備え、耐衝撃性能もかなり高めに設計されているとのこと。
未発売の端末であるため、価格はもちろん、そもそも日本で手に入るのかも不明。しかし、スペックシートを見るだけならば、かなり高い能力を持っていることが伺える。
Honor Play(Huawei)
実力派メーカーHuaweiが送るAndroidスマートフォン。高性能なチップセットを搭載しているだけでなく、ゲーミングスマホのコアでもあるGPU(グラフィック描画の処理をするチップ)を一時的にブーストさせる機能、GPU Turboを搭載。
また、バイブレーション機能にもこだわりが持たれており、ゲーム中に演出として得られる振動は、他のスマートフォンでは味わえないものになっているという。
ゲーミングスマートフォンとして売り出されているものではないが、3Dゲームとの親和性はかなり高い。なお、こちらも日本未発売。
Razer Phone(Razer)
プロゲーマーも御用達、ゲーム向けPCアクセサリを取り扱っているメーカー、Razerが送るゲーム特化のスマートフォンがこちら。
コアとなるチップセットは文句なしのハイスペック仕様! メモリ(RAM)も8GBという大容量を搭載しているのも本端末の長所であるが、しかし特筆すべきはディスプレイ。なんと、リフレッシュレートが120Hzに到達しているのだ。
ディスプレイのリフレッシュレートとは、簡単に説明すると、ディスプレイが1秒間に何回動けるかというものを表したものになる。皆さんご存知の通り、テレビを始めとする映像機器は、超高速パラパラマンガのようなもので、1枚の写真を超高速で切り換えていくことで、それが動いているように見せている。
このとき、ディスプレイのリフレッシュレートが60Hzであった場合、ディスプレイは1秒間に60枚のイメージを切り換えることができるということ。つまり、Razer Phoneは1秒間に120コマを連続して描画しているということなのだ。もちろん、1秒間に差し込まれるコマ数が多いと、それだけ動きの表示はなめらかなものとなる。
表示の滑らかさという要素は、動きの早いゲームをキレイに映し出すのに重要なポイント。なお、こちらの端末もRazer社から公式に国内向け販売されているわけではないので注意。
ROG Phone(ASUS)
PCアクセサリで有名なエイスースも、ゲーミングスマホを開発。エイスースは独自のゲーミングブランド“ROG”を保有しており、本端末はそのシリーズのひとつとして登場するという。なお、リリース日は2018年第3四半期を予定しているとのことだが、日本でも展開されるのかは不明だ。
本端末のスペックは、やはりゲーミングと謳うだけあるもの。チップセットにはSnapdragon 845という最高レベルのものを採用しており、その性能は十分に期待できるものになっている。
またどうしてもハイスペック端末につきまとう問題、排熱効率についてだが、本端末は外部クーラーユニットという形によって解決を図っている。またそのほかにも外付けコントローラユニットやディスプレイドックなどのアクセサリも用意されているとのこと。これらのことから、外部ユニットのバリエーションこそが本端末の特徴であると言えるだろう。
Black Shark(Xiaomi)
中国の大手家電メーカーXiomiもゲーミングスマホ市場に参入。先日国際版がリリースされたこちらのBlack Sharkは、まさにゲーミングスマホと呼べる特別仕様にあふれた端末だ。
高解像度のディスプレイ、高性能なチップセットとイメージプロセッサーを搭載し、バッテリーもメモリ(RAM)も大容量。スピーカーもステレオスピーカーが実装されており、ビジュアルだけでなくサウンドにもこだわれる仕様だ。
しかし最大の特徴は、放熱のために独自の液冷システムを搭載している点だろう。ハイスペックゲーミングPCでも見られる、液冷システムがスマホにも実装されたというインパクトは大きく、その効果にも期待が寄せられる。しかし当然ながら液垂れなどの心配もあるため、一概にこれを持ち上げるというのは難しいが、新たな試みには関心を寄せてしかるべきだろう。
番外編:iPhone(Apple)
安定してマルチな活躍を見せるiPhoneは、別段ゲームに特化した端末というわけではないが、“安定してハイクオリティなゲームを楽しめる”という点では外せない端末。
Android端末では安定しないけれど、iOS端末では安定して動作するゲームの存在には多くの心当たりがあるが、その逆は聞いたことがない。ゲームをプレイする上で、安定して動作するかどうかというのは、ハイクオリティを体験できるかどうか以上に重要な要素。
また毎年リリースされる新端末は、押し並べてその時期における最高スペックと呼べるものになっているため、スペックだけで見ても、他のゲーミングスマホに引けを取らないものになっている。
“ゲームをプレイするためには”という点において、何か特別な工夫が凝らされているということはないが、安定して新作ゲームをハイクオリティで遊びたいというのならば、選択肢として抱えておくべき端末だ。
当然、2018年9月に発表されると目されている新型iPhoneも注目しておきたい。
Androidゲーミングスマホを使う上での注意事項
日本国内では、無線通信を行う機器の使用は総務省認可を受け、技適マークを取得する必要がある。が、上記で紹介したAndroidゲーミングスマートフォンのほとんどは、日本で公式に販売されていないため、この技適マークを取得していないものと思われる。(2018年8月30日時点)
仮に、技適マークが付いていない機器で無線通信を行った場合、それは電波法に反する行為となってしまう。これらの端末を使用する際は、スマートフォンを有線LAN接続させるアタッチメントを用い、有線ネットワークの環境下のみでの利用に留めよう。
また、昨今では海外から購入したスマートフォンにウイルスが混入していたという事件が発生しているほか、そもそもゲームタイトルが本端末の動作保証をしていない可能性も高い。
つまりゲーミングスマホの利用は、最高のゲーム体験を得られるという代わりに、現状それなりのリスクもあるということである。購入を検討する際は、これらのことをしっかりと認識し、各種トラブルを自身の力のみで解決出来るかを考えておくといいだろう。
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