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日本のアプリ消費支出ランキングは世界3位!App Storeサービス開始から10年。その歴史を紐解く

2018-07-17 13:50 投稿

App Storeはどこまで成長する?

2008年7月からサービスを開始した、iOS向けアプリマーケットApp Store。10年という歴史を持つこのアプリ市場は、その時々でさまざまな動きを見せてきたが、現在ではどのような状態になっているのだろうか?

ここでは、アプリ市場の分析、およびデータ提供サービスなどを行っているApp Annieが、このたび公開したデータリポート“データで振り返るiOS App Storeの10年”を参照しながら、その内容とそこからわかることをまとめていこう。

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iOSユーザーの消費は右肩上がり

リポートでまず発表されたのは、ダウンロード数と消費支出の推移について。資料によれば、数年前までダウンロード数も消費支出も順調に成長推移を見せていたものの、2013年辺りを境にダウンロード数の伸び率は下がり、場合によってはほぼ横ばいという成長率となっているという。

しかしその一方で消費支出は変わらず右肩上がりで伸びており、アプリ市場で得られる収益は順調に上がっていることがリポートされている。

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ここから推察される内容としては、iPhoneユーザーの数はほぼ頭打ちになったものの、個人がアプリにかける支出は確実に増えてきているということだろう。

ただしこの動きにはある種の特徴があるようだ。続いてのリポートでは、ダウンロード数のシェア率は、iOSのストア(App Store)、Androidのストア(GooglePlay)がおおよそ半々となっているにも関わらず、消費支出のシェアはApp StoreがGooglePlayのおおよそ倍であることが触れられている。

一見するとAndroidユーザーは課金に対してネガティブであるとも取れる内容だが、しかしこのデータはグローバルデータ。Android端末は新興国を中心とした低価格帯市場を抑えているという背景があるため、このような数字の差が出てくるのだろう。

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消費支出についてはもうひとつおもしろいデータが。App Storeにおける消費支出の約60%は、アジア太平洋地域が占めているというのだ。ダウンロード数における割合が約50%に留まっているにも関わらずこの数値というのは、注目すべき点であろう。

なお、このアジア太平洋地域の消費支出は2014年から確実に上昇している。この背景には、同年中国でiPhone 6とiPhone 6 Plusがリリースされたという動きがあるため、中国資本がApp Storeに流れ込んだ結果、このような数字になったことが推察される。

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ちなみに、国単位で見るとダウンロード数と消費支出がもっとも多いのはアメリカ。次いで中国、日本となっている。しかし、中国はいまもなお市場が成長している地域であり、ダウンロード数においては近年中に1位になることもありえるだろう。

日本はというと、消費支出こそ4位のイギリスに5倍近い差をつけているものの、ダウンロード数では4位のイギリスとあまり差は出ていない。閉塞的な市場になりつつあるのか、ダウンロード数は伸び悩んでいるようだ。

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一方非ゲーム系アプリの動向はというと、ゲーム系アプリの影に隠れてはいるものの、順調な成長を見せている。この成長を後押しした最大の要因は、アプリ内サブスクリプション(定期購入)の導入。

これまで非ゲーム系アプリの収益はゆっくりとした成長であったが、サブスクリプションが導入された年から、約150%のペースで年間成長を遂げているのだ。

このように、10年間で大きな成長を見せ続けているApp Storeという市場。人によっては伸び悩みを見せると考えている人もいるようだが、App Annie調べによると、この市場はさらに成長を続け、今後5年間の年平均成長率は12.2%に。2022年には757億ドル(約8兆3000億円 )(※1)にもなると予想されている。

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この予想がどこまで的中するのかはまだわからないが、今後もアプリ市場が盛り上がっていくことには違いないようだ。これからも市場の動向にはしっかりと目を向けていきたい。

※1:1ドル=110円で計算

人気アプリの推移とともにiOS App Storeの歩みを読み取る

ここからは、アプリに焦点を当ててこの10年を振り返ってみよう。同じく、App Annieが公開した2010年以降の人気アプリのデータをもとに、iOS App Storeの歩みを読み取っていこう。

2010年には『Skype』、『Messenger』といったメッセンジャーアプリがまだ隆盛であり、むしろアプリのメインストリームであった時代。同時にこの時期からスマートフォンを使ったSNSアプリも多数登場しており、スマートフォンとの親和性の高さから、ここから大きな躍進を遂げ始めた。

事実2011年にはダウンロード数ランキングにおいて『Facebook』、『Twitter』がワンツーフィニッシュ。一方でメッセンジャーアプリは鳴りを潜めはじめる。

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支出面においては、この時期カーナビアプリが多くランキング入りを果たしており、スマートフォンは当時、ポータブルなナビゲーションシステムとして広く活用されていたことが窺える。しかし2010年に正式サービス化した『Googleマップ』が徐々にこれらのシェアを占めるようになり、ナビゲーションアプリはその後姿を消すこととなった。

2012年でもコミュニケーションアプリは人気を博し、そこからさらに発展したマッチングアプリが消費支出のランキングに登場。さらに、『WhatsApp Messenger』や『LINE』といった、手短な連絡を取るのに適したメッセンジャーアプリも支出面で躍進。マッチングアプリやSNS系アプリで親しくなった人とメッセンジャーアプリを用いて連絡を取るなど、用途に応じたコミュニケーションアプリ利用形態の細分化も読み取れる。

2012年はiOS 6.0がリリースされた年であり、新しいiPhoneに『YouTube』がプリインストールされなくなった。そのため、以降の年からは『YouTube』がダウンロード数ランキングの常連となっている。

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2013年にはコミュニケーションアプリがさらに多様化し、アプリのダウンロードランキングもそれに追従するよう変化し始めた。とくに、6秒の動画を撮影して共有できる『Vine』や、送信したメッセージが自動的に消去される『snapchat』など、新しい形のコミュニケーションの誕生が印象的。

とくに『snapchat』は、メッセージが消えるというアクションがユーザーに気軽さを与えたためか、世界中の多くのユーザーに利用され、2016年までダウンロード数のランキングに入り続けた。

また、この年でもう1点特筆すべきは、消費支出がはじめて100億ドルを突破したという点である。単純に市場が大きくなったということもあるが、同年の消費支出で1位に輝いた『Pandora Music』など、アプリを利用した音楽市場のデジタル化が加速したことが、これに大きな影響を及ぼしているようだ。

この音楽市場のデジタル化はその後も続いており、2014年には『Spotify』が消費支出ランキングに登場し、新たなビジネスモデルとして形をなし始めたことを世界中に強くアピールした年となった。そして、この音楽市場のデジタル化はいまも続いており、2017年にはApp Storeの音楽カテゴリーだけで10億ドルもの消費支出を達成している。

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2015年には、ストリーミングによるコンテンツサービスの需要がさらに拡大。ストリーミング音楽配信サービス『Spotify』、『Pandora Music』だけでなく、『Hulu』、『HBO NOW』といった映像コンテンツ配信サービスも消費支出ランキングに登場。

続く2016年には『iQIYI』(※2)、『Netflix』といった映像のストリーミング配信サービスが支出ランキング入り。いよいよストリーミングサービスが一般的に普及したことが窺える。

ちなみにこの年は、中国がアメリカを抜いてApp Storeの消費支出で最大の市場となった年。先述した『iQIYI』というアプリ(サービス)も中国のもので、驚くべきことにその支出のほとんどは中国市場のみで賄われているそうだ。この点からも、中国市場の成長がいかに急激でインパクトのあるものかがうかがい知れるだろう。

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2017年のランキングはダウンロード数、消費支出ともに数多くの中国企業のアプリがランクイン。なかでも、注目すべきはダウンロード数ランキング9位の『Taobao』。

本アプリはオンラインショッピングサービスのアプリ。このジャンルのアプリがランク入りするのは、2010年以降で初めてのこと。通常こういったショッピングアプリは、決済にAppleのシステムを使ってしまうとその利益の一部をAppleに持っていかれるため忌避される傾向にあるが、そんな背景がある中でランキング入りするというのは、予想外である。

そのうえ、『Taobao』のメイン市場は中国国内。そういったデータを絡めて読んでみても、あらためて中国という市場がいかに大きなものになっているのかを世界に示した結果となったと言えるだろう。

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だが、そんな衝撃がある中で消費支出ランキングの1位に輝いたのは『Netflix』。これまでも『Netflix』は度々ランキングに顔をのぞかせていたが、1位となったのはこの年が初となる。

この背景には、前年に利用可能な国を190以上に拡大し、グローバル化を推進したことが大きな要因となったことが考えられる。

2018年には、日本の若年層ユーザーにも人気の動画によるコミュニケーションサービス『Tik Tok』がダウンロード数の1位に。『Tik Tok』も中国企業が運営するアプリだが、その利用者数は中国本土だけでも1日あたり1億5000万人を超えるという。

消費支出では、前年に引き続き『Netflix』が1位を獲得。既存の動画コンテンツを配信するだけでなく、オリジナルの映像コンテンツの制作も意欲的に行っていることも大きな要因となっていることだろう。また、『Netflix』以外のストリーミングサービスも引き続きランクインしており、ストリーミングという形態がiPhoneユーザーにとって娯楽の中心に来はじめていることが読み取れる。

このように市場のデジタル化が着実に進む中で生まれる次なる新しいコンテンツは、いったいどのようなものになるのだろうか? これからもアプリ市場からは目が離せそうにない。

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