守りたいのに傷つけてしまう……切なさが話題の『テラセネそれでも君を照らしたい』を改めて推してみたい！

それでも僕は彼女を照らす太陽になりたい 突然ですが、皆さんは昼型ですか？ 夜型ですか？ 筆者は生まれながらに生粋の夜型でして、数年前から完全に昼夜逆転しております。 夜しか出歩かない暮らしを続けていたら、たまに間違えて昼間に外に出ると、聖なる太陽に焦がされる悪魔のような気持ちになります。 今回はそんな私と同じ悪魔……ではなく、夜行性の皆さんであれば共感すること間違いなしのゲーム、『テラセネ それでも君を照らしたい』をプレイしてみました！ ゲームの主役は、どこか物憂げな少女。彼女はとにかく太陽の光が苦手らしく、日傘をさして歩いています。 深夜にひとりで夜道を歩いているシーンから始まるのですが……。 なにか大きな白いものが空に出てきました。 本作では、プレイヤーはこの“太陽”となります。なかなか斬新。 少女が歩く夜の道は危険がいっぱい。太陽……つまり私は、そんな少女を守るために、闇夜にはびこる異形たちを照らして、追い払います。 わざわざ彼女が苦手な太陽になってまで彼女を守るとは、これぞ“恋焦がしゲーム”と言われるだけあって、ロマンチック。まさか著者も、こんな夜型人間なのに太陽になる日が来るとは、思ってもみませんでした。 BGMも、ピアノがしっとりと物悲しい曲を奏でられていて、この世界観を一層引き立てくれます。この時点でかなり切ないです!! 彼女に当たらないように、攻撃を当てよう さて、この少女はどうやらお屋敷を抜け出してきた様子。彼女には何か目的があるようですが、とにかくお屋敷から離れるため、ひたすら前進し続けます。すると、彼女を追いかけてくる悪魔たち。プレイヤーはこれらを駆逐していかなくてはなりません。 操作は簡単。画面をタップすることで、ふだん右に回転している太陽が逆回転します。太陽を右に、左に回転させて、うまく太陽光が敵に当たるように調整していきます。 連続で敵に当てるには小刻みなタップが必要です。 敵キャラによって少女への接近のしかたが違い、なかでもいきなりとびかかるなどの不規則な動きをするキャラは厄介。目を離してたら少女が攻撃されてるなんてこともしばしば。とくに、プレイしている手の死角から攻めてくる、ネズミとヘビは注意が必要です。 少女はふだん、日傘を持っているので太陽の光からも身を守ることができますが、こうして敵に接触されると日傘を落としてしまい、太陽の光から自分を守れなくなってしまいます。 少女を守りたいはずの私（太陽）なのですが、その太陽の光に彼女が弱いというのが、なんともやるせない気持ちにさせられます……。嫌われていてもなお、私は少女を守りたいんだ……。 太陽光が当たると、少女の体力ゲージが赤くなり、ジワジワ減っていきます。しばらくすると自力で傘を拾いなおして、体力も自動的に回復されますが、この傘を落としている最中が大変。 敵を追い払おうと光を当てると、隣りで座り込んでいる少女にまで光が当たってしまうので、下手をすると彼女を灰にしてしまうことに。タイミングが大事なのですが……けっこう難しいです。 オーブを効果的に使ってゲームを有利に進めよう 悪魔たちは太陽に焼き払われると、泡のように消えるのですが、その時に“オーブ”と呼ばれるアイテムを落としていきます。それらを集めると、太陽の光の当てかた――光には、攻撃力や攻撃の範囲があるのですが、それを変えることができます。 初期設定では太陽の光は”Single”というモードになっていますが、太陽の当て方にはほかに4種類のモードがあって、ここぞというときに切り替えることができます。 ・Cross garden……4方向に細く弱い光を放つ。 少女のまわりを敵に囲まれた場合に、少女に対するダメージを最小限にしながら敵を追い払うことができる。 ・3way……3方向に弾丸のような光の玉を放つ。 威力もスピードも高いため、使うときには少女に対し注意が必要。細かく狙うのに不向きなため、大きな敵に向いている。 ・Accordion……アコーディオンのごとく、光が伸び縮みする。 広範囲に強い光を当てたあと、しばらく光が消えるため、少女がいるときは上手い具合にその瞬間を狙おう。 ・Flare Skirt……画面上に隙間なく光の玉を飛ばす範囲攻撃。 強いぶん、少女に当たる可能性も高くなるため、使いどころが難しい印象 タイミングよくこれらのモードを切り替えることでピンチをかいくぐっていきますが、それでも難しいことには変わりがないので、なかなか歯ごたえがある感じ。カジュアルゲームだと思って油断していると、けっこうギャップに驚きます。 オーブはほかにも、図鑑の開放に使えます。図鑑を開放していくと、キャラクターの裏設定なども読めるので、この世界をより楽しむことができそう。 ▲敵キャラも愛らしくて、なかなか憎めない。 以上、ここまで説明してきましたが、本作の魅力は、なんといっても、この世界に隠されたストーリーを見つけていくこと。 プロローグとステージ序盤だけでは、なぜ少女がお屋敷を出て行ったのか、なぜ彼女は太陽の光が苦手なのか、ということがわかりません。 しかし、ステージを進めていくとキャラクターたちが徐々に、セリフの中であらすじを匂わせてくれます。 ステージ選択画面の左に挿絵が出てくるのですが、それがどうやら少女がお屋敷を出て行った原因を示しているのだとか………。過去に、この絵に出てくる男の子と何かあったようですが、果たして？ ストーリー解放のためには、クリアーが必須。この切ない世界に隠された物語とは……？ ぜひとも、少女といっしょに真夜中のお散歩をしながら、このゲームに隠された真実を見つけていってください！