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ファミ通App編集部

『崩壊3rd』のあの美麗グラフィックの影には努力と工夫あり!“Unite Tokyo 2018”リポート グラフィック編

2018-05-09 22:44 投稿

グラフィックはただ描いて終わりではない!

2018年5月7~9日に、Unityの開発者向けカンファレンス“Unite Tokyo 2018”が都内で開催された。“Unite Tokyo”では、開発者同士が開発の過程で知り得た知見やテクニックの共有を目的とした講演が数多く行われるとあり、会場にはメーカーに所属する開発者はもちろん、個人開発者も多く足を運んでおり、盛り上がりを見せていた。

ここではそんな講演の中から、スマホ向けゲームのグラフィックについて語られた講演“『崩壊3rd』開発者が語るアニメ風レンダリングの極意”、“『カスタムシェーダー』でモバイルでも最先端グラフィックスな格闘ゲームを!”での講演内容を、簡単にまとめてお届けしていこう。

それぞれのタイトルが、現在のグラフィックを実現するまでにどのような挑戦をしたのか、その努力の過程を感じてみてほしい。

『崩壊3rd』が秘蔵テクニックを大公開!

講演“『崩壊3rd』開発者が語るアニメ風レンダリングの極意”は、講演名からもわかる通り『崩壊3rd』のグラフィックをテーマとしたもので、弁者はmiHoYoでテクニカルディレクターを務めるJack He氏。

講演ではUnityによる高品質なセルシェーディングとイラストレーションスタイルのアニメ風レンダリングを実現する方法が語られた。

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セルシェーディングとは、トゥーンレダリングとも呼ばれる表現手法。3次元グラフィックスのデータを2次元の手書きアニメーションやマンガ風、イラスト風に見せるよう出力する技法だ。また、シェーディングとは、3Dのオブジェクトに陰影を与えて明暗を付け、そのコントラストによって立体感を与える技法。シェーダーとはそれを処理する(行う)プログラムのことを指す。

Jack氏はまず「『崩壊3rd』ではたくさんの視覚効果が使われている」と、『崩壊3rd』に対してさまざまな視覚的な演出を詰め込んているという話から講演をスタートした。それらの演出とは、たとえば空間の歪みを作り出したり、オブジェクトにブルーム(輝き)を持たせたり、ゲーム中のいわゆるフィニッシュムーブであるバレットタイム発動時に雨粒がスローになるといったものを指す。

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これらがどのようにして作られたのか、そしてスマホという限られた環境下でそれらを軽快に描画するためにどのような施策が取られたのかが語られ、会場からはしきりに感嘆の声が上がっていた。説明を受けただけでは、それがどれほどすごいことなのか、開発者ではない人間には完全には理解できなかったが、会場の反応からそれがいかにテクニカルなことなのかは推察できた。

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続けて語られたのは3Dのキャラクターモデルをアニメ調、イラスト調に見せるための工夫の数々。『崩壊3rd』は紛うことなき3Dアクションゲームだが、その静止画はアニメではないかと錯覚させられるようなビジュアルが特徴だ。

この錯視のような不思議な演出は、おもにシェーディング、つまりは陰影の付けかたの工夫によって成り立っているという。そして、陰影はリアルタイムに処理されて付けられているものであるため、これをスムーズに描写するにはどうすべきかという点も解説された。

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この話の中でとても印象深かったのは、髪の毛に、アニメやマンガキャラクターのようなハイライトをリアルタイム処理で描き出すという部分。日本のアニメ、マンガキャラクターに髪の毛に付けられるハイライトというのは、考えてみればかなり特殊な表現だろう。

これをただモデルに描き込むのではなく、ハイライトとしてリアルタイムで処理し続けるには、そこにさまざまな設定、定義付けをする必要があるのだが、Jack氏はこれを成し遂げるまでの道程を細かに教え、その知見を共有してくれた。

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マルチレイヤーランプシェーディングやジターマップなどといった具合で、具体的な話は非常に技術的な話となってしまうので割愛するが、詳しく知りたいという人は、後日公開される講演動画をチェックしてみるといいだろう。

『TEKKEN』のグラフィックに込められた熱い想い

“『カスタムシェーダー』でモバイルでも最先端グラフィックスな格闘ゲームを!”では、バンダイナムコスタジオでリードプログラマを務める冨澤茂樹氏が講演を行った。

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講演内容は、現在スマートフォンアプリとして展開しているゲームアプリ『TEKKEN』で、どのようにしてPS4レベルの高いグラフィックス表現を実現したかというもの。

まず、冨澤氏は「なぜスマートフォンでPCやPS4レベルのグラフィックスを目指したのか」ということについて語ってくれた。

曰く、「PC、PS4レベルのハイスペック機ユーザーを利用しているファンの目にも見劣りしていると思われないようなクオリティにする」という命題を掲げて開発がなされたからだという。

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ちなみに、ハイレベルなグラフィックスを実現するのにUnityを選択した理由は、「さまざまなOS、解像度に対応しており、チーム内にUnityでの開発経験者がいたから」であり、グラフィック表現において、ほかのツールと優劣を比較して選択したわけではないそうだ。

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なお、講演ではライティングやレンダリングに焦点を当てて、具体的なソースコードとともにさまざまな実践的なテクニック紹介がなされた。

その中でもっとも興味深かったのは、『TEKKEN』はPC用としてテクスチャデータを作成し、それをその解像度のままスマホに落とし込んだという話。

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ただ、これの詳細解説にはラインハルト変換、リニア空間内のHDRでレンダリングといった、非常に専門性の高いワードを頻出させなければならず、またそもそも門外漢では理解の難しい話となっていたので、こちらも割愛させてもらおう。

興味を持った人はUnite公式ホームページに講演スライドが公開されているので、そちらを確認してみるといいだろう。

Unite Tokyo 2018公式ホームページはこちら

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