【新作】制作者が苦しんだ精神病の恐怖を追体験する『Neverending Nightmares』

Steamで強烈な印象を残した名作ホラーがスマホへ

本作の制作者であるMatt Gilgenbachには強迫性障害とうつ病という持病があり、それが過酷な制作環境や経済的な不安が原因で悪化。

このサイコホラーゲーム『Neverending Nightmares（ネバーエンディングナイトメア）』は、そのとき体感した恐怖に着想を得て制作されたもので、2014年にSteam版とOuya版、2016年にはプレイステーション4とプレイステーション Vita版が配信されたもの。

多くの話題を集めた名作が、ついにスマートフォンで楽しめるようになったぞ!!

モノクロで描かれたどこまでも続く悪夢

主人公のトーマスは女性を刺殺する悪夢にうなされ目を覚ますのだが、そこは見知らぬ寝室だった。これもまた夢の中なのか、血だらけの屋敷をさまようトーマスは隣接する墓地で妹、ガビィのお墓を見つけ泣き崩れる。

しかしつぎの瞬間、再び寝室で目覚めたトーマスの前にはガビィの姿が……。

本作で描かれるのは現実と悪夢の狭間をさまよい、死をくり返しながら真実を追い求めていくモノクロの世界だ。

モノクロベースの世界にはロウソクや額縁、斧やドアノブなど血痕以外にも色を与えられたオブジェクトが存在し、それらに触れることができる。

持ち歩けるものや調べるだけのものなど用途は違うが、基本的にはそうしたものをタップしながら悪夢の中を探索していく。

また、屋敷には巨漢の怪物や足音を感知して襲いかかる化け物など、探索を妨害する危険なやつらが多数徘徊している。

冒頭でも述べた通り、本作は制作者自身の体験をもとに描かれた世界。

精神的なものとはいえ、劇中で遭遇するそれらクリーチャーが実際に襲ってきたとすれば、まさに悪夢としかいいようがない。

各所に残された何者かのメッセージや唐突に発生する身の毛もよだつグロテスクな演出など、絵本のような独特なグラフィックの中には不気味な仕掛けが盛りだくさん。

プレイしている我々が精神的に病んでしまいそうな、言葉にならない不安感がどこまでも付きまとうので心してこの世界に挑んでもらいたい!!

トーマスに突きつけられる3つの結末

死しては目覚め、崩壊していく世界をさまよい続けるトーマス。

彼の前に現れる妹のカビィとのあいだでは幾度となく奇妙な会話が交わされるのだが、真相に迫るどころかさらなる謎が提示されプレイヤーを惑わしていく。

そんな本作には3つの結末があり、1度クリアーすると好きなチャプターからリトライできるようになる。

洋館らしき場所から始まるトーマスの探索は、精神病棟や実験室を連想させる不気味な空間へと変化。脱出不可能かと思われた悪夢は、ある場面を堺に驚きの展開を見せ、いっきに物語が真相へと動き出すのだ。

どこであるかは伏せておくが、そこはまさに運命の分かれ道にふさわしいスポット。

トーマスの身に迫る悪夢はさらに深くなり、心臓の弱いひとにはオススメできない残虐的な演出が増していくので注意しよう。

コミカライズされたもうひとつの世界

じつはアプリ版『Neverending Nightmares』のメニュー画面には、“マンガを読んで！”という項目が設けられている。

これは、Pixivコミック限定で公開されている本作の物語をコミカライズ作品へのリンクで、当アプリからはブラウザ版を介して読むことができるのだ。

また、Pixivコミックというアプリをダウンロード（iOS/Android）すれば、『Neverending Nightmares』がなくても読むことができる。

2017年12月02日現在はプロローグを含めた2話までが公開中で、ゲームでは伝わりにくかったキャラクターの感情や世界観を丁寧に描いていると感じた。

ゲーム自体は少々難解な物語で3つの結末を踏破しても全貌は語られず、トーマスがみていた悪夢と真相の解釈はプレイヤーに委ねられる。

今後、このマンガがどんな物語を描くのかは不明だが、ゲームでは得られなかった新たな情報を手に入れられるかもしれないので、すでにSteam版やPS4版などをプレイ済みのひともぜひ、マンガの展開に注目してもらいたい!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

動画でも新作紹介しています

気に入ったものがあったら更新
角満＆中目黒のこれ、知ってる？

毎日更新午前7時に更新中

編集長！これ、どうでしょう!?

YouTubeチャンネル登録して動画をいち早く見よう！

ファミ通AppのTwitterをフォロー