もともとは格ゲーだった?『プロジェクト東京ドールズ』の裏側と今後に迫るインタビュー

2017-07-13 18:00 投稿

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【『プロジェクト東京ドールズ』情報まとめ】

リリース1カ月!『プロジェクト東京ドールズ』のいままでとこれから

リリースから間もなく1ヵ月を迎える、スクウェア・エニックスの美少女タップアクション『プロジェクト東京ドールズ』。ハイクオリティなグラフィックとモーションで描かれる美少女たちと、彼女らが活躍するシンプルながら奥深いバトルはユーザーからも支持され、今後の展開が注目されるタイトルだ。

そこで、『プロジェクト東京ドールズ』のプロデューサー塩見卓也氏に直撃インタビュー!

開発秘話から今後の予定、塩見氏が掲げるビジョンなどを根掘り葉掘り聞いてみよう。

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▲『プロジェクト東京ドールズ』プロデューサー・塩見卓也氏。
1i【新作】「人形として生きるか、死ぬか…」スクエニの美少女アプリ『プロジェクト東京ドールズ』がかわいいくせにダーク!
先日リリースされたばかりのスクウェア・エニックスの新作美少女タップアクション『プロジェクト東京ドールズ』にハマったというお話。

『プロジェクト東京ドールズ』製作秘話

――リリースされてまだ間もないですが、ユーザーからの反応はいかがですか?

塩見 「すごく“ゲームをしている”感じがしておもしろい」という声をいただいております。もちろん、それが合わない方がいらっしゃるのも見受けられるのですが、僕たちはガッツリ遊べるゲームを目指して作ったので、ゲームが好きなプレイヤーの方々には刺さって、いい結果かなと思っています。

――『プロジェクト東京ドールズ』を製作することになったきっかけを教えてください

塩見 もともと、僕はローカライズを扱う部署にいて、そこで僕のチームがローカライズした作品に、一撃必殺が楽しいシンプルな格闘ゲーム『Divekick(ダイブキック)』(※)というものがありまして。

アメリカのOne True Game Studios開発によるインディーズ2D対戦格闘ゲーム。日本では、スクウェア・エニックスの海外ゲームタイトル専門レーベルである“SQUARE ENIX EXTREME EDGES”から2014年にPS3/PS Vita用ソフトとして配信)

――世界的に話題になった作品ですね。

塩見 あれがすごくおもしろいと思って。それで、部署異動をした際に “女の子が戦う簡単な格ゲー”というのをコンセプトにゲームを作ってみようと思ったのがきっかけでした。

――なぜそれが、現在のような形になったのでしょう?

塩見 1フレームでジャスト回避などのシステムを入れて作っていたのですが、格闘ゲームの醍醐味である対戦をしようとすると、スマホの無線通信では難しくて。ただ、“女の子が戦う”というコンセプトからは外れたくなかったので、1年半くらいかけて、いまの形に落とし込みました。

――横型の画面だったり、横スクロールのUIなどは格闘ゲームを彷彿とさせるものがありますね。

塩見 そうですね。上にHPバーが敵味方と並んで置いてあるのも、そのときの名残のようなものです。

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▲言われてみれば格ゲーを彷彿とさせるデザイン。

――アーケードや家庭用といった選択肢もあったと思うのですが、スマホを選択した理由とは?

塩見 今までコンシューマーを開発していましたが、市場的にスマホが盛り上がっていましたし、僕自身がスマホゲームにすごくハマっていたというのが大きな理由です。一時期は、コンシューマーゲームもやりつつスマホゲームもやりつつで、寝る間もなくゲームをしていました(笑)。で、自分がやっているスマホゲームの知識をもって、開発をしてみたらどうなるのかなと。それを試してみたくてスマホを選択しました。

――ゲームを開発する上で、いちばんたいへんだったところはどこですか?

塩見 バトルのバランス調整もそうですが、全体のバランスですね。ゲーム内のサイクルがうまく回るように調整するのには苦労しました。こっちを立てたらあっちが立たなくなってということのくり返しで(笑)。あとは、コンテンツをどれくらいのボリューム、ペースで追加していけばいいのかとか、計画の調整にも時間をかけたのですが、これもたいへんでしたね。

――基本無料のスマホゲームは、運営という形で延々と開発が続くものですから、調整はシビアになりますよね。

塩見 この先1年分くらいのコンテンツ追加計画を立てていますが、やはりすべてが予定通りとはいかないと思うので、ユーザーさまともコミュニケーションを取りつつ軌道修正をしていければなと思っています。本当にたいへんなのはこれからかもしれませんね(笑)。

――この話になるとよく出てくるのが、ユーザーのコンテンツ消費速度になるのですが、もう体感なされましたか?

塩見 それについては各所から、もう耳にタコが出来るくらい注意されて、配信時には相当な物量を用意しておいたのですが……。それでも、予想よりも遙かに早いスピードで消費されましたね(笑)。本作にはEXバトルシミュレーターという高難度のやり込みダンジョンがあるのですが、これももう踏破されてしまいました。エンドコンテンツということで相当厳しい難易度にしのたですが……(笑)。

――ユーザーの皆さん、攻略するの早いですからね。

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▲高難度のやり込みダンジョン。

塩見 でも、毎日ヒマなときにパッと遊んで、やることがなくなったらほかのゲームを試せる気軽さがスマホゲームのいいところですから、スマホでゲームを展開する以上、ずっと遊んでもらいたかったら、コンテンツを用意しておくべきだとは思っています。それを作るのがたいへんですけど(笑)。

――開発期間であるこの1年半のあいだには、アイドルもののスマホゲームがけっこう出ましたが、焦りなどはありましたか?

塩見 最初から女の子を出すとは決めていましたが、“アイドル”と決めていたわけではなく、アイドルを題材としたリズムゲームに寄せるつもりもなかったので、焦りはありませんでした。

――コンセプトからして、あまり競合するものではなかったと。

塩見 はい。ただ、本作でいちばんの売りにしているのがモデルのキレイさとモーションの良さなのですが、リズムゲームの中でもそこがかなりハイクオリティのものが出てきましたので、それには焦りました。

僕らはそこからさらに1年以上遅れて出すので、そのときのスマホアプリ市場のクオリティはもっと上がっているでしょうし。これはもう作り替えるしかないと決意し、モデルのクオリティのラインを引き上げて対応しました。

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▲グラフィックのクオリティにこだわった本作。超必殺技のモーションは必見の価値アリだ。

――アイドルものといえば、キャラクターそれぞれの個性が大事だと思うのですが、やはり製作過程で選考から漏れ、消えていってしまった子もいるのでしょうか?

塩見 いっぱいいますよ! どんなキャラにしようかとか、見た目をどうしようかとか考えながら、80人くらいの女の子を作りました。それで、関係者とかいろいろな人に聞いて総選挙をやって、それで勝ち残ったのがいまの9人ですね。

――本当にオーディションで選ばれたアイドルみたいですね(笑)。

塩見 そうなんです(笑)。で、そこから細かくキャラ付けをして落とし込んでという形ですね。

マルチメディア展開と今後の予定

――アイドルを題材としたコンテンツとなると、マルチメディア展開も期待されるユーザーさんも多いと思いますが、その予定はありますか?

塩見 もちろんあります。ゲームでは女の子のバトル部分を推しているのですが、「もっとアイドル要素がほしい」というお声もいただいているので、ゲームとは別軸で描いていきたいと思っています。

――別軸というと具体的には?

塩見 アニメやコミカライズを想定しています。コミカライズはすでに0話ということで6本をリリースしているのですが、あれも好評をいただいているので、引き続き展開していきたいと思っています。

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KADOKAWAのComicWalkerで連載中のマンガ『プロジェクト東京ドールズ』。

――楽曲関連も注目されるポイントとなるかと思うのですが、曲の追加リリースの予定はありますか?

塩見 あります! もうすでに新曲を作り始めています。

――おお! それはいつごろのリリース予定でしょう?

塩見 ストーリー第2章で新曲の話が出るので、そこでまた新しい曲を出す予定です。アイドル活動をメインで推していくわけではないですが、やはりずっと同じ曲ばかりですと話も進まないので、今後話が進むにつれて曲は増やしていく予定です。

――ちなみに、第2章というのはいつごろ追加されるご予定でしょう?

塩見 第2章は、夏か秋口くらいには出したいですね。いまはほかのアップデートが重なってきているので、調整しつつですが。

――では、いま取りかかっているアップデートについてお聞かせ願えますか?

塩見 まず、今週に少女迷宮というダンジョンを追加する大型アップデートが入ります。少女迷宮は、EXバトルシミュレーターの後継的なものでエンドコンテンツとなります。ひとりにつき50フロアあって、それが9人分あるので、単純計算で450フロア分遊べるようになっているのが特徴です。スタミナ消費なく遊べるコンテンツですが、深くなればなるほど難しくなるので、歯ごたえはありますよ!

――スタミナ消費なしはありがたいですね。450フロアというのもかなりの物量のように感じます。

塩見 気軽に挑んでもらえたらと。少女迷宮は、少女たちの深層心理に潜るというコンセプトがあるので、そこでは記憶の奪還に使う鍵が手に入ります。

現状、記憶の解放に使える鍵は1個しか手に入らないので、2個目以降はここで取っていただき、記憶の奪還により彼女たちのことを深く知ってもらえたらと。

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▲少女迷宮は9人のドールそれぞれに存在する精神を模した迷宮となっている。クリアーすることで、彼女たちの隠されたエピソードを見てみよう。

――ひと筋縄ではいかないダンジョンとなっていることが予想されますが、攻略のコツというのはあるのでしょうか?

塩見 今回の少女迷宮でより顕著になりますが、このゲームのバトルはスキルを重視した作りになっているので、スキルの組み合わせが秘訣となります。

――レアリティより、状況に合わせたスキル編成が重要ということですね。

塩見 その通りです。確かにURは強いですが、持っていれば勝てるというバランスではなく、SRやSSRのカードの持つスキルの組み合わせが重要になります。

いま自分がどのようなカードを持っていて、それをどう編成するのかが重要になってきます。少女迷宮では、それを体験していただけると思いますので、手持ちのカードの種類に幅があるかも大事なポイントになってきますね。衣装はイベントでも手に入るので、ぜひ集めていただけたらと思います。

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▲着替えられる衣装の種類が増えれば楽しさも増えるだろう。

今後の展開は?

――衣装の追加ペース、武器の追加タイミングというのはどれくらいを考えていらっしゃいますか?

塩見 皆さんにはカード(衣装)をたくさん持ってもらいたいと考えているので、月に5着前後の新衣装が追加されます。イベントで手に入るカード(衣装)は、ふつうにプレイしていれば全部取れるように設定しています。着替えをしたいのに、やり込まないと取れないというのは本末転倒になってしまいますから。

―― これからシーズンものの季節になってきますが、夏を代表する水着衣装は追加されるのでしょうか?

塩見 どうでしょうね。でもがっかりはさせないと思いますよ!

――武器に関してはいかがでしょうか?

塩見 武器に関してですが、いまは武器を取れるところがほとんどないと思います。じつはこれ、意図的にやっているものでして。まずは衣装とスキルに注目していただき、スキルの組み合わせで攻略するのだということを知って欲しかったので、武器は付加価値でしかないものにしておいたのです。

――では今後、武器の追加が来ると考えてもよろしいでしょうか?

塩見 はい。少女迷宮が追加されるアップデートのつぎに用意している大型アップデートで武器に関する大型アップデートを考えています。

武器のレベルを上げたり、武器をクラフトしたりといった内容を現在検討中です。詳細は現在詰めている最中なのですが、エンドコンテンツのやり込みに有利になるよう、調整しています。

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――そのほか、アップデートで追加したいというものはありますか?

塩見 まだ完全に決まっているものではないのですが、もっと女の子を愛でる場所を作りたいと思っていまして。女の子ごとの部屋を作ってその部屋をカスタマイズする…いわゆるルーム的なやつですね。

ホームやルームでキャラをタッチすることができ、個性的に動くように作ってはもらってはいますが、ただ、自由に動いたりはしないので。いつかはキャラクターたちが自由に動き回れるような機能を実装したいと考えております。

――楽しみではありますが、実装時期は未定と。

塩見 そうですね。ご要望が強ければくり上げできるかもしれませんが……。

――現状、そういった要望は来ているのでしょうか?

塩見 いろいろなお声はいただいております。しかし、いまはどちらかというと、快適に遊べるように改善してほしいというお声のほうが多いです。本作は、グラフィック面を取っても、スマホゲームの限界に挑んだという面もあるので、端末によっては快適に遊べていない方がいるのは事実です。

皆さまが快適に遊べるよう、そういった点は改善していく予定です。つぎの大型アップデートでも可能な限りの軽減はしておりますし、今後もこの調整は続けていく予定です。

コラボ企画も着々と進行中!

――今週末から、ポタフェス(国内最大級のイヤホン&ヘッドホン体感イベント“ポタフェス2017 東京・秋葉原”)とのコラボ企画が始動しますが、今後のコラボ予定というのもすでに立っているのでしょうか?

塩見 まだお伝えできませんが、水面下で動いているものはいくつかあります。コラボで展開するのは武器や衣装となるので、彼女たちが着て魅力的な衣装をお持ちのコンテンツホルダーさまとコラボ出来ればいいなと思い、いろいろ画策中です。

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▲コラボイベントは、コラボ限定ストーリーが登場する他、人気ヘッドフォンメーカー“Skullcandy”とコラボした“限定ヘッドフォンアバター”を手に入れることができる。ヘッドホンは、実物モデルも制作された。(製品化の予定は無し)

――では、今後も積極的にコラボはしていくと。

塩見 そうですね。ゲームの中もそうですし、“ポタフェス”とのコラボのように、ゲーム内外で連動するコラボというのもやっていきたいです。本作にはアクセサリーという着せ替え要素もあるのですが、そこもたくさん増やしていきたいので。

――今週末に、そのコラボイベントに関するオフラインイベントが行われますが、今後もオフラインイベントは続けていく予定ですか?

塩見 今回行われるイベントでは、チームAの3人に実際に来ていただいて、トークショーやゲームプレイなどをしてもらう予定です。会場のキャパが大きくないので、限定人数にはなってしまいますが、これを機にいろいろやっていきたいですね。

たとえば、弊社が展開するカフェ・STORIAなどを使ってのイベントも行っていきたいと思っています。声優さんも、お越しいただけるのであれば来ていただくという形で。

――個人的には、9人揃ってのライブも期待しているのですが、いかがでしょう?

塩見 曲も揃って、声優の皆さんも揃い、プレイヤーのみなさまからもそういった声が多くでてくるようでしたら、検討していきたいと思います。

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▲リリース前に行われたメディア向け発表会の際にかけつけた声優陣。今後このように、キャストが集まるイベントにも期待したいところだ。
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――では最後に、プレイヤーの皆さんにメッセージをお願いします。

塩見 このゲームの売りとしている部分はモデルのよさであったり、女の子の可愛さ、モーションの可愛さですので、そこら辺に少しでも興味を持っていただけたら、1回でもプレイしていただけたらなと思います。

また、すでに本作を楽しんでくださっている皆様には、コンテンツが尽きないように、且つおもしろいコンテンツを提供していけるように、皆様からのお声も引き上げつつ盛り上げていけるよう尽力して参りますので、よろしくお願いいたします。

【『プロジェクト東京ドールズ』情報まとめ】

プロジェクト東京ドールズ

ジャンル
美少女タップアクション
メーカー
スクウェア・エニックス
公式サイト
http://www.projecttokyodolls.jp/
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS/Android

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