【新作】少女の怨霊に言ってはいけない禁断の言葉とは!? 『怨あそび』

遊びじゃすまない生死をかけた廃屋探検

若い男女4人組が訪れたのは、空き家になってずいぶんと時間の経った廃墟。

「昼間なら怖くないだろう」、そう判断して忍び込んだ彼らは知らなかった。

そこが、姉妹が凄惨な事件に巻き込まれた場所だとは……。

『怨あそび』では、つねに死と隣り合わせの危機的状況の中で、正しい選択肢を進みながら生存ルートを探していくことになる。

細かな演出にも注目してほしい、完全無料＆広告なしの短編ホラーサウンドノベルだ!!

シルエットなのに怖い!!　迫る少女の呪い

晴れた日の休日に、若い男女4人（主人公、きょうすけ、ゆい、あゆみ）が都心から1時間半かけて廃墟を訪れた。

まだまだ陽の高い15時過ぎ。

誰が怖がりだと擦り付け合いながら、幽霊なんて出てくるわけもなさそう昼間ならと、軽いノリで廃墟に踏み込んでいく。

本作はサウンドノベルの王道設計をベースに、限られた情報の中で臨場感を高めるBGMを使い分け、シルエットのキャラクターのスライドや拡大を行うなど、細かな演出が施されている点がとても印象的だった。

その魅力が最初に描かれるのが、あゆみを追って廃墟の裏庭に集まったメンバーが、2階に続く階段に立ち寄ることで発生する序盤の展開だ。

確実に歩み寄る恐怖がじわじわと描かれ、物音の正体が猫だったと油断させたつぎの瞬間、ふらりと現れる謎の少女のシルエットが、画面に向かって迫ってくる。

とくにグロいとか、大きな音で驚かすのでなく、たったそれだけの演出なのに“来るな！”と、恐怖を感じることができるのだ。

また、とある場面で生前の少女が体験した凄惨な事件と彼女自身の感情を、独自の表現でプレイヤーに知らしめる演出も見どころ。

いつどのタイミングで、どんな過去が描かれるのかはプレイしてからのお楽しみ。

短編サウンドノベルと侮れない、濃厚なストーリー展開を味わってもらいたい!!

死への恐怖が詰め込まれた究極の選択肢

劇中で登場する選択肢では、正しいものはひとつという、つねに死と隣り合わせの駆け引きが求められる。

突如現れた少女の「あそんで、あそんでぇ」という呼びかけに、きょうすけが答えてしまう。

つぎの瞬間、彼は苦しそうに体が動かないと訴え、必死に逃げろとみんなを急かすのだが……。

命が奪われそうになっている仲間を助けるべきか、それともその隙に逃げるべきか。

少女の正体と、この家で発生した忌まわしき過去の事件を知ったとき、胸を締め付ける怒りと同情の念が湧いてくる。

その後、判断を鈍らせる真実に「そうきたか！」と驚く中、2択や3択ではすまない、まさかの6択が突き付けられて頭は真っ白。

正しい選択肢はたったひとつ、それとも、死を免れることはできないのか!?

最後の最後まで気が抜けないぞ!!

何度でもリトライできる無制限のセーブ機能

死と隣り合わせの廃墟探索は、いつどこで何が起こるかわからない。

選択肢ひとつのミスが命取りもなれば、その緊張感は格段に上がる。

そこで欠かせないのが、いつでも何度でも実行できるセーブ機能だ。

この機能があれば、気楽に選択肢を決めることもできるし、ふたつあるとされるエンディングを確認するのにも役立つ。

また、本作にはクリアー後のおまけストーリーがあり、そこにもちょっとした仕掛けが用意されている。

なお、iOSとAndroid両方のダウンロードサイトには、不具合に関する3つの注意事項が書かれているが、完全無料かつ広告なしという設計なので、そこらへんはお手柔らかに。

おまけモードを含めて1時間程度楽しめるので、暑苦しく寝付けない夏の夜長にぜひ、本作をプレイしてもらいたい。

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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