スマホ版『ファイアーエムブレム ヒーローズ』 配信前に気になるアレコレを開発者に聞いてみた!

2017-02-01 16:30 投稿

スマホアプリ版『ファイアーエムブレム』が『FEヒーローズ』になるまで

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2017年2月2日に任天堂のスマホアプリ第3弾として『ファイアーエムブレム ヒーローズ(以下、FEヒーローズ)』が、いよいよ配信される。

昨年4月にスマホ版『FE』の開発が発表されたとき、どのようなゲームになるのかファンのあいだでさまざまな憶測を呼んだが、フタを開けてみれば本シリーズの流れをくむようなロールプレイングシミュレーションとして世に送り出されることに。

このスマホ版『FEヒーローズ』はどのようにして誕生したのか、本作の開発を担う任天堂・松下慎吾氏とインテリジェントシステムズ・前田耕平氏に話しを伺った。

新事実続々!『ファイアーエムブレム ヒーローズ』先行プレイリポートはこちら

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松下慎吾氏(写真右)
任天堂 企画制作本部 企画制作部 スマートデバイスプロダクショングループ
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』ディレクター(文中は松下
前田耕平氏(写真左)
インテリジェントシステムズ 企画開発部 企画開発二課 課長
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』ディレクター(文中は前田

――まずは、スマホアプリで『FEヒーローズ』を開発することになった経緯を教えてください。

松下 任天堂がスマートフォンへの参入を決めたときに、タイトル候補のひとつとして『FE』をやろうという会社の方針がありました。その時点では内容まで決まっていたわけではないですが、多くの人に『FE』シリーズを広めるチャンスではあるので、ロールプレイングシミュレーションとしてしっかりと『FE』体験ができるものを作りたいと思っていました。

前田 インテリジェントシステムズ内でも『FE』シリーズをスマートフォンでも遊んでもらいたいという思いは以前からあって、何年も前から研究は続けていた状態でした。そんなときに任天堂さんからこのようなお話しを頂きまして、“シリーズの最新作を作る”くらいの気持ちで開発しました。ニンテンドー3DSで発売される『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』も『FEヒーローズ』も両方、弊社のFE本編チームが開発に携わっています。

▲ファミコン版から『FE』シリーズの開発を担当しているインテリジェントシステムズ。4月20日にはニンテンドー3DS最新作『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄』の発売が控えている。

――本作は基本無料型ですが、買い切り型にするといった選択肢はあったのでしょうか?

松下 せっかくのスマートフォンでの展開なので、これまでシリーズをプレイしていない人も含め、まず多くの方に遊んでいただきたいというのが大前提にありました。なので、買い切り型は最初から考えていなかったですね。『FEヒーローズ』は“まずは知っていただく”ことを重視すべきだと思い、無料で始められる形にしました。

――歴代のキャラクターが登場するというコンセプトも最初から決めていたのですか?

松下 キャラクターをたくさん出したいというのは開発からの思いとしてありました。先に実施した“英雄総選挙”でも公開していましたが、主要なキャラクターだけでもシリーズ全体だと約790人もいるんですね。『FE』シリーズは、ファンの方個々に思い入れのあるキャラクターがバラけているのが特徴だったりもするので、多くの方に満足していただくためには、たくさんキャラクターが登場できる形が必要だと思いました。

――英雄召喚、いわゆるガチャ要素についても当初の予定に?

松下 20年以上続くシリーズなので、さすがにすべてのタイトルをプレイしていただいているユーザーさんもそんなに多くないと思うんですね。見たことがないキャラクターにも触れていただけるよい機会なので、手に入るキャラクターにランダム性を持たせたいというのは初期段階の構想からありました。本作を通して、これまで知らなかったキャラクターに興味を持って、さらにそのタイトルにも興味を持っていただけると非常にうれしいです。

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▲2月1日まで投票を受け付けていた歴代全シリーズの英雄を対象にした人気投票。男女1位の英雄は特別バージョンで『FEヒーローズ』に登場。

――スマホ向けに本格的な『FE』を開発する上でとくに意識した点は?

前田 『FE』のおもしろさをスマートフォンで表現するために、これまでと同じものをそのまま持ってくるのではなく、いつも以上に“遊びやすさ”を重視しました。たとえば、1マップ5~10分くらいの短い時間でも遊んでいただけるとか、片手で操作できたりとか、シリーズ未経験者でも手軽に遊んでもらえる『FE』にした上で、『FE』ならではのおもしろさや戦略性はきちんと残していくという、その両方を満たせるように開発を進めました。

――8×6の固定マップが特徴的ですが、ストーリー終盤に大きなマップが登場したりするのでしょうか?

前田 スマートフォンの『FE』として遊びやすいものを目指しているので、すべて1画面で収まるマップにしています。

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松下 指で触りやすい大きさのマス目にするということ、操作をシンプルにするということをふまえてサイズをいろいろ検討した結果、8×6がベストでした。これくらいなら手軽さと戦略性を両立するマップが作れるなと。小さいマス目にすると選択しにくくなりますし、スクロールを入れるとどうしても操作が煩雑になってしまうので。

前田 マップは小さいですが、騎馬兵は3マス歩けるかわりに森に入れない、飛行ユニットなどは山や森、川なども自由に入れるなど、従来の『FE』らしさを再現しています。

松下 あと各ストーリーの中のマップは”プレイヤーたちが過去作の世界に行って戦う”というシチュエーションをイメージしているので、全部、原作マップが存在してます、じつは。ファンの方なら「あれをベースに作られているのかぁ」とニヤリとできる要素もありますね。

前田 後半マップについては基本的に5~10分でクリアーできるように設計していますが、敵がけっこう強くなってくるので、一手一手戦略を考え出すと、プレイヤーによっては時間がかかるかもしれませんね。小さいマップだけに一手一手の影響は、これまで以上に大きくなります。

『FEヒーローズ』の物語やイベントはどうなる?

――本作の物語は完全新規ということですが、エンディングというものは存在するのでしょうか?

前田 リリース段階で約50マップほどメインシナリオに収録されていますが、そこがいったんの区切りになります。ただ、その後もストーリーはアップデートで増やしていく予定です。

松下 イメージ的には“シーズン1”のエンディング、ということですね。“シーズン2”をお待ちくださいということにはなると思います(笑)。

――リリース段階では何人くらいのキャラクターが登場予定ですか?

前田 概ね100体くらい登場する予定です。すべてのシリーズからまんべんなくというワケではなくシナリオに合わせて登場させるキャラクターをチョイスしています。

松下 リリース後はストーリーと合わせてキャラクターを増やしていきたいと思っています。リリース段階では出てこない作品もあるんですけど、そのあたりも忘れているわけではないので、「あのタイトルのキャラがいない」!と思っている方もご期待ください。

――それらはすべてメインストーリーとして追加されるものなのでしょうか?

前田 メインストーリーもありますし、外伝として追加されるものもあります。基本的に新キャラクターが追加されると、そのキャラクターにちなんだ物語やマップが合わせて登場します。

松下 たとえば『Echoes』のように家庭用で新しい『FE』シリーズが発売されたら、それらにちなんだものを入れていくということもやっていきたいと考えています。いままでの『FE』だと発売したらそれで完成ということが多かったんですが、今回のようなスマートフォン版であればユーザーさんの声やご要望を参考にさせていただきながら、いろんなキャラクターを出していけると思っています。

――期間限定イベントはどのような内容のものを予定されていますか?

前田 いろいろな期間限定マップを用意する予定ですが、その中のひとつに“大英雄戦”というものがあります。通常の英雄戦よりはるかに強い英雄と戦うマップですね。この大英雄戦の敵が本当に強くて、星5の限界まで育てたキャラが4体で挑んで普通に負けることがあるような難度もあります。歴代シリーズで難度が高いと言われていたマップと比較しても難しいものになりますので、ぜひシミュレーションが得意だという人は挑んでもらいたいです。

キャラクター育成の気になるアレコレ

――キャラクターの育成についてお聞きします。原作にはレベルが上がってもそれほど成長しないキャラクターなどが存在しましたが、本作も原作に沿った成長をしていくのでしょうか? たとえばジェイガンとか(笑)。

前田 原作イメージはある程度反映させていますが、最終的なパラメーターに極端な差がでないようにはしています。ジェイガンも星5まで育成してもらえれば“すごく強いジェイガン”になったりもします。さらに、細かい話を言うと、同じジェイガンであっても、素早い代わりに守備が弱いなど、手に入れた英雄によって若干の違いがあったりもしますが、最終的には同じくらいの総合力に収束するようにもなっています。

――同じキャラクターでも星3~星5など違うレア度のものが存在しますが、最終的な強さに違いは出るのでしょうか?

前田 能力値的な違いはないです。たとえば星5のマルスが出なくて星4のマルスが出ても、がんばってそれを育てれば星5と同等のものに成長できます。

松下 もとが星5じゃないと最終的に強くならないというものにはしていないです。好きなキャラクターがいるけど、星5のキャラをしょうがなく使うということにはしたくなかったので。

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――自分の好きなキャラを集めて冒険できるのはファンにとっては魅力的ですね。では、最後に本作の配信を楽しみにしているユーザーにメッセージをいただけますでしょうか?

前田 お客様のプレイスタイルがいろいろで好きなキャラクターもまるで違うのが『FE』のよいところだと思っていますので、これまでシリーズを遊んでいただいた方も、遊んでいない方もとりあえず本作を触っていただいて、好きなキャラクターを見つけていただけるとうれしいです。

松下 「ロールプレイングシミュレーションってこういうものなんだよ」っていうのがわかりやすく表現できてると思いますので、まずはそれを味わってもらいたいと思いますね。シリーズで初の運営型タイトルになりますので、ファンのみなさまには“いつもそばにある『FE』”というものを提供していければと考えています。無料なので、まずダウンロードしていただいて(笑)。

もっと細かいことが聞きたい!インタビューこぼれ話

Q1:イラストレーターさんをたくさん起用されていてTCGの『ファイアーエムブレム サイファ』を連想させるが、そこからのイラスト流用などは?

A:完全新規のイラストになります。



Q2:キャラクターがダメージを受けたときのビジュアルが印象的だが、これは全キャラクター用意されているの?

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A:全キャラクター用意しています。キャラクターのさまざまな姿を楽しんで愛着を持っていただきたいと期待して用意しました。



Q3:キャラクターのボイスは1キャラ何種類くらい?

A:具体的な数は言えませんが、戦闘中、タッチしたとき、バトル中でキャラをつかんだときなど複数パターン用意しています。ステータス画面でタッチしたときのボイスは覚醒して星が上がるとパターンが増えます。



Q4:おまかせ(オート)機能が用意されているが、どれくらいの難易度までおまかせできるの?

A:最初のほうはおまかせでどんどん進められます。シミュレーションが苦手な方は困ったときに活用できると思います。修練の塔で経験値稼ぎをしたいときなどでもおまかせは役立つと思います。



Q5:フレンドを増やすとどんないいことがあるの?

A:ときどきフレンドがリーダーにしているキャラがホーム画面に出現します。そのときに話しかけると、キャラクターの覚醒に必要な“英雄の翼”が入手できます。そのほかアップデートでフレンドを使った遊びも検討中なので、いまのうちに増やしておくとおトクかもしれません。



Q6:リフなどの攻撃できないキャラはどのすれば経験値を稼げるの?

A:まずはこれまで通り回復を使うと経験値が上がります。そのほか本作では僧侶系キャラも攻撃用のスキルを覚えられるので、それを覚えれば敵を攻撃することが可能になります。



Q7:ファイアーエムブレム英雄総選挙で1位になったキャラはスキルも変わるの?

A:完全新規のキャラクターにするので、スキルも変える予定です。



▼さっそくプレイしてみた!

【『ファイアーエムブレム ヒーローズ』配信日&事前情報まとめはこちら】

ファイアーエムブレム ヒーローズ

ジャンル
ロールプレイングシミュレーション
メーカー
任天堂
価格
基本プレイ無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS / Android

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