スクエニ新作『ディシディアFF オペラオムニア』に込めた思いを訊く【開発者インタビュー】

2017-02-01 09:00 投稿

『ディシディア』の世界観を楽しんでもらうために

スクウェア・エニックスの『ディシディア ファイナルファンタジー』(以下『ディシディア』、『ファイナルファンタジー』は『FF』)シリーズは、歴代の『FF』シリーズキャラを操作し、バトルを楽しめるタイトル。2017年2月1日、その『ディシディア』の世界観でコマンドバトルを採用した新作RPG『ディシディアファイナルファンタジー オペラオムニア』(以下『オペラオムニア』)がついに配信される。

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本作のプロデューサー、藤原仁(ふじわらじん)氏と、ディレクターである井上大輔氏両名に、開発にかける思いを語っていただいた。

ディシディアFF_ インタビュー1
▲ディレクターの井上大輔氏(写真左)とプロデューサーである藤原仁氏(写真右)。

始まりはアーケードから

――まず、本作のコンセプトをお伺いできますか。

井上 大輔氏(以下、井上)  もともとは、アーケードの『ディシディア』立ち上げの際に、“アーケード版のユーザーが、アーケードに触れていない時間に遊ぶ『ディシディア』を作りたい”とアーケード版のディレクター鯨岡から提案されたのがきっかけです。

藤原 仁氏(以下、藤原) 当初はこのようなスマホ向けアプリではなく、アーケード版のコンパニオンアプリを作って、その中にゲーム要素を入れ込もうという話で進んでいたんです。でも開発を進めていくうえでゲーム部分がドンドン膨らんでいき、これは切り離してリリースしようと決まって、いまの『オペラオムニア』の形となりました。

――最初はアーケード版と同時に立ち上がった企画だったんですね。

井上 そうなんです。アーケード版をプレイしている方にもそうでない方にも、『ディシディア』を好きになってもらいたくて、この『オペラオムニア』で盛り上げようという思いのもと、始動した形です。

そんな中で、『オペラオムニア』ではアーケード版では出せないキャラクターたちもたくさん出そうという話になりまして。そこで“キャラクターをたくさん集めたくなるもの”というコンセプトを決めて、作っていくことになりました。

――アーケード版『ディシディア』でもかなりの数のキャラクターが登場していますが、さらにたくさんですか?

井上  もちろんアーケード版『ディシディア』にも登場キャラクターは多数いるのですが、どうしてもそこから漏れてしまうようなキャラクターもいるんですよね。

そういうサブ的ポジションのキャラクターたちも『オペラオムニア』には出てくるので、これを『ディシディア』の世界観として楽しんでもらえればと思います。

――初期キャラクターは25体。主人公クラスが多い印象ですが、今後ほかのキャラクターも登場するわけですね?

藤原 もちろん、目標は“『FF』シリーズの全キャラクターを出すこと”なので。

――おお!

藤原 そこを目指して、いまは徐々にキャラクターを増やしています!

オペラオムニア_1
▲『FF』シリーズの人気キャラが勢ぞろい。最初はパーティー編成も迷うはず。

意識したのはアクションのテンポ感

――スマホアプリとして開発するにあたって、アーケード版との差別化など、意識したことはありますか?

藤原 アクションを楽しみたい方にはアーケード版を、コマンドバトルを楽しみたい方には『オペラオムニア』をプレイしていただこう、と考えました。そういう意味ではしっかり住み分けができていますね。

――アクション要素は最初からナシで考えていたのでしょうか?

井上 二転三転はしたのですが、『ディシディア』のすそ野を広げるためにも、アクション要素は排除することにました。

じつは、PSP版の『ディシディア』シリーズのアンケートを行ったときに、“コマンドRPGで『ディシディア』を遊びたい”という意見があったと聞いたんですよね。それも踏まえて、『ディシディア』の世界観で、アクションがあまり得意ではない方に向けて作ろうと、ゲームデザインを決めました。

――スマホ向けコマンドRPGとして最適化させる際、意識した点はありましたか?

井上 『ディシディア』がアクションなので、アクションのテンポ感は意識しました。

たとえばボタンを押したときのレスポンス。ボタンを押してアクションが始まるまで、長い演出を挟むようなRPGもあると思うのですが、本作ではアクションゲームっぽく操作できるように、ボタンを押したらすぐに技が発動するというような、テンポのよさを心掛けています。

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▲コマンド式でも爽快感のあるバトルが楽しめる。

――確かにテンポがよくて気持ちよくプレイできますね。

井上 キャラクターのモーションも、「コマンドRPGではなく、アクションゲームだと思ってください」と伝えて、キレやメリハリを重要視して作ってもらいました。

藤原 行動したキャラクターが戻ってくる前に、つぎのキャラクターのコマンド入力ができたりとか、そういったテンポ感はかなりこだわりましたね。

――開発で苦労された点はどこでしょう? 『FF』は大きなIPなので、プレッシャーもあると思いますが。

藤原 IPならでは、というところですと、歴代『FF』シリーズのキャラクターをすべて取り扱っていくので、困るのがキャラクターの総数が決まっているところですね。

誰から実装していくかや、出していくペースなどのバランスには気を使います。枯渇させてもいけませんし、人気の高いキャラクターたちを序盤に集めすぎて、その先がサブキャラクターばかりになってしまってもいけませんから。

ただ、プレッシャーはあまりないというか、むしろ楽しくやっています。「つぎはどのキャラクターが出てくるのかな」というのを楽しみにしながら自分自身も作っているので。

井上 自分はプレッシャーだらけです(笑)。胃が痛いけれど、がんばっています。

藤原 (笑)。僕の場合は『ピクトロジカ FF』もプロデューサーをやっているので、オール『FF』は2タイトル目というのもあるからかもしれません。そのときの経験を活かしながら楽しめています。

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――本作ならではのオリジナルキャラクターの実装は検討されていますか?

藤原 可能性としてはゼロではないと思います。プレイヤーの方々から声があれば、「じゃあ実装しよう」という流れになるかもしれないので、ぜひご意見を寄せていただければと!

――『FF』シリーズ30周年という記念すべき年に配信となりますが、何か関連施策は考えていますか?

藤原 いま決まっているところでいうと、2月6日から始まる“さっぽろ雪まつり”にクラウドの雪像が登場するのですが、本作も協賛させてもらっています。ですので、雪まつりのタイミングに合わせて記念ログインボーナスなどはやらせていただくことになるかと。

今年、スクウェア・エニックスでは『FF』30周年記念のさまざまな施策が発表されていくと思いますので、そこに本作がどう絡んでいくのかを楽しみにしてもらえればと思います。

いろいろなキャラを育てて楽しむ

――本作の世界観についてお聞かせください。

井上 アーケード版の『ディシディア』と同じく、“スピリタス”“マーテリア”という神がいる世界に、歴代の『FF』キャラクターたちが集められます。

傷ついた戦士たちが休む場所として用意しておいた世界で、何かが起きてしまった。その問題を解決するため、この世界の神から頼まれたモーグリは、戦士たちを集めます。シナリオを進めることで歴代『FF』のキャラクターたちを仲間に加えつつ、問題を解決していきます。

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▲モーグリといっしょに、世界を救う仲間を探そう。

藤原 アーケード版と共通の神さまやキャラクターが出てきますが、話として続いているわけではないので、また違う物語を楽しんでいただければと思います。

――キャラクターはストーリー進行で入手できるそうですが、配信後はどのくらいのペースで増えていく予定ですか?

井上 だいたい2ヵ月ごとにストーリーの追加を考えていて、毎回3体ほどのキャラクターが実装されます。また、毎月2~4回、キャラクターを入手できるイベントを開催予定ですので、2ヵ月で約9体ほど増える計算ですね。

藤原 キャラクターは少ない月でも2体、多ければ6~7体くらい実装させていく予定です。だいぶ先のほうまで計画は立てていますよ。

――武器も同じスパンでしょうか?

井上 キャラクターに紐付いた武器は、キャラクターが実装されるタイミングで増えていきます。既存のキャラクターに関しても、検討中ではありますが、いくつかの武器を用意していこうと考えています。

――たとえば“オークスタッフ(IX)”というように、武器の名前に作品のナンバリングが入っているものもありますが、その意図はなんでしょう?

井上 各シリーズにまたがって同名の武器が存在する場合は、どのシリーズのものかわかりやすくするためにつけています。

――同じシリーズのキャラクターでパーティーを固めて、シリーズボーナスがかかるということもないのでしょうか?

藤原 そうですね。クロスオーバーを楽しむための作品ですので、シリーズで固めるような縛りは作っていません。せっかくなら、いろいろなキャラクターを使っていただきたいですしね。

井上 コンセプト通り、たくさんのキャラクターを使ってもらうゲームにしたかったので、キャラクターそれぞれに役割を持たせています。

とにかく、「このバトルではこのキャラクターを使おう」というように、その都度考えられる作りにしています。同じキャラクターをずっと使い続けるよりもいろいろなキャラクターを育てて使ってもらうほうが、より楽しんでもらえると思いますよ。

藤原 「本作にはスタミナがないけれど、一部イベントではスタミナのような数値がある」ということは、生放送でも話していたのですが、このスタミナ的な数値は、仲間全員の合計レベルが高いほど上昇する“プレイヤーランク”によって決まります。ですので、ひとりだけ育てるよりは、全員を強くしたほうがお得ですね。

戦略性たっぷりのバトルシステム

――本日これから正式配信。さっそくですがバトルのコツなどあればお聞かせください。

井上 これは『ディシディア』を遊んだことのない方がぶつかる壁なのですが、延々とブレイブ攻撃だけ行っていても、敵は倒せないシステムとなっています。“ブレイブ攻撃”ではHPを削れないので、ちゃんと“HP攻撃”も行ってくださいね。

バトルシステムが「自分の考えていた『FF』とは違う」と思うお客様もいらっしゃるかもしれませんが、ブレイブシステムの戦略性を加味した上で遊ぶのが『ディシディア』だと思っていますので、そのあたりを楽しんでいただけるとうれしいです。

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▲右上の“ブレイブ攻撃”と“HP攻撃”を使い分けよう。

――かなり戦略性ありますよね。

井上 そうですね。とはいえ、“考えようと思えば考えられるシステム”であって、ブレイブとHP攻撃というものの仕組みさえ理解してしまえば、とくに深く考えなくても楽しめますよ。

ブレイブをマックスまで溜めれば強いHP攻撃をくり出せるけれど、マックスまで溜めるとなると時間がかかったり、敵から奪われるので簡単には狙えない。ですので、適宜HP攻撃をくり出すことを意識しながら戦ってもらいたいですね。

――知っているとお得な情報は何かありますか?

井上 じつは隠しパラメーターとして“すばやさ”があります。本来『FF』シリーズはもちろん、ほかのタイトルでもすばやさのパラメーターが数値として存在していると思うのですが、本作では表に出していません。

数値では確認できませんが、バフで”すばやさアップ”や”すばやさダウン”のあるキャラクターは、けっこう重要なキャラクターです。

藤原 プレイしてると「ジタンずいぶん順番回ってくるな」といったことは感じると思いますが、それは”すばやさ”のせいです(笑)。

――すばやそうなキャラクターは、すばやいんですね、きっと(笑)。

藤原 そういうことですね。攻撃力が低いからジタンを選ばないかもしれないけれど、もしかするとほかのキャラクターが1回行動するあいだに2回行動できるキャラクターかもしれない。

――”ヘイスト”の魔法もありますよね。

藤原 そうですね。すばやさ自体は上がったり下がったりしますが、それが数値として見えたり、そのキャラクターが早いか遅いのかを確認することはできません。

井上 とはいえ、極端な差を出しているわけでもないので、「順番が多いな」というのも遊んでいたらなんとなくわかる程度だと思います。バフとかデバフをつけることでよりそれが顕著に出るケースもありますが……。

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▲左下の行動順に注目。ジタンがウォーリア オブ ライトよりも早く順番が回ってくるのがわかる。

アーケードと連動して楽しんでほしい

――マルチプレイも実装予定とのことですが、どういったものになりそうでしょうか?

井上 マルチプレイでは3名のプレイヤーがそれぞれキャラクターを持ち寄って共闘するという形を取っています。

アーケードの『ディシディア』は仲間と“協力”して、“対戦”するゲームです。ところが『FF』シリーズは本来ひとりで遊ぶタイトルだったこともあって、その“対戦”がユーザーの方々にとって大きなハードルとなっていることを感じました。

――確かに、人によってはそうかもしれません。

井上 そこでまずは“協力”を『オペラオムニア』の中で楽しんでもらって、”協力しながら敵を倒すことは楽しい!”と思ってもらうことで、今度は協力しながら対戦するという、アーケードにもチャレンジしてほしいですね。近しい友人と共闘して、そのメンバーでゲームセンターに足を運んでもらうような。

そういう形で『オペラオムニア』とアーケード版がつながればいいなと思ったのが、マルチプレイを実装しようとした理由です。

――『オペラオムニア』とアーケード版との連動施策はありますか?

井上 『オペラオムニア』では“ディシディアポイント”というものを入手できるのですが、ゲームセンターの位置情報を取得することで、少し多く入手できるようになっています。

アーケードの競技性に対して何か干渉する要素は『オペラオムニア』にはないのですが、ゲームセンターに行けば『オペラオムニア』とはまた違った『ディシディア』を楽しむことができるので、これをきっかけに、ゲームセンターに足を運んでアーケード版にも興味を持ってもらえたらうれしいです。

藤原 『オペラオムニア』がユーザーさんどうしがつながるきっかけになるといいですね。

井上 どちらにも共通してブレイブシステムが採用されているので、『オペラオムニア』でブレイブシステムに触れていただいてからアーケード版『ディシディア』を見てもらえれば、「あ、いまあのキャラクターがブレイブ攻撃したんだな」といった部分が理解できるようになると思います。

ルールがわかれば楽しめるものになっているので、ゲームを知ってもらって『ディシディア』という作品をプレイしてくれるユーザーが増えるとうれしいですね。

――いよいよ配信ということで、これからがますます楽しみですね。では最後に、メッセージをお願いします。

藤原 “オール『FF』”だからできた掛け合い、キャラクターどうしの絡みはとくに注目してみてください。今回初めてボイスが実装されるキャラクターも多数いますので。とくに、難しそうという理由でいままで『ディシディア』に壁を感じていた方にはぜひ触れてもらいたいです。

井上 「アクションゲームじゃないと『ディシディア』じゃない」というお客様もいらっしゃるかとは思いますが、コマンドRPGの中にきちんとブレイブシステムを取り入れています。『ディシディア』ならではの戦略性をきっちり落とし込んでいるので、シリーズファンの方もぜひ! 長らくお待たせした分、存分に楽しんでください!

――ありがとうございました!
▼ひと足先に触らせてもらった動画も合わせてチェック!

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DISSIDIA FINAL FANTASY OPERAOMNIA(ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア)

ジャンル
RPG
メーカー
スクウェア・エニックス
公式サイト
http://www.jp.square-enix.com/DFFOO/
配信日
2017年2月1日
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS/Android

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