『Ingress』5都市縦断の謎解き“ミッションライブ”で見せたエージェントたちの本気
2016-12-14 13:04 投稿
札幌、仙台、東京、大阪、熊本を舞台にした新たなチャレンジ
『ポケモンGO』ですっかり有名になったナイアンティック社が運営する位置情報ゲーム『Ingress』。ふたつの陣営が世界規模で戦うこともあれば、お散歩ツールとしても楽しめる、いろいろな角度から世界に触れることのできる本作が2016年12月10日、札幌、仙台、東京、大阪、熊本を舞台にしたイベントを実施した。
公式のアナウンスによって12月10日、日本国内で何かしらのイベント仕掛けることが予告され、上記にある暗号めいた1枚の画像が公開。
いったい何が行われたのか。
東京は日比谷公園を中心に発生した当イベントに参加した深津庵が、1エージェントの目線から当日の様子をありのままリポートするぞ!!
12月10日12時
日比谷公園に到着&現地を視察
公式が公開したのは日付と上記の画像、そしておおまかなルールのみ。具体的な開催地に関する説明はなく、ふつうに考えれば「運営何やってるの!?」と怒られちゃうところだけど、これこそが当イベントの幕開けだった。
公開と同時に国内エージェントたちが画像解析を開始。左から順に熊本、大阪、東京、仙台、札幌、5都市の公園であると特定され、過去に海外でも開催された経験のある“ポータルハント”と呼ばれるイベントが行われると判断したのだ。
このときはまだトップバッターの熊本も開催前、実際に自分が何をするのかわからない。ひとまず、12時まで様子を見ながら、ポータル密集地帯でもある日比谷公園を偵察しようと歩き出す。
そこで開催されていたのは、元気いっぱいの子どもたちが集まる“ファーマーズ&キッズフェスタ2016”と、全国の豚肉が集結する胃袋刺激しまくりの“俺たちの豚肉を食ってくれ2016”だった。
穢れを知らないお日様が似合う子どもと、食欲を満たすために列をなす大人たち。そこに紛れ、特殊ミッションに備えて巡回をするエージェントたち。
並んだら最後、偵察どころかイベントを諦める覚悟も必要なくらいの大行列。必死に食欲を押さえ、中央広場を脱したのが12時、熊本でミッションライブがスタートしていた。それと同時に現地を巡るエージェントからSNS上にさまざまな情報が流れ始まる。
「何これ、こんなの見たことないぞ」
深津が困惑する中で、全国の解読班と理解の早いエージェントたちが着々と情報を整理。当イベントの具体的な遊びかたがわかってきた。
【流れをざっくり説明するとこんな感じ】
(1)ミッションライブ開始
●指定されたポータルを順にハックしていく
●ハックして得たメディアから謎解きのお題など画像データを入手
●SNS上でつながっている各陣営のコミュニティに共有
●画像データの解読に必要なピースが隠されたポータルを特定
(2)ポータルハント開始
●画像データから割り出した国内各地のポータルをハックして解読のヒントを入手
●解き明かして得るパスフレーズをコミュニティで共有
家系図のような画像が謎解きのお題。もうひとつあるのが全国のどこかにあるポータルを示すもので、対象をハックして解読に必要なヒントを入手。完成したパスフレーズがつぎの開催地、(例:大阪→東京、東京→仙台)で行われるミッションライブを完了するために使われるってわけだ。
いままでのXMアノマリーとは違い、今回のイベントはミッションライブに参加する現地班、謎解きに挑む解読班、各地で待機するポータルハント班の3つに分かれ、各自できる役割りを受け持ち、勝利を目指して戦うことになる。
なるほど、そういうことかと納得したのが13時過ぎのこと。14時から始まる東京のミッションライブに向けて、ひとまず熊本からのバトンを受け取った大阪の動きをSNSで追いつつ、日比谷公園内の食堂で昼食を済ませることにした。
12月14時
東京ミッションライブ発生!!
毎時0分になると指定された開催地に専用のミッションが発生する。東京はおそらく日比谷公園内を使ったミッションライブ、ルートになるだろうと思っていたら大間違い。写真にあった場所はただのスタート地点だったのだ。
新橋などをグルリと巡りながら謎解きのお題、ポータルハントの対象を示す画像を集める想定外のルートに両陣営のエージェントもびっくり。のんびりしてたら先を越されちゃうと走り出す者まで現れ、ちょっとだけ現地は慌ただしいスタートを切ることになった。
ミッションライブの基本は従来のミッションと同じ。指定されたポータル(当イベントではwaypointと呼称)をナビに従ってすべてハックしていく。
日比谷公園から始まったミッションライブ、指定されるポータルの間隔は平均500メートルとほどよい距離感。当日は天候にも恵まれ、お散歩気分で都内を歩いているあいだにも、全国の解読班やポータルハント班が順調に解読とヒント集めを進めていく。当日初めてチャットをするあいだ柄であることも多い中、ムダなく連携を取り合い戦う様子はまさにぶっつけ本番のライブ。
毎時0分に開催地が移っていく待ったなしの頭脳戦に、両陣営のエージェントが全力で挑んでいることを肌で感じることができたぞ。
12月10日14時45分
解読班が解き明かしたパスフレーズを入力
ミッションライブを順調に進めていく深津は、ついにパスフレーズを入力する6番目のポータルに到着。正しいものが解読できていないと先に進めないため、いったんそこで足を止めなければならない。
しかし、どこをみてもエンライテンドのエージェントばかり。深津が属するレジスタンスの姿はまったく確認できないのだ。
それもそのはず、レジスタンスサイドは解読をすでに終えていたようで、共有されていたパスフレーズを入力。多くのエージェントはゴールを目指していたってわけだ。
その後、スタート地点だった日比谷公園の真向かい、ビルのあいだに設置されていたバベルの塔を連想させる最後のポータルをハックしたのが14時55分。
12月10日17時30分
2年越しで手にしたもの
ここまではレジスタンスが優勢、しかし残る仙台と札幌でエンライテンドが巻き返す可能性もある。そんな不安がマックスに達したのは、16時から始まった札幌でのミッションライブだった。
何と解読に必要なポータルハント、その対象のひとつが高尾山山頂付近にあると判明したのだ。
これまで国内の大型イベントで勝てたことのなかったレジスタンス。ここで形勢逆転、またしてもエンライテンドに軍配があがるのか、そんなことを想像していた矢先、山頂に向かったエージェントがいるという一報がSNSに飛び込んできた。
最後の追い込みということもあって簡潔な情報交換を行うためか、札幌に舞台を移してから深津の手もとまで情報が回ってこない。高尾山の結果はどうなったのか、雪が降り注ぐ札幌のエージェントは無事なのか。
刻一刻と時間だけが過ぎていく中、待ちに待った最終結果が公式から発表されたのは17時33分のことだった。
2年越し、そう書いたのにはワケがある。
ことの始まりは2014年12月13日に開催された国内最初の大型イベント“ダルサナ東京”。当時レジスタンスは優勢と言われながら完敗して以降、2年間すべての国内戦に負け続けていまにいたっている。
その苦い思い出を刻んでしまった“ダルサナ東京”の集合場所、それが今回と同じ日比谷公園だったのだ。
何をやっても勝てないとマイナスなイメージを強く抱くようになっていたエージェントも多いであろうレジスタンスにとって、この勝利には大きな意味があるのだ。
エンライテンドはこの2年のあいだに強い結束力と経験を積んでいる。従来の大型イベントになれば、またレジスタンスは負けるのかもしれない。
しかし、今回の勝利で連携を密に取ることの重要性を再認識したエージェントがひとりでも増えてくれれば、状況は好転するはずだ。
そうだよな、レジスタンスのエージェント諸君。
そしてエンライテンドの皆さん、今後もよろしくお願いします!!
12月10日余談
クルーカードを求めて駆け回る
当日、同時進行で行われた“FindTheKlue”という企画。これは、『Ingress』のストーリーに登場するキャラクターを描いた“クルーカード”、ゲーム内コードが書かれたリアルアイテムを探し出すもの。
結果から言えば隠し場所は、伊藤園の自動販売機だったようで、多くのエージェントがカード欲しさに自販機の下を覗きまくった。
1ヵ所に複数枚まととめて隠されていたこともあり、ごく限られたエージェントにしか流通しなかった貴重なもので、入手した人から写真を撮らせてもらえたのも運がよかったというレベル。
どうしても欲しかった深津は諦めきれず、ミッションライブ終了後、伊藤園の支部周辺の自販機で入手したという情報をもとに、わずかな希望を持って会場からちょっと離れた江東区の大島駅から数分の場所にある“伊藤園東京東部支部”を訪れた。
P.N.深津庵(レジスタンス)
※深津庵のTwitterはこちら
Ingress(イングレス)
- ジャンル
- オンライン位置情報ゲーム
- メーカー
- Niantic, Inc.
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(ゲーム内課金あり)
- 対応機種
- iOS/Android
- コピーライト
- (C) Niantic, Inc.
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