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『ポケモンGO』“ポケモン”と“リアルワールド”を結びつけた30歳の若き開発リーダーが見つめる現在

2016-11-19 19:21 投稿

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ポケモンGO

ポケモン世代の想いが実現させた奇跡

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「僕も子供のころ『ポケモン』をまさにプレイしていた世代で、僕らの世代は本当にポケモンが大好きなんです。みんなアニメとか映画を観て育って、“自分がサトシになったら”とかそいういう夢みたいなものを持っていた世代なんです。(『ポケモンGO』は)ポケモンファンの夢をかなえられるようなプロジェクトにしていきたい。」

そう語ったのはナイアンティック・野村達雄氏。若干30歳にして『ポケモンGO』プロダクトマネージャー・ディレクターとして開発の指揮を執る中心人物だ。

そして驚くべきことに野村氏は、この『ポケモンGO』がゲーム開発に携わる初めての作品なのだという。

それでもポケモンの石原恒和社長は『ポケモンGO』のプロジェクトを立ち上げるか否かの際、「野村くんがトップをやるなら、ポケモンとしては賛成する」とその才能に早期から目をつけていた。

2016年11月中旬、米ナイアンティックを活動の拠点とする野村氏が来日しさまざまなイベントに登壇。

その中の発言から、それまで多く語られなかった『ポケモンGO』開発リーダーの素顔に迫ろう。

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▲11月17日~18日に開催されたベンチャー企業関係者が集まるイベント“TechCrunch Tokyo 2016”では『ポケモンGO』誕生秘話を語った。

野村氏はGoogle『ドラクエ』マップの仕掛け人だった

野村氏は2011年にGoogleへ入社し、Googleマップのエンジニアとして活動。

Googleでは毎年4月のエイプリルフールにさまざまなジョークで人々を楽しませるのが伝統的だが、Googleマップチームでも年末になると「来年は何をしようか」という話になるという。

「子供のころからゲームが大好きで、どちらかというとちょっとレトロなものが好き」という野村氏は、2011年末に「Googleマップをファミコンの『ドラゴンクエスト』風にしたらおもしろいのでは」と提案。

それが実現したのが、みなさんの記憶にも残っているであろうこちらだ。

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▼Googleマップがファミコンに対応!(2012/04/01)

見た目だけでなく東京は城に、そのほかは町や村、山や川も実際の配置に合わせたジョークの領域を超えた緻密な『ドラクエ』風マップ。これが話題となり、翌年もさらなる“あそび心”で多くの人々を楽しませることになる。

▼Googleマップが“宝探しモード”を搭載!(2013/04/01)

そして2014年、「たいへんだから、もうやらない」と周囲に宣言していた野村氏だが、ここで“運命の思いつき”に巡り合う。

それがGoogleマップ上にポケモンを出現させる『ポケモンチャレンジ』だ。

▼Googleが新たな人材“ポケモンマスター”を募集!(2014/04/01)

Googleマップ上のさまざまな場所にいるポケモンをタップして捕まえる『ポケモンチャレンジ』。

画面内で地図を動かすか、実際に歩くかの違いはあれど『ポケモンGO』のプロトタイプのようなものが、すでにここで完成していた。

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『ポケモンチャレンジ』ではポケモンをすべて捕まえると、Googleからポケモンマスターの名刺がプレゼント。

コンプリートしたかと思うと、151匹目の“ミュウ”がどこかに隠れているという“あそび心”も取り入れ、世界中のトレーナーがGoogleマップと向き合う1日になった。

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この『ポケモンチャレンジ』が、当時Googleの社内スタートアップだったナイアンティックラボで『イングレス』を制作していたジョン・ハンケ氏の目に止まり、ここから『ポケモンGO』構想が始まった。

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▲『ポケモンチャレンジ』のタイトルの真ん中に、身に覚えのあるものが! ポケモンGOプラスのデザインは、Googleマップのピンからきていたようだ。

『ポケモン』+『イングレス』

ナイアンティックは“人を外に連れ出す”、“エクササイズする”、“コミュニケーションを増やす”という理念の実現にゲームを選択し『イングレス』を開発。

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さらにこの間口を広げるため、『ポケモン』と『イングレス』のコラボレーションをポケモンに提案。

『ポケモンチャレンジ』や『イングレス』でやってきたこと説明すると、石原社長は『イングレス』で当時最高だったレベル8にあっという間に到達しゲームの虜に。

「『ポケモン』と『イングレス』がコラボしたらスゴいことになる」

その場にいたナイアンティック・ポケモン両社の人間が、ここで共通のビジョンを持ちプロジェクトがスタート。

当時まだGoogleマップチームに在籍していた野村氏は、これをきっかけにナイアンティックに籍を移し、『ポケモンGO』プロダクトマネージャー・ディレクターとして本プロジェクトに携わることになる。

開発リーダーが重視する『ポケモンGO』のユニークな記録

こうして誕生した『ポケモンGO』は現在までに100ヵ国以上で配信され、5億ダウンロードを記録。

ゲーム業界ではこれらの数字はもちろん大事なものだが、野村氏やナイアンティックはこれとは違う『ポケモンGO』が生み出したユニークな数字にも注目している。それがこちら。

プレイヤーが『ポケモンGO』で歩いた総距離数=46億キロメートル

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全世界の『ポケモンGO』トレーナーが、現在までにゲームを通じて歩いた距離の合計だが、地球から冥王星くらいの距離になるという。

そのほかマイクロソフト・リサーチがゲームと健康改善について、『ポケモンGO』を続けていると寿命が平均で41.4日延びるという研究結果も発表した。

これらの数字をゲームの中だけに閉じない“人の生活や健康に役立つものとしての価値”として重視する野村氏。

・自発的に外に出てもらうための手がかり

・国籍を問わずコミュニケーションがとれるもの

・病院でリハビリ

など世界のさまざま場所での活用例を上げ、「『ポケモンGO』をやって本当によかった」と振り返る。

これからも「『ポケモンGO』を通じて、人が外に出て、これまで何でもなかった場所に意味を持たせたり、もともとあったものを気づかせたりしていきたい」と今後の展開を語った。

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対応機種iOS/Android
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メーカーナイアンティック
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