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国内配信の遅さは計画通りだった!? 『ポケモンGO』開発者が明かす“リリースまでの歩み”

2016-10-05 17:49 更新

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ポケモンGO

現在の『ポケモンGO』は「やりたいことの1割程度」

世界中で大ブームとなったスマホアプリ『ポケモンGO』。

本作を手掛けるナイアンティックのシニア・プロダクトマネージャーでありディレクターを務める野村達雄氏が来日。

それに合わせ、同社の製品本部長・河合敬一氏、そしてポケモンからは推進室室長・江上周作氏、小川慧氏、テクニカルディレクター・吉川佳一氏ら『ポケモンGO』の主要な開発スタッフが集結。

今回メディア向けに設けられたラウンドテーブルで、これまで明かされてこなかった開発秘話が語られた。

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▲ファミ通App『イングレス』担当であるライター深津庵が、ご指名をいただいてポケモン本社を訪問。このピカチュウお持ち帰りしたい!

両社が理解し合える関係だったからこそ成しえた『ポケモンGO』

そもそも『ポケモンGO』のプロジェクトが始まったのは、いまから約2年以上も前になるという。

きっかけは2014年4月に行われたGoogleマップのエイプリルフール企画“ポケモンチャレンジ”までさかのぼる。

「これを現実の世界に再現できないか?」と考えたナイアンティックCEOのジョン・ハンケ氏から、当時Googleマップチームのエンジニアだった野村達雄氏に声がかけられる。

野村氏は、同チャレンジを手掛け、さらに2012年には“Googleマップ 8ビット”、その翌年には“宝探しモード”にも携わってきた人物だ。

その後、ハンケ氏はポケモンの代表取締役社長・石原恒和氏と会い、互いに意気投合したことがすべての始まりとなる。

「ポケモンチャレンジ」PV

また、偶然にもナイアンティックのアジア統括マーケティングマネージャー・須賀賢人氏の友人がポケモンにいたことで、野村氏が両社の架け橋役となり、本作の計画はスムーズに動き出したという。

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▲左からナイアンティックの河合氏、野村氏、ポケモンの江上氏。

江上氏によれば、ポケモン社内で『イングレス』をプレイしている人間が多く、位置情報を使ったゲームの魅力は言わずともだったようだ。

開発でとくに意識したのは、基本を黒と青や緑とサイバーなイメージが強い『イングレス』に対して、本作ではもっと敷居を下げてカジュアルに、より多くの人に遊んでもらえるもの。ただし、

“外側を変えただけの『イングレス』と同じものにしたくない”

これは両社とも見解が同じだったこともあり、毎週のように行われたビデオカンファレンスでのアイディア出しも、お互い戸惑いはなかったという。

野村氏曰く、「エージェントが多かったポケモンからは『イングレス』的な、逆にナイアンティックからは『ポケモン』らしいアイディアが多く出されていた」とのこと。

双方がそれぞれのコンテンツをより深く理解しているからこそ、このような前例のないプロジェクトを形にし、多くのユーザーを魅了するものにできたのだろう。

課金するだけで強くなるようなゲームにはしたくない

開発当初は『イングレス』のプラットフォームを活かし、ポケモンを捕まえることだけが決まっていて、周囲にはポケストップらしきものだけが点在しただけのものだった、と野村氏が語る。

開発を進める過程でそれらをジムとポケストップに区分、バトルとアイテムの獲得は別の場所に分けたほうがいいと考え、現在のモデルが完成したようだ。

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▲『イングレス』の世界に存在するポータルと呼ばれるオブジェクト、そのデータを活用して生まれたのが本作のジムやポケストップである。

また、スマホアプリといえば課金に関する話題が付きものだが、『イングレス』同様、本作でも課金のみでプレイバランスに差が出ることのないよう“ヘルシーにする”ことで一致。

とくにこれまで20年、『ポケットモンスター』シリーズを育ててきたポケモンにとって“Pay to Win”にはアレルギーが強く、課金したから強くなるようなゲームだけは作りたくなかったこと。

その考えはナイアンティックも同じだったこともあり、カンファレンスやメールのやり取りの中で“それはPtW”と指摘して、それら要素を徹底的に抑えたのだという。

課金アイテムで代表的な“ルアーモジュール”については、「使用者自身はもちろん、周囲にいるトレーナーにもよろこばれる、いい影響を与えるアイテム」だと河合氏。

ゲーム画面上で花びらが舞うことで、そこにトレーナーがいることも視覚化され、「みんなで楽しんでいる気分も味わえる」のだと続けた。

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▲ルアーを使うことで「みんなにいっぱいおごっている、そんな気分も味わえるよね」と語る河合氏。コミュニケーションを助ける役割も担う魅力的なアイテムだ。

ちなみに、開発当初といえば“ポケモンGOプラス”もその段階からポケモン・石原氏の提案によって提案されたものであったことを野村氏が明かした。

ベルト付き
▲LEDとボタン、バイブレーションで連動するというコンセプトはゲーム自体の内容が固まる以前から完成。細かな仕様は任天堂を含めた3社で決めていったようだが、初期段階から構想があったことに驚いた。

約3ヵ月に及んだフィールドテストと反響

これまでコンシューマー向けゲームの開発が中心だったポケモンは、徹底的なデバッグと製品チェックが当たり前。

それが未完成のまま、“フィールドテスト”として世に出てしまうことに大きな戸惑いがあったと江上氏は語った。

「そのあいだに飽きられたらどうしよう」と不安がありつつ、未完成でも早く出しフィードバックを受けながら最良の状態にしていくという、ネットワークサービスの常識に驚かされっぱなしだったようだ。

さらに、“やったとしても1週間”それくらいに思っていたフィールドテストが、「リリースされる直前まで続ける」というナイアンティックからの返答には、ポケモン側のチーム一同大きな衝撃を受けたと当時を振り返っていた。

フィールドテスト版のリポートはこちら

国内リリースが遅かったその真意

2016年7月6日にオーストラリアとニュージーランドで配信されたのをきっかけに、アメリカなど順次配信されていった本作。

連日報道される世界中の『ポケモンGO』現象に驚かされる中、日本は約2週間後の7月22日にようやく配信がスタート。

それに対して「日本は遅すぎだ」とユーザーからの不満の声も多くあがっていた。

しかしこれは当初から予定されていたリリーススケジュール、つまり順番通りだったと野村氏が明かす。

何か起きたときに対応しやすい地域を優先的に配信することで規模を拡大していく。

大勢がプレイすると予想される日本で配信するまで、安定したサービスを提供できるようにする目算あっての考えだったようだ。

しかし、そんな目算を遥かに上回る規模で各国のユーザーが増加。

慎重な調整をくり返した結果、日本での配信に時間がかかってしまったと語る江上氏は「まさか、趣味趣向が多様化するいま、風景を一変させるような現象を自身が体験すると思わなかった」と、リリース直後の様子を振り返った。

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▲国内でリリースされた直後は主要な公園に多くのトレーナーが押し寄せた。世界的な社会現象となっているが、ここまでは想定していなかったようだ。

今後151匹にとらわれない“何か”がある?

『イングレス』では都内・地方問わず積極的に開催されているリアルイベント。

そうした試みをトレーナーが期待している件について野村氏は将来的にはやると語りながらも、「現段階では検討中だ」というコメントに留めた。

また、『イングレス』同様、現実世界を舞台にしている本作にも、現地に足を運び、地域に触れ合うことで、自分たちが生きる地球にはこんなに楽しいことが溢れているんだと伝えていく義務があるとし、トレーナーにもそれを意識してほしいと続けた。

さらに野村氏は、具体的なコメントを避けながらも、「151匹にとらわれない何かがある」こと、現在のボリュームは「やりたいことの1割程度」であると語ってくれた。

そして「現在公開中の公式PVをよく見ると、リアルイベントに関するヒントが隠れているかも」と、トレーナーへ向けてのメッセージを残して今回のラウンドテーブルは終了となった。

『ポケモンGO』公式PVといえばミュウツーか!?

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▲彼らの中にどんな構想があるのか、残り9割に秘められた本作の未来にワクワク。

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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ポケモンGO

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルその他
メーカーナイアンティック
公式サイトhttp://www.pokemongo.jp/
公式Twitterhttps://twitter.com/PokemonGOAppJP
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