【個人開発ゲームを斬る】時を止め思考する異色のシューティング『TIME LOCKER』

2016-08-12 13:00 投稿

こちらが止まると相手も止まる

今回ご紹介するゲーム『TIME LOCKER』は、ジャンルでいえば“シューティングゲーム”になるのでしょうか。

シューティングゲームで立ち止まることは、だいたい“死”を意味するのですが、このゲームは立ち止まり、考えることがとても重要なんです。はい。


※iPhone版のみ

青いキャラクターがあなた

image1_1▲青いのがあなたimage1_2▲動いているときだけ発射!

真ん中あたりにいる、青いキャラクターがあなた。

上にフリックすると、キャラは前進。下にフリックすると、キャラは後退。キャラが動くたびに、前方に向け、弾を自動で発射するので、これを敵キャラに当てて破壊しながら、いけるところまでいっちゃおうというのが、このゲームの流れ。

一般的なシューティングゲームなら、発射された弾は画面外に消えるまで勝手に飛んでいくものですが、こちらのゲームは、キャラが止まると弾も止まります。弾どころか、敵キャラも止まります。あなたが1歩動くと、敵も弾も1歩動く。1フリックが1ターン、1コマという感じ。

敵は……

image2_1▲後ろから来た!image2_2▲左右にも動けるよ!

敵は前からだけではなく、後ろから迫ってくることも。

そんなときは左右にフリックで移動し、敵を前にやり過ごしてから破壊しましょう。左右移動時も、弾は自動で前方に発射されます。

image3_1▲前後にコスって連射!image3_2▲止まりすぎに注意

敵は一撃で壊せるものだけではなく、何発か当てないと破壊できないものもアリ。

そんな時には、自機を前後に細かく激しく移動しましょう。

すると、いわゆる“早送り”ような状態になり、弾を激しく連射することになります。硬い敵は、その場で素早く前後運動で、連射で破壊。ただし、その場にいすぎると、後ろから“黒い波”があなたを飲み込もうとします。

この波だけは、あなたが止まっても、止まってくれません。考えすぎても、慎重にいきすぎても、ダメ。大胆かつ冷静な判断が必要でございます。

飽きさせない要素

image4_1▲さまざまな敵が迫り来るimage4_2▲破壊がクセになる

前後左右に移動し、弾を敵に当て破壊し、ひたすら前進。そんなシンプルなゲームなんですが、飽きさせない要素が盛りだくさん。

まずは、敵の多さ。

チャレンジするたびに、“蛇”やら“鳥”やら“熊”やら“トラック”やら、いろいろな敵が出現し、あなたの行く手を阻みます。それらを破壊したときのブロックがどーんと飛び散っていく様が、ストレス発散、ドーパミンどーん。もちろん、自機が破壊されたときも、見事に飛び散ります。

緑色の敵を破壊すると

image5_1▲緑の敵を狙え!image5_2▲赤いサイ? ブタ?

つぎは、自機のチェンジ。

緑色の敵を破壊すると、“C”と書かれたパネルを落とします。これを拾い集めると、ゲーム開始時に、新たなキャラを購入することが可能に。

新キャラは“消費型”なので、数回使用するとなくなってしまいますが、“Cパネル”はガンガン貯まりますし、動画広告を視聴することによって、モリモリ貯まりますので、まったく気になりません。

青い敵キャラを倒すと

image6_1▲青い敵を狙え!image6_2▲アイスキャノン発射!

青い敵キャラを倒すと、“?”と書かれたボックスを落とします。

これを取ると、ランダムで、新たな“武器”が自機にセット。

“ツインキャノン”やら、“冷凍ビーム”やら、“ホーミングミサイル”などなど、男の子が食い付きそうな武器が盛りだくさん。しかも、取れば取るほど能力は上書きではなく、追加されるので、とんでもない破壊力をもった自機が完成します。

破壊されなければですが。

ゲームを何度か楽しんでいると、スタート時にCパネルを消費して、ボックスを解放することも可能。

こんな感じで

image7_1▲赤い敵は追いかけてくるimage7_2▲芸術は爆発だ

こんな感じで、自機の火力はドンドン上がっていきます。当然、敵もドンドン硬くなっていきます。何発も何発も何発も当てないと破壊できない壁や、あなたを執拗に追いかけてくる赤い敵。これが非常に厄介。本当に厄介。その分、倒したときの感動はプライスレス。

なんだかんだと遊んでいると、あっという間に締切の時間となりましたので、開発された“otsuka”さんにお話を聞いて〆させていただきます。

Q1.まずは、簡単な自己紹介を、よろしくお願いします!

個人ゲーム開発者のotsukaといいます。
昔はFlashでwebサイトを作る仕事をしていました。
その後、3年ほどIT企業でソーシャルゲームの開発に携わり、そのときに養った技術を使って個人ゲームを作っています。

Q2.こちらが初めてのアプリリリースなんですが、どういうキッカケでアプリ開発自体にチャレンジされたのでしょうか?

企業では、ひとりでゲームを作るということはまずないと思います。
それぞれの専門家 が集結してチームを組んでひとつのゲームを作ります。
ところが私は技術者としては非常に中途半端で、プログラムもモデリングもアニメーションもひと通りできますが、どうも活躍できていない実感がありました。
そこで、自分の力を最大限に発揮するには、すべて自分ひとりでゲームを作るしかないと考えました。
ひとりであれば、拙いコードでもひどいローポリでもバランスさえ整えれば作品として仕上げることができると思ったからです。

Q3.その作品が『TIME LOCKER』なんですが、初めての作品をこちらにしようと思ったのは?

はじめは、『LIMBO』(※モノトーンの世界観がいい感じの傑作横スクロールアクションゲーム)のようなガッツリした売り切り型の有料ゲームを作ろうと考えていましたが、『クロッシーロード』などを生み出したマットホール氏のゲームに触れて、衝撃を受けました。
演出やストーリーを極限まで省いたゲームデザインと、ユーザー選択型の広告収入モデルという部分にです。
とくに『ShootySkies』(※ブロックの世界観がいい感じの傑作シューティングゲーム)というゲームにハマってしまい、一時期は四六時中プレイしていました。
そこで、自分も方針を変えて無料のミニゲームを作ろうと考えたのがきっかけです。

Q4.『TIME LOCKER』のキモである、“こちらが止まると相手も止まる”というアイデアは、ハッと閃いたのでしょうか? それとも何かビビッと影響を受けたものがあるのでしょうか?

PCゲームの『SUPERHOT』(※こちらが動けば相手も動くFPSゲーム)に影響を受けました。
2013年に彼らのデモバージョンに出会い、斬新な面白さが強く脳裏に焼きつきました。
その数年後、あのシステムを見下ろし型のミニゲームに応用したらおもしろいのではないかと考えました。

Q5.はじめてひとりでのアプリ開発とのことなんですが、開発期間は? ここは苦労したという点は?

開発期間は約8ヵ月です。
ひとりなのであらゆることに苦労しましたが、とくに“操作感の調整”には時間を割きました。
私は、コンシューマゲームとスマホゲームは別のものだと考え、それぞれのデバイスの特性を生かす必要があると思いました。
具体的には、誰もが毎日スマホで使っている“スクロール”という動作をそのままゲームに持ち込みたかったのです。
スクロールは、時間を調整する『TIME LOCKER』にとっても最適な入力方法だったと思います。

Q6.ところで、奥様がインスタグラムで応援をされているようなんですが、奥様はアプリ制作にはノータッチなんでしょうか?

妻はクリエイターではないのでゲームはひとりで作りましたが、いつもいろいろと手伝ってくれます。
開発中、ふだんゲームをしない妻の感想は非常に参考になり、実装に大きく影響しました。
そういう意味では夫婦で『TIME LOCKER』を作ったと言えなくもないです。

※インスタのアドレス:https://www.instagram.com/time_locker_shooter/

Q7.アプリ開発深イイ話、いただきました! リリース後の反響はいかがでしょうか? 海外も含め、なにかおもしろい反応はありましたでしょうか?

海外で有名な『TouchArcade』というレビューサイトで“満点の星5”をもらったときは手が震えました。
アメリカで多い感想が「キャラクターを使うと消費するのが不満だ」というもので、これは『クロッシーロード』系のゲームが非常に浸透しているために、ゲームとしてはよりスタンダードな“残機消費型”に抵抗が生まれたものだと推測しています。

日本ではあるメディアがいち早く取り上げて評価してくださったことでダウンロード数が大幅に増えました。
本当にありがたいと思っていて、いつか恩返しがしたいです。

Q8.無料ゲームでまったくと言っていいほど広告がないのでいろいろ心配なんですが、大丈夫なんでしょうか?

ダウンロード数に対する広告の収入率はリリース前の予想よりも高いので安心しています。
しかし、さらなる爆発を起こさなければ人生に先はありません。

Q9.イイ作品なんで、もっとダウンロードされてほしい! 開発者がこっそり教える裏技的なものか、なにか攻略のヒントがあれば教えてくださいませ。

つねに焦らず、自分の中に一定のリズムを持ってプレイすると得点が伸びやすいです。
あとは、ぜんぜん関係ない考えごとをしながらとか ぼーっとしている状態だと、気がついたときに1万点超えていたりします。

Q10.最後に何かひと言、よろしくお願いいたします。

読んでくださりありがとうございます。
引き続きがんばります。

ダウンロードされれば、ちゃんと利益が出るそうなんで、ちょこっと安心しました。
というわけで、開発者さんにはすばらしい作品を引き続きリリースしていただきたいので、ご家族ご友人お隣りご近所お誘いのうえ、ぜひ遊んでみてください!

■あぷまがどっとねっと
(あぷまが)

「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。


※あぷまがへのアクセスはこちらから

TIME LOCKER - Shooter

メーカー
sotaro otsuka
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iPhone、iPod touch、iPad、iOS 9.0 以上

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