【独占】先行試聴&読プレあり! 景山将太氏&下村陽子氏に訊く『黒騎士と白の魔王』楽曲制作秘話
2016-06-23 13:00 投稿
景山将太氏&下村陽子氏インタビュー
2016年夏のリリースが予定される、グラニの新作RPG『黒騎士と白の魔王』。“すべてが別格のRPG”というキーワードにふさわしく、チェコ・プラハにてオーケストラ収録したサウンドも別格の豪華さだ。
本日公開されたオーケストラ収録のメイキング映像で鳴り響くサウンドは、圧倒的な重厚感。本作の壮大な世界を表現しているという楽曲の数々に、リリース前から心が揺さぶられてしまう。
本記事では、楽曲を担当した景山将太氏と下村陽子氏、そしてサウンドディレクターを務めた、福永尚爾氏の3名へのインタビューの模様をお届けしよう。
▼『黒騎士と白の魔王』のこともっと知りたい?
作品の指揮を執る谷社長に訊く!
事前登録15万人突破!
バトル&キャラクター情報
豪華2大作曲家を起用
――『黒騎士と白の魔王』では、景山将太さんと下村陽子さんという著名な作曲家の方を起用しています。まずは、おふたりへのオファーを決めた経緯からお聞かせください。
福永 尚爾氏(以下、福永) 下村さんは、印象的なピアノ曲、かつ重厚で感情表現豊かな曲を書かかれる方だと以前から思っていて、本作の世界観にもぴったりだったので、ぜひ依頼したいと考えていました。もちろん、下村さんの曲を聴いて育ったゲームユーザーは多いので、そこも決め手のひとつですね。
――オファーを受けたときの印象はいかがでしたか?
下村 陽子氏(以下、下村) 今回のプロジェクトの壮大さには驚きました。それを説明してくださった福永さんの熱意もすごかったですね。この最初の説明のとき、景山くんも参加していることを聞きました。景山くんのことは以前からよく知っていましたが、いっしょに仕事をする機会はなかったので、それも楽しみのひとつでした。
――先に景山さんの起用が決まっていたのですね。
景山 将太氏(以下、景山) アニメーションも含め、豪華精鋭メンバーを揃えて大作を作るということでしたので、そこに声をかけてもらったことに興奮しました。僕自身、独立をきっかけにいろいろなジャンルの曲を書きたいと思っていましたし、オーケストラ収録する計画もあることを聞いて、このチャンスをぜひものにしたいと。オーケストラで収録することは、僕の目標であり、作曲家としての夢でしたから。
福永 ただ、景山さんの起用は、我々にとってある意味チャレンジングでしたね。
――チャレンジングとは?
福永 『黒騎士と白の魔王』は、これまで景山さんが携わっていた作品とまったく毛色が違うので、果たしてどうなるかという思いがありました。ですから、失礼ではあったかと思いますが、試しに1曲書いてもらうことにしたんです。
景山 失礼だとは感じませんでしたが、試されているなと、むしろ新しい自分の作風をアピールするチャンスだと、前向きにとらえました(笑)。僕自身、独立したばかりでいままでに書いたことのないようなジャンルの音楽への挑戦、完全新規のオリジナルタイトル・プロジェクトに参加したかったし、オーケストラ収録の夢が叶うかもしれない。キャライラストや世界観設定の説明から「重厚な曲を」というオーダーだけでしたが、作品のトレーラーを作るイメージで気合いを入れて書きました。じつはその曲、ティザームービーにも使われていて、僕が想像した世界そっくりにアニメーションが描かれていたのはうれしかったですね。これまでの自分にないジャンルの表現をしようと思って、“ニュー景山将太”を見せられたのはよかったです。
――下村さんは、オファー時にどのようなやりとりが?
下村 とてもおいしいご飯を御馳走していただきました(笑)。いや、ご飯に釣られたわけではなくてですね、普通、ファーストコンタクトは明るいうちに1~2時間程度で終わることが多いんです。でも、福永さんはあえて遅い時間を指定して、食事をしながらじっくりお話しましょう、と。きっと伝えたいことがたくさんあるのだろうと感じましたね。
福永 ものづくりは人と人が行うものなので、そこにシナジーが生まれないと、いいものは作れないと思っています。僕のやりかたがウエットなだけかもしれませんが、最初からじっくりお話させてもらいました。
景山 僕も、そうしてもらえたのはうれしかったですよ。ゲーム開発に対してどんな考えなのか、作品にどんな思いを持っているのか、そうしたことを聞かせてもらった場合とそうでない場合とでは、仕上がりのクオリティが違います。コミュニケーションを重ねることで、お互いを信頼し、作品をよくするために強い意見を出し合える関係になりますから。
豊富な世界観設定が作曲に深みを与える
――曲作りについては、具体的にどのようなオーダーをされましたか?
福永 ゲームの世界観に合わせた、重厚で広がりを感じられるような曲というのが全体的な指針です。もちろん、場面ごとに曲の印象は異なるので、いろいろな曲を書いてもらっていますが、結果的に下村さんが“陰”、景山さんが“陽”のイメージを持つ曲が多くなりました。
景山 僕は担当した曲数が多いので、重厚なテーマから戦闘曲、街や神殿など幅広く、いろいろなジャンルの曲を作らせてもらいました。白の魔王の曲は僕が担当していますが、それ以外の強敵の重い曲はおもに下村さんが書いていますね。
下村 重い曲、たくさん書きました。私、「存在がラスボス」って言われてますから(笑)。
景山 受け入れちゃっていいんですか!?(笑)
――やはり曲作りの際は、設定資料からインスピレーションを得るものなのでしょうか。
景山 そうですね。キャラクターや街のイラスト、作品のプロットも読ませていただきましたし、今回は設定資料を豊富に用意してもらいました。資料がない状態で曲を作り始めることもありますが、ちょっとしたヒントでもあったほうがイメージは具現化しやすく、結果クオリティは上がって世界観を表現しやすくなります。
下村 たとえば、単純に“悲しい曲”と言われても、私が感じる悲しさとオファーする側が感じる悲しさが違うことがありますよね。そこに視覚的な資料や説明してくれる情報があると、悲しさのブレがなくなって、とんちんかんな方向の曲にならずに済むんです。
――景山さんは白の魔王のイラストを見て、どんな印象を持ちましたか?
▼白の魔王抜擢の経緯って?
作品の指揮を執る谷社長に訊く!
景山 イケメンやな、と(笑)。
下村 「俺には負けるけどな~」って?
景山 いやいや、なんでやん(笑)。真面目な話、黒騎士と白の魔王はお互いが信じる正義をぶつけるという世界観で、魔王といってもそのビジュアルから感じ取れる通り、邪悪というよりは神々しさを感じられました。そんな神々しさを、クワイヤを入れたりして表現しようと思いましたね。
共作の難しさとは?
――おふたりが同じプロジェクトで仕事をするのは初めてなんですよね?
下村 以前、あるゲームで景山くんの曲をアレンジさせてもらったことがありますが、共同で携わるのは今回が初めてです。ただ、景山くんはもともと、光田康典さん(ゲーム、アニメミュージックなどで知られる作曲家。プロキオン・スタジオ取締役)のスタジオにいましたから、作曲家どうしの交流の場で会っていました。
景山 お互いに関西出身で波長の合うところがあるのか、初めてご挨拶させていただいたときから、仲良くさせていただいています。
――共同でひとつのプロジェクトに関わるときは、世界観を共有するために何らかの工夫をするものなのでしょうか。
福永 特別なことはせずに、お任せしました。ふたりの曲が混ざって、違和感が出ることもないと思っていましたので。
景山 福永さんは作家性やカラーを尊重してくれる方なので、お互いの作風・魅力が最大限発揮できる分野を考えて割り振りをしていたと思いますよ。ただ、下村さんがどんな曲を作っているのか、すっごく気になっていましたが(笑)。
下村 そうだったの!? なかなか曲を上げられなくてゴメン!
――下村さんは、景山さんの曲を意識していましたか?
下村 人の曲の影響力は大きいので、気にし始めたらキリがないと思っています。私は、こう見えて意外と意思が弱いので……、意外とね(笑)。私なりのイメージを持ったとしても、景山くんの曲を聴いたら、無意識のうちにでも引きずられる可能性があります。でも、あえて作曲家をふたり立てているプロジェクトですから、引きずられて似せてはいけないと思います。景山くんの曲は聴かずに、福永さんの説明で感じた印象をフラットに表現するほうが、いい曲になると信じて作りました。
――そうやって作ったお互いの曲を、初めて聴いたときの印象はいかがでしたか?
景山 これぞ“下村節”という、重厚でカッコイイ曲がたくさんあって、興奮しました。先ほども言いましたが、ボス級のキャラクターの戦闘曲やテーマ曲が満載ですよ。
下村 かわいい曲や楽しそうな曲、いかにも王道のメインテーマ曲まで、とてもワクワクしました! 私は重くて暗くて死にそうな曲ばかりなので、バラエティ豊かな曲を作れて羨ましいとも思いましたが(笑)。
――ちなみに、コンシューマゲームとスマホゲームで作曲の違いはありますか?
景山 最近のスマホで表現できることは、コンシューマ携帯機とほとんど変わりませんね。僕は独立するまでコンシューマゲームの作曲をしていましたが、今回スマホ環境だからといって、特別に作りかたを変える必要はありませんでした。
下村 機種による違いというより、パズルゲームは軽めに、RPGは重めな曲をというように、ゲームジャンルによって違いを出すことはありますね。スマホに関しては、景山くんが言ったように技術的にはコンシューマ機と変わらなくて、今回のようにオーケストラ収録をそのまま使えるほどです。ですから今回は、重厚な曲を遠慮なく書かせてもらいました!
チェコ・プラハでのオーケストラ収録
――チェコのプラハでオーケストラ収録するという、まさに別格のサウンドが入っているわけですが、現地ではどのくらいの期間で何曲収録したのでしょうか。
景山 週間で40曲強ですね。一部の楽曲は現地でエディット・ミックスダウンも行っています。このうち1曲は、現地で書き上げました(苦笑)。
下村 間に合わなかったの? それだったら私も、成田に出発する3時間前まで作曲してたよ(笑)。
景山 間に合わなかったのとは違ってですねぇ……プラハの風を感じながら書きたくて、あえて1曲だけ残したんです!!(苦笑)。
――なかなかタイトなスケジュールだったようですが、オーケストラの方々が曲を覚える時間も必要ですよね? その曲も収録されたということですか?
景山 収録しました。公開されたメイキング映像にも使われている曲ですよ。
――チェコ・フィルハーモニー管弦楽団が、ドヴォルザークホールで演奏するという環境もすごいですよね。
福永 “すべてが別格”というキーワードに従い、やるならとことん突っ走ろうと思い、世界的に格式高いところを選びました。
景山 プラハに着いてみて驚いたのは、今作の世界観にそっくりな街並みだったことです。何かに呼ばれてここに来たのかなと思うくらい感動しましたし、テンションが上がりましたね。
下村 スメタナの『モルダウ』という有名な交響曲がありますよね。中学校の音楽で習うと思いますが、その歌詞で岸辺や古城が出てくるんです。習った当時、歌詞から想像するしかなかった風景を、長い年月を経て目の前で見られたことには、かなり感動しましたね。
景山 『モルダウ』は、僕が作曲家になるきっかけの曲でもあるんです。DTM(デスクトップミュージック)を初めて、中学校の音楽の授業で見たとき、流れた曲が『モルダウ』だったんです。DTMと初めて出会って、直観的にこれを仕事にしたいと思って、いま作曲家になっているわけで、忘れられない曲ですね。自分の原点ともいえる曲の場所に、オーケストラ収録という夢を叶えに来られたので、感慨深いです。
――ドヴォルザークホールの印象はいかがでしたか?
下村 日本にも素敵なホールはありますが、ドヴォルザークホールのように歴史があって、佇まいや装飾から文化的な雰囲気に圧倒されるようなところはお目にかかれません。
景山 チェコフィルの方々も、自分たちの演奏にプライドを持って、妥協することなく何度も納得いくまで演奏してくれました。現地のスタッフの方々の熱意も素晴らしく、この人たちとなら必ずいいものができるという信頼を感じられましたね。
下村 ドヴォルザークホールには、とても素敵なパイプオルガンがあるんです。曲の構成には入っていましたが、使わせてもらえるなら絶対に入れようと話していました。
景山 実際にパイプオルガンを使えることになったので、それを活かせるよう意図的にアレンジした曲もあります。
――オーケストラの編成は、おふたりが決めたのでしょうか。
下村 そうです。オーケストラの規模感を示すときに“型”で表現しますが、今回は弦楽器16型、管楽器3管編成(100人規模のフルオーケストラ)になります。16型は映画でも使う規模なので、とても厚みがある贅沢な編成です。
景山 僕たちは収録中は基本的にコントロールルームにいますが、できることなら客席でずっと聴いていたかった。それくらい素晴らしい音の厚みと鳴りでしたね。
――ホールの響きや鳴りは、音源としてゲームに入っても感じられるものですか?
景山 感じられますよ。曲によってはスタジオで収録したほうがいいもの、ホールの空間の鳴りを活かしたほうがいいもの、その両方があります。今回、ゲームに使われる曲すべてをホールで収録したわけではなく、スタジオで収録した曲も含まれています。
――景山さんの目標であり夢であるオーケストラ収録を実現して、どのような思いがありましたか?
景山 まず、作曲家仲間の反響がすごかったです。そんなに恵まれた素晴らしい環境でレコーディングできるなんて、どれだけすごい作品なんだ、と。オーケストラ収録という夢が、しかもチェコで叶えられたのはうれしいですね。作曲家冥利につきます。
下村 本当にすごいことだよね?
景山 振り返ってみると、たまたま出演していたコンサートを福永さんが見てくれて、いきなり電話をもらったところから始まりました。福永さんが「景山さんの新しい代表作にしましょう」と言ってくれたのはいまでも忘れられなくて、そこからチェコまで来て夢を叶えられたことは、涙が出るくらい感動しました。
魂を込めて作られた別格のサウンド
――最後に『黒騎士と白の魔王』に期待しているユーザーへ向けて、メッセージをお願いします。
下村 最後の曲を書き終えたとき燃え尽きた感覚になって、魂を込めて作ることができたと思います。わりと終盤に流れる曲が多そうなので、たくさんゲームを遊んで音楽も楽しんでいただけたらうれしいです。
景山 今回は僕にとってもかなりチャレンジングなプロジェクトでした。これまでにないジャンルの作曲、オーケストラ収録といった新しい挑戦ができて、これまでの作曲家人生としてのひとつの区切り、集大成にするつもりで取り組みました。チェコ・フィルハーモニーという素晴らしい演奏家に弾いてもらい、それを自分の作品として発表できるのは、夢のようなことです。たくさんの人に聴いてもらいたいですし、長く愛されるゲームになるよう祈っています。
福永 おふたりのようなプロ中のプロと関われたことを誇りに思うと同時に、グラニにとっても大きな一歩になりました。グラニのチャレンジ精神が、ひとつの形になったところだと思いますが、『黒騎士と白の魔王』はこれからのタイトルです。まだまだおもしろいことを仕掛けていくので、ぜひ期待してください!
楽曲試聴&サイン入り楽譜プレゼント!
本記事では、メイキング映像で使用されている曲をフルコーラスで限定公開。ボタンを押せば視聴できるので、ひと足先に『黒騎士と白の魔王』の世界に飛び込んでみよう。
※環境によっては再生できないことがあります。ご了承ください。
さらに、おふたりによるサイン楽譜を各1名にプレゼント。世界にひとつしか存在しない、この貴重な楽譜を手に入れるのはあなたかもしれない!
プレゼント応募概要
●応募しめ切り
2016年7月15日23時59分まで
●結果発表
発表は、賞品の発送(2016年7月下旬頃)をもって代えさせていただきます。
【注意事項】
※かならず注意事項を確認いただき、同意のうえで応募してください
◎ひとりにつき、応募は1回まで。複数応募された場合でも、当選はひとり1口までとなります。
◎希望賞品、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号は必須項目です。入力漏れや誤入力がある場合は、応募を受け付けられません。
◎賞品の発送先は日本国内に限ります。
◎賞品は譲渡しないことを応募・当選の条件とします。譲渡には、売ること、オークションに出品することなどが含まれます。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され権利をお返しいただく場合があります。
◎ご応募に際しお客様よりご提供いただいた個人情報は、弊社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。
▼『黒騎士と白の魔王』のこともっと知りたい?
作品の指揮を執る谷社長に訊く!
事前登録15万人突破!
バトル&キャラクター情報
黒騎士と白の魔王
- ジャンル
- RPG
- メーカー
- グラニ
- 配信日
- 2016年夏配信予定
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- 対応機種
- iOS / Android
- コピーライト
- (c) Grani, Inc.
この記事のタグ
関連記事
この記事に関連した記事一覧
【黒騎士と白の魔王攻略】バザーを有効利用する4つのポイント
2017-09-27 17:00『黒騎士と白の魔王』Ver.2.0.0大型アップデート始動!“ごいすーポイント”を実際に検証してみた
2017-09-21 13:06『黒騎士と白の魔王』に倍速機能が実装!Ver.2.0.0への大型アップデートで6つの要素が追加
2017-09-19 14:47『黒騎士と白の魔王』獄ガチャフェスで神引き連発!?新キャラ”アメノウズメ”、”アシュラ”、”サラスヴァティ”の情報もお届け
2017-09-15 14:30
最新記事
この記事と同じカテゴリの最新記事一覧
【フェスティバトル】カルマ&ジャックにハロウィン風の新ウェア登場!新スタイルや新ウェポンチップも実装
2024-10-14 16:30【#コンパス】学生たちが現役クリエイターに仕事と生きかたを学ぶ!『#コンパス』×N高トークセッション
2024-10-11 17:00【#コンパス】10月のシーズンテーマは“某<なにがし>”!2024年10月シーズン情報まとめ
2024-10-11 11:11【#コンパス】10月はハロウィンモチーフメニューが登場!“池ハロ2024”連動企画も実施|“#コンパスカフェ”最新情報まとめ
2024-10-09 18:03【#コンパス】9月シーズンから連続してパワーが総合首位を獲得!全ヒーロー使用率&勝率ランキング
2024-10-04 20:06