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クリエイターが構想する“次なる一手”とは【第2回】
2015年12月10日に発売となったファミ通App NO.026 Androidに掲載されている特集企画“2016注目クリエイター 次なる一手”。本企画では、全11名のクリエイター陣へのインタビューを通じて、秘蔵の新作タイトルの先出し情報や今後の業界の動向をお伝えしている。
各クリエイターが何を考え、今後どのような“一手”を打ってくるのか? ここでは誌面で語られなかったインタビュー内容も全10回に渡って完全掲載していくので、ぜひその目で確かめてほしい。
※ゲーム画面は開発中のものです。
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今回のお相手:木村 唯人氏(Cygames)
Cygames常務取締役。プロデューサーを務めている『神撃のバハムート』は、国内のみならず海外でも高い評価を受けている。
『Shadowverse(シャドウバース)』とは?
『神撃のバハムート』や『グランブルーファンタジー』など、数々のヒット作を世に送り続けているCygamesの注目の新作は、対戦型デジタルTCG(トレーディングカードゲーム)。『神撃のバハムート』で培われたハイクオリティーなイラストのカードが、リリース段階から400種類以上も登場。
強いユニットだけで勝利が保証されるわけではない、デッキ編成と同等以上にプレイヤースキルが重視される、TCGならではのバトルシステムに期待が高まる。さらに本作は、海外版や賞金制大会の実施が予定されているなど、ワールドワイドな展開にも注目したいところだ。
背景イラスト設定画
木村氏インタビュー
──『Shadowverse(シャドウバース)』というタイトルの意図を教えてください。
『神撃のバハムート』(以下、『バハムート』)のカードが出てきますが、メインとなるキャラクターはすべてオリジナルになります。物語的にも続編というわけではなく、新規タイトルという位置付けなので、新しいタイトルをつけました。日本人でも英語圏の方でも聞いてワクワクする、そういうタイトルになればいいな、という思いがあります。
──『バハムート』の知識がなくても大丈夫ということですね。
まったく新しいストーリーなので、そのあたりは心配無用です。『バハムート』とひとつ違うところは、物語が“群像劇”になっていることです。『バハムート』は“騎士”が主人公の物語だったんですが、この本作は、7人の主人公それぞれの物語が絡み合って展開していきます。リリース時からボリューム感のある7人の物語を楽しんでいただけると思います。
──本作でいちばん力を入れている部分を教えてください。
“対戦型デジタルTCG”ということで、人と勝負することがメインのゲームになります。リリース時には400種類のカードを登場させる予定ですが、このバランス調整にはかなり力を入れています。競技性の高いTCGを目指しているので、単純に強いカードを集めた人が強いというのではなく、同じデッキを使ったとしても、しっかり戦略を練り練習を重ねた人が強くなる。そのようなゲームになるよう、バランス調整だけでもかなりの時間をかけています。
──“デジタル”という部分での特徴はどのようなものですか?
本作は特定のカードだけでなく、すべてのユニットが進化するのですが、進化用のカードというものはなく、入手したどのユニットもプレイ中に進化させることが可能です。さらにプレイ中にカードの強さやスキルの効果が上がるなど、デジタルならではの要素が多数あるので、そのあたりにもご期待ください。
──すべてのユニットが進化するTCGというのも珍しいですね。
『バハムート』リリース当時、“すべてのカードが進化する”というのがソーシャルゲームでは新しかったんです。今回『バハムート』のカードを使用するということで、その点では歴史を受け継いだと言えます。
──人との対戦を重視されていますが、そのあたりはどのような意図がありますか?
本作がe-sportsとしてプロ競技のゲームのひとつになればいいなと思って開発しています。なので、アナログTCGと同じうように賞金が出るようなリアルな大会も開こうと思っています。そのうち上手なプレイヤーからプロが生まれてくるようになるとうれしいですね。海外でも展開するので、将来的には世界大会なども狙っていきたいです。
──TCG初心者はどのように楽しめばよいでしょうか?
ルールがシンプルなのですんなり楽しめると思います。効果の発動やダメージの計算などはもちろん自動で正しく判定してくれますし、むしろアナログのTCGより始めやすいでしょう。あとは離れたユーザーとの対戦はもちろんですが、近くにいる人とも対戦ができるので、ぜひお友だちを誘って、面と向かって対戦してもらえるとうれしいです。友だちと対戦していけば自然とプレイヤースキルも上がっていくはずです。
──1戦にかかる時間はどの程度になりますか?
だいたい10分前後で勝負がつくゲームデザインになっています。1戦の中でユニットが進化できないということがないので、スピーディで派手で奥が深いバトルを楽しんでもらえると思います。
──本作を楽しみにしているユーザーにメッセージをお願いします。
TCGというのは練習すればするほど上達するということを、このゲームを通じて体感してもらいたいです。2016年の春になる前にはリリースしますので、楽しみにお待ちください。
──スマホゲーム業界の2016年は、どのような年になると思いますか?
版権ものや有名IPのゲームが、2015年以上に増えていくと思います。グラフィックも内容もクオリティも家庭用ゲームと遜色ないものが一層多くなるでしょうが、まずはこの本作で勝負していきたいですね。
──最後に、2016年の目標をお聞かせください。
個人的には2016年こそ『マジック:ザ・ギャザリング』のプロツアーに出ることです(笑)。TCG好きとしては憧れでもあるので、かなり個人的ですが本気の野望です。