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女性ユーザーに受けるパズルゲームとは? 遠藤雅伸氏も登壇した東京工芸大講演

2015-11-16 17:20 投稿

未来のクリエイターに向けた講演イベント

2015年11月15日、東京工芸大学にて“東京工芸大学ゲームクリエイターズ・フェスタ”が開催された。

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日ごろ、現場で働くゲームクリエイターとの講演や対談を通し、学生を含むゲームに興味を持つ若者が学ぶ場となることを目的としたこの催し。業界の第一線で活躍するクリエイターたちがさまざまなテーマのセッションを進めるなか、『LINE:ディズニー ツムツム』のメインスタッフであるNHN PlayArtの川口康幸氏と遠藤基氏も登壇。『ゼビウス』などの名作を手掛け、同大学で教授を務める遠藤雅伸氏を聞き手に、“女性に受けるパズルゲームの秘密”というテーマで講演を行った

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▲東京工芸大学教授・遠藤雅伸氏
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▲NHN PlayArtの川口康幸氏(左)と遠藤基氏(右)

女性受けするパズルゲームで成功をつかむ!?

セッションの冒頭では遠藤雅伸氏が、日本では女性プレイヤーがゲームの主役であることを解説。ゲーム&ウオッチが登場した1980年ごろからモバイルゲームが流行する現在にいたるまで、女性プレイヤーにヒットしたゲームは絶え間なく続いており、またオンラインゲームにおける課金も、じつは多くの女性プレイヤーが支えているものだという。

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そんな女性プレイヤーは手軽に遊べるパズルゲームを好む傾向が強く、すなわち女性受けするパズルゲームを作ることができれば、ビッグビジネスにつながるというわけだ。この公式自体はゲーム業界で以前から語られていて、実際にいくつものヒット作が世に送り出されてきたが、現在、女性に絶大な人気を誇るパズルゲーム『LINE:ディズニー ツムツム』はその最たる例。その開発者が登壇する今回のセッションは、そのテーマに相応しい題材といえるだろう。

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5つの観点から見る女性受けするパズルゲーム成功の秘訣

女性プレイヤーの支持を得るためのパズルゲームは、一般的にどのように作られていくのか? 講演の本題は、5つの観点に沿って進められた。

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目論見からゲームデザインへ

第1の観点は“目論見からゲームデザインへ”。本来、パズルゲームには戦略性、個性、触り心地の3点が重視されるものだが、このうち個性と触り心地を優先し、戦略性をあえて強くしすぎないデザインにすることが大切という。「コアなパズルゲームファンは連鎖のための積み込みなどを求めますが、難しくしすぎると女性が続けて遊んでくれなくなる。直観的でわかりやすく、続けて遊んでもらえるような仕組みが重要です。」とは、遠藤基氏の弁。やはり、女性向けのゲームデザインという軸がブレてはならないのだ。

女性に愛されるグラフィックとは

第2の観点は、“女性に愛されるグラフィックとは”ということで、ここは単刀直入にかわいらしさが大前提。キャラクターのかわいらしさはもちろん、やわらかさを感じるボタン操作のUIにも注意を払うべきという。また、コアなゲーマーは詳細なパラメータ画面などを欲しがる傾向にあるが、そうした要素は極力排除。浅い画面遷移でも直観的に理解できる構造にして、女性のとっつきやすさを優先するといいそうだ。

技術的な視点から見た女性の特徴

続く第3の観点は、“技術的な視点から見た女性の特徴”。物理演算を用いたパズルゲームが増えてきているが、物理演算ならではのランダム性がゲームの魅力を高めるケースは多々あるという。また、「積み上がり系のパズルゲームは、焦ってしまって嫌いという女性が多いと思う」という遠藤雅伸氏の指摘に、川口氏と遠藤基氏も納得。気軽に遊ぶことができつつ、物理演算のランダム性により飽きがこないのは、女性向けとしてのメリットになるとのこと

運営が注意すべき女性の行動

第4の観点として語られたのは、“運営が注意すべき女性の行動”。イベントを実施する際は、「説明を読まなくてもすぐに遊べて、説明を読んでもらえるなら簡単に理解できるようにすることが大事」(遠藤基氏)。女性向けに限ったことではないが、直観的に理解できることは重要なファクターだ

また運営上、キャラクターの種類が増加していくことで、新登場キャラクターは強力になりがち。そこで生まれる古参ユーザーと新規ユーザーの格差も注意すべき点で、不満が出ないよう強さのバランスにはとくに気を使うべきだという。

女性に受けるパズルゲームの功罪

最後の観点は、“女性に受けるパズルゲームの功罪”。パズルゲームが女性に受ける一方で、ゲームの合間に家事をする“キッチンゲーマー”と呼ばれるようなユーザーを生み出してしまうケースもあるという。成功の裏にはこういったことも起こり得ることを覚えておこう。

未来のクリエイターへ

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興味深い話を多く聞くことができた本セッション。締めくくりに川口氏は「自分で遊んでみて面白くないものは、誰が遊んでも面白くないと思っています。自分が面白いと思った信念を貫いて、『LINE:ディズニー ツムツム』のような誰もが楽しめるゲームを作ってください」とコメント。

遠藤基氏は「『LINE:ディズニー ツムツム』はよくぞここまでヒットしてくれたと思いますが、ヒットしたゲームもヒットしなかったゲームも、作るときは同じように努力してがんばっているものです。そんななかで、制作中に自分の私事を忘れてしまうような、天然のゲームオタクがチームにひとりでもいないとヒットしないと思うので、いろいろな意味でゲームオタクになってもらえたらと思います」と集まった学生たちにエールを送った。

ゲーム制作のテクニカルな話もふんだんに語られたが、作り手の芯にある情熱だけは変わらない。今回の催しは、未来のクリエイターを目指す学生たちにとって有意義な時間になったことだろう。

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