『ガンダムクロスウォー』いままでにない新たなTCG&アプリを!開発の秘話 [後編]

2015-11-06 12:00 投稿

TCG&アプリ同時開発という新たな形

実際のカードを使っての対戦はもちろん、アプリにカードを登録して離れた場所にいるプレイヤーとの対戦もできる画期的なカードゲーム『ガンダムクロスウォー』。開発のカギを握る下元学氏、副島雄一氏、井手隆介氏の3人に本作の制作背景や裏話を伺った、インタビューの後編をお届けする。
※『ガンダムクロスウォー』いままでにない新たなTCG&アプリを!開発の秘話 [前編]

gcw_logo_B1のコピー
shugou_0709
001

【写真左】
株式会社ライズカンパニー代表取締役
『ガンダムクロスウォー』ディレクター
井手隆介氏(文中は井手

【写真中央】
株式会社バンダイ カード事業部 『ガンダムクロスウォー』総合プロデューサー
下元学氏(文中は下元

【写真右】
株式会社イルカアップス取締役COO
『ガンダムクロスウォー』開発プロデューサー
副島雄一氏(文中は副島

重箱の隅を突く参戦作品

――参戦作品数はどれくらいになる予定ですか?

下元 第1弾では『機動戦士ガンダム』を始め、『機動戦士ガンダムUC』、『機動戦士ガンダムSEED』、OVAから『機動戦士ガンダム0083』や『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』など、最新作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』も含めた13作品が参戦しています。カードゲームとして勢力が青、緑、黄、黒の4つあるのですが、第2弾で『逆襲のシャア』と『機動戦士ガンダムZZ』の参戦に合わせて、赤の勢力が登場し、ぜんぶで5勢力が揃ってカードゲームとしては完成します。

――参戦作品は今後もどんどん増えていくわけですね。

下元 はい、第3弾では『機動戦士ガンダム00』に加え、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』を参戦させたいなと。

――参戦作品はガンダムゲーム史上最多を目指しているとのことですが。

下元 いわゆるテレビシリーズだけではなく、OVA、漫画や小説の派生作品も収録したいですね。『A.O.Z』と呼ばれる作品も第3弾で参戦させたいと考えています。カードゲームは、ひとつの商品の種類数が多く、他の商品だとメインの機体しか収録できないところを、重箱の隅を突くようなこともできるのが魅力です。たとえばジオン軍のキュイなど、ファンがニヤリとするようなものをドンドン出していきます。なので、参戦作品だけでなく登場機体数も過去最多を目指します。

――キュイというとランバ・ラルが乗ってたヤツですね。リアルな戦場感をウリにされているので楽しみですね。

0102
02-02

今後は大規模なイベントも目白押し

――リアルカードゲームの体験会を実施されたそうですが、リアルカードならではのイベントを開催される予定はあるのでしょうか?

下元 本作ではこれから新たなカードシリーズが発売されるごとに、カードショップで店舗ごとのチャンピオンを決める”公認店舗大会”を開催していく予定です。近いものでは12月にお店のチャンピオンを決める大会の予選を開き、その翌月に各店の上位1名を決定。それをシリーズ発売ごとにくり返すのですが、3シリーズぶんくり返したのち、来年の5月にチャンピオンだけが集結する公式の全国大会の実施を計画しています。ほかにも、ガンダムカフェやガンダム関連施設を使った大会や体験会も催していければと考えています。

――大会はリアルカードとアプリ、どちらでやるんですか?

下元 リアルカードです。リアルカードとアプリ別々で大会を実施する予定ですが、やはり我々は、いろいろな方にリアルのカードに触って遊ぶということを知ってもらいたい気持ちが根底にありますので、なるべくお店に行ってリアルカードで遊ぶという流れを作っていきたいです。

――まずはリアルカードで大会を行うと。

下元 そうですね。アプリは、カードゲームを知ってはいるけどやったことはないという人にも触れていただくいいチャンスだと思います。そういった方々にも、リアルのカードを手にしていただいた後に「ふだんはアプリで遊んでるけど、試しにアナログでもやってみようか」という気になってもらえればいいなと。どうやってアプリユーザーをアナログのカードユーザーにするか、というところも今後のプロモーションで仕掛けていくところです。

――リアルカードの場合、初心者は誰かに教えてもらわないと入っていくのが難しいですけど、アプリだとゲームでコントロールしてくれるので遊びやすいですよね。

下元 ルールを間違って覚えることもないですし、ひとりで始められますからね。自信がついてからお店に行っていただければオドオドしたりせずに済むかなと。

井手 アプリには、勝利条件であるお互いの母艦の耐久値とタイムを管理してくれる”カウンター”などのアナログゲームを遊ぶのに便利な機能がおまけとして入っています。自分のデッキをいくつかアプリ内に保存することもできますので、自分の考える強いデッキを保存しておいて戦略を練ることも可能です。ぜひスマートフォンを持ってアナログゲームを遊びに行ってほしいですね。

03

アジア13地域を舞台にくり広げられるカードバトル

――アプリで遊ぶ場合は、全国のプレイヤーとマッチングできるんですか?

下元 商品自体が日本以外のアジア地域でも発売されていて、アプリは日本を含めた全13地域で展開を行う予定ですので、マッチング相手はアジア中にいるということになります。

――このアプリなら海外の人と言葉が通じなくても遊べますよね。

下元 そうですね、アプリならではかなと。

――アプリには対戦以外の遊びの要素はあったりするんでしょうか?

下元 ”1ヵ月戦争”というゲームモードを実装します。”ユーザーさんが自分の所属する勢力を選び、ほかの勢力と戦っていくという内容ですね。勝利を重ねていくことで勢力内で階級が上がって、その過程でいろいろなゲーム内報酬を手にし、最終的には1ヵ月のサイクルにおいて、どの勢力がもっとも強いのかというのを競い合います。

――長期間遊べるゲームモードなんですね。

下元 カードゲームですので、こちらとしてはいろいろなデッキで遊んでいただきたいという思いがあって、1ヵ月戦争では自分の勢力とデッキが紐づくルールになっています。青のカードを多く使うデッキでは、青の勢力で出撃する遊びになります。

――そのほかには、何か予定は?

下元 まだリリース時期は未定なのですが、カードゲームには開封したパックから参加プレイヤーが順番にカードを取っていき、その場でデッキを構築して戦う”ブースター・ドラフト”、その場で多数のパックを開けて出たカードのみでデッキを構築し戦う”シールド戦”という特別な遊び方がありまして、それをアプリ上でうまく体感できるようなものを実装したいと思っています。

04

こだわりを詰め込んだアプリを目下制作中

――アプリのリリースはいつになるのでしょうか?

下元 まずは、アプリのリリースが遅れてしまい、楽しみにしていただいていたユーザーの皆様には、大変ご迷惑をおかけしております。申し訳ございません。

副島 いま最後の追い込みをかけているところですね。我々にとっても初めての試みなので、ORGさんやアプリの開発チームとカードの細かい効果や影響範囲を最終確認しようというところで、先述したようなスタッフ間での微妙な認識のズレが生じたりして苦労しています(笑)。

井手 そこはノウハウ的な問題だと思っていますので、お互い徐々にノウハウを蓄積しながら問題のないものを作っていきます。実際のアナログカードゲームでもユーザーさんによって解釈が異なることは十分にありえますが、開発現場ではわずかな認識のズレも無くさなければいけません。今後も継続した課題になるのかなと思っています。

――ルール以外の部分でのこだわりはありますか?

副島 本作ではUIも力を入れた要素で、画面の縦横の決定のほか、さまざまな構成要素を突き詰めていった結果、現在の形ができています。ですが、対戦シーンのスクリーショットを見ると『Hearthstone』などの既存の競合タイトルに似ていると思われる方もいるかもしれません。

井手 リアルカードゲームを再現するという宿命上、相手がいて味方がいる、お互いの耐久力がある、手札がある、場に出すカードがあるという構成要素はマストです。つぎにUIを作り込んでいく過程でユーザーさんがどこをタッチしていくべきかを考慮してそれらを配置していくと、スクリーンショット上では『Hearthstone』に似ている部分もあるのですが、手の導線、情報の詰めかたなどを何度も考慮した結果ですね。

副島 本アプリは手札の数、種類などが膨大で、そのほかの情報量も圧倒的に多いので、これが最適解ではないかと思っています。

――最後にひと言ずつメッセージをお願いします。

井手 私はアプリ側の開発ですので、アプリならではの要素を追求しています。さきほどのLive2Dのナビゲーションキャラクターもその例ですが、ルールの理解などで敷居が高くなっているカードゲームをカード選んで場に出しさえすれば遊べてしまうというのもアプリならではの要素です。なので、本アプリはアナログゲームを支援したり、アナログゲーム側のユーザーさんがより手軽に対戦を楽しめたりと、アプリならではの良さをユーザーの皆さんへ届けられるとと思っています。

副島 ユーザーさんにはデジタルとアナログの遊びの違いを楽しんでいただきたいですね。顔も知らない相手とスピーディーに対戦できるという部分でアプリには手軽さがありますが、アナログのカードゲームだと面と向かった相手が手札を引いた瞬間のわずかな動作で「ババを引いたな」といった部分が見える醍醐味があります。アプリでの遊びから始まり、リアルのカードでも遊んでもらって、イベントに参加しリアルのカードを手に入れる、そのカードがまたスマホの遊びにつながる。本作のいちばんいいところでもあるこのサイクルを楽しんでもらえばいいですね。

下元 『ガンダムクロスウォー』は、『ガンダムウォー』ブランドの最新作です。『ガンダムウォー』は17年の歴史を持つTCGで、私自身、子どものころに遊んでいたタイトルの最新作をプロデュースできるのは感慨深いですね。『ガンダムクロスウォー』は『ガンダムウォーブランド』がこの17年で築いてきたノウハウをすべてつぎ込んでいます。アプリでも遊べるので、いままでカードゲームを遊んだことがないという方にぜひ触れていただいて、トレーディングカードゲームというものを知っていただきたいと思います。『ガンダムクロスウォー』どうかよろしくお願いいたします!

ガンダムクロスウォー

ジャンル
TCG
メーカー
バンダイ
配信日
Android版は11月中旬予定、iOS版は未定
価格
無料
対応機種
iOS、Android

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧