【TGS2015】ベテランと若手が考えるゲーム業界のいま

2015-09-18 20:38 投稿

ベテランと若手が思うこと

TGS初出展をしているアマゾンジャパン。現在、アマゾンブースではTwitchと提携してさまざまなパネルディスカッションなどを開催している。今回は、そこで行われたひとつ“ベテランから若手インディーへ”というセッションのまとめをお届けしよう。

動きづらい、分かりづらいゲーム業界

セッションに参加したのは、元AppBank Games取締役 宮川義之氏(ベテランクリエイター代表)、株式会社Vitei リードアーティスト/チーフアンバサダー 村上雅彦氏(若手代表)、株式会社ハラペコーポーレーション取締役 えださとみ氏(若手代表)の3名。

▲写真左から宮川氏、村上氏、えだ氏
▲写真左から宮川氏、村上氏、えだ氏。

セッションは、Viteiが開発したゲーム『The Modern Zombie Taxi Driver』(Oculus RIFT)のプロモーションを見て、ハラペコーポレーションが開発したゲーム『リア充爆発しろ』(iOS/Android)をプレイするところからスタート。宮川氏は、前者に対し「これは絶対面白い、やりたい!」と興味を示し、後者に対し「こりゃ200万ダウンロードいくわ、面白いもん」と高い評価をしていた。

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その後、話はそれぞれの好きなゲームへと移り、それから本セッションの本題へ。

そこではまず最初に宮川氏に「昔と今とでゲーム業界の環境は変わったか?」という問いが。これに対して宮川氏は「環境は変わるもの。ただ、私はひとつだけ変えてない自分のルールがある。それは、会議室を使わないこと。日本人は会議室に入ると固くなって、面白くなくなる。会議室で生まれたゲームは面白くない。会議室用に買ったイスの数だけゲームはつまらなくなっていく」と持論を展開。若手両名もこれには「僕たちは小規模なので会議という固い名目で何かカッチリとすることはないですね。そのほうが楽しいし」(村上氏)、「やっぱり、会議という場でないほうが意見しやすいし話が盛り上がる」(えだ氏)と賛同。

その後、若手ふたりへ「ゲーム業界の変えてほしいところ、自分たちが変えねばならないと思っているところ」の質問に。これに対して村上氏は「会社や上司の許可がないと、いろいろなコンペやサミットにアプリを出展できなかったり、勉強の場に出られなかったりするという話をよく聞く。これは絶対によくない傾向であり、もっと若手には勉強の場をたくさん与えるべき。自分たちが作ったものを展示するのもまたひとつの勉強だと思うので、これはぜひ変えてほしいところ。同じように、もっと若手も興味があることに積極的に挑戦すべきだ」と解答。えだ氏は「ゲーム業界は、とにかくプログラムだなんだと小難しいイメージがある。しかし、実際にはそうではない。事実私はプログラムができないけれど、こうして頑張ってこれている。なので、まずはこのイメージを払拭したい。そしてもっとこの業界に挑戦してくれる女性を増やしていきたい」と述べている。

最後の質問は「この業界に今後期待することは?」というもの。これを答えてセッションは終了した。各人の答えは以下の通りだ。

宮川氏「いまの業界は、プログラムができない人でもゲーム業界に入れる環境になっている。そのため、いろいろな若手が参入してきており、ここの両名のように光るものをもった、キレる人たちも登場してきている。私はプログラマーという経歴のせいか、ついつい技術に頼りがちになってしまい、キレがにぶってしまうことがあるので、彼らのような若手と切磋琢磨していけるような業界になっていくよう期待している」

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村上氏「最近になってようやくインディーゲームにもしっかりと光が当たるようになって、若い人たちが挑戦しやすい環境ができつつある。このチャンスを逃さずにチャレンジをして、ドンドン面白いゲームが出てくるようになってほしい」

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えだ氏「ゲームを無駄なものと思っている人は、まだまだ多い。とくにそれは女性に多い。母親が子供に対して“ゲームばかりするな”と怒るのもそのせいだと思う。その原因には、女性は狩猟よりもコミュニケーションを重んじるような本能があるからだと思う。私は、ここにアプローチし、コミュニケーションの元になるようなゲームを開発することで、多くの女性が持つゲームに対するネガティブなイメージを払拭したい。そして、たくさんの女性がゲーム業界に参加できるようになってほしい」

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