【個人開発ゲームを斬る】パンズと具材をなぞって作るバーガーパズルRPG『バーガーバトラー』
2015-07-21 15:11 投稿
新感覚!
今回ご紹介する『バーガーバトラー』は、画面の下部分に配置しているパネルを使って、画面の上部分にいる敵を倒すパズルRPG。
ほかのそれらと大きく異なる点がふたつ。
1.パズル部分が“同色のパネルを揃える、またはなぞる”という、よくあるタイプでは“ない”
2.パズルを使って敵を攻撃し倒すのではなく、お客様に満足して帰っていただく
グダグダ言っていても仕方がないので、さっそくご紹介させていただきます。
具材を“ひとふでがき”で挟む
6×6、合計36マスの中に、ハンバーガーを作るための“パンズ”と“具材”が、ランダムに並んでいます。これらをうまく組み合わせ、ハンバーガーを作り、お客さまにお届けし、お客様を満足させ、とっとと帰ってもらうというのが、ゲームの流れ。
ハンバーガーの作りかたをひと言で言うと、パンズとパンズで具材を“ひとふでがき”で挟む。
まずはたくさん並んでいるパネルの中から、パンズ(上部)を見つけます。
なぞれるマスは最大6マス
つぎにパンズ(下部)を見つけて、そこへ目掛けてスッとパネルをなぞっていきます。なぞれるマスは最大6マス。パンズ下部で1マス必要なので、あいだの具材は最大5つまで選ぶことが可能。
なぞった具材をパンズで挟んでバーガーが完成。
それをお客さまにお届けし、お客さまの要求値(いわゆる体力)を0にすればクリア。
バーガーを作るたびにターンが経過し、もたもたしてるとお客さまからお怒りの言葉を頂戴し、ダメージを受けます。こちらの体力が0になるとゲームオーバー。
“パンズ上部からパンズ下部へなぞる”
これ以外にも最低限覚えておくべきルールがひとつ。
“ミートパティ(肉)”は必ず挟む
世の中にはいろんなハンバーガーがありますが、やっぱり肉がないと、ちょっと寂しい。お客さまの腹も満たされません。
3色の属性
基本的にはミートパティをたくさんなぞったほうが、1度に与える満足度(攻撃力)が上がります。
そこにプラスαされるのが“属性”。お客さまキャラクターの服の色に注目。
たとえば“赤い服”なら、赤い具材“トマト”や“とうがらし”などを挟み込んであげると、満足度がググッとアップします。
ちなみに、“色は付いてるけどやや白っぽい具材”、“目玉焼き(属性:黄)”や“オニオン(属性:緑)”などは、それぞれの属性効果が半分になる代わりに、プレイヤーの体力を回復させる効果があります。
定番メニュー
ミートパティとチーズを1枚ずつ挟んだ“チーズバーガー”や、ミートパティと目玉焼きを1枚ずつ挟んだ“ムーンバーガー”など、みんな大好きな“定番メニュー”が完成するようになぞると、特別ボーナスがつき、お客様へ与える満足度が大幅にアップします。
この定番メニューをすべて覚えるのが、攻略のカギ。
定番メニューを作ると、「ごいっしょにポテトはいかがですか?」ということで、画面上にポテトのパネルが出現。
これをタップすると、お客さま全体へポテトの雨を降らせ、要求値を一気に下げることができます。
おもちゃでパワーアップ
お客様を数名、満足させるとステージクリア。運がよければ、“TOYSET”がゲットできます。
“TOYSET”を開けると、中からハッピーになりそうなおもちゃが登場。
おもちゃは単なるコレクションアイテムではなく、持ってるだけで“攻撃力アップ”などの効果が得られます。TOYSETは、ゲームクリア時や課金などで手に入るアイテム“ミラクルバーガー”を5個使って、手に入れることも可能。
また、ステージをクリアするごとに貯まるコインを使って、パティや、各種具材をパワーアップし、1度に与える満足度をググッとあげることもできます。
このレベルアップ要素により、パズルが苦手な方でもやり続ければ必ずクリアできるようになっていますので、ご安心を。
そんな、ユーザーに優しいパズルRPGを開発した、“クーガクリエイトの小川”さんにいろいろ聞いてみました。
Q1.まずは、簡単な自己紹介的なものをお願いします!
もともとはwebやDTPなどのデザイン業を行っていましたが、クライアントが大手一社に偏っていたのでつねに危機感を感じていました。切られたら終わりだなと。
そこで、自社開発で収入が得られるものはないかと真っ先に思いついたのがスマホアプリでした。
プログラムがまったくできないので、企画とデザインを行い外注先のプログラマーに指示を出すというフローで作っています。
2013年ごろからデザイン業の傍らで細々と作り始め、2014年から本腰を入れました。
いまはデザインの案件がほとんどなくなりましたが、アプリを作っていたおかげで職無し生活からは間逃れました。
Q2.webデザインからアプリに流れる方多いですね! 今作『バーガーバトラー』を作ろうと思ったきっかけは?
アプリ制作を始めたころは、個人開発者のミニゲームがランキング上位に上がることも珍しくなく、
「俺もミニゲームでがっぽり稼いで豪遊しよう!」
……なんて淡い期待を持っていくつかを出したものの、お小遣い程度しか稼げませんでした。
万人受けするミニゲームを作ってヒットさせるほどの才能も運もなさそうだったので、時間をかけて作り込んだもので勝負しようとシフトチェンジしました。
そんな思いで去年に出したのが『伝説の宿屋の伝説』というアプリ。見た目は8bit調で内容もしょぼそうなのですが、内部的にはかなり作り込みました。
それが功を奏してか、リリースから1年経ったいまでもストアランキングにしぶとく生き残っています。
以降はカジュアルゲームだけどわりと作りこんでいます的なゲームを主体に制作しています。
『バーガーバトラー』はそんなときに生まれた企画のひとつで、『Flow Free』という色つなぎゲームが発想のきっかけになりました。これを何か別のもので表現できないかなと。
始点と終点があって間に何かを挟むと考えたときに、ハンバーガー以外に思い浮かばなかったのでハンバーガーを題材にしました。キッズにもウケそうでしたし。
また、これまでハンバーガーを扱ったゲームは大抵横からのアングルのものが多かったので、真上から平面的に見せるのも斬新かなと思いました。
あとはよく情報をくれる“僕秩のヨシナガ”さんから「パズルRPGの原点になったアプリだからやっておいたほうがいい」と教えてもらったのが、
『Dungeon Raid』というアプリ。
自分は英語がさっぱりなので楽しさの半分も理解できなかったと思いますが、パズルとRPGの組み合わせかたはもちろん、剣と敵という別々のピースを繋げる部分や、徐々にパワーアップしていく部分はとても参考になりました。
『Flow Free』のルールだとゲーム性が弱いように感じていたので、『パズドラ』や『ダンジョンレイド』に代表されるパズルRPGの仕組みを取り入れて進めることにしました。
Q3.作成期間はどれぐらいですか? 苦労した点は?
企画に半月、デザインに半月、プログラムに2ヵ月、デバッグと調整で1ヵ月以上はかかったので、2名で合計4ヵ月ちょっとです。
動きをプログラマーに伝える際、参考になるようなものがあまりないので、主要な動きはFlashでサンプルムービーを作って細かな指示を出しています。苦労というか力を入れている部分です。
Q4.「ココをぜひ見てほしい!」というアピールポイントは?
チーズバーガーなどの実際のお店のメニューにあるようなハンバーガーを作ると、エフェクトが出て大ダメージが与えられます。さらに全体攻撃ができるポテトが出るので、これらを出したときの爽快感ですかね。
具材の出現比率をくり返し調整したので、適当にプレイしていてもメニューが出やすくなるような工夫をしています。
あと“モーニングバーガー”を作ると、ポテトではなく別の商品が登場しますので試してみてください。
Q5.ケチャップでなぞれる数が“6”なのですが、これは試行錯誤してでしょうか? なんとなくでしょうか?
ハンバーガーの具材をどのように消しても、つぎのターンで上のバンズから下のバンズに届く最大の最小値が“6”という数字なのですが、これでテストプレイしてみると、届きそうで届かなかったり、道筋をよーく考えるとうまく届いたりと絶妙なバランスだったので最初に決めた数字のままです。
直感的には挟める具材がやや少ないのですが、多くの具材を挟むことより、敵の好物属性を挟んだり、規定のバーガーを作ったほうが敵に与えるダメージが高いので、ユーザーにはそれを狙ってもらえればなという思惑です。
攻撃ターンの時間制限はつけていませんので、1ターンずつじっくり考えてプレイしてもらえればと思っています。
ちなみに終盤に登場する四天王を倒すと、なぞれる数字が増えていきますので「俺強えぇwww」モードも一応楽しめます。
でも爽快感はありますが何も考えずにいろいろと挟めちゃうのであまりおもしろくないんですよね……。
Q6.話にも出た“規定のバーガーを作るとポテトが出てきて使うと範囲攻撃”って流れがとても好きなんですが、このアイデアは当初からあったんですかね? 作っていて閃いた系ですかね?
アイデアの段階では決められたハンバーガーを作るゲームとして考えていたので、初期から構想にありました。
『バーガーバトラー』はコンボがないので、規定のバーガーが出た特典として全体攻撃のポテトを付けました。
ほら、リアルのお店でもセットで付いてきますし。
ポテトはRPGで言うところの魔法攻撃ですね。
具体的には某隕石魔法の“メテオ”をモチーフにしていて、開発中のコードネームは“ポテオ”でした。
天井から降ってくる動きもその辺を意識しています。
Q7.今度から「ポテオ!」って叫びながら遊びます! 開発者がこっそり教える、ぷち攻略法などあれば!
3戦目のボス戦は、だいたい複数の敵が現れるので、2戦目終了までにいかにポテトを集めておくかがポイントです。
ただし集めすぎるとポテトが邪魔でボス戦を前に力尽きてしまうこともあるのでご注意を。
Q8.たしかにポテト溜めすぎると邪魔なんですよね! キャラがとてもかわいのですが、ボツ画像なんかありますか?
デザイナーらしくラフスケッチと完成画像を送ります。
Q9.最後に何かひと言、よろしくお願いします!
現在は農場ゲームと脱出ゲームの新ジャンルのアプリ開発に挑戦中です。
どちらもかなりクセがありますが期待していてください!
“ハンバーガー作り”を、うまくパズルRPGというジャンルに落とし込んでおり、ニヤニヤしながら楽しく遊ぶことができます。
スマイル同様、0円で最後まで遊べますでの、空いた時間にぜひチャレンジしてみてください!
■あぷまがどっとねっと (あぷまが) 「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。 ※あぷまがへのアクセスはこちらから |
バーガーバトラー
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(一部有料アイテムあり)
- 対応機種
- iPhone、iPod touch、iPad、iOS 6.0 以上 Android 2.3 以上
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