【個人開発ゲームを斬る】『彼女は最後にそう言った』むせるほど泣けるアドベンチャーゲーム
2015-05-28 13:32 投稿
※毎日15時更新動画でも紹介!
【新作動画紹介】泣いちゃうからお前ら全員ハンカチ用意! 『彼女は最後にそう言った』
※チャンネル登録はこちら
クリアー後必ず誰かに教えたくなる
『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね(以下、ドブネズミ)』、『奴は四天王の中で最も金持ち(以下、四天王)』など、心揺さぶる良作無料ゲームをリリースし続けるSYUPRO-DXさんが新作アプリをリリースされたので、もちろん紹介させていただきます!
▼SYUPRO-DXのアプリレビュー
※【個人開発ゲームを斬る】『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』“内気な”勇者の成長物語
※【個人開発ゲームを斬る】『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』の開発陣が手掛けた新作
『彼女は最後にそう言った(以下、彼女は)』は、ドット絵の世界で楽しむアドベンチャーゲーム。
“ある1日”を何度もくり返し遊ぶことによって、“とある真実”が少しずつ明かされていきます。
死んだはずのナナミからの手紙
都会の学校へ進学し、4年ぶりに故郷へ戻ってきた主人公の“シンタロー”
8月14日。
それは、1年に1度の村祭りの日であり、シンタローの誕生日であり、そしてクラスメイトが遺体で発見された日。
夕方まで眠るシンタローを起こしに来た母親から、一通の手紙が手渡されます。
差出人は、同級生の“ナナミ”。
ナナミは、4年前の8月14日に、遺体で発見されたクラスメイトの名前。
「お祭の夜 展望台で待っています」
誰かのイタズラなのか? それとも、「祭りの日には死者が天狗のお面をつけてよみがえる」という村の言い伝えが現実に?
疑問を抱きつつ、シンタローはひとまず村祭りへ。
クラスメイトとの再会
久々のクラスメイトとの再会。
主人公シンタローは、ナナミの死後、その現実から目をそらすため、クラスメイトと距離を置き、何かから逃げるかのように村を捨て、都会の学校へ進学。
それでも変わらず受け入れてくれるクラスメイトたちに感謝しつつも、手紙のことが気になり、ひとり展望台へ。
タップ移動で、祭囃子の中をサクサクとストレスなく移動し、村の展望台へ。そこには“天狗のお面”をつけた人物が。
こいつが、手紙の主?
「祭りの日には死者が天狗のお面をつけてよみがえる」
言い伝えは、本当だったのか?
天狗のお面の人物は、何も話すことなく姿を消します。その後、しばらく待つも誰も現れず、ひとりで思い悩む、シンタロー。
そして、みずから前に進むため、ナナミが死んだ真相をハッキリとさせることを決意します。
それがどんな残酷な真実であろうとも。
8月14日がループしている……?
夜が開け、目覚めると、実家のベッドの上に。母親が起こしに来て、また手紙を渡されます。
「お祭の夜 展望台で待っています」
その後の母親との会話で、今日が8月14日、祭りの日であることが判明。
8月14日がループしている……?
夢か現実か、頭の整理ができぬまま、死の真相を知る為、まずはナナミの実家へ。
ナナミの母親や、兄のシュウイチに、ナナミの遺体発見当日、前日の足取りや、アリバイを聞き込んだり、気分はすっかり名探偵。
ひとつのことがらを質問すると、新たな質問が出てきて、4年前のナナミの行動が少しずつ繋がっていきます。
その日の記憶を取り戻すため
合言葉を言わないと会ってくれない、4年前の事件を担当した刑事。そして、シンタローとナナミの恩師との再会。ナナミが死んだ前日に行われた”夏期講習”。
ナナミの死から逃げたいためか、シンタローにはその日の記憶がまったくありません。シンタローはその日の記憶を取り戻すため、廃校となった中学校舎へ。
廃校の中から、4年前の”記憶のカケラ”をひとつずつ集めていくシンタロー。
そこで新たにふたりの“容疑者”が浮上。
●ナナミと交換日記をするほど親しかったふたつ下の後輩”サナ”。
●村を愛する想いが強く、少し暴力的なところがあるひとつ下の後輩”センゴク”。
廃校で4年前の記憶を一気に取り戻したシンタロー。物語もここから急展開を見せます。
ナナミはなぜ死んだのか?
ナナミはなぜ死んだのか? その疑いの目は、クラスメイトにも。みんな、それぞれの立場、それぞれの優しさ、そして自分の心を守るため、ウソをついています。
4度目の8月14日を迎えたシンタローに、もう迷いはありません。
それぞれのウソをひとつずつ破り、現れたシンジツを繋げていくと、ナナミの死について、あるひとつの結論が。
ナナミの死の真相が明らかになったあと、もうひとつの疑問が。
「祭りの日には死者が天狗のお面をつけてよみがえる」
この手紙は誰が何の目的でシンタローに届けたのか?
死者の魂?
誰かのイタズラ?
それともナナミ本人?
もうひとつの謎をとくため、シンタローは最後の8月14日に挑みます。
これ以上書いてしまうと、ついついネタバレしてしまいそうなんで、SYUPRO-DXの企画・シナリオ担当“横田”さんにいろいろ聞いて、〆させていただきます。
Q1.今作はこれまでの作品と雰囲気が変わってアドベンチャー色が強くなっているんですが、何か狙いがあるのでしょうか?
前作『四天王』を作り終わった後、今後どんなものを作ろうか?という話し合いをずっとしていたんです。
『四天王』はぼくらが心から作りたかった「スーパーファミコンやゲームボーイで発売されていたRPGに近い本格派RPG」だったのですが、構想含め制作期間が10ヵ月以上も掛かっているので、この規模のものを続けて作っていくのは難しいと感じました。
最後までプレイしてくださった方には概ね好評で、「無料RPGの最高傑作だ!」なんてうれしい言葉もいただいたんですが、最後までプレイしてくださった方が『ドブネズミ』に比べて圧倒的に少なかったんです。
それならば今度はもっと幅広い人たちに届くものを作ろうと思い、SYUPRO-DXらしさを失わずにシンプルな方向にシフトしていくことにしました。
もともと「RPGでいちばんおもしろいのって戦闘だよね」、「それなら戦闘だけのRPGを作ろう!」、で生まれたのが『ドブネズミ』だったので、それなら今度はどうしようか……と考えたとき「逆に戦闘なしのRPGを作るのはどうだ?」で生まれたのが、本作『彼女は最後にそう言った』です。
Q2.前作から半年ぐらいのリリースなんですが、今後もこれぐらいのペースになりそうですか? 今回はたまたまですか?
本当は4月頭にリリースする目標だったのですが、結局1ヵ月ズレてしまいました。
じつはいま“いろいろな企画”が水面下で動いているのですが、今後もこれくらいのペースでリリースできたらいいなと思っています。
Q3.“いろいろな企画”が楽しみです! ココは苦労した! ココは見てほしいという点は?
このゲームが、たった3人で作られているという点です。
まず音楽担当・“入間川幸成”の作ったゲーム音楽についてですが、『彼女は』の持つ雰囲気は彼の曲が決めたと言っても差し支えないと思います。入間川くんはSYUPRO-DXアプリの曲をずっと作ってくれていて、毎回「彼の曲がないと絶対ダメだ」と思っているんですが、今回はとくにそれを感じました。
システム面は、“浜中剛”が全部ひとりでやってくれました。
SYUPRO-DXのメンバーの中でコードが書けるのは彼だけなので、彼は『四天王』の時に作った“プログラムができない人でもゲームが作れる簡易RPGツクールみたいなもの”を今回さらにグレードアップさせて、BGMのフェードイン・フェードアウトができるようにしたり、イベントが発生しているキャラにフキダシが出るようにしたりなど、大量の機能を増強してくれました。結果、ゲーム中でさらに細かい演出をつけられるようになり、物語が伝わりやすくなりました。
ぼくの担当したシナリオ面に関して言うと“時間ループもの”はかなり制約が多いので大変でした。
たとえば「ループはいつ、どのタイミングで始まるのか」、「ループする期間はどれくらいなのか」、「ループしている原因はなんなのか」、「ループしている最中に主人公は何を感じ、どんな変化が生まれるのか」、「最終的に主人公はループから脱出できるのか」、「脱出できるとしたら、どのような方法で脱出するのか」などの細かな決めごとがあって、「朝目が覚めたら昨日と同じ一日が始まった」というように、ある一日がくり返す話もあれば、同じ10分間が何度もループして30年もくり返す話もあります。
主人公はループをポジティブにとらえているのか、ネガティブにとらえているのかによってもその後の展開は変わってきます。ポジティブにとらえていれば「ループが楽しいからこのままでいたい」とか、「ループを利用して何か目標を達成してやろう」というストーリーになるし、ネガティブにとらえているなら「なんとかループから脱出したい」とか、「抜け出す方法が何もない、もうおしまいだ」といって、自暴自棄になったりする展開にもなる……さて、どうしよう? どんな話にしよう? というのを決めるのに結構時間がかかりました。
3人ができることや得意なことだけをうまく抽出して混ぜ合わせた結果、こんなゲームになりました、という感じです。
Q4.「シナリオが泣ける!」と絶賛されているのですが、このアプリのための書き下ろしなんでしょうか? それとももともとあたためていた、すでに何かで発表していたものなんでしょうか?
書き下ろしです。
“山奥の村の不思議な祭の夜に、死んだ同級生から手紙がくるところから始まるループもの”というアイディア自体は、2年くらい前からありました。2年前に“びっくりすると過去に戻っちゃう体質を持った男が主人公のループもの”の脚本を書いたことがあって、そのときいっしょに出たアイデアの中のひとつを今回膨らませてみました。
Q5.単純にストーリーを追うのではなく、実績解除のサブシナリオが多数用意されているのですが、どういった狙いがあるのでしょうか?
いままでSYUPRO-DXのアプリには“実績制度”が導入されていなかったので、今回“実績を獲得して埋めていく楽しみ”に初挑戦したいと思いました。『ドブネズミ』も『四天王』もそうですが、基本的にクリアしたらやることがなくなってしまうので、このゲームを気に入ってくれたプレイヤーがもう少しだけゲーム内で楽しい時間を過ごせる要素を入れたかったのです。
サブシナリオは基本的に“村にいる誰かのお願いごとを聞く”という形で進行します。こういう形をとったのは「祭にはいろんな人が来るよなあ」、「祭独特の雰囲気ってあるよなあ」というのを前提に、サブシナリオで村人と交流することで村の雰囲気も楽しく伝わって、ゲーム世界の中に没入できるのではないかと思ったからです。
いまのところいちばん人気があるのは“問答イン天明寺”という実績です。お寺の住職が「問答」と称してクイズを5問出してくれるのですが、やっぱりみんなクイズ好きなんですね。ぼくも好きです。
Q6.開発者だけが知っている、隠しテクや、裏設定なんかありますか?
「初エンディングはトゥルーエンドじゃなくて、まだシナリオが続く」という点です。
初エンディングを迎えると開放される新たな章がありまして、その章の最後がトゥルーエンドです。
思いっきり内容に触れるのであまり詳しくは言えないのですが、クリアデータをセーブして、2周目のオープニングだけでもプレイしてください。「ある変化」が起こっています。
ちなみにトゥルーエンドを迎えると、ゲーム中で流れた音楽がいつでも聴ける“ジュークボックス”が開放されます。
Q7.まだまだリリースされたばかりですが、反響はどんなもんでしょうか?
「むせるほど泣いた」、「このアプリ小説にならないかな」、「音楽が最高」など、みなさんのあたたかいつぶやきを見て、手応えを感じています。
Q8.最近ずっとドット絵ですが、なにかこだわりが? これからもドット絵ですか?
「ドット絵が大好きだ!」というのがいちばんです。ちょっとノスタルジックで、想像をかきたてるドット絵が現時点で作れるぼくらのゲームにいちばん向いてる気がしています。
「ぼくらのスキルでいちばんまともに作れるグラフィックがドット絵だ!」というのが2番目です。このツートップの理由が強いので、ドット絵でいこうと思っています。
でも今後ぼくらがスキルアップしたり、いい出会いに恵まれたりした結果、ゲームにイラストが使えるようになったり、「3DCGのおもしろいアイデアを思いついた!」なんてことがあれば、それらを生かしたゲームを出す可能性は十分にあります。
Q9.最近ずっとガッツリ系なんですが、昔の一発ネタゲームみたいなのはもう作らないのでしょうか。
いえ! 一発ネタ系ももちろん作りたいです!
「いろんな方法やジャンルに挑戦したい!」という気持ちや「『ドブネズミ』や『四天王』でSYUPRO-DXを知ってくれたプレイヤーはつぎにどんなものを求めているんだろう?」という気持ち、そして「SYUPRO-DXが本当に得意なことってなんだろう?」というのを考えつつ、つぎの一手を決めています。
Q10.私は笑えるSYUPRO-DXさんも大好きです! 何かボツになったイラストやシステムなどありますか?
ぼくがシナリオを書くと毎回そうなんですが、ボツになったタイトルが大量にあります。
なので、『彼女は最後にそう言った』ボツタイトルの一部をご紹介します。
▼ 以下、ボツタイトルの一部
「待つ宵と帰る朝」「待宵少女」「待宵ガール」「まつよいボーイうたかたガール」「待宵彼女」「待宵ナイトメア」「待宵ループオブザデッド」「待宵の花」「マツヨイリターン」「まつよいセンチメンタル」「まつよいロマンチカ」「うたかたパラドックス」「うたかたロンリネス」「うたかたインサイド」「マツヨイナイトエスケイプ」「GIRL OF THE DEAD」「LOOP OF THE DEAD」「待宵に死者は戻る」「8月には帰ります」「うたかた夜明け前」「あの人を待つ宵」「彼女の終わりと夜明け前」「あさからばんまでのあいだ「あの子が最期にしたかったこと」「祭の夜の夢」「イエスタデイ・ワンス・モア」「君に明日がこなかった「ゼロに」「白い光のなかに」「遥かな空の果てまでも君は」「フェスティバループ」「ただいまを言うから」「ふしぎふかしぎ」「また夏に会いましょう」「花となるでしょう」「それよりぼくと踊りませんか」「待宵インビジブル」「ヨアケインビジブル」「ウタカタインビジブル」「祭の夜にはお面をつけて」「待宵の眠れぬ姫君」「いのち短し踊れよ乙女」「ボーイ・ミーツ・デッドガール」「August14」「不思議の村のマツリ」など
Q11.せっかくなんで、全部載せちゃいました! 最後に何かひと言、お願いします!
いま、さまざまな企画を検討しています。
プレイヤーの皆さんにまた楽しいお知らせができるようがんばっておりますので、今後ともSYUPRO-DXのことをよろしくお願いいたします!
本筋だけを追うなら1時間程度でクリアできる作品となっております。
人の死をテーマにするシナリオは、最後はモヤモヤした、よくわからない、どうとでもとれる感じで終わる作品が多いのですが、今作はスカッと気持ちよく仕上がっております。
“単発ドラマ”を楽しむような雰囲気で遊べますので、ふだんゲームをやらないという方にも、ぜひオススメしてあげてください!
※毎日15時更新動画でも紹介!
【新作動画紹介】泣いちゃうからお前ら全員ハンカチ用意! 『彼女は最後にそう言った』
※チャンネル登録はこちら
■あぷまがどっとねっと (あぷまが) 「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。 ※あぷまがへのアクセスはこちらから |
彼女は最後にそう言った
- メーカー
- SYUPRO-DX
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料
- 対応機種
- iPhone、iPod touch、iPad、iOS 6.0 以上 Android 3.0 以上
この記事のタグ
関連記事
この記事に関連した記事一覧
【個人開発ゲームを斬る】『はねろ!コイキング』の開発チームに“開発秘話”を聞いてみた
2017-06-28 18:45【個人開発ゲームを斬る】“駅”を育てて1日50万人が利用する巨大ステーションを作り上げるシミュレーション『えきっと!』
2017-05-29 15:18【個人開発ゲームを斬る】100万歳のババアが熱湯風呂に挑む脱出ゲーム『ババアの不思議なお薬』
2017-05-08 18:01【個人開発ゲームを斬る】『終わらない夕暮れに消えた君』口コミが止まらない泣けるADVゲーム再び
2017-04-17 17:28
最新記事
この記事と同じカテゴリの最新記事一覧
【配信開始】16人の仮面ライダーたちと紡ぐ育成アドベンチャーゲーム『ライドカメンズ』
2024-05-30 18:56【配信開始】旅がテーマのおもてなしアドベンチャー『18TRIP』が満を持して登場!
2024-05-23 16:06【配信開始】プリケツねこちゃんが魔物に突撃!イグニッション・エム新作RPG『プリケツにゃー!』
2024-04-08 17:35【配信開始】スマホで遊べる弾幕系シューティング『東方幻想エクリプス』登場!キャラクター別ストーリーも必見
2023-11-23 17:40【配信開始】新しい“にゅー製品”を生み出しゆる〜い牧場体験を楽しもう!マージ&放置ゲー『もーもー牧場』
2023-10-13 17:13