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【インタビュー】“伝説のタッグ”吉田明彦氏&崎元仁氏が語る『リトルノア』

2015-03-04 15:00 投稿

3人のキーマンが明かす開発裏話

『伝説のオウガバトル』や『ファイナルファンタジータクティクス』など、ヒットタイトルを手掛けてきた吉田明彦氏や崎元仁氏が制作に携わる和製リアルタイムストラテジー『リトルノア』。

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※『リトルノア』公式攻略wikiはこちら

配信を記念して開発のキーマンである上記のおふたりに、インタビューを敢行。お目付け役としてプロデューサーの岡田佑次氏に参加してもらい、こだわったポイントや開発裏話などをうかがってきた。

※インタビューは2014年1月23日に実施したものです。

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プロフィール

■写真左

サイデザイネイション 取締役

吉田明彦氏

アートディレクターとして『リトルノア』の絵作り全般に関わる。『タクティクスオウガ』、『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』、『ブレイブリーデフォルト』など多くのヒット作に関わる。

■写真右

ベイシスケイプ 代表取締役社長

崎元仁氏

サウンドコンポーザーとして『リトルノア』の楽曲を担当。代表作は『伝説のオウガバトル』、『ベイグラントストーリー』、『ファイナルファンタジーXII』など多数。吉田明彦氏とともに手がけたタイトルも多い。

■写真中

ブレイズゲームス 代表取締役

岡田佑次氏

『リトルノア』ではプロデューサーを務める。『ダービー×ダービー』、『戦国キングダム』など、数多くのソーシャルゲームの開発運営を手掛けた。

9年ぶりのタッグ

――おふたりが『リトルノア』に参加した経緯は何でしょう?

吉田 スクウェア・エニックスを退職してフリーになったあと、サイデザイネイションでお仕事をさせてもらっていたときに、サイゲームスの渡邊耕一社長に声をかけてもらったのがキッカケですね。「クォータービューのゲームを作ってみないか?」という話をいただいて、クォータービューのゲームは得意分野なので(笑)、スマホでクォータービューを作ったら楽しいんじゃないかと思って、参加させていただきました。

崎元 僕は「『リトルノア』みたいな世界観でシミュレーションゲームだったら崎元でしょう」みたいな流れから話がきたと聞いています。

――おふたりは家庭用ゲームでよくタッグを組まれていましたが、いっしょに仕事をされるのはいつ以来ですか?

崎元 『ファイナルファンタジーXII』だっけ?

吉田 ですかね?

岡田 『FFXII』は2006年3月の発売なので、9年ぶりということみたいですね。

吉田 なるほど。でも別に特別な思い入れは……。

崎元 ないですよね(笑)。久しぶりだなーという程度です。

吉田 自分がフリーになっていろいろな仕事ができる時期だったので、こういう巡り合わせがやってきたのだろうとは思っています。大作に関わると、何年間もそれ以外の仕事には携われなくなってしまいますから。

崎元 ゲーム開発者どうしって、そんなに頻繁に会うわけでもないんですよ。下手をすると何年ぶりという方もけっこういますし。ただ、お互いにそんなに遠く離れてしまったイメージもないですね。

――プライベートで連絡を取り合ったりもないんですか?

吉田 ほとんどやり取りがないですね。僕のLINEは『ツムツム』をひとりで遊んでいて、誰とも順位を競ってないですから。

全員 (笑)。

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――『ツムツム』の話が出ましたが、ふだんスマホのゲームで遊んだりされるんですか?

吉田 最近は『テラバトル』にハマっていますね。あとは『クラッシュオブクラン』もよく遊んでいます。

岡田 『クラクラ』は見たらけっこうビックリするようなレベルですもんね。

吉田 タウンホールレベル10くらいまで遊んでいて、ほとんど課金せずに1年以上やっていました。

――崎元さんも何か遊んでいますか?

崎元 ちょこちょこと遊んでいます。いまは『ウチ姫』や『テラバトル』などでしょうか。寝転がってできるのがやっぱりいいですよね。

吉田 もともと自分もレースゲームとか格闘ゲームみたいな短時間で終わるゲームのほうが好きなんです。あまり長い時間ゲームに時間を取れないですし。

――そうなんですか。でも作られているゲームは長く遊ぶやつばっかりですけど……?

全員 (笑)。

街の楽曲は3段階に変化

――家庭用ゲームの作りかたと『リトルノア』では、何か違う点などはありましたか?

吉田 自分が関わっている絵やCG、3Dだったり2Dだったりというところでは違いはありません。ないと断言できるくらいないです(笑)。

岡田 むしろ、そのままの作りかたで作っているゲームという感じですね。

吉田 プレイステーション1や2で培ってきた経験を活かして作っている印象かなぁ。そのころの経験といっても、いまはそれ以上の表現ができるので、そこは目新しいですね。解像度で言うとPS3やPS4のレベルのものを出せるんですけど、CPUだとリアルタイムのモデルならPS2の後半くらいのレベル、2DのものならPS3レベルといったところですね。

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――崎元さんは違う点はありましたか?

崎元 ゲーム作りという点では、スマートフォンだからとかはあまり意識していないですね。ただ、スピーカーが小さかったりするので、聴きやすいように全体的にシンプルにしたり、音の通りをよくしたりはしています。それは最後の最後に調整するっていうレベルです。

――音楽を作りに着手する際、実際のゲームを見てイメージを膨らませたりするのですか?

崎元 最初にキャラクターを何体か見せてもらいました。

吉田 画面はちゃんとしたものが、まだできていなかったですね。

崎元 音楽を作り始めるときってその程度でもあればマシなほうで、下手をすれば企画書もなくて熱く語って終わりみたいな場合もあります。でも最初の段階ではそれで十分だったりするんですけどね。

――ではどのように楽曲を作っていくんですか?

崎元 ゲーム中の曲というよりは世界観のバックグラウンドが連想できるような最初のテーマ曲を作ることが重要だと思うんですよね。だいたいの雰囲気をどういうところに持っていきたいのかだとかを最初に話します。『リトルノア』に関しては、最初に吉田さんから無機物っぽいものが活き活き動いている絵を見せてもらって、僕はファンタジアっぽいものを感じたんですよ。

ただ、そのままだと深刻すぎるので、全体的に怖い部分を排除してかわいらしくして、少し民族調に寄せてみたり。そういったことを最初に話させていただいたと思います。まあ、そう言ったところで聴いてみないとわからないと思うんですけど(笑)。まずテーマ曲を作り、それを中心にほかの曲を作っていくという作りかたですね。

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――その後、絵と音楽が合わさったものを見てどうでしたか?

崎元 最初に見たときは「方向性に間違いはなかったな」と思いました。たまに「やっぱり何か違うな」というタイトルもあって、途中で方針転換することもあるんですよ。ただ『リトルノア』はそういうのはなくて。曲をわりとかわいい路線にしたので大丈夫かなという若干の不安はありましたけど。

岡田 すごくいいなと思いましたよ。方舟の街の画面ではまったりした雰囲気で、バトルに入ったらほら貝が聴こえてきてテンションが上がるような形で。ボスバトルではシリアスな音楽を出したりとか、メリハリが利いている。あと、βテストではあまり気付かれなかったかもしれないのですが、コアシンボルのレベルを上げるとBGMが変化しまして。

――え、そうだったんですか!?

岡田 最初のころは楽しい曲だったのが、徐々に落ち着きのある雰囲気になったり、3段階くらい変化します。やっぱりレベルが上がっていくと街の雰囲気が全然異なってくるので、それに合わせて曲も変えましょうってなりました。

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▲音楽が変化していく街。どのように変化するのか、ぜひ実際に聴き比べてほしい。

こだわりのポイント

――お気に入りのキャラクターなどはいますか?

吉田 やっぱりノアかな。ノアはもともとナビゲーター役の女の子で、アニマの役割には別の3姉妹のキャラクターが据えられていたんです。3姉妹はキャラが立ちそうでいいなと考えてたんですが、プレイヤーとの絡みがないという話を聞いて、もったいないなと思ってたんです。それで、どうしようか考えたとき、ナビゲーター役とアニマの役割をいっしょにして、もっと前面に出そうということになりました。

――崎元さんはどうですか?

崎元 今日初めて見たんですけど、このツインテール(魔法使いネロ)の子がいいですね。あとは、初期のころに見せていただいた壁みたいなキャラクター(ブロッカ)が印象に残っています。

――以前、岡田さんにも話を聞いたのですが、ノアの特徴的な眼帯には何か裏設定や因縁めいたものがあるのですか?

吉田 とくにないんですけどねー。

全員 (笑)。

吉田 いえ、ないって言うのもアレなので……。スゴイ何かが隠されていると思いますよ!

岡田 今後の展開にご期待していただくということで(笑)。

吉田 まぁ実際は、ノーマルのノアをデザインしているときの話なんですけど、もともとマッドサイエンティスト的なキャラなので、何かギミックが欲しいなと思って右目を隠していました。そのときはいつも付けているとは決めていなかったんですが、アニマをデザインする際に共通デザインとして、右目を隠しておくのもいいかなと。

――ノアが金髪やちょっとむっちりしているのにも何か意味があるのですか?

吉田 金髪は……放っておくと金髪にしちゃうという僕のクセです(笑)。むっちりなのは14歳で食べ盛りだからかな? まあ、細身のキャラだと、頭身が低いユニットと同時に出したときに据わりが悪いというか、バランスが悪いからという理由もあります。顔がけっこう丸くて顎がないシルエットにしているのも、ゲーム中の小さなキャラたちと合わせた形だからですね。

――こだわった部分はどこですか?

吉田 いちばんこだわったのは方舟の盤面です。長時間見ることになる絵なので、ここに力を入れるべきだなと思ったんです。クオリティーを上げていくために、担当デザイナーにはすごくがんばってもらいました(笑)。キャラクターのデザインをしているので意外に思われることが多いんですが、どちらかと言うとバックグラウンドのほうが思い入れがありますね。

まったく何の機能のない場所も見飽きないために細かく作っていて、生活感みたいなものを出している部分は見てほしいですね。方舟は古い大戦で打ち捨てられた船を再利用しているというイメージなので、ボロボロの大砲を置いたりして朽ちている感じを出しています。プラモデルでもそうなんですが、ツルツルのキレイなものより、汚しとか傷がある処理が好きですよね。

――素朴な疑問なのですが、方舟を輪切りにすると中はどうなっているんですか?

吉田 土が詰まっていますw

――えっ!?

岡田 それを聞いたとき「大丈夫かな?」って思ったんですよね(笑)。いちおう何とでも対応できるように、ホームページ上ではここですべての生活がこなせる的なことが書いてあります。

吉田 まあ僕が勝手に思っているのですが、最初は方舟じゃなくて浮遊大陸という設定だったんですよ。でも、それだと絵的にほかのゲームとの差別化が難しいかなと思いまして。でも何で方舟に土があるのかって考えたとき、土の中でマナを生成して吸い出すとか勝手に理由付けして自分でそう納得していました(笑)。

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――では戦闘の楽曲についてお聞きします。ホラ貝が象徴的に使われていますが、こだわりだったりするのですか?

崎元 あれは開発中の戦闘画面を見させてもらって「これはもうホラ貝でしょう!」と思ったんですよ。

全員 (笑)。

崎元 今回、ホラ貝を吹いてくれているのはメタルバンド“オリンポス16闘神”の廣瀬さんという方なんです。初めて知ったのは別のメタルバンドのライブに助っ人で来ていたときなんですが、ふんどし一丁でホラ貝を吹いていて、とにかくインパクトがすごかったですね。

最初はプロのホラ貝奏者の方を探して見つけられず困っていたのですが、ライブのときのことを思い出して廣瀬さんにお願いしたという感じです。

――なかなかおもしろい経緯ですね。今後もBGMは増えていく予定ですか?

岡田 そうですね。イベントや大規模アップデートの際に追加していきたいと思っています。

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▲テンションが上がるバトルシーン。ホラ貝の音が聴こえたら、ふんどし一丁の姿が思い浮かぶ!?

修正を重ねて調整したUI

――プロデューサーとして、岡田さんがとくに気を付けた点などはありますか?

岡田 ユーザーインターフェースは、けっこう作り直しましたね。吉田さんにもいろいろとご意見をいただきました。

吉田 自分はUIは使い心地がいちばんだと思っています。デッキの編成画面にしても最初は現状のものよりも1層深い場所でキャラを選び、戻ると反映みたいな構造だったので手を加えました。スマホというとやはりドラッグ&ドロップで操作したいよね、というところです。初期の段階でかなり改修したので、そこですごく時間が掛かってしまいました。

岡田 見た目もごちゃごちゃしたグラデーションが混ざったUIだったんですけど、それも今風のフラットデザインみたいな形にして、さらにその後も1回手を入れて。キャラクターの絵を足したりして、見た目はガラッと変わりました。

吉田 何かに使うわけでもないのにデザイナーがかわいい絵を描いて持ってきてくれたりしたので、その絵を利用させてもらいました。

岡田 すごくシンプルに整っていて使いやすく、かわいらしいUIになったと思うので、そこには注目してほしいですね。ただいざプレイしていただいて便利な機能が付いているのに気づかれないことも多かったので、そのあたりは今後も調整を加えていきたいです。

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――そのほかに、吉田さんが気付かれて変えた部分は?

吉田 この世界のさまざまな現象をすべて錬金術に統一したほうがいいんじゃないか、という話をしました。初期の構想だと魔法があったり錬金術があったり、巨大なアニマという存在がいたり、設定が複雑になっていたのですが、それらすべてを錬金術ということにすればいいと。

そのおかげでノアが生まれましたし、アニマという存在もノアが錬金術で巨大化し、錬金術で魔法を使うみたいな感じにすべて繋がっていきました。この手のゲームはそれほどストーリーや設定を説明しないので、わかりやすいようにはなったんじゃないかと思います。

あとは方舟の全景が見えるまで画面を引けるようにしてもらいました(笑)。けっこうメモリを圧迫してキツかったんですけど、方舟の上にいるという雰囲気を感じてもらいたかったんです。

――そうだったんですね。

吉田 そのために周りは少し解像度を落としたりだとか、雲を使いまわしたりだとか、昔のゲームでやっていたメモリのやりくりみたいなことをして、方舟は全部見えるように死守した感じですね。

岡田 その部分はいちばん苦労しました(笑)。ゲームの作りかたがコンソールと変わらないと言ったのは、そういう部分も含めてですね。

――では最後に、ユーザーに向けてのメッセージをお願いします。

吉田 スマホのネイティブゲームを作ったのは今回が初めてだったんですが、いっしょに作ったのは元同僚だったり、気心の知れた人間が多くいてすごく楽しく制作できたと思います。楽しんで作ったときっていいものができると感じていますし、本当に自信作に仕上がっています。リリースまでもう少しですし、皆さん長く遊んでいただけるとうれしいです。

崎元 吉田さんがキャラクター以外のものも描いている作品って、最近あまり見ていなかったんですよ。だから僕自身もすごく興味を持ったんです。どんな風になるんだろうと思いながら自分でも球を投げてみて、できあがってきたものを見て、「それならこうしよう」と投げ返して。いろいろ考えながら作りました。僕もサービスインをすごく楽しみにしているので、皆さんいっしょに遊びましょう!

岡田 僕としては子供のころからの憧れのふたりと仕事をさせていただいて何も言うことはないんですけど。そのおふたりが楽しくできて、その結果、遊んでみたいゲームだって言っていただけてすごくうれしいですね。

ユーザーの皆さんといっしょに盛り上げていければと思いますので、ぜひ長く遊んでみてください。

――本日はありがとうございました!

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▲苦労して表示されることになった方舟全景。シールドが有効なときは、きちんと表示される。
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リトルノア

ジャンル
リアルタイムストラテジー
メーカー
ブレイズゲームス
配信日
iOS 6.0 以降/Android 4.0 以上
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS/Android

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