【個人開発ゲームを斬る】早くも出た2015年個人開発“ベストアプリ当確”『再生!カラカラ惑星』

2015-02-10 15:11 投稿

ポチポチ採掘がハマる

この連載を今年も1年続けさせていただけるならば、年末に“2015年版個人開発アプリベスト10”みたいなランキングを、生意気にも発表させていただくことになると思います。

▼2014年“個人開発ゲーム”ベストアプリランキング
⇒10位~6位
⇒5位~1位

今回は、まだまだ今年も始まったばかりですが、すでに“1位当確”と言っていいほどとんでもないゲームがリリースされたので、ご紹介させてください。

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▲カラッカラの砂漠をポチポチ緑化
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▲寂れた街を発展!

『再生!カラカラ惑星』は、惑星再生シミュレーションゲーム。


“神様見習い”となり、砂漠と化した惑星を少しずつ緑化・再生していき、蘇らせるのが目的です。

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▲女神様「テヘペロ」
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▲神殿のある村からスタート

「惑星を“春”にしたら、ポカポカ陽気でついうっかり寝ちゃって、気づいたら惑星全体がカラッカラになっちゃった♪」

という、女神様のうっかりミスを尻拭いをすることになった“神様見習い”があなた。

マス目状に分けられた惑星の土地を、1マス1マス丹精込めてタップして、少しずつ緑化していきましょう。

好きなところをランダムに緑化できるわけではなく、緑化したところと隣接している場所だけ、つまり繋がっているマスだけタップすることが可能。1マス緑化すると“スタミナ”を1つ消費し、スタミナは時間経過で回復。スタミナが続く限り緑化を続け、なくなったら放置して回復を待つ、この作業をひたすらくり返します。

緑化を進めていくと

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▲村発見!
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▲神様ありがとう! どういたしまして!

ポチポチと緑化を進めていくと、砂に埋もれた“村”を発見することがあります。

これもスタミナを消費して、ワンタップで再生しましょう。

するとそこの住民たちが、村で取れる“名産品”を貢ぎ物として、神殿に持ってきてくれるようになります。貢ぎ物はドンドン溜まっていき、机に乗り切らなくなると住民たちが引き返してしまうので、定期的に回収してあげましょう。

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▲フキダシはヘルプのサイン
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▲働きながら食べられるモノと言えば……

さらに緑化を進めていくと

さらに緑化を進めていくと、村より一回り大きな“街”を発見することがあります。

これもワンタップで再生。

街は村と違い、“発展”させることが可能。発展させるには、住人の悩みに耳を傾け、その悩みを解決してあげることができる“アイテム”を渡す必要があります。

そのアイテムとは、村や街から取れる名産品。

砂漠に埋もれた村や街を発見・再生し、神殿に名産品を献上してもらい、それを悩める子羊たちに分け与える。そんな神っぽい仕事を無事こなすと、街が発展し、新たな名産品を生み出せるようになります。

それを献上してもらい、別の街の悩める子羊に分け与える、それをくり返し、惑星全体を発展させていきます。

迷ったときは

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▲迷ったときは道にそって
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▲障害物を破壊

広大なマップに埋もれている街や村を見つけ出すのが、とりあえずの目標になるのですが、闇雲に探すのは困難を極めます。

マスをタップしていると“道”が繋がっていくので、とりあえずそれに沿って緑化していけば、だいたいの街や村を見つけることが可能です。

マップ上の“小さい岩”も破壊することが可能ですが、スタミナの消費量が増加。スタミナの最大値は、惑星を再生させていくことにより、神のレベルが上がり、増えていきます。

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▲にらみ合う猫とネズミ
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▲ランクアップ!

住民の悩みを聞いてあげたり、岩に閉じ込められた動物たちを助けたりしながら緑化を進め、エリアの“再生率”などが目標値を超えると、新たなエリアへ行くことが可能になります。

惑星は9つのエリアに

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▲アッツアツ!
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▲ヒエッヒエ!

惑星は9つのエリアに分けられており、火山のエリアや、氷山のエリアなど、思わず「カラカラちゃうやん!」と突っ込んでしまいたくなるエリアも用意されております。マグマや氷山は、通常の神の力だけでは破壊することができません。

能力解放

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▲遺跡発見!
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▲能力解放!

特殊な能力を得るためには、惑星のどこかに埋もれている“遺跡”を発掘する必要があります。

無事見つけ出し再生すると、遺跡の中に隠されていた能力が解放され、レベルアップ時に得られる“GP”を使って、その能力を修得することが可能です。

最終ステージは

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▲無理ゲー
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▲俺様つえええええ!!

最終ステージは岩が多すぎて、「どんだけスタミナあっても足りないよ!」なんて絶望したのですが、遺跡の力を解放することにより、少しのスタミナで大量の小岩を一気に破壊することができるようになります。

これが「俺様、神っ!!」って感じでたまりません。

ここまでくれば、惑星の完全再生まで、あと一息。

ヤリコミ要素

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▲ミッションをクリアせよ!
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▲天使の羽ゲット!

本筋を黙々と進めてもいいのですが、少し寄り道してヤリコミ要素に手を出すことにより、結果的に再生を早めることができたりします。

ヤリコミ要素のひとつが、各エリアに与えられた“ミッション”。

街や村の再生や、小岩を20個破壊などのミッションをクリアすると、スタミナを全回復させる課金アイテム“天使の羽”が手に入ります。ちなみに天使の羽は、惑星のどこかに埋もれている宝箱を発見することでも、ゲットすることが可能。

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▲絶望
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▲一気に破壊!

もうひとつのヤリコミ要素として、“祭り”が用意されております。

惑星のどこかに埋もれている“ヤシロ”を見つけ再生し、そこに特産品をお供えすることにより、惑星全体で祭りがワッショイワッショイと始まります。

祭りが行われている間、惑星全体の人口増加スピードが大幅にアップ。

お供えするものの組み合わせにより、祭りの種類が変わり、人口増加スピードが、2倍、3倍、4倍と変化。組み合わせのヒントは、惑星の人々の悩みを解決してあげることにより得られます。

そして、この人口増加のお祭りを利用してチャレンジしたのが、“女神様の試練”。

女神が定めた時間内に、人口を決められた人数分増やすと、ご褒美としてアイテム“女神様チャージ”を手に入れることができます。女神様チャージは、広範囲を一気に緑化できるので、道から外れた見つけにくい街や村を発見しやすくなります。

紹介したい要素がまだまだまだまだあるんですが、そろそろ〆切の時間となりましたので、このアプリを開発した“アソボックスの赤羽さん”にいろいろ聞いて〆させていただきます。

Q1.『再生!カラカラ惑星』を作ろうと思ったキッカケは?

とくに「これ」と言ったきっかけはなく、企画担当がいくつか出した案のうち、いちばんおもしろくなりそうだと感じたものを選びました。
また、前作『スライムの星』で“軽いものを短期間で作る”という方法があまり得意でないことがわかりましたので、今回は最初から大きめのボリュームでいこうと決めていました。

[関連記事]
※【個人開発ゲームを斬る】『スライムの星』全米が泣くかもしれないスライム出世物語

Q2.ボツになった企画案が気になります! 今作はとんでもないボリュームなんですが、開発期間はどれぐらいですか?

制作開始が去年の5月ごろで、完成が12月末です。
ただ、あいだに2ヵ月程度『王国の道具屋さん』の3DS版をはさみましたので、実質半年くらいですね。
※旧come-come cat名義でリリースした放置経営ゲームアプリ『王国の道具屋さん』が3DSに移植されました。

Q3.苦労したところや、こだわったところはどこですか?

大体の実装が終わり、最後の調整の段階で「もしかして……このゲームつまらない?」となったときがいちばん大変でした。何が問題なのかを話し合い、ひとつずつ対処していきました。具体的に例を挙げますと、

1. チュートリアル終了後、何をすればいいかわからない
→ 小さな目標を提示する”ラミィ★ミッション”

2. 序盤は1マスずつしか緑化できず、爽快感がない
→ 一気に広範囲を緑化できる“女神様チャージ”

3. 人口が増えてもあまり嬉しくない(ゲーム的な意味が薄い)
→ 人口増加を目標とする”女神様の試練”

という感じで、実は上記3つの要素は最後の1週間くらいで急遽実装したものです。最後の最後で大ピンチでしたが、結果的にいい感じにまとまったと思っています。

こだわった点は、”生きている感”の表現です。

マップに動物や人を配置したり、村や街ごとにミツギモノを持ってくるキャラを変えたりして、惑星が単なるデータではなく“そこに人々が生きている”と感じてもらえるようにしたつもりです。

Q4.ちまたでは「アクトレイザーっぽい雰囲気で楽しい!」というお話が出ておりますが、何かこういうゲームを意識した、目標にした、こういう雰囲気にしたかった、てのはありますか?

企画担当は『アクトレイザー』をやったことがないため、とくに意識はしていないと思います。
ただ、私(プログラマ)は『アクトレイザー』の街育成パートが大好きなので、実際作っていく段階でそれが影響したかもしれません。
また、未開のマップを少しずつ開拓していく楽しさは、SFCの『無人島物語』というゲームを意識しました。

Q5.今回デザインを外注に出されているようで、かなり気合が入っていると感じたんですが、何か思うところがあったのでしょうか?

以前からうちのアプリはビジュアル面が弱いと考えておりまして。

そろそろどうにかしなければ……と思っていたところ、『王国の道具屋さん』3DS版でデザインを担当してくださったトイストビーチ様と出会いました。うちのゲームの雰囲気にとても合っている可愛らしいデザインだったので、「ぜひアプリでもお願いします!」という感じで描いて頂きました。

Q6.そんな縁が! 泣く泣くボツにしたという画像なんかありますか?

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ナビキャラである“ラミィ”のデザインを決める際、“女の子向けアニメのマスコット的なキャラ”という指定でいくつか案を出していただきました。

最終的にC案を少し修正していまのラミィになりましたが、どれもかわいくてかなり迷いましたね。

Q7.個人的にはB案が好きです! まだまだリリースしたばかりですが、先行リリースしていたAndroidも含めた手ごたえや反応などはいかがでしょうか?

プレイしていただいた方の評判は、正直なところビックリするくらいいいです。今まで出したアプリの中で最高と言っていいほど好評をいただいています!
……が、ダウンロード数は相当厳しいですね。なにか手を打たないと、大赤字になりそうです。

Q8.Oh…開発者さんがこっそり教える、効率よく進める方法なんか教えて下さい!

大抵の村や街は道沿いにあるので、まずは道を再生していくのが基本ですね。
また、“女神様チャージ”は小さな障害物(岩とかマグマとか)を巻き込んで破壊できるので、それらが密集している場所で使うと効率がいいです。
ただし、障害物を破壊する際、女神様チャージよりも通常のタップのほうが経験値を多く貰えます。レベルアップ間近のときは意識するといいかもしれません。

Q9.ちょくちょく3DS版『王国の道具屋さん』の話を挟んでこられますが、こちらの評判とか反応とかどんなもんでしょうか?

おかげさまで“お手軽な経営系”として各所で好評をいただき、“ファミ通クロスレビュー”でシルバー殿堂もいただきました!

企画から調整までガッツリ関わっておりますので、こういった評価をいただけるととても嬉しいです。経営ゲーム好きの方はとくに楽しんでいただけると思いますので、ぜひニンテンドーeショップでダウンロード&遊んでみてください!

Q10.最近、リリースが約1年に1本ペースっぽいので、新作は来年でしょうか?

現在また大きめの新作を企画中です。全力で頑張れば(たぶん)夏前くらいに出せると思いますので、ご期待ください! そのときはまた特集お願いします!

Q11.夏までこの連載が続いているといいな! 最後に何かひとことお願いします!

『再生!カラカラ惑星』を遊んでみて気に入ったら、お友達にもオススメしていただけると嬉しいです! いまはかなり厳しい状況ですが、ダウンロード数次第では続編が出せるかもしれませんので、よろしくお願いします!

この連載恒例の、「遊んだ人はおもしろいと言ってくれるのに売れない」というお話を、またまたいただいてしまいました。

タップして惑星を塗りつぶしていく作業を、序盤から最後までまったく飽きさせることなく楽しませてくれるイベントの数々&ゲームバランスが、秀逸すぎて震えます。
冒頭にも申し上げましたが、『再生!カラカラ惑星』は今年度ナンバーワンと言っていいほどの完成度です。

「これ、このまま3DSに移植してもいいんじゃないか?」というぐらいの出来栄えですので、ぜひぜひ遊んでみてください。

3DSをお持ちの読者様は、3DS版『王国の道具屋さん』もあわせてよろしく御願いいたします。

■あぷまがどっとねっと
(あぷまが)

「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。


※あぷまがへのアクセスはこちらから

再生!カラカラ惑星

メーカー
asobox
配信日
配信中
価格
無料(有料アイテムあり)
対応機種
iPhone、iPod touch、iPad、iOS7.0以上 Android 2.3.3 以上

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