【スクープ】ポケラボ×セガネットワークスが協力バトル可能なタワーディフェンスを開発中
2015-01-29 12:00 投稿
2社共同開発のタイトルが“ポイっと”ベールを脱ぐ!
ポケラボとセガネットワークスが協力タッグを組み、最大4人でのリアルタイム協力バトルが可能なタワーディフェンスゲーム『ポイっとヒーロー』を開発中との知らせが飛び込んできた。
本作は、ステージに戦士や魔法使い、僧侶といったヒーローを配置し、迫り来る敵を迎撃するタワーディフェンスでありながら、最大4人同時に参加できるリアルタイムマルチプレイが楽しめるとのこと。
ファミ通Appでは、そんな気になるタイトルに関わった3人のキーマンにインタビューを実施。タッグを組んだ経緯や、本タイトルを生み出すのに苦労したこと、さらにゲームの詳細についても伺った。
(写真左)
グリー
執行役員 インフラストラクチャ本部長
梶原大輔氏(文中は梶原)
(写真中央)
ポケラボ
プロダクトマネージャー
麓俊介氏(文中は麓)
(写真右)
セガ
第一研究開発本部 チーフプロデューサー
新小田裕二氏(文中は新小田)
「ゲームクリエイターが考える企画じゃない」
――『ポイっとヒーロー』は、ポケラボとセガネットワークスの共同開発であり、グリーが技術協力を行ったとお聞きしました。まず、各社の役割を教えてください。
麓 ポケラボは、企画の立案とリリース後の運用を担当します。
新小田 セガネットワークスはグループとして取り組み、セガの第一研究開発本部が開発に参加しています。第一研究開発本部のスタッフはアーケードゲームを作っていまして、わりと戦略性の高いゲームを作るのが得意でして。
マルチプレイのタワーディフェンスゲームを作るのは初めての試みでしたので、麓さんの企画や構想を受けて、難易度やゲームバランスの調整をガッツリと見ています。
梶原 グリーとしましては、インフラ部分の構築や設計、運用を支援させていただいたという形で担当させてもらっています。
――共同開発は、今回初の試みになるのでしょうか?
麓 そうですね。そもそも弊社とセガさんは、『運命のクランバトル』で協業した後、弊社とセガネットワークスさんとでジョイントベンチャーの“SPG labo”(スマートデバイス領域における、ゲームの共同開発及び展開を行う合弁会社)を作ったことで関係性がより強まりました。
そういう関係性があったので、2013年頃から『ポイっとヒーロー』を共同で開発することになりました。協業案件である以上、お互いのいいところを組み合わせて、相乗効果を生み出したいと思っています。
――相乗効果は、どういったところで生まれていると感じていますか?
麓 じつは、ゲームの企画を初めてセガさんにお見せしたとき、「ゲームクリエイターが考える企画じゃない」と言われまして。
というのも、マルチプレイとタワーディフェンスはゲームとしては相反していて、それらを組み合わせるのはそもそも「企画の時点で破綻している」と……。
新小田 そこまでひどいこと言いましたっけ?(苦笑)
麓 ええ(笑)。当時は考えかたがいまよりも素人よりで生まれたアイデアかもしれませんが、ポケラボだけではアイデアが出てもゲームとして完成させることはできなかったと思います。
セガさんの開発能力、グリーさんのインフラの技術協力があって、初めて僕たちが考えたアイデアをゲームとして実現することができました。
――新小田さんは、麓さんの企画書を始めてみたときのことを覚えていますか?
新小田 そうですね。ぶっちゃけますと、タワーディフェンスでマルチプレイと言っても、どうやって形にするんだろうと思いました(笑)。
ただ、私個人としてもタワーディフェンスのゲームをいくつか開発しており、ソーシャル要素を入れたいと考えたことがあって。けっきょく対戦要素しか実現できませんでしたが、協力プレイもやってみたいという思いがありました。
当時は、はさみ将棋のようなルールを取り入れることまでは思いついていたのですが、それを具体的に実現するにいたらなくて。
――今回は、タワーディフェンスのマルチプレイに再挑戦するいい機会だったというわけですね。
新小田 そうなんですが、途中で収集がつかなくなってしまったんですよ(苦笑)。
麓 収集がつかなくて、途中でいちから開発し直しましたよね。「やっぱり破綻したー!」って(苦笑)。
非常につらい決断でしたが、リアルタイムでマルチプレイが遊べるタワーディフェンスを世の中に送り出したい一心で、あきらめずに開発を続けました。そのとき、セガさんが能力の高いスタッフを派遣してくれたおかげで問題が次々と解決していったのを覚えています。
新小田 あのときは本当にヤバイと思って。コアユーザー向けのアーケードゲームのバランス調整を行っている人間をどんどん送り込みました。
企画チームのトップ1、2のスタッフも投入して、一気に立て直したんですよ。そこでグッとゲームがおもしろくなったので、「これはいける!」と思いました。
麓 格段に変わりましたよね。
――開発が行き詰っていたとき、グリーさんとしてはどう思われていました?
梶原 開発には直接参加していないものの、スケジュールの遅れから苦労は感じていました。
とはいえ、ゲームの中身に関してはポケラボさんとセガさんを全面的に信頼していたので、不安はなかったです。実際に動くものを見せてもらったとき、協力側の我々も「これはいける!」と思いましたから(笑)。
「『チェインクロニクル』の時より開発が難しい」
――となると、皆さんそれぞれの立場で苦労されたことも多いのでは?
麓 協業ならではの苦労ですが、会社によって文化や開発の進め方などに違いがあります。それをお互いがきちんと理解したうえで作業を行うのは、やはりたいへんでしたね。
ですが、セガネットワークスさんと共同開発できたからこそ、リアルタイム・マルチプレイ型のタワーディフェンスゲームという意欲作を作ることができたと思っています。
――新小田さんはいかがでしょうか?
新小田 麓さんの情熱と無茶振りを、どうすれば実現させることができるのか。答えを見つけるのに苦労しましたね(笑)。
タワーディフェンスでは、兵種や敵の出現パターン、マップの形状など、いろいろな要素があります。そのうえ、どうすればうまくプレイできるのかがユーザー様に伝わらないと、何をやるゲームかわからないですし、マルチプレイをしても楽しめません。
ですから、複雑な情報をいかにしてうまくユーザーに伝えるか。……形にするまで、本当にたいへんでした。
――新小田さんは『チェインクロニクル』を手掛けられていますが、同じタワーディフェンスでも生みの苦しみはそれ以上だったと?
新小田 そうですね。『チェインクロニクル』もタワーディフェンス型のゲームですが、そもそもマルチプレイがありませんから。難易度調整やゲームバランスの調整は、『ポイっとヒーロー』のほうが格段に難しかったです。
ただ、セオリーにとらわれない無垢な麓さんのような発想がないと、新しいタイトルは生まれません。発想があって、それを実現させようと共同で努力した結果、生み出せたんだと思います。
――グリーさんは、インフラ設計を協力支援するうえでどうでした?
梶原 タワーディフェンスのリアルタイムマルチプレイということもあり、ローカルの開発環境では動くのに、本番環境ではうまくいかないと相談がありました。
トラブルが発生したときは、我々も知恵を出してなんとか乗り越えられましたが、やはりこれまでのゲームとは違った難しい内容に挑戦している、という印象を持ちました。
麓 セガさんだけでなく、グリーさんもフットワークがすごく軽くて。
サーバーにトラブルや課題が発見されると、翌日には支援スタッフを派遣してくれるんです。すぐにフォローに回ってくれるので、非常に頼もしかったですね。
新小田 それこそ、“ポイっと”派遣されるわけです。
一同 (笑)。
操作する気持ちよさから生まれた“ポイっと”
――ここからは、ゲームの具体的な内容についてお聞きしたいと思います。そもそも、なぜ本作のようなマルチプレイタイトルを作ろうと思ったのか教えてください。
麓 世の中にないものを作りたくて、注目していたリアルタイムのマルチプレイとタワーディフェンスを掛け合わせました。タワーディフェンスを選んだのは、戦略性の高いゲームが受けるんじゃないかと、当時考えたからです。
――まさに“ポイっ”とヒーローを配置したり、必殺技を放つ仕組みが特徴的ですが、このアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?
麓 “ポイっと”の原案は、最初に企画書を作ったときから入っています。
ただ、明確な名前はなくて、こう操作すると気持ちいいよね、という感じでした。それをもとにメンバーがアイデアを突き詰めてくれて、タイトルが『ポイっとヒーロー』になりました。
――“ポイっと必殺技”も最初から原型があったのでしょうか?
麓 いいえ。ポイっとする操作が気持ちいいとわかったタイミングでゲームを開発し直すことになりましたが、そのとき助っ人として参加してくれたセガのプランナーの方が生み出してくれました。
これ以外にもいくつかアイデアを出してくれて、どれもすばらしかったのですが、実際に遊んでみたとき、ポイっと必殺技がいちばんおもしろいと思い、選ばせていただきました。
ヒーローや必殺技の多様さはマルチプレイでも大満足のデキ
――ヒーローも気になりますが、サービス開始時にどれくらい登場する予定ですか?
麓 60人以上実装する予定です。サービスが始まると、毎月15人ずつ追加されていく予定でして、リリースから1年先を見据えたアイデアを考えています。
似たようなヒーローが登場することは、ほとんどないようにするつもりです。
――とはいえ、ポイっと必殺技はヒーローごとに違うということで、生み出すのはたいへんではないですか?
麓 確かに苦労していますが、ヒーローの差別化はセガさんと話し合ってしっかり行っています。
そもそも、多くのソーシャルゲームが完成したイラストをもとにステータスを設定しているのに対し、『ポイっとヒーロー』ではステータスをもとにイラストを作成し、バランス調整を行っています。
兵種も戦士、騎士、狩人、魔法使い、僧侶を用意していて、同じ兵種でもヒーローのステータスによって戦い方がガラリと変わります。
また、ソロでは5体のヒーローを操作できますが、マルチでもひとりのプライヤーが5体のヒーローを操作できるので、最大20体のヒーローと敵が入り乱れる白熱のバトルを体験してもらえると思います。
新小田 マルチプレイでは、いろいろなユーザーに対応できるように作っています。たとえば、防御力の高い騎士のヒーローがいる方であれば、自らのヒーローを前線に配置してみたり、ゲームに慣れていない方であれば、ポイっと必殺技によるサポートにまわったり……。
プレイスタイルやゲームの理解度に応じて、いろいろな遊び方が楽しめます。
MVPシステムなどにより生まれるコミュニケーション
――そのヒーローたちの成長要素は、どうなっていますか?
麓 一般的なソーシャルゲームのように、合成してレベルを上げて強化できます。また、同じヒーローを合成するとスキルのレベルが上がって効果が強力になるほか、進化させると見た目が変化したり、パッシブスキルが増えたりします。
ちなみに、進化段階はヒーローによって異なっていて、人気のあるヒーローは進化ツリーを増やしていくことも予定しています。
――マルチプレイでは協力プレイが主体のようですが、ほかのプレイヤーと競い合うような要素はありますか?
麓 競い合う要素は極力排除していますが、マルチプレイのときに一番ダメージを与えた人や、サポートした人がMVPに選ばれるシステムを導入しています。MVPに選ばれると経験値などが多くもらえるので、腕に自信のある方は狙ってみてください。
また、報酬はすべてのプレイヤーが入手できますが、入手できるアイテムは異なります。アイテム入手時に、ちょっとしたやり取りが生まれるといいなと思い、そのような形にしています。
――やり取りといえば、マルチプレイ時のコミュニケーション要素も教えてください。
麓 「ヨロシク」や「イイよ!」、「ピンチ」といったボイスをポイっと配置できるようにしています。
対面でのマルチプレイで遊んでもらいたいので、まずはこの3種類だけの実装になりますが、ネットワークを強化するときにユーザー様のニーズに応じて種類を増やしたりしたいと思います。
誰も遊んだことのないゲームの配信に向けて
――ところで、麓さんが着ているそのTシャツは……。
麓 これは、ゲームの魅力を伝える伝道師“ふもと”として活動するプロモーション用に作りました。
キャラクターの必殺技やステータス、イベントを考える現場の視点から、皆様にゲームの魅力をお伝えし、少しでも多くの方が『ポイっとヒーロー』を楽しんでいただけるようにがんばりたいと思います!
――ゲームの展開だけでなく、麓さんのプロモーション活動にも期待します! それでは梶原さんと新小田さんも、読者にメッセージをお願いします。
梶原 ポケラボさんとセガグループさんに、縁の下の力持ちとして支援させていただき、まったく新しいゲームを作るお手伝いができました。とにかくユーザーの皆さんが、みんなでわいわい楽しんでもらえるとうれしいです。
新小田 『チェインクロニクル』を開発したときと同じく、ゲームを愛するスタッフが本気で挑んだ自信作です。
開発する中で揉めたこともありましたが、それもユーザーの皆さんのもとへいいものを届けたいという一心からです。僕たちの思いが少しでも届くといいなと思います。
ポイっとヒーロー
- メーカー
- ポケラボ
- 配信日
- 配信未定
- 価格
- 基本無料(アイテム課金制)
- 対応機種
- iPhone、Android
- コピーライト
- (C)Pokelabo / (C)SEGA / (C)SEGA Networks All Rights Reserved.
- 備考
- ※画面は開発中のものです。
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