【個人開発ゲームを斬る】『スライムの野望』人間のお口に飛び込み体を乗っ取るスライムたちの野望とは?
2014-10-27 13:00 投稿
スライムが戦う
まずはこちらの画像をご覧くださいませ。
ファミ通Appをご覧いただいているゲーム好きの読者様なら、この1枚の画像を見ただけで「ああ、高低差を利用したタクティクスシミュレーションゲームね」と、ご理解いただけることでしょう。そうです。その通りでございます。
あなたが率いるのはスライム軍団。そう、さまざまなRPGのスタート地点に配置され、“棒”とか“素手”とかで殴られる、あのひ弱なスライムたちです。スライムだけでステージにいる人間たちを全滅させなければいけません。
「でも、強いスライムもいるんでしょ?」
いえ、いません。
いろんな種類のスライムたちがいますが、皆さん横並びで“弱小”です。では、どう戦うのか? 設定だけ見ると、無理ゲーorバカゲーな香りが漂ってくるんですが、じつは骨太な本格シミュレーションゲームをご紹介させていただきます!
ターン制で
ターン制でゲームは進みます。こっちが進んであっちが進んで、スライム軍と人間軍が接近し臨戦状態に。普通に戦ってはまず勝てません。ですので、隣接した人間の体を“乗っ取って”しまいましょう。
乗っ取り成功
“乗っ取り”に成功すると、乗っ取った人間をそのステージだけ自由に動かすことができます。
こちらは戦力が大幅にアップしますし、敵は丸々1キャラ分失うわけですから、戦力差が一気に縮まります。
スライムの数だけ人間を乗っ取ることができますので、“どの強さの人間を乗っ取るのか”が、攻略の大きなポイントとなります。
お山の頂上にいる、とても強そうな“アーマー騎士”。この方を是非乗っ取りたいのですが、キャラの頭上に表示される“乗っ取り成功確率”がわずか1%。世の中そんなに甘くありません。
諦めるのはまだ早い! スライムにはいろんな種類がいます。こちらのスライム、名は“ベタベタン”。人間に隣接し、“べたべた”攻撃をすると、相手の動きを封じ込めることができます。
“べたべた効果”で、アーマー騎士の“乗っ取り成功確率”が100%に! こうなれば勝ったも同然。他のスライムを隣接させ、乗っ取ってしまいましょう。ベタベタンとの“合わせ技一本!”という感じでしょうか。
ワープスライム
“ワープ”を使って、どこにでも行けるスライムもいます。狙った人間の側にあっという間に行けるんですが、乗っ取った後、周りの人間にボコボコにされてしまいますので、“乗っ取るタイミング”も非常に大切になってきます。
乗っ取りに成功すれば、それで終わるゲームではありません。乗っ取った人間を操り、残りの人間とバトルし全滅させましょう。人間には“属性”があります。“火は木に強いけど水に弱い”というお馴染みの3すくみのアレです。スライムにも属性があり、乗っ取る人間と同属性ならパワーアップしますので、そちらの組み合わせも積極的に狙っていきたいところ。
バトルに影響する項目は属性の他に、
●土地の高低差
高いほうが有利。
●アーチャーや魔法使いなどの射程距離
などがあります。
できるだけ有利な状況で先制攻撃を喰らわせましょう。
ステージクリア後に、新たなスライムが仲間になることがあります。ステージによっては確率次第でレアなスライムを手にいれることができますので、欲しいスライムがいるステージはクリア後も何度かチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
レベルアップ
バトルに参戦したスライムたちは、ステージ終了後経験値が手に入り、規定値に達するとレベルアップします。乗っ取るためには人間に近づかないといけません。その道中で、どうしても“一撃”喰らってしまうことがあります。その一撃で死んでしまっては元も子もありません。1HPでも残すことができれば、次のターンでその人間を乗っ取れるチャンスがでてきます。これだけで戦略の幅が大きく広がりますので、攻略が難しいと感じた時は、1つ前のステージでレベルアップして挑んでみるのもいいかもしれません。
その目的は?
スライムを率いて人間を倒すというゲームの流れなんですが、なぜスライムたちは立ち上がったのか? その目的、理由などは序盤一切明かされないまま物語は進んでいきます。ゲームをクリアすると、彼らの野望が明らかになることでしょう。
かなり頭を使うゲームです。チュートリアルでも油断すると軽く全滅してしまいます。少々疲れてきましたので休憩がてら、このアプリを開発された“アルタイルワークスの高橋”さんにイロイロと聞いてみました。
Q1.はじめまして!まずは簡単な自己紹介をお願いします!
コンシューマーゲームの会社で働いていましたが、コンシューマー作品の規模の肥大化と制作費の高騰と団体行動についていけず、プログラマーの高橋とデザイナーの松下で独立して立ち上げたブランドです。
初代PlayStation辺りからゲームの製作に携わっているので、二人ともそこそこなおっさんですね。
Q2.おー、元ゲーム会社の方ですか! さすがのクオリティです! 『スライムの野望』を作ろうと思ったキッカケは?
前作の『光速握手会』や前々作の『マオちゃん100万アクセル!』で、インパクト勝負というかネタゲームというか、そういったアプリを作った反動でいわゆる王道系のゲームがすごく作りたくなったんです。
なんというか、時代の流れに乗ろうというか、世の中のカジュアルゲームの流行りに便乗しようみたいなところが少なからずあったんですよねやっぱり。
でも、そういう狙い方をしても的にはそんなには当たらないぞと。まぁ当てられる人もいるんですけど、自分達はそういうの得意じゃないらしいと。
なのでもう狙うとか、こういうの受けそうとかから考えるんじゃなくて、単純に好きなもの作ろうと。得意なものを作ろうと。
って考えたときに、以前2人が一緒にシミュレーションRPGの製作に参加してたこともあって、あれ面白かったよね、またああいうの作りたいよねって話になりました。
ですので、最初はもっと王道なシミュレーションRPGにするつもりでした。スライムが口から入って人間を乗っ取るゲームになるとは思ってもいませんでした。
Q3.アルタイルワークスさんの作品は全部遊んでいるんですが、ジャンル、ゲーム性がいつも違うのはそういう理由だったんですね! いつもどのような感じで作りはじめるんですか?
基本2人で話し合ってですね。2人両方ともが乗り気にならない限りボツにします。でもまぁたった2人なんでそこは合意しやすいです。3人以上になると面倒くさいかもですね。
ゲーム性が違うのは特に狙っているわけではなくて、作ってるときの気分を変えたいだけかなぁと思います。なので次の新作はもう作り始めてるんですけどシミュレーションRPGではありません。もっとも、『スライムの野望』に関しては長く遊んでもらえるタイトルにしたいと思っているので、アップデートを並行してかつ長期スパンでやっていくつもりです。
Q4.お!? 早くも次の新作のお話が! 『スライムの野望』は、何名で、製作期間はどれぐらいでしょうか?
これまでのタイトル全てですが、全ての作業を2名でおこなっています。今回は互いに他社の作品の手伝いをしたりしていたので製作に1年程かかってしまいましたが、実作業的には半年程かと思います。
Q5.開発中、ここは苦労した!という点はありますか?
バランス調整はものすごく大変でした。リリース前の2ヶ月くらいはひたすらバランス調整のためのテストプレイをしていました。
シミュレーションRPGのバランス調整の場合、普通でしたら敵のレベルの調整で最後の調整ができるわけです。ですがこのゲームの場合、スライムで敵を乗っ取るとその敵のレベルを引き継ぐので、そういう単純な話にならないんですね。例えば、乗っ取りやすい敵のレベルを上げると、その敵を乗っ取ることさえできれば簡単になる。かといって、乗っ取れなかった場合は、逆に難しくなる。そういう、あちらを立てればこちらが立たず的なことが多くて調整が本当に大変でした。
でもそんな感じでずっとテストプレイしててもあまり苦ではなかったんで、多分このゲームは結構面白いんだと思います!(笑)
Q6.ここはチカラをいれた!ここを見て欲しい!というアピールポイントはどこでしょうか?
“メルメル”っていうスライムが人間キャラの装備を溶かすことができるのですが、そのときは許される範囲でちょっとだけムフフな姿になります。
Q7.“ムフフな姿!?”気になって早く先に進みたいので、攻略法や使えるキャラなど教えてほしいです!
序盤は自分がワープ出来る“ワープスライム”と、自分以外の誰かをワープさせることが出来る“テレポーター”の2匹が重宝すると思います。強力な敵が後方にいるが他の敵が邪魔になって近づけないといった場合、ワープしてそいつを乗っ取ってしまえば一気に形勢逆転です。
あとは“メタル色のスライム”が、防御力が高くて、なぜか人間に狙われやすいというどっかで聞いたような設定のキャラなのですがこいつを前線に出すとしばらく人間の攻撃を一手に引き受けてくれるので、その間に他の弱いスライムも敵に近づいて乗っ取り放題とか。
そんな感じで、スライムごとに色々な特徴を持たせているので、攻略の方法は紹介しきれないほど多数あります。色々見つけていって欲しいです。
あとこれが多分一番重要な攻略法だと思うのですが、バトルの途中で“これは勝てないかなー”と思ったら、PAUSEメニューの“バトルをやりなおす”で遠慮なく最初からやり直して欲しいですね。
簡単にバトルの最初からリトライできて、ペナルティも一切無しというシステムにしてありますので。タイトルに戻って編成しなおしても大丈夫です。その分難易度をちょっと高めに設定してありますが、そこは頑張ってください!
Q8.ムフフ画像が見たいので頑張ります! 開発者さんのお気に入り、または思い入れのあるキャラクターを教えて下さい!
魔法使いですね、初期に製作したキャラですが小さいサイズの中でうまくまとまったと思っています。
これを軸に以降の女性キャラがデザインされていきました(松下)
自分は商人が好きです。デザイナーが容赦なく某キャラをオマージュしたところも好きなのですが、乗っ取ると賄賂が使えるところが好きです。
賄賂で目が曇った敵が味方と戦ってるのを見ると、とてもいい気分になれます。
Q9.とても可愛いドット絵もウリのひとつと思うのですが、残念ながらボツになったキャラクターなど見せてもらえませんか?
これら3体は製作初期に製作しましたが、ドットの解像度が低い割に頭身が高くて、表情が出しづらく可愛くないのでボツとなりました。でも左のアマゾネスは、マッチョ女子愛好家のためにもアップデートで登場させるかもしれません。(松下)
Q10.マッチョ女子愛好家の皆様、ご期待くださいませ! それも含めた今後のバージョンアップの予定等は?
新キャラ、新エリアを増やしたものを遅くとも年内にはリリースするつもりです。そこでは敵として魔族も登場してくるのですが、その魔族はスライム同様に人間を乗っ取ることができます。人間の奪い合いっていうまた新しいゲーム性が出て来ています。楽しんでもらえると思います。
あとこれはまだ全く未定なのですが、難易度選択を追加したものをリリースする可能性もあります。EASYモードとHARDモードを加えるという感じでしょうか。ただこれはプレイしていただいた方の感想とかそのあたりを見ながらですね。
Q11.最後に何か一言よろしくお願いいたします!
最初はちょっと難しいと感じるかもしれませんが、色んな戦術を試していると、攻略しがいがどんどん出てくると思います。おそらく世界一プレイしているはずの私でも、最近テストプレイしていて“こんな手があったのかー、やばいあのステージ超簡単になっちゃう”なんて発見をすることがありましたし。あと、他社さんの作品のお手伝いをしなくても食べていけるようになりたいですね。
これほどクオリティが高く、どっぷりハマれるゲームをリリースしたのに食べていけない市場では、お先真っ暗です。面白いアプリがますますリリースされなくなってしまいます。
アルタイルワークスさんが自社開発ゲームだけに専念できるように、『スライムの野望』をお隣ご近所の方に是非教えてあげてください!
■あぷまがどっとねっと (あぷまが) 「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。 ※あぷまがへのアクセスはこちらから |
スライムの野望
- メーカー
- altairworks
- 価格
- 無料(アイテム課金制)
- 対応機種
- iPhone、iPod touch、iPad、iOS4.3以上 Android 2.3 以上
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