【インタビュー】『戦国炎舞 -KIZNA-』 サムザップ桑田社長に訊く1周年と今後の展望

2014-06-06 15:01 投稿

『戦国炎舞 -KIZNA-』1周年を迎えた桑田社長の想い

現在、戦国系スマホゲームの中で人気を集めている、サムザップのiOS、Android向けリアルタイムバトルRPG『戦国炎舞 -KIZNA-』(以下、『戦国炎舞』)。本作が配信から1周年を迎えたことを記念して、今回は『戦国炎舞』生みの親でもある、サムザップの桑田栄顕代表取締役社長へのインタビューを実施。アプリ発足の経緯や『戦国炎舞』に対する熱い想い、これからの展望について聞いた。

▲サムザップの桑田栄顕代表取締役社長。

『戦国炎舞』誕生のきっかけは社内のリアルタイムバトルブーム!?

――まずは、どのような経緯から『戦国炎舞』が生まれたのかお聞かせください。

桑田 ちょうど2年ほど前に、スマホアプリで1本ゲームを作ろう、という話があったんです。そこで何を作ろうかと考えていたとき、当時スマホ以外のブラウザゲームなどでもリアルタイムバトルのゲームが出てきていたころで。スマホアプリだとまだ数は少なかったのですが、開発の中にリアルタイムバトルのゲームにハマっているメンバーが結構多かったんですよ。そこで、ノウハウはないけど好きなメンバーがいるんだったらやってみようというところから企画が立ち上がりました。

――AppStore、GooglePlayの中には戦国を題材にしたゲームが多いですが、あえて戦国を題材に選んだ理由は?

桑田 戦国を題材にしたリアルタイムバトルがなかったという点が大きいですね。元々、我々は戦国のゲームを運用していましたし、戦国が好きなメンバーが何人かいましたので、「戦国とリアルタイムバトルを掛け合わせてみるのはいいかもね」ということになりました。

――現在も、iPhone、Android版ともにランキングのトップ10以内に入っていますが、それを維持するために何か力を入れているポイントはありますか?

桑田 プロモーションは国内でもかなりやっているほうだと思います。あとは、運用のスタンスでしょうか。

――どのようなスタンスなのでしょうか?

桑田 基本的に無課金でも遊べるようなゲーム設計にしたい、というところがありました。そして、課金せずに遊べると打ち出している以上、それなりに無課金でも遊べないと良くないなと思いまして。他のアプリでも人気作品はそういった運用でユーザーさんを惹きつけていますし、私自身も他のアプリを遊んでいてそれほど課金をすることはないんですよ。ただ、なかには課金してもっと遊びたいというユーザーさんもおられますので、そういった方には課金をしていただき、さらに楽しめるようなコンテンツも用意する。無課金でも長く遊べる設計とスタンスでやってます

それから、長い目線でサービスを継続していくようなやりかたをしています。オンラインゲームでは、10年以上運営している作品もありますよね。スマホゲームの市場ができてからまだ長くないですが、5~10年と続けていけるタイトルにできると良いなと思っています。なので、売り上げが厳しいから課金策を入れよう、という対処法はやらないようにしています。すべて無課金で遊べるように、というものが基本にあります。ですから、『戦国炎舞』はゲーム内で結構アイテムを配布しているほうだと思いますよ。

――確かに、ログインするとガチャ券がいっぱい手に入りますよね。

桑田 はい。それだけで十分強いカードが手に入ります。

――戦国とリアルタイムバトルを融合させたところや、無課金でも遊べるところが魅力になっていると思うのですが、その他に人気を博している理由はあるのでしょうか?

桑田 武将や智将のイラストは、他の戦国ゲームと比べてもかなり自信を持っています。いわゆる美麗系というやつですね。

▲『戦国炎舞』の人気を支える要素のひとつとして挙げられた、武将や智将のイラスト。

――桑田社長自身、イラストの監修やチェックをされたりもするのでしょうか?

桑田 最終的にリリース前に見ていますが、基本的にはアートディレクターに任せています。アートディレクターに優秀なメンバーがいるので、しっかりとしたクオリティーは保てているかなと。元々良い絵を作ろうという想いが土台にありますので、その基準が高いんです。

――サムザップとして『戦国炎舞』は2タイトル目ですが、当初これだけヒットすると思っていましたか?

桑田 たくさんのユーザーさんにプレイしていただけて、本当にうれしいですね。作品を作っている中核のメンバーが、リアルタイムバトルの仕組みや戦国というモチーフが好きなので、開発にも熱が入るだろうと思っていたので、大外れはしないだろうとは思っていました。ゲームシステムも世界観もチームメンバーにマッチしている。これなら大丈夫かな、という自信はありました。

――立ち上げ当初は何人で制作を?

桑田 10人ちょっとですね。社内でも優秀なメンバーを集め、社運をかけて臨みました(笑)。

――1年前に思い描かれていたような結果は出ていますか?

桑田 想定していたよりちょっと上くらいです。他のゲームもすごく盛り上がっているので、そういったところと比べると、やっぱりまだまだがんばらないといけませんが。戦国系のスマホアプリと言えば『戦国炎舞』がパッと出てくるぐらい、認知度を高めていければいいですね。

クリエイターだけどユーザー? プレイしているからこそ分かるユーザー目線の運営

――この1年間を振り返られて、『戦国炎舞』の人気が高まった要因はどこにあると考えておられますか? また、ターニングポイントのようなものはありましたか?

桑田 じつは、ターニングポイント的なものはあまりないんです。スマホアプリのゲームって、だいたい一気にグーンと伸びる時期があるのですが、『戦国炎舞』はそれがなくて(笑)。つねにジワジワ伸びているという感じです。それは先ほどもお話したように、リアルタイムバトルと戦国が好きなチームメンバーが集まったことや、基本的に無料でも楽しめるような運用で長く遊べるようにキープしてきたからだと思っています。チームメンバーもコアユーザーとしてゲームをプレイしているので、その目線で運営をしているという感じですかね。最近は「飲食店の経営に近い感じのやり方をしよう」と言っています。

――飲食店に近いとは?

桑田 メニューを増やしたり、セールをやってもしょうがない。同じ飲食店がいっぱい並んでいるとしたら、机が綺麗とか、接客態度が良いとか、そういうところを徹底した方がお客さんがまた来たくなるじゃないですか? なので、通信速度を速めるとか、UIをちょっと良くするとか、地道なところをコツコツとやっていくのが大事だよね、という話をしています。例えば、4月1日のエイプリルフールには、1日だけクエスト中の攻撃エフェクトを全部変えたりとかしたんですよ。チームメンバーから、そういうお祭りをやりたいという打診がありまして。別にそれは売り上げ施策でも何でもなくて、1日経ったらスパッと元に戻しちゃうんですけど(笑)。ただ、どんなものでもしっかり作り込む、というところを目標にしているんです。

――たった1日だけど、そこにかける本気みたいなものってユーザーさんは感じるところがありますよね。何か反応はありましたか?

桑田 ユーザーさんからは「面白いね」と言っていただけて、反応も良かったですね。

――開発の方々には、そういうユニークなことを考えられる方が多いのでしょうか?

桑田 そうですね。向こうからも意見がありますし、私から運用に口を出すこともあります。

――お互いに意見を出し合って良い相乗効果が生まれていると?

桑田 そうですね。

――ちなみに、サービス当初から変えられた、細かいポイントを具体的に教えていただいてもよろしいでしょうか?

桑田 通信速度はだいぶ改良していますが、いわゆるサクサク感は未だに追及しています。あとは、マッチングの対戦相手やオススメの連合など、システム的なところですが裏側でいろいろ試してますね。見えないところばかりやっています(笑)。

ほかには、イベントの内容でも、同じようなものをやる際には少しプラスするというか、必ず前回から何かしら変えるようにしています。1回そのイベントのルールを分かってもらったユーザーさんにそのまま続けて遊んでほしいけど、前回とまったく同じだと面白くない。だから少しは変えていこうという考えです。あとは、UIもかなり細かい点を日々変えているところが多いですね。また今もマイページを改修しようという話もありますし。常に何かしら改修してますね。もうリリース時から数えたら、キリがないぐらいです(笑)

――ユーザーが気付くか分からないけど、細かいところをどんどん変えているという?

桑田 例えばプレゼントを受け取ったら、もらったアイテムの隣にそのアイテムを使う導線を付けていたりとかしています。チケットでガチャを1枚1枚引くのが面倒くさいから、まとめて引けるようにしたりとか。

――でも、そういう細かい仕様は大事ですよね。その積み重ねがユーザーさんに支持を得ているのかもしれませんね。

桑田 要因としてはそうかもしれませんね。

――そのほかに大事にされていることはありますか?

桑田 感覚値ですかね。細かいデータより、「もっとこうだったら良いよね」という感覚の方が大事。作り手ではあるけれど、いちユーザーとしての視点で見ています。もちろん、ビジネスなので売り上げも見ますけど、大切なのは継続率とかアクセスしてくれてる数とかですかね。今の世の中、無料で遊べるものが多いので、まず選んでもらうことが難しいと思うんです。そこからさらに継続してくれるとなると、さらに難しいですから。

『戦国炎舞』がサービス2年目に突入! 1番大事なのは……

――『戦国炎舞』がサービス開始から1周年を迎えて、今のお気持ちはいかがですか?

桑田 純粋に嬉しいです。ものすごい数の中のアプリが出ている中、ユーザーから支持をいただきサービスを続けられたのは本当に大きく、ありがたいことだと思います。2年、3年と次を目指していきながら5~10年と長くサービスを続けていければ思います。

――ちなみに、これから『戦国炎舞』を始めようとしている方に対してアドバイスはありますか?

桑田 正直、簡単なゲームではないので、パズルゲームやクイズゲームに比べると難しいと思うんですよ。なので、取っつきにくい方だとは思うのですが、1回遊んでみるとハマる方が多いので、是非まずは手に取っていただきたいなと。どこでもスマホで楽しめるような仕組みは作ってありますので、他の人と協力しながら駆け引きをして勝ちに行くというところに楽しみを感じてもらえると良いですね。

▲ほかのプレイヤーと“連合”呼ばれる組織を結成し、仲間と協力しながらほかの連合とのバトルをくり広げる“合戦”。『戦国炎舞』でもっとも熱中できるバトルと言える。

――現在のダウンロード数はどのくらいなのでしょうか?

桑田 もうすぐ250万といったところでしょうか。内容はまだ明かせませんが、それに関連したキャンペーンなども考えておりますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

――アプリとしてはすごい数字ですね!

桑田 何万ダウンロードが目標ということはないですが、上には上がいますので、伸ばせるだけ伸ばしていきたいという気持ちはあります。

――ちなみに、ユーザーの男女比率というのは?

桑田 データとしては取れないですが、感覚的には女性も少なくないと思います。比率的には間違いなく男性の方が多いでしょうけど、偏りすぎている感じはないですね。ゲーム内の掲示板やTwitterでのやり取りを見ていても、女性が参加している印象はあります。

――これから2年目を迎えるにあたって、今後の『戦国炎舞』をどういった形で盛り上げていこうと考えておられますか?

桑田 コラボや新機能の追加など、やろうとしていることはいっぱいあるんです。ユーザーからのお問い合わせもありますので、その声を聞いて基本機能を改善したり。あと、チーム内のメンバーがユーザー感覚で見たときに「こういうのをやりたいよね」とか「もっとこういう風にしたいね」というところを大事にしていきたいですね。

――ちなみに、コラボに関しては戦国をテーマにした作品が多いですが、他のタイトルとのコラボなどは考えているのでしょうか?

桑田 いまのところは戦国系のみでやっています。世界観を大事にしているので、変な方向に行かないようにと思って運用してきました。ネタ的な派手さはないですが、比較的硬派というか、真面目な感じでやっています。

――これから先、『戦国炎舞』というIPがグッズ展開やアニメ化されるという構想はあるのでしょうか?

桑田 なしではないと思いますが、基本的にはアプリを楽しんでもらうことを前提にしています。ゲームがより盛り上がる内容であれば積極的に取り組んでいきたいです。

――最後に、『戦国炎舞』ファンのみなさまに向けてメッセージをお願いします。

桑田 まだまだ運営の中でもお客様にご迷惑をかけることが多く、ご要望もいただいておりますので、そこは常に改善中です。今後に向けていろんな取り組みを仕込んでおりますので、是非そこは楽しみにしていてください。『戦国炎舞』をより楽しんでいただけるよう、引き続きよろしくお願いします!

戦国炎舞 -KIZNA-

ジャンル
リアルタイムバトルRPG
メーカー
サムザップ
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 5.0 以降/Android 2.3 以上

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