【OGCレポート】徹底したデータ分析で見えたアプリマーケットのグローバル・トレンドの真実

2014-04-23 20:32 投稿
2014年4月23日、ブロードバンドコンテンツの総合カンファレンス“OGC 2014”が秋葉原のベルサール秋葉原にて開催された。今年もスマートフォンゲーム制作会社、SNSプラットフォーム運営会社などからさまざまな注目人物が講演を実施した。
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ここでは同イベントの講演のなかから、エレクトロニック・アーツ バイスプレジデント ジェネラルマネージャ牧田和也氏の講演“グローバルライブサービス時代へ”の模様をお届けする。
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牧田氏はエレクトロニック・アーツ カナダに入社後、『FIFA』シリーズ20タイトル以上に携わってきた経歴の持ち主。一番最初に手がけたという『FIFA サッカー』のパッケージをスクリーンに映しだすとこう述べた。
「このパッケージには日本の中田選手が描かれているんですが、全然似てないですよね? 日本人から見ると似てないんですが、驚いたことにカナダのスタッフの全員が似てると言うんです。そのときに、これがグローバルなものの作り方なんだろうなと痛感しました」(牧田)
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日本人に売れるには日本人が作るしかないと思った牧田氏は、急遽日本のスタッフにモデリングを依頼して作りなおしてもらい、そのおかげでゲーム内の中田選手のモデリングはよく似たものにできたのだそう。
これまでずっと『FIFA』全体の統括を行ってきた牧田氏だったが、前述したような”日本人が日本向けに作ること”を重要視し、実際に日本にくることを決めたとのことだ。
牧田氏が手がけてきた『FIFA』シリーズはすでに世界中で人気のサッカーゲームであり、『FIFA13』は1500万本という日本国内では到底お目にかかれない圧倒的な売上本数を達成している。実際にEAのビジネスの25%程度を担う主要なタイトルとなっている。
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EA自体は企業を買収するM&Aによって成長を遂げてきたのだが、そのメリットは買収先のリソースをすぐに使えることと説明。これにより、EAは多くの国にゲームスタジオを所有できているのだが、現在はモバイルのゲームスタジオの比率も非常に高くなっている。
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長く海外で働いてきた牧田氏から見た日本の印象はどうだったのだろうか。
「昔は任天堂さんを始めとする多くのゲーム会社が素晴らしいタイトルをリリースして、その上で技術を培ってきて、すごくいい流れを感じていました。ただ、最近は海外のゲーム会社のテクノロジーとスピード感に勢いを感じます。日本のソウルというか、優秀な技術者はたくさんいますので、そういう人といっしょに仕事をして海外の勢いに負けないようにしたいなと思います」(牧田)
牧田氏が開発者として心がけていることはふたつ。ひとつは長期的なビジョン、そしてもうひとつが3Pの徹底。長期的なビジョンの説明には『FIFA』シリーズを例に行われた。
サッカーゲームである『FIFA』シリーズは、世界36億人のサッカーファンが対象ユーザーとなる。そのため、それぞれの地域でどんなふうに楽しまれているか徹底的なリサーチを行うそうだ。「どんな遊び方がされているのか」、「どんなハードが適しているのか」、「1世帯あたりの収入はどうなのか」ということを調べつくしたうえで開発をスタートさせるのだ。
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それぞれの国に合わせたチューニングも必要になるという。例えばゲームの明るさひとつをとっても、一般的に日本のゲームは明るく、海外のゲームは暗めになっているのだが、それは欧米に多い青い瞳が眩しさに弱いからなのだそう。グローバルなタイトルはそこまで考えて作る必要があるのだ。
また、長く利用されるサービスに関しても検討する必要がある。『FIFA』ではゲーム内のオークションの様子をモバイルでチェックすることができる。そのため、朝起きてどんな状況になっているか確認し、通勤中にモバイルでプレイ、お昼休みにまた状況をチェックして、家に帰ったらコンソールでゆっくり楽しむというようにつねに『FIFA』に触れていることで、生活の一部としてもらえるようになったそうだ。
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ひとつめのPはプロセス(Process)。EAではゲーム開発のスケジュール構築に独自のシステムを取り入れており、それが機能することで納期の遅れなどは発生しないそうだ。予算やスケジュールの管理を行う人間と、企画やプランを練る人間を別にすることで、リスクを避けながら開発日に間に合わせることができるとのこと。
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ふたつ目のPは人(Person)。これはサッカー選手のアンリを例に取り説明。アンリはイタリアのユベントスに在籍していた時は左のウイングに起用されて3得点を上げただけだった。それがイングランドのアーセナルに移籍してからはセンターフォワードにコンバートされ、25得点で得点王を獲得し、大成功をおさめたそうだ。牧田氏はこのエピソードのように、ただ人を増やしたりするのではなく、その人がいちばん活きる環境に配置することが大事だと考えている。
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ここからはサラリーマンにとってちょっと羨ましい話。
牧田氏自身もそうだが、EAでは仕事とプライベートの両立を重視しているのだそう。そのため、トラブルなどのやむを得ないとき以外は極力残業や休日出勤を行わない方針で働いているそうだ。
さらに牧田氏は日本人のメンタリティにも言及。
「日本人はがんばることが好きですが、それは違うと思います。がんばって何とかするとかって言葉をよく聞きますが、がんばらなくてもいいようなシステムにすればがんばらなくてもやれるんです」(牧田)
何とも耳の痛い話ではあるがたしかにそのとおり。少々凹み気味の記者に追い打ちをかけたのが、EAの社内環境だ。
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そして3つ目のPとはプロダクト(Product)。
「いいプロセスといい人材が合わされば、いいプロダクトができるんです」(牧田)
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最後に、海外生活の長かった牧田氏が日本で暮らして驚いたことがあるという。それはタクシーのドアが開くこと、誰でもおいしいビールが注げる機械、そして清潔で機能性の高いトイレ。それらに日常的に触れている我々は気づかないが、それはとても素晴らしいものなのだと牧田氏は言う。
「日本は世界一優秀な人材が集まる国です。日本からグローバルなタイトルをもっと作り出していきましょう」と語りかけて講演を終了した。
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