【インタビュー】人気番組『逃走中』をスマホで体感! “静”を楽しむ新感覚アクションが今春配信

2014-04-22 11:30 投稿

『逃走中』がステルスアクションとなって今春配信

フジテレビの人気番組『逃走中』。挑戦者がハンターから逃げ続けるハラハラドキドキの展開と、逃げた時間に応じて賞金を手にできる刺激的な報酬、突如告げられる緊張感のあるミッションなど、番組の世界観をそのままにスマホゲーム化。タイトルも同じく『run for money 逃走中』として今春リリースされる。

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ジャンルはステルスアクション。プレイヤーは挑戦者のひとりとなり、”渋谷(都市)”、”テーマパーク(遊園地)”、”アラビアワールド(中近東風)”など、さまざまなエリアを舞台に、クロノス社が差し向けたハンターから身を隠しつつ、制限時間まで逃げ切り、仮想通貨“ルナ”の獲得を目指す。

今回は配信に先駆けて、『逃走中』企画担当で、フジテレビ編成制作局編成部主任の高瀬敦也氏と、アプリを開発したシステム・クリエートの代表取締役 嶋田明人氏にインタビューを実施。開発の経緯や本作の特徴について話を聞いた。

▲フジテレビ編成制作局編成部主任:髙瀨敦也氏(写真左)、システム・クリエート 代表取締役:嶋田明人氏(写真右)。

――『逃走中』をスマートフォンアプリで展開するという企画は、どちらから持ちかけた話なのでしょうか?

嶋田明人氏(以下、嶋田) 僕がもともと『逃走中』が大ファンで、ぜひスマートフォンでゲーム化したいと思い、フジテレビさんに企画を持っていったのがきっかけになります。

――初めてその企画を見たときの印象はいかがでしたか?

高瀬敦也(以下、高瀬) 私も、「どういった形にせよ、何かしらのタイミングでモバイル展開をしたい」と、ずっと考えていました。そんな中、ウチのゲームを作っている部署の人から「こんな企画が届いてるよ」と話が来たのです。それなら、まずは直接話を聞かせていただいて、そこから前向きにやりましょうという流れになりました。話してみないと分からない部分が多いですし、こちらの要望がどれだけ反映できるのかというところも気になりますから。

――ということは、監修をしただけでなく、企画の段階から一緒に作ってらっしゃったのですか?

高瀬 おおよそはそうですね。と言っても、嶋田さんたちが元から企画していたもので問題ないという部分もたくさんありました。

嶋田 まずゲームの骨子を僕たちが作っていきました。そこに高瀬さんが持つ世界観を合わせながら構成していったほうがおもしろいと思ったので、企画の段階から参画していただいて、進めてきいきました。

――『逃走中』はニンテンドー3DS(※)でも発売されヒットしていますが、スマートフォンというデバイスでリリースする上でこだわった部分はありますか?

嶋田 まず、番組の世界観やおもしろさをどう表現するかですね。そして、モバイルならではのネットワーク機能を使って、随時アップデートをしながら長く遊んでもらえるような変化を加えるという部分。それと、これは先々の話にはなりますが、オンライン要素を入れて遊べるようにするといった部分にはこだわりを持っています。

――番組の世界観やおもしろさを表現するとのことですが、具体的にアプリでどのように再現されているのでしょうか?

嶋田 まだまだ作りこんでいる部分になるのですが、まずは、決められた時間内を逃げ延びるというのが一番の目的になります。ゲームが始まると、ヨーイドンで各自散っていくことになります。そして、散り散りになったあとで、プレイヤーに色々な選択を迫るような作りにしています。たとえば、逃げるべきか隠れるべきか、ミッションを受けるべきか、スルーすべきかといった選択を、番組さながらの雰囲気の中で行っていきます。

――制限時間いっぱいまで隠れ続けることも可能なのですか?

嶋田 ハンターに見つからないすごくいい隠れ場所を見つけて、隠れるという選択をしてしまうと、ただじっと動かないでいるだけになってしまい、ゲームとしてのおもしろさに欠けてしまいます。ですので、そこはミッションなどを使って、緊張感を持って遊べるようにしています。隠れている中で、どのようなミッションが発生するのか? そして、どのようなミッションならこなせるのかという判断を、プレイヤーにしていただくことになるわけです。このゲームはつねに走り回るようなものではなく、ハラハラドキドキしながら、隠れることを楽しむものにしたいのです。ですので、隠れている間にも「○○○が捕まった」ですとか、「△△△のおかげでミッションが達成された」といった情報をヘッドアップに表示して、動きが止まっている間も臨場感を高める仕組みを実装しました。

――『逃走中』の雰囲気だけでなく、ゲーム性も再現しているのですね。

嶋田 そうですね。じっと隠れていると、ひとりでプレイをしているような感覚が生まれてしまいますが、この情報によって周囲に人がいるということを体感できるようになっています。あとは、隠れている間に、ハンターに追われている人を目撃できたりとか、そういったドキドキを生む要素も用意しています。

――高瀬さんからは、開発にどのような要望を出されたのでしょうか?

高瀬 ゲーム化をしたいという思いは、番組の企画当初からありました。というよりも、その過程はあるべきだと思って番組の構成やブランディングをしてきたのです。というのも、テレビに限らず、映像コンテンツすべてに言えることなのですが、そのコンテンツを見ているときに、「俺だったらこうするのに」とか「俺だったらこうしたい」とか、そういった前のめりな考えを持つことってありますよね? 私がゲームをやっていたときもそのようなことを思っていたのですが、同じような考えを持ちながらテレビを見ている人はたくさんいると思います。そういう意味でいうと、テレビでやっている映像コンテンツに自分が参加できないということは、ストレスに繋がっちゃうんですよね。でも、そのストレスを、ゲームでテレビの疑似体験をすることで発散できるというのは、すごく健全なことだと思うのです。ですから、ゲーム化を考えに置いて動いていたのですが、なかなかそこに乗っかって動いてくれるところがなくて。いろいろあったんですよ(笑)。

――当初からゲーム化を視野に入れて動いていたわけですね。その第1弾がニンテンドー3DSで発売された『逃走中 史上最強のハンターたちからにげきれ!』になると。

高瀬 結果としてバンダイナムコゲームスさんが乗っかってくれて、ゲーム化をした感じです。ニンテンドー3DSで発売された『逃走中』は、比較的年齢層の低い方にも受けて、かなりよく作っていただきました。それで、つぎの展開として、もう少し年齢層が高めの層にもアプローチがしたくて。そんな中、嶋田さんからお話をいただいたので、こちらからはミドルエイジにも刺さるものを作りたいという要望を出させていただきました。具体的には、鬼ごっこ的な楽しみは多分に含みつつも、大人だからこそ楽しめる人間模様だとか隠れるハラハラ感を演出したいという要望ですね。ニンテンドー3DS版では“動”の『逃走中』が楽しめるコンテンツなので、スマートフォン版は“静”を楽しめる『逃走中』にしたい。ですから、さきほど嶋田さんがおっしゃっていたNPCの動向報告や隠れるというゲーム性を堪能する、そういった精神性を楽しむという点にこだわろうね、というワガママを出させていただいています。

――本作の第1報が流れた2013年9月から今回の続報が発表されるまで半年近くが経過していますが、そうした要望を反映させるために必要な期間だったということでしょうか?

嶋田 じつはゲームを一度ゼロから作り直しているんです。それで第1報から期間が空いてしまったわけですが、この期間の延長は、よりよいものを作るために必要な工程ですから、特に大きな問題があったとか、そういうことではありません。

高瀬 ただ、私が途中途中で無理を申し上げてしまったというのは事実です(笑)。ですから、それを苦労しながらも反映してくれているんだなぁというのは、強く感じています。

嶋田 2013年の6月下旬頃からプログラムを作り始めていたのですが、その当時のゲーム性は、街を歩いて様子を見つつ、チェイスになったら『Temple Run』のようなランゲームに切り替わるというものでした。ただ、それだとやはり“静”を楽しむことにはなりませんし、隠れる楽しさというのもありません。そこで、街をしっかり作りなおして、ゲーム性もいちから構築し直していきました。妥協が含まれた中途半端なものは出せませんから。いいものを作りたい。

高瀬 まぁ、まとめると私のせいですよ(笑)。

――(笑)。それだけこだわったということですよね。ところで、ゲームと番組が連動をして、何かをするということはあるのでしょうか?

高瀬 何を指して連動というのかは難しいところですが、幸か不幸か番組自体はまだ終わっていなくて、新しい発想が今でも随時追加されています。スマートフォン版では、番組に反映できなかったことやひとりでずっと構想をしていたイベントなどを反映させているので、そこを連動と見るならば、めちゃめちゃ連動したものになっています。ただ、スマートフォンゲームはパッケージゲームと違ってアップデートができるので、番組で新たに追加されたイベントをゲームに反映させることもできると思います。

――今回のタイトルはiOS、Android同時リリースですか?

嶋田 そうですね。それと、英語圏に向けてもリリースする予定です。

高瀬 ありがたいことに、一部の国では『逃走中』の認知があるので、そこに向けてのリリースを想定しています。不変性のある遊びですからね。じつは、『Numer0n』というアプリもリリースしています。本当は世界に向けて配信して、世界レベルで対戦をしたかったんですよね。いろいろあって実現はできませんでしたけど。今はそれができるように動いているので、もしかしたら世界を相手に対戦ができるようになるかもしれません

――それは楽しみですね。今でもリクエストは出してらっしゃるのですか?

高瀬 出してますよ(笑)。たぶん、これまでで一番色々聞いていただいていると思います。『逃走中』は、これまでにゲームになったりなんだかんだやってる番組なのですが、いろいろな事情で実現できないこともたくさんありました。とりあえず「こういうのがいいと思うよ」とか「自分がプレイヤーだったら、こうしたほうがうれしいと思う」と言うだけ言って、それができるかできないかの判断は嶋田さんにお願いしている形です。

――ちなみに、目標としているダウンロード数は?

嶋田 一応、初月30万はいきたいと思っています。

――春に配信とのことですが、今の開発状況はどれくらいでしょうか?

嶋田 妥当かどうかはわかりませんが、7~8割くらいだと思います。まずは番組の世界観をしっかりと再現したいと思っているので、世界観を構成するエリアを作って、それだけでアクションゲームとしておもしろいかどうかのテストをずっと行っている状態です。そこから、NPCの動きの微調整をしたり、アングル調整をしたり、ミッションのシナリオを作ったりといった感じです。ただ、このシナリオがどれだけ膨らむかによって、さきほど言った7~8割できているという言葉は崩れてしまうのですが(笑)。シナリオはあとから乗せることもできますが、ベースは簡単に変えられませんからね。それに、ベースがおもしろくなければ、上に何を乗せてもおもしろくない。ですので、今はシナリオを入れない状態で、ステルスアクションとしてのベースの調整を行っています。

――リリースに向けて追い込みをかけているところなんですね。

嶋田 そうですね(笑)。2014年春までには、こだわりをすべて詰め込んだものをリリースする予定です!

――配信楽しみにしています。ありがとうございました。

※ 『逃走中 史上最強のハンターたちからにげきれ!』。バンダイナムコゲームスから2012年7月5日に発売されたアクションゲーム。

run for money 逃走中

ジャンル
アクション
メーカー
フジテレビジョン
配信日
2014年5月
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS、Android

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