【新作】『勇者』シリーズ最新作『100TURN勇者』は試行錯誤が楽しすぎてやめどきがわからない

2014-01-17 12:04 投稿

今度の勇者は一方的に攻撃し続ける!?

PSP(プレイステーション・ポータブル)向けソフト『勇者30』の開発に携わり、スマゲで『百人勇者』、『GUN SPIRITS』、『ピヨピヨクエスト』を開発した、吉田浩太郎氏の最新作『100TURN勇者』(100円[税込])が配信された。さっそくプレイしてみたので、ゲームシステムとともにそのインプレッションをお届けしよう。

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まずは基本システムの確認

『100TURN勇者』の目的は、敵が動けないでいる100ターン以内にボスモンスターを倒すこと。プレイヤーは最大3つの武器を使いわけ、進行ルートや攻撃順などを工夫しながらボスを撃破するために行動する。

▲移動は画面のどこでもいいのでスワイプして行い、攻撃は武器マークをタップで行う。移動はなかなかスムーズ。攻撃が敵にヒットすると1ターン消費する。空振りや移動ではターン消費はしないのでご安心を。
▲道中でレベルが上がれば、攻撃力もアップする。当然敵を倒すのにターン数を消費するため、どれくらいまでレベルを上げればよいかを探るのが重要なステージもある。ちなみに、勇者のレベルはステージをクリアーすると1に戻ってしまう。

また、攻撃以外の要素としては、マップの中に“店”があることがある。店では、ステージ内で入手できるゴールド(敵を倒したときのほか、王様や村人からもらえる)で武器の攻撃範囲を広げる“覚醒”や、食べ物を購入してステータスアップが可能。店での行動もターン数には含まれないため、ゴールドが貯まったら積極的に店を利用したい。ただし、複数の店がある場合は、どの店を先に利用するかも重要となってくる。自分の武器と相談して判断していこう。

ステージクリアーのカギは武器のチョイスにあり

各ステージをプレイする以外の要素としては、武器の強化が挙げられる。武器には“こうげきりょく”、“チャージりつ”、“ガードけずり”の3つのステータスがあり、それぞれの効果は以下の通り。

こうげきりょく
敵に与えるダメージに影響
チャージりつ
必殺技の発動スピードに影響
ガードけずり
敵の防御力を下げる効果に影響

これらの項目を、“ジュエル”を使ってレベルアップさせられる。ただし、強化回数は武器によって決まっており、ステータスの低い武器を育てて最後まで使い続けるということは難しいのだが、これには理由がある。

じつは武器には、それぞれ異なる攻撃範囲が設定されており、前に射程の長い武器、射程は短いけど“こうげきりょく”の高い武器など、じつにさまざまなバリエーションが用意されている。なかには後ろや横への攻撃が得意な武器もあったりする。しかも、攻撃範囲内でも攻撃力の高低があり、すべてのの敵に与えるダメージが均等とは限らない。これらを、最大3つという所持制限枠内で検討し、ステージの特性に合わせて使い分ける戦略性が本作のポイントなのだ。

攻撃範囲まで強化できないとはいえ、ひとつの武器を再現なく強くできてしまうと、この戦略性が失われてしまうことになる。ちなみに筆者は、ロングレンジ系と高威力系をデフォルトで装備し、残る1枠を後述のスキルやステージによって使い分けている。

▲射程が長く、クセの少ないロングランスは多くのステージでお世話になるはず。ちなみに、赤い部分(この場合一番奥)がもっとも与えるダメージが大きい。
▲変わった射程のスピンアクスだが、敵の群れをかき分けて進むときには効果的。一撃でたくさんの敵を倒せれば、レベルアップも早くできるからだ。

また、武器にはスキルがついていることもある。スキルは、武器によってつくことがある固有の能力だ(最大5つまでつくようなのだが、現状確認できたのはふたつまで)。ステータスをアップさせるもの(こうげきりょく+2など)や、特定の種族に対して有効なもの(“うみキラー”など)などがある。

▲強化にかかるお金は、現在のレベルよりも武器のレベルが低ければ半額になる。通常料金での強化は結構な出費になるので、とくに序盤は無理をしないほうがいいだろう。

試行錯誤が苦じゃないのは良作の証拠

システムはじつにシンプルで、とっつきやすいことは間違いない。序盤はサクサク進んでお手軽度は120%。だが、それまでに強化した武器では歯が立たないステージが出てきてからは、やり込み度がググッと上がってくる。いわゆる“マラソン”で武器集めとその強化に奔走したり、3つの武器の選択や使い分け、道中のルート選択、勇者のレベルの上げかたなどに、ああでもないこうでもないと悩み出すのだ。

ただ、クリアーできないステージも、「あれがこうなったらいけるんじゃないか」というわずかな隙を残してくれているから、そういう作業も苦じゃなくなる。これがどうにもならない壁だったら、そこでやめてしまう人も多いのではないだろうか。クリアーまで続けたいと思わせてくれるバランス調整は評価したいポイントだ。

▲担当ライター、編集共に鬼門だと口を揃えて言うのがステージ19。長い道のりをいかに効率よく進むのか、武器の強化もそうだけど、工夫が必要となってくる。
▲あと全然関係ないけど、この女勇者がいい性格してるんだ。つい知ったかぶりしてしまうところが妙にかわいい(笑)! このへんのユニークなキャラ設定は吉田氏ならでは。

また、とっつきやすい思考タイプながら、やり込みもあるということで『GUN SPIRITS』と『ピヨピヨクエスト』を足して2で割ったようなゲームとも言える。少なくとも吉田氏のファンは躊躇なくダウンロードしてオッケーということ。同氏の代名詞的タイトルとも言える『勇者』シリーズを思う存分楽しんでほしい。

100TURN勇者

ジャンル
シミュレーションRPG
メーカー
リッターズ
配信日
配信中
価格
100円(一部アイテム課金あり)
対応機種
iOS4.3以降、iPhone 4S 以降

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