むくむく人気上昇中の『みっちりねこみっくす』の誕生秘話を聞いてきた!

2014-01-11 10:00 投稿

ファミ通Appで平日毎日連載中の4コマコミック『みっちりねこ』と、ゆるかわまったり系ゲームアプリ『みっちりねこみっくす』&『みっちりねこみっくす2』は、プライズ景品のぬいぐるみになったり、Twitterアイコンになったり、スピンアウトした『みっちりねこ だっしゅ!』Google Playの「2014年の注目ゲーム」に選ばれたりと、、むくむく人気上昇中。いろんなところにみちみち出没する不思議なねこっぽいキャラクターがどのように生まれたのか、また今後どのような展開が待っているのか、開発元のDCアーカイブズ内にあるキャラクターチーム、『みっちりカンパニー』に取材を試みた!!

▲佐藤(左):『みっちりねこ』事業全体のプロデューサー。荒谷(右):『みっちりねこ』アプリ開発とデザイン全般のディレクター。

●『みっちりねこ』はどのようにして生まれたのですか?

佐藤 もともと弊社では、事業として著名なキャラクターを使ったデジタルコンテンツのデザイン制作を中心に、企業様のマスコットキャラクターのデザイン制作なども手がけていました。それを長年継続する中でノウハウもたまっていき、次のステージへのステップアップとしてやはり自社独自の、オリジナルのキャラクターを作ろう、ということになったことがきっかけです。社内的にも、「オリジナルキャラクターで新たなビジネスを目指す!」という流れを少しずつ作りはじめました。

荒谷 社内では、新たにチャレンジする新事業のため、いろいろな意見もありましたが、現場のスタッフ、とくにデザイン部門には絵を描くことが得意なスタッフが多かったので、プロジェクトに対しては非常に前向きに取り組むことができました。キャラクターを考えてイラストを描くことは、今までの仕事とは大きく違い、自ら発想し創り出す難しさや楽しさという、新たな発見もあったようです。

佐藤 しかし、デジタルコンテンツ作りやキャラクターデザインのノウハウがあるとはいっても、自社でオリジナルキャラクターを作って展開するといことは初めてです。初期のアイデアを出す段階で、広く受け入れられるキャラクター、好まれるキャラクターとはどういうものか、ネットで”しっかりとした調査”を行いました。

それで、”猫”が一番受け入れられやすいという結果が出まして、「”猫”でオリジナルキャラクターを作る!」と決めました。しかし、初めてのビジネスということもあり、猫以外の様々なジャンルのキャラクターもあわせて作ることにしました。

社内デザイン部門の全員でキャラクターをデザインしラフ案含めると100種類以上は作りました。その中からどのデザインをどのように選ぶかが難しかったのですが、全員で投票を行って決定したので、プロジェクトのスタッフみんなが納得できました。

荒谷 このときの候補には、現在の『みっちりねこ』以外にもいろいろなキャラクターデザインがありましたが、「みちみちに詰まっている」というところが新しいテイストだと新鮮に感じられ『みっちりねこ』に決まりました。

それで、ケータイコンテンツの企業さんと仕事をしていたこともあり、また制作に慣れているということもあって、最初は”ケータイマチウケ”を制作したのです。これが『みっちりねこ』のデビュー(2011年5月)です。

これが思ったよりもダウンロード数が多かったんです。1年くらいはダウンロードで上位にランキングしていました。

▲『みっちりねこ』はケータイマチウケでデビュー!

●最初はガラケーのマチウケだったんですね。その流れでスマホアプリを制作しようと決めたのですか?

佐藤 ケータイマチウケである程度の評価をいただけたので、一歩進める段階になりましたが、最初からスマホアプリに決めていたわけではありません。『みっちりねこ』のマチウケ実績の紹介資料のほかにもいろいろなデザインサンプルを作って、さまざまなところを回りました。そのなかでエンターブレインさんのファミ通関係の部署で「いい!」と言っていただき、Web連載の4コマコミックの提案を受けました。

社内的にはオリジナルキャラクターでの新規ビジネスは、新たなチャレンジとなるため、いろいろな意見もありましたが、外部からのいい評価をもらえたこともあり、一歩前に踏み出すことができました。このときはまだ4コマはできていなかったんですが。それで2012年の9月からファミ通.com上で4コマの連載が始まったんです。

『みっちりねこ』4コマの第1回。今では連載300回超に!

これと同時期に、やはりケータイの次はスマホのアプリにしたい、という希望もありまして、「ファミ通.comでコミックを連載するのなら、スマホアプリはやっぱりゲーム!」ということで、ゲームの開発を始めました。ある意味、必然的ですね。

●ゲームアプリの制作には苦労されたと聞きましたが。

荒谷 スマートフォンについては、ゲームアプリ開発の経験がなかったんです。それで社内のWebサイト作りなどをやっているスタッフのひとりにゲームアプリの開発の相談をしまして。

そこでそのスタッフが「難しいです」と答えたら、外部に依頼することを考えていたんですが、そのスタッフが「できると思います」と予想外の答えだったんです。それでそのスタッフが知り合いのプログラマーにいろいろと教わりながら、基本的にひとりで作っていったのです。

そんなわけで、最初から「難しいことはやらない」と決めて、最初の企画の段階で、ある種類のねこを10匹ずつ合成すると新種が生まれるという基本のアイデアは決まっていましたが、じつは合成に使うねこの数によって生まれる新種の確率を変えたりしたかったんです。でも、それはそのときには難しくて……。その後、細部については作りながら少しずつ変えたりして、今の形になったんです。

▲これが『みっちりねこ』を生み出す”みっちりカンパニー”の観測支部(仕事場)だ!

●そこまでして作ったアプリが、なぜ完全無料なのでしょう?

佐藤 アプリはもともと『みっちりねこ』というキャラクター、コンテンツを広めるためのものと考えています。ゲーム専門の会社ではないので、課金システムやサーバの問題などもありましたが、このアプリで『みっちりねこ』の認知度をアップさせて、その後のキャラクタービジネスに広げていければ、という考えです。

●初めてゲームアプリをリリースしてみていかがでしたか?

荒谷 最初の、Android版(β版)のリリースは2012年12月でした。初めはダウンロード数もそこそこだったんですが、年明けから急激に伸びていきました。もう、何倍にも! それと同時にファンの声も多くなりました。一番多かったのが、「みっちりねこ、かわいい!」、だから「もっとねこの種類を増やしてほしい」という声でした。

こちらも、アップデートしたいとは正月明けくらいに考えていたので、「どうせ種類を増やすなら一気に倍くらいに増やしちゃおう!」と。新種を考えるデザイナーは大変だけど……。それで2月にはAndroid版を「正式版」にアップデートしまして、ちょっと遅れてiPhone版の正式版をリリースできました。β版では20種+シークレット3種のそれぞれ亜種がいるので約100種類でしたが、それが一気に200種類近くになりました。

その後も細かい修正などを行いつつ、4月にはプロモーションビデオ『みっちりねこマーチ』を公開して、アプリのアップデートではその中の音楽隊のキャラクターを追加しました。これで約250種類くらいまで増えています。

●すでにアプリを展開したあとに、なぜプロモーションビデオ『みっちりねこマーチ』を作ったのですか?

荒谷 ゲーム専業の会社ではないため、スタッフは『みっちりねこみっくす』の仕事ばかりやっているわけにはいきませんので、頻繁にアップデートすることはできません。しかし、せっかく広まってきた『みっちりねこ』の勢いは止めたくない、プロモーションは続けたい。それで開発のスタッフ抜きでできることを考えたんです。

もともと『みっちりねこみっくす』の「音楽がいい」というファンの声もあったので、この音楽–ゲーム中では40秒ほどなんですが、それを3分くらいにして動画も作ろう!と。Flashの動画ならデザイナーだけで作れるということでプロモーションビデオ『みっちりねこマーチ』の制作が決まりました。


▲これがプロモーションビデオ『みっちりねこマーチ』。そのメロディーには中毒性がありますw

●もう再生200万回近いですね。

荒谷 公開当初は、当たりまえですがアプリや4コマコミックのページから飛んでくる方が多かったようですが、5月くらいからなぜか北米からのアクセスが急激に増えまして一気に再生数が増えました。

●5月にPVに登場するキャラクターが入った”音楽隊の日記”が追加されたあと、7月にはもう『みっちりねこみっくす2』の制作を発表していますね。

荒谷 本当は『2』ではなくて『1.5』くらいのつもりだったんです。「ビンの中にねこを入れる」ということは気に入っていたので、これは残すことに決めていました。そのうえで新機能を考えることになりました。そのひとつが”バイオリズム”です。ねこの”機嫌”によって合成の確率などが変わるというような機能です。

それと、ファンの要望で追加したのが”ポイント交換”です。『みっちりねこみっくす』では、特定のねこを特定の数だけ集めて”壁紙”や”ビン”を”購入”していたのですが、ファンの方から「せっかく増やした自分の好きなねこをアイテムに換えるのはしのびない」という意見をいただきまして。『2』の”ポイント交換”では決まったねこではなく、ユーザーがねこを選んでアイテムを”購入”するためのポイントと交換できるようにしました。

●『2』では”観察日記”のなかに、各ねこの解説がなくなってしまいました。あの説明文が楽しかったのですが。

荒谷 ”観察日記”の説明文は、インターフェイスが複雑になることとスペースがないということでなくしました。でも、これはダメでしたね。ファンから怒られましたかといって、もうそれを入れるスペースはないし……。

そこで、ボタンだけを付けてリンクで外部に飛ばすことを考えました。このとき、『みっちりねこマーチ』のPVの評判がよかったので、どうせなら動画にしよう、と決めました。ただ、キャラクター24匹分の動画を作るのが大変だったんですが……。
『みっちりねこみっくす』では、合成で生み出したねこしか説明が見られなかったのですが、『2』ではYouTubeに置いてあるので、合成していなくても見られるようになっています。『みっちりねこマーチ』を見た人が関連動画として『2』のキャラの動画を見に来て、そこからアプリのダウンロードページや4コマを見に行ったりと、いろいろな流れができたのがよかったですね。

▲『みっちりねこみくす2』では各ねこのプロフィールはYouTubeで見るように変更。

●『2』の今後のアップデート予定を教えてください。

荒谷 まだはっきりは言えませんが、春くらいには新しい日記(キャラクター)を追加したいと思っています。

●アプリ2本のほかにもいろいろな展開をしています(4コマ、ファンブック、スマホケース&シール、プライズ(ぬいぐるみ)などなど)。これらの、アプリ以外の商品の今後の予定はいかがですか?

佐藤 12月にローソンで限定グッズ(ステーショナリーセット)を販売したのですが、ファンの方々のおかげで早々に売り切れてしまいました。近いところでは、1月中旬頃にプライズの第2弾が発売になります。

▲プライズキーチェーン/ぬいぐるみやスマホシールなどのグッズも続々登場!

●個人的には、公式ブログ「くろねこ団ひみつ基地」にいる”ちくちくニャー”が気になっているんですが、商品化されませんか?

佐藤 「『みっちりねこ』の立体物がほしい、ぬいぐるみも売りたい」と考えたんですが、試作品をプロに頼むと高いですよね。それで社内で得意なスタッフに羊毛フェルトで作ってもらったんです。いつの間にか、こんなにたくさんになってしまったそうです……。1体作るのに2時間くらいかかるようですが、いつか”ちくちくニャー製作ワークショップ”ができたらよいなと思ってます。

▲増え続ける手作り羊毛フェルト人形の”ちくちくニャー”。もっとちくニャーを見たい方は“くろねこ団ひみつ基地”へ!

今後についてですが、昨秋にヤマハミュージックメディアさんから『みっちりねこ だっしゅ!』というゲームアプリを出していただきまして、これでまた『みっちりねこ』のファン層、認知度がアップしました。ちょっと今はまだ公表できないのですが、そのほかにもいろいろな商品化の話が進んでいます。3月くらいになればいろいろと発表できると思います。これからもスマホを起点にどんどん展開・拡大していきますので、ファンの皆さん、ぜひ期待してください!

みっちりねこみっくす2

メーカー
DCアーカイブズ
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iOS 4.3 以降、Android 2.2以降

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