【新作情報】大学生ユニット”超水道”の新作!優しい気持ちで読み進めたいノベル『佐倉ユウナの上京』

2013-11-14 17:29 投稿

Web連載から誕生したノベルアプリ

本日(11月14日)よりApp Storeで配信がはじまった『佐倉ユウナの上京・上』は、大学生の創作サークル”超水道”が手掛けるノベルアプリの最新作。もともとはWebで連載されていた”佐倉ユウナの上京・春”と、”佐倉ユウナの上京・夏”をひとつにまとめ、演出を大幅に強化してアプリ化したもの。”佐倉ユウナの上京・秋”と”佐倉ユウナの上京・冬”は現在“ノベルスフィア”にて連載中で、それらを1本にまとめた『佐倉ユウナの上京・下』は、来年初頭のリリースを予定しているとのこと。

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超水道らしからぬ純粋なストーリー

『佐倉ユウナの上京・上』は、東京の大学に通う主人公のタカシが、後輩である佐倉ユウナと再会するシーンからはじまる。ふたりとも九州の福岡の出身。タカシは1年前からひとりで上京し、大学に通っている。一方のユウナは、タカシが通う大学への受験に失敗。来年こそはと胸に誓い、予備校に通うために上京してきた。

物語はタカシの主観で語られていくが、時折ユウナの日記が挿入され、彼女の心情が伺われる。そして全80分にも及ぶという、物語を彩る23曲の楽曲と、28枚ものイラスト。ともすればSFチックで、『ボツネタ通りのキミとボク』に代表されるような、不可思議なストーリー展開が多かった超水道にあって、ストレートな恋愛ストーリーが展開されそうな予感。なにはともあれ、序盤のストーリーを遊んで(読んで)みた。

画面をタップするのが愛おしくなる

アプリを起動すると、まずは丁寧なチュートリアルがはじまる。物語の読み進めかたにはじまり、シオリの挟みかたや、一度読んだ場所に遡って読む方法など必要十分なもの。実際に物語を読み進めていて驚くのは、画面の文字表示だ。スマホに内蔵された一般的な文字フォントではなく、ペン習字のような、手書き感覚が溢れる文字で綴られていく。

物語は縦書きの文章となっているが、ユウナの日記では背景がノートに代わり、横書きの女の子らしい筆跡となる。こんな細やかな演出がとても自然に施され、画面をタップしながら物語を読み進めるという行為自体が、とても愛おしい。ふとした瞬間に演奏されるピアノによるBGMを聴き逃さないためにも、ヘッドホンはマル必のアプリといえる。

個人的に、紙の書籍を読む楽しさを否定するつもりはサラサラないが、その紙の書籍を液晶画面に映し出しただけの電子書籍というものに味気なさを感じていたのも事実。そんな中、超水道がリリースしてきたノベルアプリと称されるジャンルは、紙の書籍とは違った魅力に溢れたものだった。デジタルならではの利点を徹底的に活かした演出は、これまでの読書体験とは確実に違う驚きと喜びをもたらしてくれる。活字中毒の人にこそ、『佐倉ユウナの上京・上』を読んでもらいたい。

佐倉ユウナの上京・上

メーカー
超水道
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 4.3 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 iPhone 5 用に最適化済み

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