iOS7が発表 新たに追加された主要機能を紹介

2013-06-11 05:00 投稿

 

●新端末の発表はないが、新OSの発表はアリ!
 日本時間6月11日午前2時、アップルの開発者向けカンファレンス、WWDC 2013が開催された。同カンファレンスは、過去に新型iPhoneを始めとする新端末を発表してきている。そのため、今回のカンファレンスでも、新端末が発表されるのではないかと期待を膨らませていたユーザーが多くいたようだ。しかし、今回行われた基調講演では新端末は発表されず、OSの次期モデルと新サービスの発表のみとなった。ここでは、それら発表された新規コンテンツの解説と紹介をしていこう。

●モバイル関連の新情報総まとめ!

・anki drive
iOSデバイスを利用してAIを作成している会社ankiが、WWDC2013でその製品のデモを行った。製品は、シンプルなミニカーだが、これにはiOSとBluetoothで接続する機能を保持しており、iOSデバイスでシミュレートされたAIの思考を受信できるようになっている。iOSデバイスで走るAIプログラムには、レースを行う機能や、そのほかのミニカーと連携してフォーメーション走行をする機能なども備えられているという。また、レースの機能を使用すると、AIがコース上のベストなルートを選択したり、相手の車を邪魔しながら走行したりするという。この製品に関して、ankiのCEO“Boris Sofman”氏は「ビデオゲームで行われていたCPU同士のレースバトルを、リアルの世界に持ち出したといったイメージを持っていただけると理解しやすいかと思います。ただ、ユーザーの意思が反映されないので、ちょっとしたギャンブルになりますね」と冗談を交えて語っている。このAIを制御するアプリ『anki Drive』は、本日6月11日からリリース、AIの信号を受信できるミニカーは今秋にリリース予定とのこと。

・iWork for iCloud
アップルが提供するオフィスアプリ3種『Pages』、『Numbers』、『Keynote』のiCloud専用バージョン『iWork for iCloud』がリリースされることも明らかになった。現行のバージョンも、クラウド上にドキュメントを保存する機能が搭載されているため、iCloud専用というワードではいまいち連想しにくいかもしれないが、従来のアプリケーションとは大きな差が生まれている。というのも、『iWork for iCloud』は、その動作とドキュメントの保存をすべてクラウド上で行うというのだ。ドキュメントの新規作成や編集作業をWebブラウザ上で行い、作成されたドキュメントをそのままクラウド上に保存することで、これまで以上に早い速度での共有や保存が可能になるという。これは、Mac OS環境でなくとも、動作するアプリケーションで、Windows環境のWebブラウザGoogle Chrome上でも動作する。また、基調講演中にはiOSにも対応というフレーズが残されているが、ネイティブアプリとしてリリースされるのか、どういった扱いになるのかまでは言及されていない。こちらのアプリケーション(サービス?)は、今年の後半にユーザー向けベータ版をリリースする予定だという。

・iOS7
リーク情報にあった通り、基調講演の最後にはiOS7が発表された。iOS7での変更内容も、リーク情報通りで主にデザインの一新がなされている点が特徴だ。デザインが一新されるものは、ホーム画面やロック画面のインターフェイス、プリインストールアプリのアイコン、プリインストールアプリのインターフェイスだ。ロック画面は、従来のスワイプボタンから、画面全体を上へとスワイプされる形へと変更になり、各アプリの新インターフェイスは、白を基調とした透明感のある、シンプルなインターフェイスへと変更されるようだ。

iOS7にはデザインの変更のほか、新機能もいくつか追加されることが明らかになった。ひとつめの機能は、写真アプリの機能拡張。従来の写真アプリは、撮影したものが羅列されるばかりであったが、iOS7からの写真アプリでは、撮影した画像に日付とロケーションタグが付加され、それらをもとに自動ソーティングができるようになるという。簡単に述べると、撮影日時や撮影場所をキーワードに、画像をフォルダ分けし、検索性を高められるといった具合だ。また、このフォルダ分け機能を動かしている状態でピンチ操作を行うと、タグ付けする範囲の変更が行えるという。日付タグを例にあげると、1日単位でのフォルダ分けから、最大で年単位でのフォルダ分けへと、ピンチ操作のみで変更できるようになるということだ。

続いての機能は、Control Center機能。これまで、画面上部から下方向へとスワイプ操作を行うと、ノーティフィケーションセンターが表示される機能が搭載されていたが、これと同じように、画面下部から上方向へとスワイプ操作をすることで、“Control Center”と言う、特別なインターフェイスが表示されるようになる。“Control Center”には、機内モード、Wi-Fi通信、Bluetooth通信、フラッシュ点灯、端末の回転をオンオフするボタンや、画面の明るさを変更するスライドバー、ミュージックプレイヤーのコントロールパネルがコンパクトにまとまっている。つまり、“Control Center”を利用することで、設定アプリやミュージックプレイヤーアプリを起動させなくとも、ある程度の操作が可能になるということだ。

3つ目の機能は、マルチタスク機能。これに関してはまだ謎の多い部分があるので、分かっていることだけを記していこう。これまでのiOSにも、マルチタスク機能と呼ばれるものが搭載されていたが、これにはルールが設定されていた。そのルールとは、操作の履歴やアプリの状態を残しておけるのは、操作履歴の新しい数個のアプリのみであるというもの。そのため「このアプリの状態をずっと保持しておきたい」と思っても、操作履歴が後ろへと下がってしまうと、アプリの状態がリセットされてしまうという状況が発生していた。しかし、iOS7からは、状態を維持しておくアプリ、要するにマルチタスク化させておきたいアプリを、任意に設定できるようになったという。

4つ目の機能は、Webブラウザー『Safari』の機能変更。これまで、『Safari』はタブブラウザーという位置づけになっていたが、タブの作成上限が8つということもあり、そこに不満を感じていたユーザーも多くいたとのこと。そこで、iOS7からはタブの作成上限数を撤廃し、ユーザーが好きなだけタブを展開させられるようになったそうだ。また、スマートサーチフィールドという新たなインターフェイスが追加され、検索やブックマークの展開が、より簡単に、素早く行えるようになるそうだ。

5つ目の機能は、App Storeの仕様変更。これまでのAppStoreに加え、年齢、地理的状況というタブが追加される。年齢タブを利用すれば、ユーザーの年齢にあったアプリをユーザーに紹介してくれ、地理的状況タブを利用すれば、その時ユーザーがいる地理的状況。たとえば、ショッピングセンターにいた場合は、ショッピングセンターで役立つアプリを紹介してくれるようになるそうだ。なお、基調講演は英語での発表であったため、日本語版のタブ名はここで紹介したものと異なる可能性がある。

6つ目の機能は、“AirDrop“。これは、写真や動画、メッセージの新たな共有機能。任意のグループをあらかじめ設定しておけば、そこに写真やメッセージをドロップさせることで、一気にグループ加入者と情報が共有できるというもののようだ。

7つ目に紹介する新機能は、Siriの変更。これまでSiriは女性の音声のみとなっていたが、ユーザーの好みに合わせて男性の声にも変更できるようになるという。また、TwitterアプリやBing、Wikipediaとの連携も図れるようになり、Siriを通じてそれらの操作や利用ができるようになるそうだ。

最後に紹介する機能は“iTunes Radio”。これは、既存のミュージックプレイヤーアプリに追加される機能。シンプルな説明をすると、アップルやユーザーが“Station”と呼ばれるラジオ局のようなものを開設できるというもの。リスナーとなるユーザーは、これらの“Station”をめぐることで、新たな音楽と出会うチャンスを増やせるとのこと。また、一度訪問した“Station”や、そこで聞いた楽曲の履歴は、すべてiCloud上に保存され、そこから楽曲を購入することもできるという。なお、個人ユーザーが“Station”を開局する際は、そこに広告表示がなされるため、利用料金はかからない予定とのことだ。ちなみに、こちらのサービス・機能は米国から順次開始予定。日本でのサービス開始時期は未定である。

以上が、iOS7に関しての情報となる。開発者向けのiOS7ベータ版は、本日からリリース開始。ユーザーの手元に届くのは今秋予定とのことだ。

さて、これらがWWDC2013基調講演で発表された、モバイル関連の新情報となる。新しいインターフェイスやデザイン、新機能のイメージを掴みたいという人は、下に米アップルのホームページへのリンクを用意しておくので、そちらをクリックし、確認してみるといいだろう。

※米アップル公式サイト

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