【大塚角満の熱血パズドラ部!】第183回『タウロスデーモンにスポットを当てるコラム』

2013-05-27 17:27 投稿

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●タウロスデーモンにスポットを当てるコラム

世界樹・ユグドラシルの根本に広がる原生林の片隅で、タウロスデーモンタウ郎は今日もひとりで管を巻いていた。

「ちぇ……。どうせ今日も出番はないんだぜ……。あーヒマだあーヒマだ

パズドラ界に新鋭モンスターがドドドッと導入された昨今、見た目が小さく、能力もそこそこでしかないタウ郎にお呼びがかかることは滅多にない。人材交流の自由化はまことに結構なことだったが、タウ郎のような目立った力のないモンスターにとっては死活問題になりかねない。

「あーあ。今日も畑を耕して終わりかよ……。たまにはガツンと、大暴れしたいなあ」

ザクザクザク……と、手にした鋤(すき)で黒土を耕し、畝を作るために等間隔で盛り上げる。ユグドラシルの巨大な根っ子が張り巡らされたこの土地は水の保有率が高く、黒土は肥沃で栄養たっぷりだ。しかし、畑仕事を本業だとは思っていないタウ郎の表情は冴えない。どうしても、愚痴が口をつく。

「そもそも、俺がいつも鋤を持っているからといって、すぐに農作業をやらせるのもおかしいんだよ……。畑を耕すなら、鋤じゃなくて鍬(くわ)だろ。まったく……」

そんな、いまでこそ出番の少ないタウ郎であったが、かつてはそこそこの人気を誇る売れっ子モンスターのひとりであった。

「そうそう、昔は“振り向きざまのポーズがニヒルでかっこいい!”って女の子にキャアキャア言われたっけ……」

自然と頬が緩み、作ったばかりの畝を踏みつけながらブロマイドに載っているのと同じポーズを取る。「グギッ」と、腰の骨が鳴った。

しかし、栄華の日々は長くなく、気付けば閑職に追いやられていた。

あいつだよ……! あいつさえ現れなければ、俺はピンポイントで大活躍できるモンスターでいられたのに……!!」

タウ郎は、去年の夏に彗星のように現れた赤い顔のモンスターを思い出していた。それまで、最凶女神“ヘラ”に挑むときは、オロチタウ郎“ベストタッグ”と言われていたのに……。

「なんなんだよ、あいつの能力は……。体力二桁のくせに攻撃力が1700オーバーって……! しかも俺より、か、かわいいってチヤホヤされやがって……!!」

ベビーマッチプラスの躍進により、唯一の見せ場だったヘラ戦でもお呼びがかからなくなって、タウ郎は荒れるばかりだった。やめときゃいいのにインターネットで“べびーまっちぷらす”を検索し、その活躍っぷりを見ては余計なストレスを貯め込む毎日であった。

そんなある日。

いつものようにスカスカの鋤で畑を耕しながらスマホで“パズドラ最新ニュース”をチェックしていると、とある一文が東スポ並みのドデカ文字になってタウ郎の網膜に飛び込んできた。喜びのあまり、タウ郎は鋤で畝をグサグサと刺しまくる。そこには、こんなことが書かれていたのだ。

 “デーモンシリーズ、ついに進化!!”

「キターーーーーーーッ!!! 雌伏の時代、終了っ!!! デーモンの時代がやってきた!!!!」

そう、なんとバージョン4.4の配信に合せて、タウ郎を含むデーモンシリーズのモンスターがさらに進化することが発表されたのである。喜び勇んだタウ郎は速攻で進化するための素材を調べ、それが碧色の鬼神面×2、エメリット、ドラゴンフラワーだと知るとすぐにこれをとっ捕まえてバクバクと踊り食いにした。そして見事、“樹海獄・タウロスデーモン”に姿を変えたのである。タウ郎、より派手になった姿に狂喜乱舞だ。

「うおおおお!!! ち、力が腹の底から込み上げてくる!!! しかも、なんかピキューンっての先から光出てるし!! なにこれかっけえ!!! 超強そう!!!」

その日は1日中、「ピュキューンピキューン!」と言って鋤の先から緑の光を発射し続けたタウ郎であった。

しかし、喜んだのも束の間。せっかく進化したと言うのに、お呼びがかかる回数は以前と大差がないではないか。タウ郎、ジリジリと焦りながら悪態をつく。

「むむむ……! どうなっているんだ……。せっかくこんなに強そうになったというのに……。タウロスデビルの時代から数えたら、3段階も強くなっているんだぞ俺は……!!」

そう歯ぎしりするタウ郎の横を、やたらと騒がしい一団が通り過ぎていった。タウ郎、「ん? なんだあの派手な連中は。どこぞの店の、新装開店祝いか?」と思ってシゲシゲと眺めると、どうやらもとは御三家と呼ばれた連中らしいことがわかった。

「ティラノスにプレシィにブラキオス、あとプテラドスとデスピナス……。あいつら、あんなに目立つルックスしてたっけ?」

そこで「はっ!!」としたタウ郎、改めてバージョン4.4のニュースを読んで、自分たちが進化するのと同じタイミングで、御三家が“究極進化”してしまったことを知る。タウ郎、がくんと首をうなだれた。

「はは……。そうか……。もともと人気の御三家が、究極進化したのか……。ははは。じゃあ俺なんて、お呼びがかからないよな……」

ガックリしたままお正月を迎え、バレンタインデーも過ぎたころ--。

もう諦めかけていた出世の夢を蘇らせるニュースを目にして、タウ郎はひさしぶりにパタパタパタと飛び上がってしまった。その記事には、こんなことが書かれていたのである。

“新規に“悪魔タイプ”を追加!! 樹海獄・タウロスデーモンは撃タイプ+悪魔タイプに!!”

「キキキ、キタアアアアアア!!!!! 今度こそもらったぁあああああ!!! これで勝てる!!!! 俺の時代がやってきたのだ!!!!」

ところが--

(疲れたので、未完で終了)

◆◆◆

「大塚さん、今回の“エヴァコラボ”で手に入るモンスターって、攻撃タイプに影響するスキルばっかですよ! これはもしかしたら、俺が密かに育てていたタウロスデーモンの時代かもですねえ!」

豚肉とサツマイモの炒め物……という、ちょっとよくわかりませんネ的なランチをマズそうに突きながら、中目黒目黒がうれしそうに言った。確かに、今日から始まったエヴァコラボにより、にわかに攻撃タイプにスポットが当たっている。目黒、いつもよりもテンションが高めの声で続けた。

「せっかくなので、タウロスデーモンを持ち上げてやりたいですねえ。日陰の存在だったけど、ぼちぼち本気出していくよ! ってのを前面に押し出すような感じで……」

俺も、タウロスデーモンは長く所有しているので愛着がある。そこで、目黒の提案にコクンと頷いた。

「んじゃ、なんか書いてみるかなー。……ただし、どんな内容になっても文句言うなよ」
そうして書いたのが、上の小説(?)である。タウロスデーモンにスポットを当てることができたのかどうか、書いた本人もはなはだ疑問に感じるが、たまにはこういうのもいいだろうw

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大塚角満Twitterアカウント→@otsuka_kadoman

大塚角満(おおつか・かどまん)……週刊ファミ通、ファミ通コンテンツ企画部副編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズが2作品ある。現在、ファミ通.com上でブログ“大塚角満のゲームを読む”、“『ドラゴンズドグマ』で暮らす”、アメーバブログで“大塚角満のブログ”などを連載中
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