【大塚角満の熱血パズドラ部!】第180回『天才レアガチャネコの憂鬱』

2013-05-21 19:14 投稿

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●天才レアガチャネコの憂鬱

なんと今回で、熱血パズドラ部の連載は180回を突破!! 我ながらスゲえ……。よくぞこんなに長く続けられたものだ……。単行本にまとめたのが連載50回のあたりだから、そこからすでに130回も回数を積み重ねているってわけか。記念すべき200回を迎えたら何かできないかなぁ……と、おぼろげながら考え始めた今日このごろです。

さて、前回の続き。

神に背く一斉レアガチャ”を実行した2日後の土曜日。俺は自宅で目を覚ました。

時間は、午前7時。

いまだ、“休みの日だけ早く目が覚める”という小学生時代からの病(?)が治らずにいるので、この日もパッチリと目が明いた。

そしてやおら、枕元に転がっていたスマホを手に取り『パズドラ』を起動。真っ先に、魔法石の数を確認する。

2日前から、ひとつも増えていない。もしかしたら奇跡の細胞分裂で6個になっているのでは……という淡い期待もあったのだが(頭ダイジョブか)、そうそう思い通りにはいかないようだ。このままでは、午後3時から始まるゴッドフェスでレアガチャを回すことができないが……? しかし、俺は余裕の表情で「ふふん!」と笑った。

「魔法石が3個しかないのはわかっていたのだ。とは言え、たったの2個追加するだけでレアガチャを回すことができるのである! だったら、未クリアーダンジョンを攻略してかき集めればよろしい! ……未クリアーダンジョン、いつやるの!?

そこまで言って冷静になり、落ち着いた声で俺は続けた。「ま、いつでもいいんだけどナ」

しかし思い立ったが吉日。さっそく俺は、目星を付けていたダンジョンを攻略することにした。じつは『ケリ姫』のコラボダンジョンの“簡単なほう”は一度もプレイしていなかったので、これを瞬時にクリアーして1個目の魔法石をゲット。

俺、再び「ふふん!」と笑う。

「こういうこともあろうと、簡単なほうは残しておいたのだ。ふふふふふ」

ウソつくな! サボってただけだろ!! ……と、自分で突っ込んでおきます。

続けて、テクニカルダンジョン“ネレウスの入江”の“海神の使い”を突破。これもじつは先見の明で、ネレウスの入江の最終ダンジョンだけ残してサボ……じゃなかった、止めておいたのである。これにより簡単に、魔法石を5個にすることに成功!!(その後、さらに1個増えて6個になりました)

そして、運命の午後3時。待ちに待ったゴッドフェスが始まった。しかし、俺は1回こっきりしか回せないのでさすがに躊躇し、なかなかレアガチャルームに入ることができずにいた。

そこに、この日のために魔法石を20個以上も貯め込んでいた身内のHが現れた。彼女は俺の目の前に来るなり、

「私は回す! もう回すってことまで私は言う!!」

と、どこかで聞いたことのあるセリフをぶっ放し、「エイヤッ!」とレアガチャを起動させたではないか!! しかし、3回回して出てきたのは……。

・ビーストライダー
・フェリオ
・キューピッド

「あ……うっ……。…………もうダメ。立ち直れない…………」

言うなり、Hは青ざめた顔をして床に臥せってしまった(若干オーバー)。

こんな惨劇(?)を見せられたら、ますます自力で回すことなどできはしない。瞬時に、俺は思った。

これはもう、“アレ”をやるしかない……!

覚悟を決めた俺は、ターザンが像を呼ぶがごとく、バビル2世がロデムを呼ぶがごとく、ラオウが黒王を呼ぶがごとく(しつこい)、家じゅうに響きわたる声で叫んだ。

「ミュウ~~~~~~ッ!! ちょっと来い~~~~っ!!」

そう、禁断のネコ引き再び!! ってわけです。

俺の呼びかけが届いたのか、2階からトントントントンッ! という軽快なギャロップの音が聞こえたきた。ミュウが階段を下りてくる音だ。そして間もなく「ンナァ~~~!」というダミ声とともに、おなじみのレアガチャネコ、ミュウ様が現れた! どうやらいまのいままで俺の布団の上で寝ていたらしく、目がしょぼしょぼしている。そんなミュウは、「ヤツの膝の上で昼寝の続きをしよう」と思ったらしく、捕まえるまでもなく俺の膝に乗っかってきたではないか。こいつはまことに、都合がよろしい。いつも通り、されるがままのミュウの前脚をホールドした俺は、ネコ引きの体勢を作った。


▲非常に迷惑そうではある。

そして、ネコ神様に祈りを捧げる。

「御猫様~~~ッ!!! どうかお頼みします!! ヴァティーラーヴリトラか、はたまたインドラあたりをもたらしください~~~!!><」

今回のゴッドフェスで俺が狙っていたのは、上記のパールヴァティー、ラー、ヴリトラ、インドラ、ホルスあたり。もしもこの中のどれかが引ければ、100パーセントの大成功と言ってしまっていい。

「では、参ります……」

打ちひしがれたHが見守る中、俺はミュウの前脚をレアガチャのレバーにかけた。そして、「お願いしますっ!!!」の掛け声とともに、それを下に下げたのである!! そしたら……!

「ききき、金タマゴキタァァァァァァアアア!!!!!

俺とHは同時に大声を出した。さ、さすがレアガチャネコ……! 金タマゴは外さないってことか……!

しかし、問題はここからなのだ。金タマゴとは言え、中からライダーが出てきたら「失敗!」と言わざるを得ないのだから(ライダーごめんな)。ふたりと1匹が見守る中、タマゴから出てきたのは……!!!


ブリブリ~~~~~ン

俺は轟いた。

「ヴヴヴ、ヴリトラきたあああああああああ!!!! さ、さすがネコ引きっ!!! さすがミュウ様ッ!!!!!」

Hが、血反吐を吐くような声で嘆いた。

「うそーーーーーーっ!!! またぁ!!? 私もミュウにやってもらえばよかったぁぁぁ!!!><」

レアガチャでの連勝街道を驀進するミュウに、我々はつぎの称号を与えて崇め奉っている

“天才レアガチャネコ”

つぎのゴッドフェスでも、どうぞよろしくお願いしますにゃ。
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大塚角満Twitterアカウント→@otsuka_kadoman

大塚角満(おおつか・かどまん)……週刊ファミ通、ファミ通コンテンツ企画部副編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズが2作品ある。現在、ファミ通.com上でブログ“大塚角満のゲームを読む”、“『ドラゴンズドグマ』で暮らす”、アメーバブログで“大塚角満のブログ”などを連載中
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■書名:大塚角満の熱血パズドラ部
■価格:998円[税込]
■体裁:モノクロ272ページ

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ジャンルRPG/パズル
メーカーガンホー・オンライン・エンターテイメント
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