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【大塚角満の熱血パズドラ部!】第96回『エピローグへのプロローグ』

2012-11-16 18:53 投稿

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●エピローグへのプロローグ

「いつか絶対に、こいつを倒したい!!」

俺が『パズドラ』を始めた当初から、彼女は“最凶”であり、“最強”のモンスターだった。当時、“地獄級”にランク付けられたダンジョンはそこにしかなかったので、自然、その最奥に収まるボスモンスターは“パズドラ界最強”の冠を戴けたわけだが、そんな単純なものではなく、彼女のたたずまいそのものが最強の名にふさわしいものだった。

そのモンスターの存在を知ったのは、プレイを始めてからひと月ほどが経ったころだろうか。ふだん冷静な攻略担当のハイネ鳥居が、「大塚さん、現時点で最難関のダンジョンが来ましたよ!」と若干興奮しながら教えてくれたのが、件のモンスターがいる地獄級ダンジョンだったのだ。鳥居が指し示す画面には、こんな文字が書かれていた。

 ~ヘラ降臨!(地獄級) 暗黒の女神~

百戦錬磨の鳥居が「最難関」というのだから、それはそれはキツいダンジョンなのだろう。しかし、当時まだ30くらいのランクをウロウロしていた俺にはあまりにも浮世離れした存在で、驚きも感動もなかったのを覚えている。

「ふーん。あっそ」

そんな、つれない反応を返したのではなかったか。

しかし、俺の無感動な様子に憤慨したのか、鳥居は「じゃあ、これを見てくださいよ」と言って、あるモンスターを画面に出して見せた。

俺、驚きのあまり血がにじむほど目を見開き、その画像に釘付けとなる。すっかり弱くなった毛根から数本の頭髪が抜けるのを自覚しながら、俺は震える声でつぶやいた。

「ななな、なにこのコ……。……超かっちょいいんですけど!! ほかのモンスターと比べて、存在感がぜんぜん違う……! 圧倒的……!!」

そして、涙混じりの声で叫びだす。

「……欲しい!! このコが欲しい!!! よーしやる!! いますぐこのダンジョンに潜ってタマゴ取ってくる!!!!」

コーフンしまくる俺の様子に満足したのか、鳥居は「フフン」と鼻で笑い、しかしすぐに冷静な顔に戻ってこんなことを言ったのだ。

「気持ちはわかりますが、大塚さん。はっきり言います。無理です。この暗黒の女神だけは、そんじょそこらのパーティーでは絶対にクリアーできないんです」

俺、ピタリと動きを止めて鳥居を見つめた。そして、激しく問いかける。

「え……。じゃ、じゃあどうすりゃいいの? こんなにあのコが欲しいのに! この気持ちのやりどころは!? どうしろってんだ!!」

悲しそうな表情で、鳥居は小さくつぶやいた。

「“あのモンスター”が手に入れば、あるいは……。……いや、なんでもないです。とにかくいまはヘラのことは忘れて、パーティーを強くすることに精進してください」

大好きなコを目の前にして、近づくことも、話しかけることも禁じられてしまった男の悲しさたるやなかったが、それでも俺は鳥居の言いつけを守り、

「あのダンジョンは恐ええだ……。おっかねえところだ!! 近付いちゃなんねえ!!」

と自分に命じ、以降、幾度となくやってくるヘラを敢然と無視して、自分のポテンシャルアップに精を出していたのであった。

その禁を破ったのが、単行本『熱血パズドラ部』の編集が始まったときだ。書き下ろしで何かしらのプレイ日記を盛り込めないかな……と編集担当の中目黒目黒と話していたとき、ちょうどスペシャルダンジョンにヘラがやってきていたのを見て、ついついこう言ってしまったのだ。

「……なあ、俺がヘラを倒したら、書き下ろしとしては最高じゃね?」

そりゃあ最高だ。最高に決まってる。聞いた目黒の反応は“腹を抱えて笑い出す”という失礼極まりないものだったが、勝つにしろ負けるにしろ、パズドラ界の最高ブランドたるヘラとのエピソードを盛り込めるとなったら、十分な箔付けになる。

「ぷぷぷっ!!! いいっすね!!ww 天地がひっくり返っても無理だと思いますけど、でもいいっすね!!www」

笑いながら首肯する目黒の顔を見て、俺は(絶対に倒してやる!! 目にモノ見せてやんぞ!!!)と誓ったのだった。

……で、どうなったのかについては単行本の書き下ろしプレイ日記を読んでほしいのだが、まあ皆さんの想像通りの結果になったのよ(苦笑)。ヘラどころか、ザコにすらも及ばず、あまりにも届かずという惨憺たるもので、俺はそれまでの歩みを全否定されたような気にすらなった。

それから2ヵ月ほどのあいだ、俺は生ける屍のようになってポケーッと日々を過ごしていたのだが、我らが無課金プレイヤーの光の道・T神から、「“ゾンビパーティー”でヘラに挑んだら、ノーコンティニューでクリアーできましたよ!!」との一報をもらい、「なにィ!!」と翼くんのように叫んで一気に復活する。そしてせっせとゾンビ候補のモンスターを集め、

「今度こそ倒す!!! 男子三日会わざれば括目して見ろよコンニャロ!!」

と訳のわからないことを叫んで再度ヘラに挑んだのだ。そのときの模様が、第87回“ゾンビ軍団、ヘラ(?)に挑む!”というコラムに収められている。……まあこちらも、読めばわかる通り惨敗を喫したわけだが、1回目のときのように、女にフラれて魂が抜けてしまった百人乗っても稲葉のような状態にはならなかった。それどころか、

「もしかしたら、イケるかも……!!」

という手応えすら感じて、その後のパズドラ人生に新たな道筋をつけてくれたのである。

そして、11月9日--。

スペシャルダンジョンに、再びヘラが現れた。この日のために俺は、ほかの作業には見向きもせず、“対ヘラ用パーティー”の爪を研ぐことに集中していた。絶対に今日、暗黒の女神との決着をつけるんだ!!!

ボロボロにされたことの憎しみは消え、研鑽の日々の充実もあってか、いまや俺はヘラに“憧れ”の感情すら抱いている。今度こそ最奥に控える憧れの君のもとにたどり着き、拳を交えてやるんだ!

 俺の、“最後の戦い”が始まる--。

次回に続く!

■書名:大塚角満の熱血パズドラ部
■発売:2012年9月20日
■価格:998円[税込]
■体裁:モノクロ272ページ

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大塚角満(おおつか・かどまん)……週刊ファミ通、ファミ通コンテンツ企画部副編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズが2作品ある。現在、ファミ通.com上でブログ“大塚角満のゲームを読む”、“『ドラゴンズドグマ』で暮らす”、アメーバブログで“大塚角満のブログ”などを連載中
※ゲームを“読む!”はこちら
※大塚角満のブログ (Ameba)

 

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